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2006年1月10日 (火)

北工作船交信類似(藤田さん、めぐみさん拉致時期)

(産経新聞より)
  記録として保存
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 藤田進さん 失踪直前に北工作船 交信、「めぐみさん」と酷似 
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 北朝鮮に拉致された可能性が指摘されている埼玉県川口市の藤田進さん=当時(19)=が失踪(しっそう)する直前の昭和五十一年一月末、新潟・佐渡島沖を日本沿岸に向かって航行する北朝鮮工作船が確認されていたことが九日、分かった。船の無線交信を解析したところ、横田めぐみさん=拉致当時(13)=が拉致された五十二年十一月ごろ、捕捉された通信と交信状況が酷似していた。捜査当局は、この工作船と藤田さん失踪との関連を慎重に調べている。
 東京学芸大の一年生だった藤田さんは五十一年二月七日、「ガードマンのアルバイトに行く」と言って外出したまま消息を絶った。
 工作船はその十日前の五十一年一月二十八日、佐渡島の北西約八十マイル(約百五十キロ)を航行。海上自衛隊の対潜哨戒機P2Jが船の撮影に成功していた。
 船体に書かれた船名は五文字で、末尾に「丸」の文字があり、日本の漁船を偽装していたが、船尾に工作子船の格納室とみられる観音開きの扉があり、無数のアンテナが張り巡らされるなど北朝鮮工作船の特徴を複数備えていたという。
 船型などを詳細に分析、照合したところ、前年の五十年十一月四日に日本海で確認された船と同一であることが判明。この船は、特有の外観や航跡を示したことから、北朝鮮工作船と断定されている。
 五十年から五十一年一月にかけては、横田めぐみさんや原敕晁(ただあき)さん=同(43)=らの拉致に関与したとされる北朝鮮工作員、辛光洙(シン・グァンス)容疑者(76)=ICPO(国際刑事警察機構)に国際手配=が日本国内で活動拠点を確保、在日朝鮮人を補助工作員に仕立てるなど、活動を活発化させた時期と一致する。
 工作船が日本に接近する際、北朝鮮のラジオ放送に紛れ込ませた暗号放送を潜伏工作員が受信するほか、(1)北朝鮮の基地と工作船(2)工作船と潜伏工作員-の間で無線交信が行われることが分かっている。関係当局が傍受した場合、海自や海上保安庁が艦艇で海上警戒にあたり、警察も沿岸を警戒する。
 これまでに政府が認定した拉致事件でも、こうした無線や工作船の出現時期・場所と、事件発生の時期・場所が合致することが認定根拠の一つになっており、藤田さんのケースでも、工作船との関連は捜査の重要な要素となる。
 藤田さんの失踪をめぐっては一昨年十二月、救出活動を支援している「特定失踪者問題調査会」に国内の男性が「藤田さん拉致にかかわった」と告白。男性は「藤田さんの監禁先だった千葉県内から、車で(新潟県の)糸魚川まで運んだ」と話したという。調査会によると、糸魚川は、北朝鮮が拉致被害者を太平洋側から日本海側に連れ出すとみられている経路「大町ルート」上に当たる。
 調査会は、脱北者が北朝鮮から持ち出したとされる男性の写真を入手。専門家に鑑定依頼したところ、「藤田さんである可能性が高い」との結果が出ている。藤田さんの家族らは一昨年九月、埼玉県警に告発状を提出。警察当局は「拉致」の可能性も含めて捜査している。
     ◇
【用語解説】特定失踪者問題調査会
 北朝鮮に拉致された可能性が排除できない失踪事件について調査する団体。金正日総書記が日本人拉致を認めたことを契機に、拉致被害者の「家族会」を支援する「救う会」が平成15年1月に設立。全国から寄せられる失踪者情報について拉致の可能性を調べ、政府への調査要請や提言、拉致被害者向けの短波ラジオでの呼びかけなどを活動内容とする。これまでに公開調査している特定失踪者252人のうち34人を「拉致濃厚」としている。(産経新聞)
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 上記のニュースに関して [調査会NEWS 323](18.1.10)より
  ■藤田進さん失踪時の情報について  
                       荒木和博
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 本日の産経新聞に掲載された藤田進さん失踪時の不審船及びその電波情報は重要な情報だと思います。藤田進さんについては一昨年夏に出た写真があり、安明進氏の目撃証言があり、しかも実行犯の1人と推定される人間の証言もありで、政府認定されるに十分過ぎる状況です。現在の認定者16人の中にも認定された時点でここまでの基準を満たしていなかった人は存在します。それでも拉致認定はされていないのですから、今回のことはますます政府の認定基準がいい加減であることを証明するものです。

 何度も言っていますが、拉致は個別の事件ではなく国家の安全保障の問題です。政府は警察の「法と証拠」という建前にこだわらず、積極的な拉致認定をするべきです。また、さらに言えば認定するかしないか、家族が名乗り出ているかどうかにかかわらず、全ての拉致被害者を救出するという原則に立って迅速な対応をしてもらいたいと思います。

 そして、その前提で各情報機関はもっと積極的に情報を公開されるよう期待します。縦割り行政の弊害で、それぞれの情報機関の持っている情報をつなぎ合わせれば分かることが組織の壁に阻まれて明らかになっていないことは相当あると推定されています。CIA的な活動をする情報機関が必要だとは思いますが、現在の日本の各情報機関でも、かなりの蓄積はあり、優秀な人材も揃っています。それぞれの機関の持っている情報の一部が共有されるだけでも大変な力になるはずです。

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