1.ゲスト挨拶 石破茂防衛庁長官
《桜井さん(司会)》
私たちはけ・っ・し・てここにいない人たちを忘れることはありません。
このことは私たち国民の代表であります政治家にもそのことを忘れては頂きたくないと思います。
(そうだ~!よ~し!などの掛け声、大きな拍手)
この会場には、今まで拉致問題の解決に力を尽くしてくださった多くの政治家の皆様方がいらしています。
まず現職の防衛庁長官、石破茂さんにご挨拶を頂きたいと思います。(拍手)
石破さんは防衛庁長官になられる前まで拉致議連の会長をしておられました。
家族にとっても多くの力を頂きました。石破さんお願いします。(拍手)
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《石破茂防衛庁長官挨拶》
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石原都知事そしてまた多くの国会議員の先生方がご臨席いただいております。前に(拉致議連の)会長を務めていたという事で先にご挨拶をさせていただきます。失礼をお許しいただきたいと思います。
昨年の9月にやっぱりこういった会合をやりました。もっともっと小さな会場でした。一年たって『ほんとに努力というものは実るものだ。誠意というものは報われることがあるものだ。』というそういう思いを新たにしておるところでございます。 (大きな拍手)
(拍手の中)多くの方のご尽力に心から厚く御礼を申し上げます。(拍手)
9月17日、小泉総理が訪朝なさった日、覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、ほんとに雨の降る日でございました。強い雨の降る中、私たちは総理がいい知らせを持って帰ってきてくださる、そういう思いで家族のみなさま、家族会のみなさん、議連の同士のみなさん方と待ち焦がれておりました。外務省の飯倉公館に場所を移しまして届いた知らせというのは余りにも残酷なものでした。私は恥ずかしいのですが私自身余りのショックに言葉もでなかった。
(周りからすすり泣きの声)
ありありと覚えていますがその話を一家族(ひとかぞく)一家族に外務省が説明をした。横田ご夫妻は、奥様の、お母さんの早紀江さんは、『私は絶対信じない』ということをきっぱりいわれた。私は本当にあれに勝る感動というものを受けた事はありません。
そして大事なことは日本国政府と国民と家族とこれから心をひとつにすることだと思っています。(拍手)家族会のみなさんと、そして帰ってこられた方々、国民、日本国政府、その思いがひとつになることがこの拉致問題を解決し大きな喜びを迎えるための最も大事なことだと私は思っております。(大きな拍手)
本日は政府から安倍官房副長官、あるいは米田内閣副大臣同士の方々がおいでになっております。
私たちは政府の中にあって国民の気持ち、家族の気持ち、そしてその政府が一体になり最大限の努力を今後してまいる所存であります。(拍手) したがいまして私たちは『テロにはけっして屈しない』『脅しにはけっして屈しない』 (拍手)この体質がなければなりません。
(わきあがる長い拍手、掛け声が会場あちこちから)
体質だけではなくこの拉致問題に我々取り組むにあたって『主権国家とはなにか』『国家とは何か』これが問いかけられているのだと思います。(拍手)
(拍手のを断ち切るように言葉を早めて)私たちはけっして脅しに屈することがないように、そういうような国の形成を行っていきたい。そして日本国、そして合衆国、韓国、そして多くの国々が一致してこの問題に取り組むようにと思っています。
去年の今ごろは、私たちは政府にお願いしてもなかなかやっていただけないので、この拉致問題を解説した英語のパンフレットを議連が自費で作りました。それをもって世界中を回りました。そして国連人権委員会にも訴えました。去年、たった一年前です。たった一年前には、それを訴えても誰も聞いてくれなかった。しかしこの一年間で国連の人権委員会でこれをもう一回審議しましょうというところまできたんです。
(力強く)努力をすれは、必ず実る。(拍手) 一年後に全員帰国という実りとして報われるように私どもとしても最善の努力をしていきたいと思います。我々の願いがほんとうに実る、日本国が国家として、再び大きく羽ばたいて行くその日まで、私達もみなさまとともに、努力したいと存じます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。(拍手)
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《桜井さん(司会)》
ありがとうございます。日本国が国家としてこの拉致に取り組むという力強いお言葉を頂きました。おおいに期待をしたいと思います。
力強いことばに会場は熱気を帯びてきた。掛け声も大きくなり身を乗り出して聞く人もいた。
3F席最後部は、やはり見難いらしく、2F席前の階段に来て、そこに座って見る人も随分いた。
桜井さんは最後のコメントをまるで会場とともにこの発言を確認し記憶するように言った。
2.ゲスト挨拶 石原慎太郎都知事
《櫻井さん(司会)》
拉致はまぎれもなくテロであるとはっきりと仰っている都知事の石原慎太郎さんおいでいただきました。
(われるような拍手)
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《石原慎太郎都知事挨拶》
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石原でございます。あの、私たちは昨年ある2つの出来事をきっかけに敗戦以来忘れていたものをようやく自分自身のものとして取り戻します。
それは、自分がまぎれもなく日本人という民族に属していること一員であるということ、それからまぎれもなく日本という国家社会に属している一員であるということですね。私たちはまずそれを最初に日本で催されたワールドカップで感じましたね。やっぱりとにかく我れを忘れて日本に声援を送らざるを得なくなった。あのときの心境というのはもう理屈を超えたやっぱり一番根源的なものだったと思います。
そして、この拉致事件なるものが正式にクローズアップされる、政治的問題として社会的にも登録された時に、帰還された5人の方々、そしてそれを待ちわび続けたですねご家族の方、そしてなお行方知れずの自分の肉親を思って余りある家族の方々のおかげで『これは大変なことなんだ。自分は同じ日本人なんだ。同じ日本人がこういう目に遭ったんだ。』ということを私たちはまぁ痛感しました。これはとっても大切な事なんだと思います。(拍手)
私たちはやはり日本の風土の中で同じ伝統ある文化の中ではぐぐまれて、共通の情念なり、感性というものを育てて日本人として形成されてきた、そういうことを相対的世界の中での立場というものを私たちが認識したということは非常に大切なことだと思う。
私はこの事件を私なりに考えてまいりましたし24年国会にいました間にも、外務委員会でも質問を相当しました。そのたんびにはずされてました。まぁ国会で質問してもどうなるものでもなかったんですがそういう苦い経験もしました。まぁある時点で決心をして『日本というのは去勢された考えの国なのだ』いうことばを残しまして国会を後にすることにしたのですが。(拍手)
今でも覚えていますが、日本でも上映されましたが、昔みなさんも知ってると思うが『風とライオン』という映画がありました。日本に戦争を布告したフランクリン・ルーズベルトの叔父さんのセオドア・ルーズベルトが大統領をやっていた時、アフリカを旅行していたアメリカ人の中学校の先生、女の先生です。子供連れだったんですけども、誘拐されましてモロッコのシークの大酋長のハーレムに入れられたんですね。それを知ったルーズベルトは即座に軍艦を送ってですね、大砲の火蓋をきって戦争をしかけた。そしてこの自分の同朋を取り戻した。
(断言するように)私はこれが、やはり国家だと思います。
(大きな賛同の声、拍手)
国民の生命と財産を国家の権利責任において守るという事が国家の大原則だと思いますがそれを果たせない今日の日本の政府に、ほんとにこの政治家のひとりとして恥ずかしい思いが改めていたします。でも、私たちはいろんな力があるし可能性がある。それをですね相手に向かって誇示をすることでほんとの外交が進展していくと思います。この点で私は、なんで日本がこの事態になお、積極的に言ってみれば(きっぱりとした口調)報復を考えないのかわからない。
(大きな拍手)
先日、ワシントンポストのインタビューを受けまして、今日言ってることとおんなじことを言いましたら、それがアメリカの新聞に載った瞬間にですね、北朝鮮は非常にヒステリックに反応してまして、私は日本の新聞にはいつも言ってることなんですが、アメリカの新聞にそれが載ったら非常にヒステリックに反応して、『石原のような病的な戦争論者、愛好者のような政治家を戴いているのは日本人の恥だ』というような論評が向こうの新聞に載りまして、これもまぁ外国の新聞記者から教えられましたが。それくらいですね、日本は舐められている。やっぱり欧米の論調というものをあの国は気にせざるをえない。
ならばなんで私たちはせめて(義憤に満ちて)日本は経済的な報復を、経済制裁というものをしないのか、私にはわからない。
(大きな拍手 掛け声)
具体的な事案はたくさんあります。私の個人事務所のすぐ前に大阪経済法律大学というまことにわけのわからない-大阪に本拠があるようですが-大学がある10階だての建物ですが、だれも住んでいない。これは北朝鮮系のですね学校のようですけど資産としてそのビルを構えているけれども、大学並に固定資産税も地方税も払っておりません。この他ですね、美濃部時代に-あの人は社会主義と自由主義が戦争をして完全に社会主義に自由主義が負けたと言って金日成に最敬礼した人ですけど-この時代に北朝鮮系のいろいろな施設にもこれを在外公館並に扱って無税にしました。これは非常におかしな話で、昨年から調査しましてこれには私は東京都の責任で課税をしてまいります 。
(われんばかりの拍手)(がんばれ~、やれ~の声)
大事なことはですね、具・体・的に、具・体・的に一つずつ事を重ねていかないと、絶対動かないんです。怒りの言葉、哀しみのことばはいくらでも出てくるでしょうが、それだけではやはり相手は絶対に動かない。私はやはり、政治家の責任として政治的に具体的に事をこうじて、これを積み重ねていくことではっきり日本の国家としての日本人の民族としての意識と意思というものを相手に伝えない限り(決然と強い口調)私たちの失われた同胞は帰ってこないと私は思っています。
(拍手、そうだ~の声)
東京は東京の責任でやってまいります。国は国の責任でやってもらいたい。
(大きな拍手)
米を送れば失った被害者が帰ってくるなどと言ったバカな外務大臣がいたが、そういう政策をしても誰も帰ってこないのはみなさんよく承知しているはずだ。(拍手)
やっぱり私たちは同朋を取り戻すために、積・極・的に、具・体・的に事を重ねていくという、その施策というものを国民が支持してくださらなかったら、これはですね政治家、政治は動かない。
(はっきりと)東京は東京の責任で一生懸命でやります。
(大きな拍手)
私はたくさん方々がこの問題で集まられたのを見て、なんか残念なことに戦後50年日本が失ってしまった『垂直の倫理』立場、年代、世代を越えたですね、人間が人間として持ち続けていかなくてはならない心遣いを含めたですね、人間の垂直な出会いとか世代を越えた原理、倫理とかがまだやっぱり日本人に残っているなぁと思った。
頑張ってください。 (うずまく拍手)
【 桜井さん(司会)】
ありがとうございました。非常に勇気づけられる石原都知事のことばでした。
前半は緩やかに、後半になると早口でたたみ込むように強い口調で、石原氏は話しました。
会場は一気に熱気を帯び、感動で涙を流す人、声援の声を上げる人、かけ声をかける人が多くいました。
きっぱりと東京は具体策を実施すると明言したのです。
会場にいた人たちは強い感動を思い出してください。
いなかった人はこれを読みとってください。
国の無策を憂えるこの訴えに、政府はどう答えるのでしょうか。
国も積極的に具体的に動くべきです。
3.ゲスト挨拶 安倍晋三官房副長官
《櫻井さん(司会)》
拉致被害者のみなさまがたがきわめて強い信頼を寄せてる政府関係者が安倍晋三官房副長官でいらっしゃいます。ご挨拶をお願いします。(長いおおきな拍手)
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《安倍晋三官房副長官挨拶》
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皆さんこんばんは。(会場から声をそろえて『こんばんは』の声)
ご紹介いただきました安倍晋三でございます。本日のこの国民大集会の開催にあたりましてこの家族会の皆様、救う会の皆様、多くの関係者ボランティアの皆さんに本当に心から敬意を表したいとこういう風に思います。そしてまた海を渡って参加していただいた韓国の拉致被害者のみなさんにも心から感謝申し上げたい。(拍手)
昨年の9/17日小泉総理とともに訪朝いたしました。東京におられた石破長官とともに私も北朝側からの報告を聞いて私もことばを失ったわけでございます。
しかしその結果10/15日、5人の拉致被害者の方々は24年ぶりに日本の土を踏むことができた訳でございます。これは本当に24年間、こどもたちを、兄弟たちを、生活を犠牲にして、仕事を犠牲にして一生懸命探しつづけたご家族の皆様の家族の絆、愛情として家族同士の団結の結果でございます。本当にそう思うのであります。(拍手)
24年間、本当に長い年月であります。何故もっと早くこうした糸口を見つけることができなかったのか、我々政府としても是非とも考えなくてはならない点が多々あると思います。
そしてまた石原都知事が、石破長官が仰った通り、『日本は国家としてどうあるべきか』本当にそのことを考えました。(拍手)
しかし、今一番大切なことは5人の被害者の方の家族を、子供達をその両親のもとに、母親のもとに取り戻すことあります。(拍手)そして、北朝鮮によって『死んだ』といわれている8人の方々、『行方不明』といわれている2名の方々のの安否を私たちが納得する形で私たち自身でその安否を確認することです。
(大きな拍手)
私と総理はこの原則を変える事はありません。(拍手)
拉致問題の解決によく落としどころということをいう人がありますが、『拉致問題自体にに落としどころはない』わけでございます。
(『そうだ!』の大きな声、拍手)
我々、日本政府はけっして日本人を見捨てません。
そして又、『もしかしたら私の家族も』と捜索の申請をだされた方もたくさんおられるわけでございます。そういった方々の捜索も我々責任を持って、徹底して捜索を行っていきたいのです。そう考えているところであります。(拍手)
私は蓮池薫さんと大体同年代でございます。蓮池薫さんにおこったことは私におこったかも知れないのであります。同じ日本人におこったかもしれないのであります。
(『そのとおり』と大きな声)
この問題は、単なる誘拐とかそうした事件とは違う問題なのです。この問題は、国家の安全保障上の問題なのである、そう考えております。(拍手)
我々はこの国を守る、日本人の生命と財産を守る大きな責任があるわけであります。
『国家としてこの問題を必ず解決をしていく』そういう決意を示すことが今の日本には大切じゃないだろうかそのように思う次第でございます。 (大きな拍手)
本日本当に多くの皆様にこの会場にご参集いただきました。
このみなさんの声は、この声は北朝鮮の指導者の耳に必ず届きます。
そして、今必ずまだ北朝鮮に残っている全ての方々にも届く、私はそう信じている。
我々は、拉致問題は必ず解決をするという結果をだすためにその責任を果たしていきたいとそう思っています。
大切なことは『国民のみなさんと我々政府、全ての日本人の声をひとつにしていくこと』だと思います。ひとつ、今後ともよろしくお願いいたします。
(拍手)
【 櫻井さん(司会)】
日本政府はひとりの国民も見捨てない。拉致問題は、日本国の安全保障上の問題であると言いきってくださった安倍官房副長官、私たちはそれが具体的に示されていった時に更なる全幅の信頼を安倍さんに寄せたいと思います。期待したいと思います。
家族の信頼を政府関係者としてこれからもしっかり受け止めて、具体的な形で実行していってほしいものです。
会場は、なにか連帯感のようなものが生まれ、掛け声や挨拶も自然にそろってきました。全体の気持ちが繋がっていくのを実感しました。
4.ゲスト挨拶 中山恭子官房参与
《櫻井さん(司会)》
拉致被害者のみなさまが帰ってきて本当に頼りにしているのは中山恭子官房参与でいらっしゃいます。本当にやさしいお人柄ながら、非常にしっかりしたサポートをみなさんに与えてくださっています。中山さん、お願いいたします。(拍手)
(『ごくろうさま~』と女性の大きな掛け声、会場、軽い笑いと拍手)
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《中山恭子官房参与挨拶》
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みなさまこんばんは。(いつもの柔らかい口調)今夜この第五回国民大集会にこのようにたくさんの方々がご参集くださいまして大変ありがたく思っています。大変心強く思っております。ありがとうございます。
(大きな拍手)
今まで、拉致被害者の方々が、そしてご家族の方々が二十数年間苦しんできたことを思えば、私どももできる限りのことをしなければならないと考えております。ここにご参集なさったみなさまも同じ考えだとおもいますが。(拍手)
私たちの仲間が拉致され、他の国に連れて行かれ音信不通になってしまっている、そのような時期が二十数年間続いてしまっているということは、決して許されない事だと考えております。(拍手)
なかなか思うように事が進まない状況ではございますけれど、日本の中の人々が心をひとつにして、あらゆる機会をつかい、国際社会にも訴え、日本自身としてできうるあらゆることを、なしうる全ての事をおこなって、被害者の方々--北朝鮮にいる方々--がもう一度母国日本の土を踏めるように、みんなが元気で帰国できますように、又、ご家族の方々--母国を知らない若い方々がいるかも知れません--その方々がもう一度自分の国の土を踏めますように、みんなが元気で帰ってこれますように、それまで一生懸命努力していきたいと考えております。
(大きな拍手)
どうぞこれからもみなさまのご支援をお願いいたします。
みなさまのご支援なくしてはこの問題は解決に向かって進まないことと思います。
どうぞ最後まで見守り、なしうることをしてご支援くださいますように心からお願いいたします。
私どもも努力して参ります。よろしくお願いいたします。
(感謝と励ましの拍手)
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《櫻井さん(司会)》
中山参与はウズペキスタンからこの会のために急きょ戻ってくださいました。
ほんとうにありがとうございました。
◆会場にいると、中山さんの笑顔がどんなに拉致被害者と家族の力になっているかが伝わってきました。
被害者と家族の中山さんをじっと見つめる目に深い信頼を感じたからです。是非これからも頑張っていただきたいと思いました。
会場全体も、石破氏、石原氏の力強い挨拶の時とは違って、少し緊張から開放され優しい雰囲気になりました。
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