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2005年12月16日 (金)

小泉外交1

 蒼き星々掲示板への 安倍貞任さんの投稿より

読売新聞:『小泉外交』

これから紹介するのは昨年11月18日から計25回にわたって読売新聞に連載された「小泉外交」です。
この連載記事は、2度に小泉首相訪朝について検証しています。あるがままの姿の小泉訪朝を描いていると思います。
過去のことについて一度振り返ってみるのもよいことだと思いますし、支持・批判という立場の乗り越えて、比較的に事実に即した訪朝外交の検証記事に触れることで新たな事実の発見があるかもしれません。

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小泉外交1
対北要求3点セット

小泉政権発足から3年余。日本外交は劇的な展開を見せた。異例の首相訪朝、米同時テロやイラク戦争への対応・・・・・。激動する国際情勢の下、日本はどこに向かっているのか。「政治の現場」第5部は「小泉外交」に光を当てる。


「このまま相手のペースでずるずると時間だけがたっていっていいのか」

(11月)17日の党首討論で、民主党の岡田代表が小泉首相に迫った。日朝実務協議での北朝鮮の不誠実な対応への怒りがこもっていた。

国民の「対北朝鮮観」を根底から変えた2002年9月の小泉訪朝。発端は前年の10月にさかのぼる。

外務省の田中均アジア大洋州局長が、北朝鮮の「ミスターX」と極秘積極を始めた。Xは「国防委員会所属の軍関係者」とされるだけで、未知の相手だった。

福田官房長官が田中に指示した。

最初のころは原則の応酬が続いた。

X「日本は植民地支配で、600万人の朝鮮人を強制連行し、耐え難い苦痛を与えた。その責任をどう取るのか」

田中「日本にとって、日本人拉致問題は極めて深刻な問題だ。拉致問題の解決なしに日朝関係が改善することなどあり得ない」

極秘会談は、人目を避けるため週末や祝日に、月2回のペースで中国の北京、大連などで行われた。

転機は2002年2月に訪れた。北朝鮮が、拘束していた日本人の元記者を、田中の要求に応じる形で無条件で釈放したのだ。

「ミスターXは金正日総書記に直結しているクレディビリティ・チェック(信頼性確認)は合格だ」

日本側はこう判断し、「条件次第では小泉首相の訪朝もあり得る」と伝えた。

交渉はヤマ場を迎えた。「日本は一体いくら金を出してくれるのか」

ミスターXは執ように、過去の「補償」を金額で示すように迫った。田中が「金額など言えるはずがない」と拒否すると、「私は命がけだ。自決用の拳銃を用意している」「田中さん、我々と戦争しますか」などと脅し文句まで口にした。

田中は、中国、韓国との国交正常化の経緯を詳しく説明し、次の3項目を受けいれるよう説得した。

一、北朝鮮が拉致の事実を認めて謝罪し、拉致被害者の情報を開示する。

一、「過去の清算」は、経済協力による「日韓方式」で解決する。

一、日本側は経済協力の金額は明示しない。

この「3点セット」を、小泉は「絶対に譲れない線」と判断していた。

「次の交渉で、もう一度、同じことを言ってくれ」

田中にも再三指示した。

北朝鮮が譲歩し、日朝首脳会談の筋書きが固まったのは7月のことだった。

しかし、2ヶ月後に実現する小泉訪朝までには、なお大きな課題が残っていた。北朝鮮を「悪の枢軸」と批判する米国との調整だった。
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