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2006年3月18日 (土)

東京連続集会15(7)

『西岡力 救う会副会長のお話 その1』

今日の企画は増元さんの企画でして、言いたいことが一杯あるんだと。
国民大集会ではいつも3分とか5分で消化不良だから、家族の話をじっくりと皆さんに聞いて頂く席を設けて欲しいという事で。
12月の国民大集会に家族会に時間くれって言って、それは外国からもたくさんお客さん来るからって、それで今日になったんです。
今お話を聞いていて、限界が近付いているんだなと。
健康の面でもストレスの面でも、もう3月になると家族会が出来てから今度10年目になるんですね。
10年目に入るという事で疲れが目立って来ているなぁと思っています。

しかし私は何回もこの場所で申し上げているんですけども、去年一年間はこう着状態ではなくて嵐の前の静けさだというふうに言ってきましたが、そろそろ静けさじゃなくなって来ていると。
かなり風も吹いてきたし雨も出てきたなと思っています。
動きが出てきたなと思っています。
それはですね、昨年の状況を分析すると良く分かるんですが、昨年の2月に北朝鮮が核保有宣言をして、そして日本とは話し合いをしないという外務省声明を出したんです。
日本が遺骨の鑑定をでっち上げている。
あれはめぐみさんの遺骨で間違いないんだ。
その様な事をいう日本とは話し合う意味が無い。
というふうに政府の立場を明らかにしたのが昨年の2月なんです。

そして7月にほぼ1年ぶりで6者協議が始まるんですが、その直前に6者協議で日本が拉致問題を持ち出すならば日本は6者協議に出る資格がない、5者協議をやろうと北朝鮮は提案するわけです。
それに対して韓国と中国は北朝鮮の言う事は理解出来ると、いう事を言った訳ですね。
アメリカだけは、いや日本が拉致問題を出す事を我々はサポートするということで、折角1年ぶりに6者協議が始まるのに日本が拉致問題を出す事によって北が席を立ったらどうするのか?と言う圧力が韓国や中国から来ていた。
それでも日本政府は拉致問題を出したんです。

そしたらば北朝鮮は、6者協議といえば最初に6者で全体会議がありまして、次の日からはそれぞれが2者で会う訳ですね。
それを中国がアレンジしながらやって、月見の会とかいろんな事をやって最後に文書をまとめようとするわけですね。
期間が長いですけど、ずっと毎日毎日6者で会ってるわけではないんです。
日本はとにかくその6者協議の中で日朝をやりたいと廊下とかですれ違ったりその席で会って、今日会いましょうと言っても全部拒否された。
(それが)去年の7月の再開6者協議だった。

再開6者協議で共同声明がまとまらなくて休会にしたんです。
休んだんです。
休会を決めた後、休会の後なら良いと言って日本と10何分か会ってるんです。
(少し呆れた声で)会ってくれって、本当にそういう感じなんです。
そこで日本側は拉致の事を言ったんですけども、持ち帰るとか言うだけで。
つまり6者協議では日本と拉致の話をしないと言う指令を受けてきたんです。
休会後に(話を)した。

ところが彼らの態度が変わるのが9月なんです。
再開されて共同声明がまとまる9月の6者協議では、向こうの方から日朝やりましょうと言って来た。
ちょっと正確に覚えていませんが、最初の日は40分だったのかな?もしかしたら60分かも。
あの、とにかく長い時間、日本が拉致問題を一方的に言って向こうが聞いていたと。
で、次の日も日朝をやったと。
その次の日もやった。
拉致問題を出すなら出て行けと言わなくなったんです。

それで最初の日に日本側の拉致で協議をしたいと言う事を聞いて、本国に伝えると言って。
そしてそれは彼らもどうせ時間が無いので本国に伝えると言って平壌に帰ったんだろうと思ったら、そうでなくてその期間中に本国から返事が来た。
拉致で話し合いをしようと言う提案があって、そして11月の話し合い、6者協議とは別の日朝協議になるわけです。
そこで日本側は3協議の並行協議と言う提案をするわけですね。
で、北朝鮮は前回の時にその提案をしていたわけですけど、11月にやった提案を北も受けて、年明けて日朝で並行協議をやろうという事になったわけです。

そこでは北朝鮮の朝鮮通信とかあるいは朝鮮総連の新聞などでも「拉致問題など懸案に関する協議」とちゃんと書いてある。
3つの協議の内のひとつに拉致があると北が認めてるんです。
諸懸案に関する協議とかになってないんですね。
拉致問題と書いてあるんです。
北のメディアもそう報道しているんです。

彼らは半年前は拉致問題を出すのもけしからん。
彼らはもう拉致問題は終わっていると言ってたんです。
ところが9月以降になってから拉致問題について日本と協議する事を拒否しない。
それどころか拉致問題、そして日朝で正式に協議するタイトルに拉致を入れる事を認めたんです。
言う事が、起きて来ているんです。

それはなぜなのか?と言う事ですけども、アメリカの圧力だと思います。
ここでもご報告しましたけど、日本政府は去年の1月2月くらいはかなり経済制裁をする準備をしたんですね。
町村外務大臣はライス国務長官などに会って、制裁した場合にアメリカは支持してくれるか?何て話をしているわけです。
しかしそこで町村さんがひとつ我々に教えて頂いたので、多分ここでも何回かお話した事があると思いますけど、実は何回か日本の経済制裁慎重になってくれと言って来ているんだと。
その中の一カ国にアメリカも入っている、と言う話を去年の前半に聞きました。

ただしそれをアメリカの外では言わないと。
アメリカの方では6者協議に北朝鮮をもう一度戻したいと。
そのために日本が経済制裁をすると出て来ない口実を与えてしまうと、言う事だったようですけども。
それを先に言ってしまうと、6者協議に出てくる事の値段が高くなって北朝鮮はもっと吊り上げてくるから、それを外で言うのはやめましょうと言って、アメリカ政府の現職の人は経済制裁に慎重だと言う事は言わなかったんですが、辞めたアーミテージ副長官とかベーカー前大使とかは話をしていたわけですね。

しかしアメリカは6者協議の再開までは待っていた。
7月に再開された後は、堰を切ったように圧力をかけ始めた。
一昨年の12月に北朝鮮人権法がアメリカに議会を通ったんです。
その法律の中には北朝鮮人権特使を任命すると書いてあるんです。
書いてあるのにやらなかったんです、ブッシュ政権は。
6者協議が再開されるまでは、(人権特使の)内定者はいたんですよ?
もう、人事決まってたんですよね?
だけど勉強させているんだとか言って、増元さん確か5月でしたよね?
マイケル・グリーンの所へ行ったのは?

つまりそれは6者協議が一回始まるまでは北朝鮮を刺激する事はアメリカも控えて、議会で決まってたのにやらなかった。
北朝鮮人権法では脱北者をアメリカが受け入れると。
それから脱北者や北朝鮮の人権問題をやっているNGOにアメリカのお金をつけると。
全面的に支援すると書いてあるのに、それもやってない。
まだやってない。
6者協議に一回出させて、彼らの反応を見る。

もうちょっと言うと、中国をアメリカは見ているわけですね。
中国は、今イランの核問題が安保理事会に行ったわけです。
北朝鮮の方が先に核武装宣言をしていて、AIEAは北朝鮮は核を平和利用しているとは保障できないと、2003年に安保理事会に報告しているのに持っていかないのは、中国が安保理事会に行く事を反対しているからです。
中国は拒否権を持っているわけです。
だから6者協議と言う場を設定しているわけですけど、中国にやらせておいて、誰が見ても北朝鮮のやってる事はおかしいじゃないかと思う踏み絵を踏ませましてね。
忍耐を持って手続きを取ってるわけですけども。
6者協議がもう一回行われて9月に声明はまとまったんですけども、結局は北朝鮮は実行する意思を見せない。
そういう中でアメリカはもう7月に6者協議を再開させたあと人権特使を任命して、それからちょっと前の6月に北朝鮮人権国際大会と言う国際会議をワシントンでやってそれに予算を付けたんです。
そして9月に金融制裁を発動した。

今、増元さんなんかが言われた、これは愛国者法と言う法律なんですね。
9・11のテロの後に作られた法律で、テロリストがどうやって資金を調達しているのか。
それを防がなくてはアメリカの安全は保てないと言って、テロ資金のマネーロンダリングに関係している金融機関に対してアメリカの財務省が一方的に指名して、弁明の機会も何も与えない。
この銀行が駄目だと言ったらアメリカの金融機関が一斉に取引を止めてしまう。
マカオの銀行は突然指名されてアメリカの銀行が取引を停止すると言う事で、それでアメリカの銀行が取引停止するとマカオの銀行は潰れると噂が流れて、2日か3日くらいで預金の20%くらいが引き下ろされて取り付け騒ぎが起きている。
預金の凍結になってマカオの行政区管理になった。
世界中の銀行がアメリカが指名すればそうなる。
なにか国際会議を開いたり安保理事会で決めたりしていないんです。
アメリカが一国で決めているんです。

日本に足利銀行と言う銀行があるんですが、朝鮮総連の信用組合は外国為替の信用業務が出来ませんから、朝鮮総連の外国為替業務はずっと足利銀行がやってきたわけです。
例えば朝鮮総連の資金がテロ資金だとアメリカが一方的に指名すれば、足利銀行はアメリカの銀行との取引を一方的に停止になるんです。
弁明の機会も何も無い、と言うかなり物凄い法律なんです。
その銀行がテロをやったとか言うんじゃないんです。
協力したんです。
マカオの銀行で、北朝鮮の銀行じゃないんです。

もう一つそのときにバンク・オブ・チャイナという中国の、中国に国営銀行って無いわけですので、5大銀行に入る銀行なんですけど、マカオにもたくさん支店があるんですけど。
その銀行も同じ法律で制裁をかける候補になっているという事をアメリカは意図的にリークするんです。
そのバンク・オブ・チャイナと言うのはニューヨークの株式市場で上場したいのか債券を発行したいのか、そういうことを計画しているんですね。
アメリカの財務省と関係を良くしたいんです。
財務省が制裁の対象になっているという事になると、大変困るわけです。

しかし一方で北朝鮮の今の・・・(聞き取れず)銀行とかいくつか銀行があるんですけどそういう所は国際的な信用が無くて、外国為替業務をやる時はバンク・オブ・チャイナが保障していたんです。
バンク・オブ・チャイナが北朝鮮との取引を止めたらば、北朝鮮の銀行も普通の貿易決済とかも一切出来なくなってしまう。
と言うところまでアメリカは手を付けたんです。
そして候補に上がったわけですから、マカオの銀行みたいになりたくないわけで、そうでなくても上場したり債券を発行したりするときにアメリカの財務省の許可が必要ですから、北朝鮮との金融取引をかなり自粛している・あるいは規制している・凍結している。
まぁ表現は分からないですけども、かなりバンク・オブ・チャイナでは神経を尖らせている。

北朝鮮は今物凄く困っているんです。
マカオの銀行にも15の北朝鮮の講座が有ったんです。
金正日の個人口座です。
そのうち11が仮名口座です。
4つは本名ですが。
制裁かかった直後に平壌から20人、金正日の個人資金担当の労働党39号室と言うんですけど、そこから人が来て。
片道切符で預金を下ろすまで平壌に帰ってくるなと言われて来ているみたいですけど。
交渉しているけどまだ持って帰れない。

私の知っている人の知人で韓国人で北朝鮮と貿易取引をしている人と、後中国に住んでいる朝鮮族の人でやっぱり北朝鮮と貿易取引をしている人が、9月以降送金が出来なくなって困っている。
送金は、朝鮮族もマカオの銀行を使ってたんです。
韓国の人もマカオの銀行を使ってたんですが、マカオの銀行が制裁のかかっていない銀行も含めてみんな北朝鮮との取引を嫌がってやらない。

で、その理由はアメリカが北朝鮮のテロ資金だと言うことですけど、具体的には偽札を作っている。
アメリカのお札を印刷していると言うことですね。
しかし、それも実は10年前からやってるわけです。
なぜそれを今強く問題にするのか?
6者協議を始める前から偽札はやってたわけなんですね。
愛国者法というのは9・11の前からあったわけなんですが、あるわけです。
でも6者協議まで持っていって、しかし圧力はかけると。
これが対話と圧力なんです。

そしたら北はどうしたかと言うと、アメリカに交渉して欲しいと言った。
だが、アメリカは交渉はしないと言った。
北朝鮮の犯罪行為に対するアメリカの国内法の適用だから、説明はしますよ。
でもこれは交渉事ではない。
6者協議にもこの事は関係ない、核問題じゃない。

で、北朝鮮は何とかこれを交渉して欲しい。
ニューヨークまで行く、ワシントンまで行くと言ってるんです。
拉致問題の交渉で彼らは東京に来た事があるのか?
北京と平壌でばかりやってるんですね。

先ほどミサイルの話が出ましたけど、困ってるのはその金融制裁の方が困ってるんです。
万景峰号が止まっても多分、トロが食べられなくて、トロは飛行機で持っていきますからね。
メロンがあれするかもしれないけど、飛行機があるわけです。
それほど本当に困る事ではないんです。
そんな事でミサイルなんかが飛んでくる事は無いという事が、今回アメリカがやった事で実証されたわけです。
そうじゃなくて困ったらどうしたかと言うと、中国に泣き付いて10月に胡錦濤国家主席が北朝鮮を訪問したのに、1月に金正日が突然2ヶ月ちょっとしか経ってないのに行くわけですね。
首脳会談をそんなに頻繁にやる必要は無いわけです。

やっぱり困って、マカオは今中国が行政権を持ってるわけです。
マカオの銀行に対する制裁をして、各国の銀行が北朝鮮との取引を止めてるわけですけど、それをちょっと何とかしてくれと泣き付きに行ったのは間違いない。
しかし中国は今、アメリカの制裁に対してやめてくれと言って、偽札に加担するのか?と言う踏み絵を踏まされているわけですね。
そういう偽札に加担するような銀行はアメリカと金融取引しませんよと、それは全うな論理ですね。

日本も人さらいに加担するのか?と。
世界の銀行などに対してですね。
言って良いわけです。
アメリカが日本に対して7月まで制裁してくれるなと言ってたわけですけど、自分は9月になったらドンとやるわけですね。
これは6者協議に関係ないといっても実際6者協議に関係出るわけです。
今北朝鮮は、アメリカに金融制裁を解除しない限り6者協議には戻らないと言ってるんです。
アメリカはそれは関係ないんだ、彼らは勝手にやってる事だと、我々の金融制裁は6者協議と関係ないんだから6者協議のために金融制裁を解除することはしないと言っているんです。

でもアメリカも9月から制裁をしたんですから、今好機なんです。
アメリカは国内法で、偽札で制裁をした。
我々は6者協議をしますと。
そりゃ、並行協議をやっても良いと思いますよ。
こちら側からは協議を中断する必要はないと思います。
しかし、偽の遺骨を出してきて1年以上経って、誠実で迅速な対応をしていませんと、だから制裁をかけますと。
迅速は出来なくても誠実な対応があれば解除しますよと、言えば良いわけです。

・・・その2に続く・・・
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