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2004年9月17日 (金)

経済制裁発動を要求する緊急国民集会(11)

11 拉致被害者ご家族の訴え

 櫻井よしこさん司会

さて、家族会の方々は自分たちの子供が政府に認定されていながら、まだ救い出すことが出来ない。そこで7家族23人のご家族の皆々様特定失踪者のご家族みなさまと同様に本当に辛い想いをして参りました。その家族会を代表致しまして今回は女性3人にご挨拶をお願いしたいと思います。まず市川修一さんのおねいさんでいらっしゃいます市川龍子さんにお願い致します。

 ◆市川龍子さんの訴え  
みなさま、こんばんは。こんなにたくさんの方たちが集まってくださいまして、本当に嬉しく思います。市川の義理の姉にあたります。拉致されて27年

どこに我が子がいるのかと 捜しましたよこの母は
すがる術ないしがらみで 涙こらえる忍冬(すいかづら
星もいてつく雪山に 母はひな鳥捨て置かぬ
腹を痛めた可愛い子を 命かけても連れ戻す
千里万里はいとわない 可愛い我が子に会えるなら
親子絆の赤い糸 手繰り続ける歯がゆさよ
これが地獄と言えぬなら 他に地獄がありますか
生きて子どもが帰るまで 望み捨てずに春を待つ    

両親は、待って待って待ち焦がれて27年、齢(よわい)90を迎えています。何とかしてこの両親に、弟修一を抱かせてやりたい。その一心で闘っておりますが、わが子の再会を果たせず、無念の涙で逝ってしまった増元正一さん、地村保志さんのお母さん、二の舞はさせたくないです。私は絶対に両親のところに弟修一を取り戻すしてみせます。そのことを思うと、本当に私たち家族には時間がありません。

小泉総理が5月22日、再訪朝しました。10人の未帰還者、また100人以上とも言われます特定失踪者の救出のための道筋を作ってくれるものと、本当に期待して待っておりました。しかし何の進展もありません。

被害者の国が加害者の国に対して食糧支援の約束と経済制裁発動はしないとあっさりと言われたことに、私たち拉致被害者家族はもう、愕然としました。(拍手)日本は、北朝鮮から主権侵害、人権侵害を犯され続けているんです。何故、毅然とした交渉ができないのでしょうか。不思議でなりません。

金正日が日本人拉致を指令して、また自国民に対しても恐怖を与えて、食料の配給もせず餓死され続けています。200万人、300万人とも言われています。極悪の独裁者です。この独裁者に対して、一言も発せず、一話も給わず、それでいてあれこれと正義ぶり善人ぶって悪人に手を貸しその者は共犯者と言っても過言ではないでしょうか。(大きな拍手)

政府は、不誠実な北朝鮮に対して経済制裁を一刻も早く発動して、一日も早く拉致された日本人全員を奪還していただきたいです。あの国を退治するのは経済制裁しかないんです。そして助けていただくのは国民の皆さんの声しかありません。(拍手)

皆さん、この拉致問題にいっそうの関心を持ち続けてください。そしてもう一度怒りの声を挙げてください。そして共に闘ってください。そして全員を救い出してください。お願い致します。(大きな拍手)

 ◆櫻井よしこさん司会
市川龍子さん、ありがとうございました。
有本恵子さんのお母様、嘉代子さん、お願い致します。

 ◆有本嘉代子さん訴え
皆さん、こんばんは。神戸から参りました有本恵子の母でございます。
本当にこの問題は長く続いております。本当に一昨年9月17日、総理が行かれまして(第一回訪朝)、今も思い出しているんですけど、今頃はほんとにもう、どうしようかしら、16年一生懸命に動いてきましたのに、何にもならなかったなあ、残念だなあという気持ちで、一晩眠れない夜を9月17日は過ごしました。(2年前のこと)でも、これは色々考えまして、非常におかしな話だということで、私たちは、もう今は、子どもたちは元気でおると信じております。(拍手)

今、本当に感激で胸がいっぱいです。あの年の有楽町国際フォーラム(2003年5月9日)で、たくさんの人が来てくださって、緞帳が上がる時、本当に胸がいっぱいになってものが言えなかったです。それと今も、同じ感じです。本当にありがとうございます。やはり本来の日本人に返ったなと、私は思いました。この拉致問題は、日本人を、元の日本人に返したな、と私は思っております。(拍手)

先ほど横田さんが仰いましたように、私たちジュネーブに行きました時に、あのデメロさんとお会いしました。その時に、第一番に仰ったのが「私の息子だったらどうしただろうな」とおっしゃったんです。そういうように自分の子どもだったらというように皆さんが思ってくださって、これに交渉してくださる方がそう思って『どうしたら、取り返せるかな』というような気持ちで(交渉に)あたってくださったら、何とかいい知恵が浮かぶと思うんです。あの時に横田めぐみさんのお母さんは、本(【めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる】)を渡されたんです。その時に、『私はこの本を目と心で読みます』と仰いました。その言われたことが、私は今も頭の中にきっちりと残っております。

とにかくこの問題は、皆さまの世論が盛り上がらないと、やはり政府は動いてくれないと思っております。(拍手)どうするかわかりませんけれども、今、市川さんがおっしゃったようにとにかく親たちが高齢化してきますもんで、段々と体が弱るのを感じて参ります。いつまでこの運動を続けられるかなあという気持ちでいつも動いておりますけれども、皆さんが道で会った時に『有本さんですね。がんばってくださいよ。私たちは一生懸命見てますからね。』っておっしゃってくださることが、本当に心の支えになっております。(拍手)

とにかくもう私たちは、一生懸命にこれに取り組んでいくつもりでおります。各皆さまのご支援が何よりの助けだと思います。子どもたちが今、安倍先生がおっしゃったように、北の国できっと待っていると思います。5人の方が帰れた。それで家族の方も帰れた。『私たちは次じゃないかな。いつ迎えが来てくれるかな』という気持ちで、子どもたちが待っていると思います。(拍手)

(不明)~たびに、必ず娘が帰るまで、皆さまと一緒に、帰るまで、最後まで、とにかく私たち15人だけではなくて皆さん特定失踪者の方、何百人ともわからない方、全部これ日本の国民なんです。この人たちが全部帰ってこないと拉致問題は解決しないと思います。(拍手)北に対して経済制裁するより他に道はない、と私は思っております。

子どもたちが帰るまで、皆さまがこれに関心を持ち続けていただきますよう、よろしくお願い致します。ありがとうございました。(大きな拍手)

 ◆櫻井よしこさん司会
有本さんありがとうございました。
次に、横田めぐみさんのお母様横田早紀江さんにお願いします。

 ◆横田早紀江さん 訴え  
いつもたくさんのご支援をいただきまして、ありがとうございます。
そして今日は本当にものすごいたくさんの方が、道路にまであふれて集まってくださったことを、本当にありがたく思っております。(拍手)『めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる』と、私は何年か前の講演会の舞台で絶叫いたしましたけれども、今まだめぐみを助けてあげることができません。

すぐ近くに、あんなに近いところにいる、2時間少しで行けるような場所にいる、そしてあんなに元気な孫がキム・へギョンちゃんという孫が、あちらで誕生しておりました。めぐみが北朝鮮に連れて行かれたということ自体が、考えられないような物語のようなことでありましたのに、またあんなに元気な女の子が私によく似ていると言われますけれども、本当にびっくりするほどよく似ているなぁと思う、あんな元気な女の子がテレビに映った時には、もう本当に腰が抜けるような思いで見ておりました。

そして、いのちの不思議さというものを感じさせられております。めぐみには何も母親らしいことも教えてあげることが出来なくて突然、あのような船に、船の底に放り込まれて、北朝鮮に連れて行かれたと言われています。どんなに恐ろしく、悲しく、何で私がこんな目に遭わなければならないんだろうと、毎日泣き叫んでいたに違いないと思っています。

そして、結婚をして赤ちゃんを産んで、どんなふうに育てていいのかわからない。お母さんは何も教えてくれなかった。けれども、双子の弟を育てていたお母さんのことを思いながらああいうふうに、哺乳瓶であげるんだろうか、その時は、ああやっておしめを取り替えていたと断片的に思い出しながら、一生懸命に育ててきていたのが、あのへギョンちゃんなんだなぁと私は見ていました。

さっきここにお立ちになりました耕一郎さんも、小さな赤ちゃんの時にお母さんが連れ去られました。まだお母さんのことをほんとに知らない耕一郎さんが、八重子さんのお兄さんである飯塚さんご夫妻の本当に温かい人間らしい愛に育てられてこんなに立派な青年に成長なさいました。

私たちは苦しい中でありますけれども、本当に命の輝きを大事にしたいと、一生懸命に育ててきました。そして今日本の中で、本当に悲しい、恐ろしい、虐待とか殺人、かわいい子どもがあんなにして川に投げ込まれてしまう、恐ろしい、お友だちをあっという間に殺してしまう、というような人命をないがしろにした事件が、本当に多くありますけれども。

本当に、今私たちここに生きている日本の大人たちが、若い子どもたちに残していかなければいけないことは何でしょうか。地位でも名誉でも金銭でもありません。それは今、ここに突きつけられている他国の犯罪によってたくさんの若者たちが、日本の国のあちこちから無差別に不条理に連れ去られて、あちらの国で過ごせられているのです。

今日は助けにきてくれるか、明日は助けにきてくれるかと蓮池さんは、『いつもお月さまを見ながら待っていた』とおっしゃいました。『けれども誰も助けに来てくれなかった。3年待っても誰も来てくれなかったので、私たちは北朝鮮で生きていくしかないと決心をして、180度転換をしたんです。』と、仰っておりました。

 今、ここにお立ちになりました特定失踪者のお父さま・お母さま・ご兄弟の方々、この方々は、私たちの7年前の19年間のあの辛さと苦しみの中を、今日まで闘ってこられたのだと思っています。これは本当に経験した者でなければわからない、どこに行ってしまったのか、誰かに殺されてしまったのか、私たちは焼却炉の中から出てきた遺体、また、漁船の網に引っかかった小さな頭蓋骨、遠い遠い埠頭から上がった腐乱遺体、といろんなことを突きつけられながらめぐみちゃんではありませんように、どうか違いますようにと、一生懸命に歩んできました。

ひょっとして、何か私たちに言えないような悩みがあって、どこかに行ってしまったんだろうか、じゃあ、私たちの育て方がわるかったんだろうかと、本当に魂の中まで掘り下げられて考える毎日でありました。

けれども、今こうしてはっきりと北朝鮮による『拉致』だということが浮上し、こんなにたくさんの方々が、また先生方たくさんの方々が、私たちと同じ思いになって、こんな日本でいいのだろうか。こんなに何にもしていない若者がたくさん連れ去られているのに、誰も声を上げないで放置してきたこの27年間は一体何だったんだろうかと、真剣に考えてくださっています。(一部不明)

私は神さまを信じるものですけれども、本当に魂を輝かせなさいと天から叫んでいらっしゃる声が聞こえます。日本の国民みんなが今こそ、『輝いた魂』を持って子どもたちを救出しなさいと、叫んでいらっしゃると思います。そして私たちみんなが一丸となって闘っていけば、必ず良い知恵が与えられ、そして行動ができると信じています。

どうか、もうあと少しだと思います。北朝鮮に向けてまた、日本政府のあり方に向けて、正しい『輝いた魂』を持って見つめていきたいと思います。どうか、強いご支援をこれからもよろしくお願い致します。ありがとうございました。(大きな拍手)

 ◆櫻井よしこさん司会(横田早紀江さんの訴えを受けて)

拉致された人々の苦しみ、そのご家族の哀しみが日本人を日本人たらしめたと仰いました。私たちは日本人であることの証(あかし)のためにこの拉致問題を全力で応援していくことを誓おうではありませんか。

今日この会場にいらした方々の、最終的な集計が出てまいりました。3500人の方々がいらしてくださいました。会場に入る事が出来ない方々が1000人、外に並んでモニターを通して私たちと共にこの時間を過ごしておられます。皆様本当にありがとうございました。

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