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2006年3月16日 (木)

参議院予算委員会での拉致問題質疑記録(2006/3/8)

[調査会NEWS 349](18.3.15)より

■国会で拉致問題について防衛庁長官が初答弁

 邦人保護の問題などでの安倍官房長官の答弁の方がニュースにはなりましたが、3月8日の参議院予算委員会での山根隆治議員(民主)の質問への答弁で、おそらく歴史上初めて、防衛庁長官が拉致問題で答弁を行っています。既に1週間が経過していますが、議事録の決定稿が発表されましたので、少々長くなりますが以下に一部を抜粋します。全文は以下で閲覧できます。
参議院予算委員会議事録


○山根隆治君 北朝鮮が内部崩壊の可能性もなきにしもあらずだろうというふうに思います。そうした混乱の中で邦人をどう救出するかというのは、大変大きな、今から想定をしておかなくてはいけない問題の一つであろうというふうに思います。

 そういう状況を想定する中で、日本におけるそれぞれ、憲法の問題そして法律の問題、制約等もありますけれども、自衛隊としてはどのような対応を考えることができましょうか。

○国務大臣(額賀福志郎君) もうこれは委員御指摘のとおり、御承知のように、自衛隊の活動というのは、権限的に言えば自衛権の発動。自衛権の中のもう一つは集団的自衛権、権利はあるけれども行使はできないというのが政府の見解でありますけれども。もう一つは国際平和協力活動的なことですね。

 今我々が法的にきちっとできることになっておりますのはどういう仕事であるかといいますと、大ざっぱに言って、これはいわゆる本来任務と言われるものですね。これは自衛隊法第三条の任務で規定されているわけでありますが、一つは、日本が直接あるいは間接侵略に対して国民と国家を守るという防衛出動。これが主たる任務でありますが、従たる任務としては、国民保護のための派遣、治安出動、警護出動、海上における警備行動、領空侵犯、災害派遣、地震防災派遣、原子力災害派遣、そのほかまあPKO活動、あるいは今イラクに人道復興支援をしていると。

 法的にきちっと活動が明記された中で自衛隊を活用するということになっておりまして、北朝鮮における拉致された日本人を救出するために自衛権の発動でこれを助けに行くということは、現在の状況では法的に整備されているとは思っておりません。

○山根隆治君 輸送についてはどうでしょうか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 輸送については、緊急事態があったときに外務大臣の、在外邦人の救出という意味では、緊急事態の際に外務大臣の要請を受けて、輸送が安全であるという条件の下で我々は考えたいと、考えることができるということであります。最近では、イラクで新聞記者の皆さん方が取材をしておって、日本人の、まあ言ってみればいろんな拉致的な被害に遭っていた当時でございますから、これは外務大臣の要請に応じて新聞記者をイラクからクウェートに運んだということがあります。

○山根隆治君 北朝鮮国内の混乱の中で日本人が確かにおられるということで、その方々が多くが生命の危険があるという場合に日本国としてなし得ることはないんでしょうか。アメリカとの関係においてはどうでしょう。官房長官。

○国務大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘のような状況になったときに北朝鮮にいる拉致被害者あるいは日本人妻の方々をどうすればいいかという問題については、これは我々にとって大きな課題でありまして、これはもう我々もその問題意識を持ってこの問題に臨んでまいるわけであります。その際は、当然、我が国としてできることは限られているわけでありますので、その際、例えば米国、米軍との関係等においての調整ということも必要になってくるかもしれませんし、韓国との調整ということも必要になるかもしれませんが、これについてはずっと今の拉致問題の連絡・調整室、あるいは拉致問題専門幹事会、今また組織の名前は変わりましたが、におきましても問題意識はずっと持っております。

○山根隆治君 先ほど防衛庁長官、額賀長官は、輸送については自衛隊、安全が確保されればということのお話がございました。しかし、緊急事態で一国が崩壊する、あるいは大きな混乱があるというところでは、一〇〇%の安全の保障ということはなかなか現実的には難しいだろうと思います。そこは政治決断であろうと思っておりますけれども、私は様々なやっぱり想定というものをして、それに対応できるような今からやっぱりシミュレーションというものを、北朝鮮におられる日本人をどう救出するかということについては非常に大事な問題でもありますし、緊急性も高いので、是非研究をしていただきたいと思いますけれども、この点について、外務大臣、防衛庁長官、官房長官、それぞれから御見解をお聞かせください。

○国務大臣(麻生太郎君) これはなかなか仮定の問題としてお答えをしにくいところですが、大量のボートピープルが日本海それから海流に乗っていきますと、そのままエンジンがないと日本海のかなり沿岸側の北の方に漂着する、潮流の流れからいくとそういうことになろうと存じますけれども、そういった状況になるといって、流れ着いた人たちに対するいわゆる検疫等、いろんな問題を抱えるんだと思いますが、それに対して、逃亡者として向こうがそれを追うのか、ただただ棄民みたいにして捨てるのかによっても対応が違ってくると思いますんで、ちょっと山根先生、今この段階でどういう対応が外務省として考えておくべきか、ちょっと、いろんな想定はできるんだと思いますけれども、外務省として危機管理等の観点からいろいろなことを政府として考えておかねばならぬ点であろうと存じます。

○国務大臣(額賀福志郎君) これはもう委員も御承知のとおり、在留邦人がいろんな国におりますけれども、この在留邦人を守ってくれるのは当該国がまず第一の責任者であります。だから、そこの国の統治している責任者が日本人を守るべきであるということであります。

 そういうときに日本人を守る主管庁は、我が国においては外務省になります。だから、外務省の要請に応じて自衛隊は対応していくというのが原則でございます。

○国務大臣(安倍晋三君) 委員の御質問は、北朝鮮において例えば国が崩壊の危機に瀕して、また大混乱になったときと、まあそういう無政府的な状況になったときにどう対応するかという御質問なんだろうと、このように思うわけでありますが、これは当然一つの省庁だけでできる問題ではないわけでありまして、米国あるいは韓国との関係、そしてまた自衛隊がどういう対応をできるか等々も含めてですね、これは現在、拉致問題専門幹事会は全省庁が入った組織になっておりますので、そこでもこの問題意識を持ってしっかりと検討をしていかなければいけない。

 例えば、救出等々ということになった場合は、我が国としてできないことであったとしても、向こうにいるかもしれない人の名前ぐらいは最低限把握をしておかなければいけないと、こういうことではないかと思います。

 「在留邦人を守ってくれるのは当該国がまず第一の責任者」という防衛庁長官の答弁には一瞬笑ってしまいましたが、おそらくこれは「拉致被害者に手を出したら全軍挙げて只ではおかないぞ」という恫喝(?)なのでしょう。

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