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2005年10月29日 (土)

辺真一氏講演(10/29青梅)

こんにちは。(会場からも「こんにちは」)

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私は拉致問題を取材しているジャーナリストの立場から、この拉致問題を人権問題としてみなさん方と一緒に考えていきたいと思います。

私は拉致被害者の家族の皆さんには、むしろ私はあの加害国の北朝鮮と同じ血を受け継いでいるそういう一人としては、この拉致に対しては、大変恥ずかしく申し訳なく思いでおります。
であるが故に、この拉致問題の解決、早期、短期決着のために、すべての力を尽くしたいと思っております

そういう想いで、今日は拉致被害者家族の皆さんと一緒に、この場を借りて、拉致問題に関して、私の知る限りをお話ししたいと思います。
私の話は、必然的に(今非常に私も(家族お三方の話に)胸を打たれましたけれど)お三方とは若干違った角度のでの話になるかもしれませんが 是非皆さん方、その点は寛大な気持で耳をかして頂きたいと思います。

私が、非常に恥ずかしい、申し分けないことを行ったと、その理由は二つあります。

ひとつはこれは横田さんも蓮池さんも仰ったことですが、拉致は明らかに、許し難い反人権行為であると言うことです。露骨な人権侵害と断じることが出来ます。
人間の基本的権利である生存権、自由、そして幸福に生きる権利を剥奪し、人生を台無しにし、そればかりではありません、拉致被害者の家族を悲しませ、不幸のどん底に陥れ、そして同じように人生をメチャクチャにしてしまう。これ以上の反人権行為はないと、私はそういうふうに感じています。

二つ目はこれは明らかに犯罪行為です。それも、北朝鮮という国家による、主権侵害による犯罪行為です。犯罪は真実真相を明らかにしなければなりません。そして裁かなければなりません。
ところが、今もってこの真実真相が明かにされておりません。
特定失踪者と言われる方々を含めて、一体全体何人が拉致されているのか、これ、今もって分かりません。
もちろん真相があきらかになれば、加害者が被害者に対して謝罪をし、そして償いをし、そして保証する。これはきわめて当然のことであります。
これもですね、はっきりと申し上げておきたいと思います。

その上で、私から一言申し上げたいと思います。これは、今後拉致問題を解決する上でひとつのヒントになればということで、私がこの3年間取材をしてきたことを、みなさん方に伝えたいと思います。

私は、金正日さんが、2002年9月17日、小泉総理の前で、拉致を認め、そして(恐らく拉致被害者のみなさん方にとっては、非常に不安だったと思いますけれども)半ば謝罪をしました。
驚きました。ショックでした。拉致を認めるとは全く予期、予想しておりませんでした。
これまで歴史を振り返って、古今東西ですね、独裁者が自らの過ちを認め、謝罪するとい事は、私が記憶している限りありません。ヒットラーから始まって最近のサダム・フセインに至るまで、全てですね、事の真相を明らかにしないまま、むしろ公然とですね、無実を主張する。これは今回のサダムフセインの裁判(みなさん方、すでにご承知のことだと思いますが)これが本来ですね、これまでの自らの国家犯罪に対する独裁者の態度です。

今申しましたように、拉致と言うのは、北朝鮮による国家犯罪です。その国家犯罪を、その国のトップが、最高指導者が、こともあろうに、敵国日本国総理の前で、<それを認め、謝罪する>、恐らくそれはないだろうと、私だけでなく、韓国人の恐らく多くがそう考えていたと思います。
ましてや、小泉総理が訪朝する直前まで「拉致に関しては知らぬ存ぜぬ、むしろ日本政府のでっち上げ」とこういうふうに開き直ってきた、しらを切ってきた、その国のトップがですね、まさか拉致を認めるとは。

一言で言えば、これは北朝鮮にとっても「青天の霹靂」といいましょうか。

私、その後こういうことも思いました。
もうそろそろ「忠臣蔵」のシーズンになりますけれど、殿中で浅野内匠頭が吉良上野介に斬りつける場面をもって、日本人は「殿、ご乱心」といことばを使われておりますけれど、おそらく金正日が拉致を認めた瞬間ですね、恐らく「将軍様、気でも狂われたんじゃないですか?血迷ったんじゃないですか?」こういう声が飛び交っても不思議でないくらいですね、大変な事だったというのは、その後わかりました。
まぁ、恥も外聞もなくといいましょうかね、恥を晒してといいましょうか、おそら金正日さんにとっては苦渋の選択、断腸の思い、それはわかりません。本人でないのでわかりません。

それは日本からしますと 「恐らく背に腹は替えられない、拉致を認め、そうして日本から経済協力を仰いで、父親から受け継いだ破綻寸前の、この経済をなんとか立て直して、そして将来、韓国と対等合併に、-まぁ、北朝鮮の言葉を使うならば、連邦制に移行しようと-、そういうことに、ここ俺が腹を括ろうと、一歩前に進むだろうと、おそらくそう言うことで彼は拉致を認めたじゃないかと、こう思いますね。
しかし、ところが実際には、事はそう簡単には進みませんでした。
それもこれも非は全て、北朝鮮にあります。

返す返すも残念なのは、そこまで腹を括って、そして恥を忍びながら拉致を認めながら、何故に全面自供せずにですね、ああいう訳のわからない、嘘八百を並べた、そういう調査、報告を出してきたのか。これが、悔やまれてならないんですね。

さきほど横田夫妻の娘さん、めぐみさんに関しては、遺骨が偽物であったと。これをもって、北朝鮮の発表は嘘だ、信じられないと。それはその通りだと思います。私から言わせればそればかりではありません。本当に亡くなっているのであれば、当然北朝鮮も儒教の国でありますから、お葬式があってしかるべき、法事があってしかるべき、お墓参りがあってしかるべき。そういったものが全くないというのがとても解せない。

あるいは、田口八重子さん。田口八重子さんも北朝鮮で87年に亡くなったと。ところがその後亡くなったはずの田口八重子さんを帰国された拉致被害者の方ひとりがですね、同じ共通のドライバーの話として、その数ヶ月後に八重子さん、目撃したという、こういう話もあります。

さらに、市川修一さん、増元るみ子さん。このカップルだけは唯一北朝鮮に戻ってこれなかった、カップルの中では。北朝鮮の発表によりますと、79年に亡くなったと。78年に拉致されて79年に亡くなったと。ところがその後韓国に脱北したある工作員によりますと、「90年から91年にかけて市川さんから、ある大学で日本語を教わった」と。その大学で行われた運動会で増元るみ子さん目撃したと。こういう証言もあるんですね。

ですから、北朝鮮が去年5月、再度白紙に戻して、再調査を行った、その結果というのも、私からしても、とてもですね、信じがたい。そういうようなものであったというので、極めて残念きわまりないと、こういうふうに考えています。

この拉致問題は、実は現在は単に人道問題、あるいは人権問題に留まらず、その一方で、核の問題の解決に直結する、そういう問題、そういう性格を帯び始めてきたことも紛れもない事実であります。

小泉さんは「拉致、核、ミサイルの包括的な解決」を主張しています。それはもちろん核の問題、これは日本にとって極めて重要な問題であることは敢えて触れるまでもないと思います。
日本人の生命、安全、財産に直結する問題ですね。核、ミサイルが日本をターゲットに据えている。である以上ですね、一億数千万の国民の生命、安全、財産、これ、守らなければならない。まぁ、そういうことで、総理はそう言うことを仰っているんではないかと、私はそう思いますが。

この核問題というのは正に、日本を含めた極東アジアの安全と平和、更には世界の平和に直結する、そういう事柄、あるいはそういう性質に変わってきている問題であることも言えると思います。

それとこれもまた、厳然たる事実として言えることは日朝の外交問題の要であると言うことだと思います。
ご承知のように日本は唯一国交がありません。日本が唯一国交がない国が日本の隣国、となりにあるということ。

韓国と40年前に国交正常化し、今や正に冬のソナタの時代だと言われるほど、日韓の関係は蜜月の関係になりました。ところが北朝鮮とは戦後60年、すなわち、人間にたとえると、<おぎゃー>と生まれて還暦になるまで、全くですねつきあいがない。そう言う状態が続いてきている。

であるが故に不正常な関係を正常な関係に、しょして対立の関係を有効な関係にしようということでえ、おそらく小泉さんは、3年前に平壌に乗り込んで行ったと思うんですね。
私はそのことは間違っていないと思います。

戦後60年間、今もって戦後処理が終わっおりません、北朝鮮。それは北朝鮮の方からすると、強制連行の問題、従軍慰安婦の問題を恐らく持ち出すでしょう。しかし、よく冷静に考えますと、日本も戦後処理をする必要性があります。と申しますのは、1945年8月15日まで、あの彼の国に50万ちかくの日本人が暮らしていたという事実ですね。それも玉音放送があって、敗戦と共に多くの日本人が日本に引き上げてきました。しかし、ドサクサに紛れて、そのまま北朝鮮に留まってしまった残留孤児がいても不思議ではない。あるいは向こうで、36年間植民地統治下にいた頃に亡くなられて、そして向こうで埋葬された日本人も少なくない。あるいはひょっとすると、小野田少尉、そういうような軍人が今の北朝鮮にいても不思議ではない。あるいは北朝鮮に引き取られているそういう残留孤児がいたり、朝鮮人を装って向こうで暮らしている日本人がいても不思議じゃない。

今もってそれが、その消息ですらわからない。これもそれも関係正常化がない。
あるいは過去を清算していない。戦後処理が出来ていないという、こういう事だと思いますね。

ですから、これら全てをですね、この全ての問題を解決する上で、この拉致問題というのは、極めて重要な前提。非常に大きな前提と考えております。

恐らく11月3日から始まるこの日朝交渉、日本は当然拉致問題を最優先に、北朝鮮は過去の清算、これを最優先に恐らく、持ち出すでしょう。

私は日本人の多くは北朝鮮という国は人さらい、核を開発し、ミサイルを打ち込み、覚醒剤を持ち込み、更には偽札を持ち込みあるいは工作船を忍び込ませ、中国にある日本の大使館・領事館には脱北者は駆け込んでくる。まぁ、大変ありがた迷惑な、あるいはトラブルメーカーな、更に日本の安全保障において存在ガンのような、そいうような存在。そしてみなさん方たぶんそのように捉えていると思います。間違いないと思います。みなさん方の北朝鮮感。北朝鮮イメージというのはそんなところだと思います。

しかし、方や北朝鮮も、おそらくあの国の2300万の国民も、「日本という国は、36年間植民地統治下に置きながら、今日まで、韓国に対しても、フィリピンに対してもインドネシアに対して、その他の国々に対してはきっちりと償いも、謝罪も行い、けじめも、禊ぎも済ましているのにも関わらず、どうして今日まで我々に対しては見てっみぬふりを、知らぬ存ぜぬを通しているのか?非常にけしからん国だ」先方は先方で、そういう対日感、対日イメージを持っていると思いますね。

私はそれを可決する必要性があると思います。

拉致問題の解決というのは、すなわちですね、加害国である北朝鮮が、被害者の痛み、苦痛を和らげる、癒すという観点から、私はやらなければならないと思う。同じように日本もですね、同じような事を北朝鮮に対して、やらなくてはならない。

そう言うような基本認識をもてば、私はこの拉致問題、決して解決は難しい問題ではないと、こういうふうに思っております。

拉致問題は、持久戦、長期戦は何としても避けなければなりません。短期決着、早期決着を付けるべき問題なんです。
それはもう、みなさん方ご存じのように、拉致被害者のみなさんに時間が残されていません。一年二年、これ以上待たすわけにいきません。持久戦、長期戦は余りにもむごいと思います。ですから何としても早期に、短期にですね決着付けなくてはならない。私はそういうふうに考えております。

どういう方法がいいのか?まぁ、今後いろいろ今後、戦略・戦術、あるいは知恵が出されると思います、

私は、こういうふうに、北朝鮮を説得しようと思っています。
みなさん方がこういう風に北朝鮮を説得してくださいと言うことではありません。私はこういうふうに北朝鮮を当事者の一人として説得したいと思います。

『拉致問題を早期に解決することは、国益合致するんだ』と、
すなわち、失った、あるいは失墜した、その信用・信頼を回復する道に繋がると言うこと。
あるいは、今深まりつつある、北朝鮮の外交的孤立からの脱却に繋がると言うこと。
更には北朝鮮の貧困に苦しんでいる国民を、これを解放する。
それもこれも、全てですね、拉致問題を認めることが正に北朝鮮の国益になるんだ。
だからもう一度、。解決するもう一度、そういう戦略的決断を、私は金正日さんにやってもらいたいと。

まず、そうさせなければならないと、そういうふうに考えております。
日本のとる道は、日本の政府日本の国民の皆さんが考えることだと思います。

惟、私、ひとつ残念なことは、この3年間、ある程度拉致問題は動きましたけれど、今もって本質的な問題は何一つ解決されておりません。

惟、時間が、むやみに過ぎ去ってまいりました。
もちろん、日本政府は何やって来たんだ。いろいろな議論があると思います。

日本には、衆参合わせて600人以上の国会議員がいるのに、この3年間、誰一人とは言いませんけれど、それほど拉致問題は日本の外交にとって極めて重要なものであり、拉致問題は今すぐに解決する問題と言いながらもですね、誰一人、北朝鮮乗り込んで、そして直談判しようとする政治家がいなかったと言うことが、返す返すも残念極まりないと思います。

(会場から「日本の政治家、政治出来ません!」)

アメリカ、見てください。アメリカは、民主党、与党の共和党問わずに、有名無名問わず、最近もどっかの州知事が、北朝鮮に乗り込んで、『核を認めるわけに行かない』『六カ国協議に無条件で出てこい』『人権弾圧は許さない、人権抑圧する限り、国交正常化はしない』『核放棄の証としてIAEA事務総長の訪朝を受け入れろ』と迫りました。北朝鮮は受け入れました。

日本の政治家はですね、ほとんど動きませんでした、私から言わせれば!

それほど拉致問題の重要性を訴えながらですよ、ゴールデンウイーク、夏休み何処に外国に行くかと言えばアメリカだ、ヨーロッパなんですよね。こんなに。。

それは、二重外交、三重外交という批判もあるでしょう。あるいは『北朝鮮問題は火中の栗を拾うようなものだ。とても、君子危うきに近寄らず、のほうがいい』と、こういうふうに思っているかどうか知りませんが、私には、そういうふうに捉えました。

先日戦後60周年ということで、私は、戦後処理の問題を非常に真剣に考えました。

遺骨の収集もままならない。
北朝鮮への墓参りもままならない。
消息不明の家族の安否、これも60年間、わからないまま。
もし仮に、日本人兵士が、小野田少尉のように今も尚かつ、北朝鮮に抑留されているとしたら、この方々を日本に、祖国に救出しなければならない。
これも又ですね、大事な人権問題。

それを全て解決するためには、まず目の前の、この拉致問題を解決しなければならない。
私はそう言うふうに考えております。

11月3日の日朝実務者協議、ちょっとレベルが低いので、果たしてこれでですね、みなさん方が期待しているように、進展が期待できるかどうか、危ぶまれます。

私は、申し訳ありませんけれど、こう思います。
やっぱり、もう一度、トップ会談です。
極端な話、拉致問題の早期解決に繋がるんだったら、何度もですね、お互い腹を割って、そうして加害者の立場から、拉致被害者の苦痛と悲しみを一日も早く、和らげ、そして救うという、そう言う観点で、隣人、隣国としてお互い、真っ正面から交渉すれば、私はこの問題はですね、そう遠くない時期に、できればですね、年内に解決出来るんじゃないかと。それ以外に方法はないんじゃないかと、こういうふうに思っております。

北朝鮮という国はですね、確かに何をしでかすか?金正日さんが何を考えているか?わからない国だと思いまう。その通りだと思います。

もちろん拉致問題の全面解決のためには、この政権下では無理だ、こういうふうに思われている方が、もうたくさんいらっしゃると思います。しかし、政権の交代レジュームチェンジまで待つというのも、それもまた辛い選択だと思います。

現に、過去2回トップ会談で拉致を認め、そうして少なくても、5人を日本に引き渡し、更にはその子ども達も日本に引き渡した。その事を一歩前進、一歩評価というふうに受け止めるならば、もう一回今度、3度目ですね、3度目の決断を強いる。その為のチャンスを与えても良いんではないかなと、こう思います。

私も頑張ります。私も北朝鮮に対して、日本人を・・・(一部不明)。
『日本政府は、北朝鮮を煮て食おうとか、焼いて食おうなんてことはさらさら無いんだ』と。
『拉致問題さえ解決すれば、北朝鮮の人たちも、子ども達も(救われるの意?)』
『隣人・隣国として、何とか援助してあげたい。これが日本人のですね偽らざる気持ちである』
という正しいメッセージを先方に伝え、そして北朝鮮に、日本国民、特に拉致被害者家族の皆さん方が満足できるようなですね、そういう誠意、回答を示すように、今後も働きかけていきたいという事を申しあげまして私の話を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

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