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2005年7月18日 (月)

パネルディスカッション(9)

宮崎:ご入場頂きたいと思います。衆議院議員自由民主党幹事長代理安倍晋三さんです。(拍手)

 ~安倍氏、重村氏入場~

宮崎:改めて、大変お忙しい中、お越し頂きましてありがとうございます。安倍幹事長代理はこの拉致の問題に、当初から大変重大な関心を寄せて取り組んでいらしたのは、皆様ご存じだと思いますが、今、いらっしゃる前に北朝鮮の現状がどうなっているのかということから始めまして、そして核開発の目的、現状、経済制裁、どうするのかというところまで、話が進んだところでございます。

早速なんですが「なぜ救出できないのか」「なぜタイミングよく政府は動けないのか」今の状況をですね、伺っていきたいと思いますが、どこから伺いましょうか?まず、六者協議に北朝鮮が応じると態度を変えたわけですが、これの背景はどういうところにあるとお考えになりますか?

安倍:六者協議はですね、もちろん我々にとって核問題を解決する、また日本にとっては拉致問題を解決する大きなチャンスでもあるわけですが、北朝鮮にとってはですね、今経済は厳しい状況になっている、エネルギーの状況もそうですし、食糧の状況もそうです。この北朝鮮にとって厳しい状況を解決するためには、国際社会に受け入れられなくてはならない。このまま進んでいけば、いずれは国連安保理で協議をするようになる。そこで間違いなく、国際社会において経済制裁するというようになっていくんですが。そこに行かずになんとか国際社会に受け入れられる為には、この六者協議の場において、六者協議で六者間で合意に達することで、北朝鮮は生き延びることが出来る。つまり「彼らに与えられた、大きなチャンス」であると我々は考えています。

この一年間、六者協議を開いてこなかったのですが、だんだんやはり彼らは(一部開放政策をとろうという試みもありますが、どうやらあまりうまくいっていない)このまま行きますと、体制自体、非常に厳しくなっていく中でですね、(一部不明)というのが北朝鮮が応じた理由ではないかと。

そして又中国も国際社会の中で、特に米国・日本が「北朝鮮に対してもっと圧力をかけるように」と言うことを主張し、同時に、国際社会で「北朝鮮に対してきちっと向き合っていない」と言う各国の批判を避けるためには、北朝鮮に圧力をかけざるを得ないという、各国の思惑が一致した結果、今回の開会の運びになったのではないかと思います。

宮崎:はい。重村さんいかがですか?

重村:今安倍さんおっしゃったとおり、国際的に今北朝鮮はものすごい食糧難なんです。去年の収穫が予想よりもの非常に少なくて、400万トンを割ってしまった。通常520万トン(数字不確か)ないと飢餓状態を脱しきれない。このままで行くと、96年、97年の飢餓状態と同じようになるというのが北朝鮮の現状です。

それから経済というのは、今お話しになったように、ものすごいインフレです。これは、実は今年の4月の最高人民会議で、-過去3年間、予算というのは発表されなかったんですが-突然こっそりと(予算が)発表されましてね。その数字によると北朝鮮の国家予算というのは、2600億円、平均して、きわめて小さな経済です。それにしても非常に奇妙なのですが、3年前発表されたときの国家予算が、216億ウォンという数字だったんですが、去年の3212億ウォンという、予算が16倍というふうに、突然上がっている。これは2年前から、2002年から、配給制を止めたためにそうなったんですが、予算が16倍に上がるぐらいだから当然のこと、インフレになるのは間違いないわけです。そのインフレを抑えられないで、大変な経済困難状態になっている。こういう北朝鮮の直面している状況が、どうしても、六カ国協議に出ざるを得なかった。

我々、外交をみたりしますと「日本外交行き詰まりじゃないか」とか「日本外交、苦慮している」とか新聞に出たり、いろいろしますが、本来そうじゃなくて、北朝鮮に今何が起こっているかと言うことを、よく判ればですね、なぜ、今北朝鮮が手を出せないのか、なぜ今北朝鮮がああいう状況にあるのかというのがよくわかるはずです。

北朝鮮が今なぜ日本との交渉に出てこないかと言いますと、北朝鮮側の外交をやってた人たちが今全部責任を問われてですね、入れ替えされる最中なんですね。それが終わると又新しい担当者が出てくるわけですから、そこで日本との交渉と言う状況になる。北朝鮮の平壌の情報を見ながら、そういったところに対応していくことが一番重要になるので。

「日本外交行き詰まり」とか「日本外交、苦慮している」とか、そう言うような新聞がでたら、その新聞は取らないようにして頂きたい。(会場笑い)

そう言うことです。

宮崎:日朝関係日韓関係が非常に悪いので、手を出せないんだと言うお話しがありましたが、その点は?

重村:確かに手を出せない状況もあるんですが、日本側の問題であって、日本側が悪いんだと言うことではなくて、相手側も問題を抱えているんだと言うことを、必ず考えて頂ければですね、日本の政策、日本が対応できないということではないんだと理解して頂ける。

国際関係、国際政治というのはあくまでも相手がある話ですしね。たとえば、まぁ具体的に名前を言うとマズイですけれども、外務省の例の問題の田中さんはおやめになる。いろんな責任、いろんな批判があったわけで、同じように北朝鮮の中で担当していた人たちが、批判を浴びる、責任を問われる。同じようにあるわけですね。そう言う風にして国際関係、外交というのはおきているんだと考えていただければ。

我々だけ行き詰まっているのではないんだと。行き詰まっているのは、もっと北朝鮮のほうだ、というふうにご理解頂ければと思います。
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