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2005年8月17日 (水)

古川了子さん第2回行政訴訟報告会1

川人博弁護士による裁判報告

今日はお疲れ様でございます。
傍聴してくれた人への報告及び支援の方への報告を兼ねて、合わせてマスメディアの方には記者会見を兼ねるような形で今から報告会を行いたいと思います。

弁護団の川人と申します。
今日は第2回目の法廷でございまして。
前回第1回目の後ですね、現在までに原告及び被告から証言が出されておりました。
原告の側からは証拠をですね、相当数出しました。
今日の法廷では前回から今日までの間に出された書面と証拠の内容を確認すると。
そして次回以降の(公判の)進め方についてやり取りが行われたと。

第1回の法廷に来ていただいた方はご記憶かと思うんですが。
結局ですね。
国は本件は門前払いをしてくださいと、こういうことを裁判所に言っているわけですね。
つまり裁判所でこの問題を審議するのは馴染まないと。
こういうのが被告側の態度なわけです。
そのように言って、従ってと言うことで、訴状で古川さんの失踪した経緯とか。
彼女を北朝鮮で目撃したと言う安明進さんの証言、こういったことについての被告側の見解は一切述べないと。
つまり安明進証言が信用できるか?信用できないか?
古川さんの失踪がどういう経過で行われたか?
そういう事については向こう側は一切見解を述べないと。
そういう異常な対応をしてきたわけであります。

被告側はその後も出してきた見解について同じような事を言ってきておりまして。
要はですね。
一切古川さんのことについては政府としての事実認識は述べないと。
そういう立場を現在まで続けております。
つまり裁判所で門前払いをしてもらいたい理由として、政府が拉致と認定した被害者についてもそれ以外の方についても、政府はやる事を一生懸命やっていると。
ですから認定をするかしないかと言うことによってですね。
区別はしていない、同じように安否を確認する事はやっているんだと。
こういうことをガンと言って来た訳であります。
私どもは今日提出した書面ではですね。
法廷で外務省審議官が話をしましたが、政府の言ってる事はいかに実体に反しているかと言うことを述べました。
そしてその関連の事を証拠を提出しました。

まずですね、皆さんご存知の人もいるかもしれませんけど、順番に申し上げますと、拉致に被害者として認定されますとですね、ご家族に対しまして(拉致)認定しましたと言う通知の書面が届きます。
今回私どもの方が裁判所に提出しましたのは、田口八重子さんの分について飯塚繁雄さんから写しを頂いて提出いたしました。
平成15年1月6日付で「飯塚繁雄殿 内閣府拉致被害等支援担当室長」の通知ですね。
「北朝鮮当局によって拉致された被害者等に関する法律の第2条に規定する内閣総理大臣の認定について(通知)」とありまして、「平成15年1月6日付けで正規認定が行われましたので下記の通りお知らせします」
「拉致被害者の氏名・田口八重子 生年月日 本籍地」と書いてある。
このような認定の通知がですね。
拉致新法が平成の14年の12月に出来ましたので、翌年の1月に認定被害者のご家族に交付されています。
他のご家族の方についても聞いております。

でですね。
まずこういう通知を出すと。
それでですね、最近の田中実さんの例で言えばですね。
内閣総理大臣が今年の4月下旬に田中実さんについての被害者の認定を行いましたけれども、すぐに北京の大使館ルートで北朝鮮当局に彼の帰国の実現を要求しているわけです。
このように拉致の被害者として認定すると政府として外交ルートで北朝鮮に対して、その人の安否の確認、そして帰国させるようにという働きかけを行ってるわけですね。

そのことは首相官邸のHPにも明確に書いてありましてですね。
今日も読み上げましたけれども、新たな拉致被害者として認定される事案が出れば北朝鮮に対して働きかけをしていく所存であると。
というふうにハッキリと言っているわけです。
ですから首相官邸のHPに書いてあることとですね。
裁判所に出す書面が違っていると言う事はまずお粗末な話なんです。
わりやすく言いますとね。
そういう実態に合わない、普段自らが言ってる事と違ってることをですね。
裁判所で答弁をしていると言うのが実態でございます。

あとこの間私どももですね、具体的に認定がされた方の事についてどのような違いが生ずるかと言うことを様々に調べました。
例えば他にいえば国連にも働き掛けている問題があります。
国連の人権委員会にですね。
政府として書面を提出しております。
書面を提出するだけじゃなくてですね。
斎木審議官が、ジュネーブの方にですね。
何回も出かけて働きかけをしていると。
もちろん外務省が一環として取り組みが弱かったとして、支援者の方々のあるいは国民世論の批判がありまして、取り組むようになったという経緯があります。

いずれにしても外務省はですね、人権擁護委員会、国連に行ってもですね。
未認定の政府が認定していない人たちですね。
古川了子さんとかそういう人の名前は一切出していないわけなんですね。
あくまでも自分達が認定した15人だけですね、国連に対して働きかけをすると。
これも明確な事実です。
そういう関係で皆さんもお読みになったかと思いますが、飯塚繁雄さんが「妹」と言う本を書かれていますが、この中に飯塚さんが国連に行った時の思いなどを書かれていますけれども、こういう証拠も裁判所に提出してですね。
飯塚さんと一緒に外務省の斎木審議官の写真も写っているわけであります。

他にも例えば、今まで2回首脳会談がありまして実務者協議が確か3回あったんですね。
そうすると今までの首脳会談の2回と実務者協議3回に関してですね。
認定被害者の家族には非常に詳しい報告がされています。
それは家族の会を通じて行う場合もあれば直接連絡する場合もある。
政府の外務省の幹部などが直接訪ねて説明する事ももちろんあるわけです。
ところが竹下さん、あるいは他の方々ですね。
政府が認定していない被害者の家族の方々については、そのような詳しい説明あるいは手紙、そういう物は無いわけです。
こういう点でもですね。
報告の対応と言う点を見ても全然扱いが違うと言う事であります。
我々認定されていない方に対しても、もっともっと報告を説明をすべきだと考えますが。
今訴訟で問題になっていますのは、とにかく政府は認定をしてもしなくてもやる事はやっていると。
このまやかしを徹底して追及したいということであります。
その点をぜひですね、ご理解をいただきたい。

あとご存知のようについ先日ですね。
7月の28日に衆議院の拉致問題に関する特別委員会で安明進氏が証言を行いました。
これはすでにHPで全文出ております。
この中で古川さんの事についても繰り返し安明進氏は証言をしております。
例えば「工作員たちの専門病院であります、朝鮮労働党915連絡所で目撃した古川了子さん」と言う表現でですね。
何回も証言を繰り返しております。
日本政府がなぜ拉致被害者として認めないのか?ということについて「大変残念である」と。
古川さんや加藤久美子さん、あるいは寺越さんについてですね。
こういう方々について、彼は加藤久美子さんについても目撃をしているわけですが、「ハッキリしているにも関わらずなぜ認定しないのか?非常に残念だ」と言う事を彼は国会でも答弁をいたしました。
この経過についても裁判所の方に書類その他で提出をしまして、今日意見を申し上げたと言う事でございます。

今日はですね。
裁判所の方もですね。
前回よりある程度記録なども読んでおられたんだと思いますが、第1回に比べれば裁判長の訴訟意識の方も少し良くなったかな?思っております。
こちらの方としてはとにかく本件の全体についてですね。
早く国側が答弁するようにと、強く言ったわけですけども。
裁判長も、何回か良く似た趣旨の話を被告人側の代理人に言いました。
最後日にちが2ヶ月先で、先ほど誰かが「何で2ヶ月先なの?選挙があるから?」と言っておられましたが、多分そうじゃなくてですね。
夏休みがあるからと、彼らにとってですね。
そしてもう一つはおそらく言ってましたように、省庁間のすりあわせをするのに多分時間がかかると言う事かと思います。

こちら側としましてはぜひ迅速に実態的な審議にはいるように働きかけを強めたいと思います。
次回が10月の20日午後1時半という事になりました。
歯がゆい気持ちになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひですね。
次回も多くの方々が参加していただき、この裁判を支援していただきたいと言う事でお願い申し上げます。
私の方から、まず以上報告いたします。
どうもありがとうございました。(拍手)

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このエントリーのテキストを起すにあたり、原良一氏より一部音源の提供を頂きました。
この場をお借りして原氏のご好意に御礼を申し上げます。 (ぴろんさんより)

話の花束ぴろんさんのテキストです。


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