苦渋の決断を支える


6月5日、午前の仕事を早々に切り上げ、吉祥寺駅頭へ向かう。自民党青年部・青年局の全国一斉街頭活動を見るためだ。今日、全国で一斉に自民党若手議員が「北朝鮮拉致事件」をテーマに街頭行動をするとラジオで聞いて、どのような訴えをするか聞きに行った。街頭には既に自民党関係者の動員もあって有る程度の人が集まっていた。のぼりには「北朝鮮問題の全面解決」と書かれている。若手議員は元気よく北朝鮮の非道さを訴えていた。それなりに筋は通っていた。
今日救う会の幹事会と聞いていからこそ見たかった。吉祥寺は24日の渋谷よりにぎやかだった。東京は都議選を前に候補者であろう議員の名前の入ったチラシも配布されていた。こんな活動でも政党は人集めは強い。
横田滋さんは、何度もその想いを振り切って闘ってきた。めぐみさんの写真を公開するときも、悩んだ。家族と共にめぐみちゃんを奪い返すために公開に踏み切った。それは英断であり、このことがなければ現在の拉致解決への運動は無かったと言っても良い。
ヘギョンちゃんに会いたい気持を断念したのも、大きな決断だった。自分の中にある孫への想いを押し込めて、北朝鮮の狡猾な作戦をはねつけて、現在の活動がある。
今回も最後まで決断を渋ったのは横田滋さんではないだろうか。私の勝手な想像である。その逡巡する背中をぽんと押したのは誰だろう?何もしない日本の政治?小泉総理?関係者?署名台の前を見て見ぬふりして通り過ぎる無関心な国民?いや、私たち支援者かもしれない。
ご家族を支援する私たちにも家族をここまで追い込んだ責任があると思う。現時点では座り込み自体は家族と救う会関係者に限定される模様。座り込み後の集会の企画はあるらしいが、私たちが応援に行っても警備の都合上側に、ご家族には近づけないかもしれない。差し入れも出来ないかもしれない。
ご家族は群がるマスコミの前にその年老いた姿を座り込みという形で見せる。私たちは家族をただ<さらし者>にしてはいけない。物見遊山にピクニックのように見物する人のないようにしなければならない。その家族の気持を、体を守らなければならない。
その為に私たちの出来ることは、「如何に苦しい心境で彼らが決断したか」を伝え理解して貰う事である。
吉祥寺から急いで上野に向かう。電車の中で巡る想い。家族に何故こんな事までさせなくてはならないのか。日本という国家は一体どうなっているのだろう。座り込みをしても恐らく経済制裁は発動されない。それならガス抜きに「小泉首相か政府関係者が面会すること」でお互いの対面を保つのだろうか?又は、北朝鮮議員の再入国停止でお茶を濁すのだろうか?
「ご家族は座り込みを決意しています。家族に会いたいというそれだけのことを、訴えているにも関わらず、政府は何も動かない、不甲斐ない日本。このような状況に誰がしたのでしょうか?
日本という国家を形成する一人一人の国民、私がそうさせたのかもしれません。その責任は私にもある。貴方にも有るんですよ、どうかせめて署名をしてその責任を果たしましょう。貴方の署名が一筆足りないのです。」
声の勢いに気付いて顔なじみになった階段の画家さんが立ち上がって手を振ってくれる。新潟の高校生が署名してくれる。
私たちは、決して盛り上げるだけではならない。苦渋の決断の中にある悲しい現実と悲痛な想いに、深くしっかり向かい合い、その苦しみの一端でも支援の輪の外にいる人に伝えなくてはならない。(金木犀)
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コメント
>「総連の前なら分かるけど!」と
私もそう思います。
バンケイよりも官邸よりも、総連の前でやりたいですね。
なんとか支える方法を考えていきたいです。
投稿: 金木犀 | 2005年6月 6日 (月) 22時21分
個人的に今まで調べてきたことから言って、
官邸よりもっと文句をいわれてしかるべきところが
あるとは思っております。それが何故、
小泉打倒なのかが一般の方には理解できない。
私も実際、友人や家族にそれを説明できないんです。
友人の一人に「総連の前なら分かるけど!」と
言われました。しかし…ご家族を孤立させてはいかん、
それは思います。何とか智慧を絞らねば、、、。
投稿: 枇杷 | 2005年6月 6日 (月) 21時46分
金木犀さん、こんにちは。TB ありがとうございました。
>何もしない日本の政治?小泉総理?関係者?署名台の前を見て見ぬふりして通り過ぎる無関心な国民?いや、私たち支援者かもしれない。
個人的には、我々「無関心な国民」に大きな責任があると思っています。あと、「日本の国益」の為には拉致問題の幕引きも仕方がないと考える「くだらない現実主義」にも。金木犀さんの様な支援者の責任などと、口が裂けても言えない身です。
あまり上手くは語れませんが、とにかく出来る事からやっていきたいと思ってます。BLOG に書く事、官邸にメールする事、集会に参加する事等々。今回の座り込みにも、現地に出向こうと考えています。
こちらこそ、どうぞ宜しくお願い致します。
投稿: 善 | 2005年6月 6日 (月) 13時21分