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2006年4月29日 (土)

荒木和博氏講演(2006/4/16)

日本再生フォーラム第17回講演会 (06.4.16 JACK大宮ビル5階にて)
「拉致問題を通して日本のあり方を考える 第6弾 ~北朝鮮による拉致を二度と許さないために~」

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『荒木和博 特定失踪者問題調査会代表の講演 その1』

本日はお忙しい中、多数の皆様お集まり頂きまして本当にありがとうございます。
また、この会を主催するに当たりまして竹本代表を初めと致します、日本再生フォーラムの皆様のご尽力に心より敬意を表する次第でございます。

これから私がお話いたしますのは、今日ですね。
特に中心的な題は「拉致を二度と許さないために」と言う事でございまして、主にこれからどういうふうにするべきかという事について話をさせて頂きたいと思いますが、皆様なんと言いましてもこの所出ておりますキム・ヘギョンさんと韓国人拉致被害者・金英男さんのDNAの鑑定の結果等々をですね。
この事が大変ご関心を持っておられると思いますので、ちょっと最初にこのことに触れておきたいと思います。

この事が明らかになったのは先週辺りから、先々週ですか。
辺りからちょっと話が出るんではないか?と言うことを言われておりました。
正式に発表がありましたのが11日でございまして、この時に政府がそのDNA鑑定の結果、キム・ヘギョンさんの血液とそして金英男さんと言う、昭和で言うと53年の8月5日に韓国の西海岸の島から拉致された当時工業高校の高校生です。
このDNA鑑定の結果ですね。
二人の間に血縁関係がある事が確認をされた、と言うような報道でございました。

この(DNA鑑定を)2ヶ所やってほぼ間違いが無い、と言うような事でございましてですね。
私たちにとりましてはご存知の無い方もおられるかもしれませんが、特定失踪者のDNA鑑定の問題と申しますと、山梨県の甲府市で失踪された山本美保さんの事について、山梨県警が行ったDNA鑑定と言うのはですね。
どうも余りにもちょっと信用できないと。
言う物がありますので、DNAと聞いただけでちょっと?マークがつくんですが、今回の調べ方等々からするとやはり間違いないだろうと言うふうには思っております。
ですから少なくとも一時期、横田めぐみさんと金英男さんの間に夫婦の関係が存在したという事は間違いが無いかと思います。

で、もともとこの情報は去年の12月にですね。
韓国の拉致被害者家族会、韓国では拉致被害者の家族の会が3つありまして、そのうちの一つの拉致被害者家族会の崔成龍さんという代表が発表をした。
これは一昨年の2004年の9月、中国で情報をですね。
北朝鮮の高官から得たと、言う事で発表した情報だったんですが、それが確認されたと言う事でございます。

ちなみに去年くらいからですね。
ニュースにもちょっと出たようですが、蓮池薫さんが横田めぐみさんのご主人は韓国人の拉致被害者であるということを言っていたと、言う話もございました。
ですからその二つのソースがあったわけですが、今回これが確認をされたと言う事です。

私が調査会のメールニュースでですね。
書いたんですが、蓮池さんは帰ったときにですね。
帰国した時に横田さんのご両親ともそれから双子の弟さんにも会っている。
その後も何回か会っている訳ですが、最初の内はですね。
めぐみさんのご主人は拉致被害者の韓国人であると言う事は一言も言っていません。
一昨年くらいから、ちょっと周辺には漏らし始めたという話を聞いておりますが、結局ですね。
横田さんのご両親はあるいは弟さんたちは直接は彼らからそういう話は聞いていない、と言う状態であると思います。

で、ここにおられる皆さんもいろいろなお気持ちの方がおられると思いますが、私もこういうことばかり言っておりますんで、相当彼らからは煙たがられているようなんですけども、あのですね。
ちゃんと言うべきですよね?こんな事は、当たり前の話で。
最初からそんな事を分かっているなら、分かってないわけが無い。
彼らは一緒に暮らしていたわけですから、一緒に暮らしていたのが嘘であれば分かりませんけど、本当に一緒に暮らしていたのであれば、当然一緒に暮らしていた人間が同じ朝鮮語で話をしていたって、それがただの元々の北朝鮮の人なのか?
拉致された韓国人なのか?くらいはですね。
わかんないはずが無い。
ですから帰国した当時すぐにですね。
それを教える事が出来てもおかしくなかったと言うふうに思います。

あの当時彼らが言っていた事は殆ど横田めぐみさんの事についての証言ばかりでございまして、そのあとポツリポツリと田口八重子さんについての証言ですとか出て参りましたけど、あの時はめぐみさんの事ばっかりでございます。
それはどういう事を意味するかと言いますと、この横田めぐみさんの事を出すことによりまして、横田さんのご両親をピョンヤンに呼ぶと。
そこで横田めぐみの墓と言うものでも作っておいてですね。
そこで拝ませて、キム・ヘギョンさんと感動の対面をさせて、それを持って拉致問題はおしまいと言うふうにしようとしていたんだろうと思います。
彼ら自身はちゃんとそういうふうに喋れと、言う事のシナリオに従って喋ったんだろうと私は思っております。

しかし、これはある程度仕方が無い部分があります。
当然そういうような事をですね、しなければ北朝鮮が出すはずもありませんから、ある程度は仕方がなかったと思うんですが、それにしてもここに来てからもう3年半経つわけですが、その頃になってこういう事が出てくるということ事態がですね。
やはりどう考えてもおかしいんではないか?と思うんです。

それからですね。
ちょうど蓮池さんが拉致されたのと金英男さんが拉致された頃がほとんど同じ時期です。
7月の末と8月の初めですから。
で、つまりご両親はこの二人の息子をそれぞれ二十何年前待ち続けたんですね。
蓮池さんのお母さん、ハツイさんなんかは最初の内はですね。
本当に、こう言っては失礼ですが、錯乱状態に近いような状態になってしまったという話を聞いております。

そういう状態の中で苦しんで、しかし息子を何とか取り返したいと言う思いでですね。
お母さんは一生懸命やってこられて、そして現実に息子さんを取り返す事が出来たんですが、同じ苦しみを受けているお母さん、崔桂月さんに対してですね。
もっと早く本人から直接ですね。
連絡を取って上げられなかったもんだろうか?と、そういうことを私は未だに非常に疑問に感じております。
彼らにすればもちろん言い分はあるんでしょうけども、しかし普通に考えてですね。
やっぱりおかしいんじゃないかな?と言うふうに私は思っております。

彼ら自身は特にですね。
今まで喋ってない事は非常にたくさんあります。
彼ら自身は政府に対しては殆どみんな喋ったと言うような事を言っておりますけども、そんな事絶対にあるわけは無いです。
もちろん、喋れない事もあるんでしょう。
それはまぁ認めますけども、しかし、それはそれとしてですね。
それにしても彼らが全部喋ったと言う事は嘘だとしか言いようが無い。

彼らの中でもですね。
特に地村さんご夫妻とか、あるいは曽我さんなどはですね。
何かあれば柏崎に連絡を取って、そして喋っては駄目というふうに言われると喋らない。
こういうような話を私はいろんな所から聞いております。
ならば、やっぱり蓮池薫さんがですね。
それなりの責任を持って対応をするべきであろうと言うふうに思っております。
こんな事を言うのは大体私とあと何人もいませんので、言えば嫌われるんですけども、そんなのんびりした事も言っていられませんので、この場を借りてもですね。
ちょっと申し上げておきたい、と言うふうに思っております。

そうしないと、まさに、今回の金英男さんの件でもそうですが、こういうことが明らかになってからですね。
なんだあいつ等話してなかったじゃないかと言う話になってくる。
これ日本人の、韓国人にも酷い話ですけど、例えば日本人の拉致被害者の人で特定失踪者の中の人とかですね。
当然蓮池さんは藤田進さんなんかを見てるはずなんですが、見ていないと。
やがて別の所から明らかになったときにですね。
なんだ、何であの時言わなかったんだ?という話になれば、彼ら自身の立場の方が危なくなる、非常に悪くなるということもあるわけで、やはりいろいろ問題はあるんでしょうけども、しっかりとそこは話をして貰いたいという事をですね。
本当に切実に感じております。

しかしこういうふうになる事の理由がいったいどこにあるのか?
まさにこの国の根本に関る問題である、と言う事であります。
この国がもうちょっとしっかりしていれば、彼らはもちろん拉致をされる事は無かったでしょうし、拉致をされてももっと早く取り返す事が出来たでしょうし、こんなに多数の方々が拉致をされる事もなかったであろうと言うふうに思います。
もちろん拉致をしたのは北朝鮮と言う極めて異常な体制の国がやった事ではございますけども、一方でその拉致をやらせてしまった言う意味でですね。
日本と言う国も極めて異常な国である、というふうに言わざるを得ません。

田口さんの拉致もおそらく今まだいろんなこと分かってない事がたくさんあると思うんですが、横田めぐみさんの拉致もですね。
複数の筋から私が聞いている話では、昭和52年11月15日のあの拉致をされてから間もなくの時点で日本政府の上の方はですね。
もう北朝鮮による拉致だと言う事は認識していたと言う話がございます。
おそらく私はそれは間違いが無いだろうと思っています。

で、しかしその後ずっと言って来なかった。
平成9年にこれが明らかになったためにですね。
政府は拉致であると言い始めたわけでありますが、これを民間の方で明らかにしていなければですね。
未だにおそらく横田めぐみさんはただの失踪した中学一年生の少女、と言う事であったのではないだろうか?
もちろん今帰国している5人も帰ってくる事はなかっただろう、と言うふうに思うわけでございます。

で、どういうふうにこの国がおかしかったのか?と言う事を知る上でまずですね。
北朝鮮がどういうことを今までやって来たか?と言うようなことについてのお話をして行こうと思います。

ちょっと遠くの方は分からないかもしれませんが、これは北朝鮮の潜水艦です。(写真を一枚掲げる)
今から11年前にですね、東海岸に工作員を侵入させるためにやって来てですね。
そしてそこで波が高かったので座礁して、帰れなくなったという潜水艦でございます。
事件を覚えていらっしゃる方もおられるんじゃないかと思います。
この時にこの潜水艦に乗っかっていた乗員はですね。
全部上陸をいたしまして半分はその場で集団自決をする。
残りは皆山の中に逃げ込んで、そして一人が捕まりまして残りの13人だったかな?
が射殺されて、一人はどうも北朝鮮に逃げ帰ったらしいと、言うふうに言われております。

で、この潜水艦、近くじゃないと分からないと思いますが、前に魚雷の発射管が無いんですね。
ここから見えませんがこの反対側、右舷の船首の方にですね。
一ヶ所だけハッチが、魚雷発射管みたいな場所に付いています。
それが何かと言うと工作員が脱出する為の、つまり上陸したりするときのですね。
ここから出て水中スクーターのようなそういう物で海岸に入る。
そのためのハッチが一つだけ付いております。
他にはこの船にはですね。
魚雷もないし、それ以外の武装もしていない。
もちろん銃とかですね、そういう物は持ち込んでいたんですけども、その船自体には直接くっついてはおりません。

それはいったいどういう事を意味するのか?と言いますと、この潜水艦がいわゆる普通の海軍が戦闘をやったりするために使う船では無いと言うことですね。
この潜水艦の目的と言うのは韓国に工作員を送り込む、偵察を行う為の潜水艦だと言う事です。
北朝鮮の工作活動と言うのは、ですからたまたまいろんな事をやってる中で必要性に応じてついでにやると言う事ではなくて、工作活動をやること事態が彼らにとって極めて重要な物のひとつである。
それは韓国の中の政権を転覆させて、そして南を共産化統一をするという北朝鮮の国家目標に基づいたものですけども、そういう物に基づいて作られていると言う事です。

韓国はそれに対抗する為にこうやってですね。
海岸に韓国の東、西、南の海岸と言うのはほとんどこういう鉄の柵が巡らされております。
韓国へ行かれたら海岸の方で人目の無い所でもずっとこう言うのが通ってますから、御覧になったら良いと思いますが、かなりしっかりとした鉄の柵で上には鉄条網が巻かれております。
こういうものがずっと渡されている。
こう言うのがあっても潜水艦が来たら平気で入ってくるんですね、北朝鮮の工作員と言うのは。

それと今、埼玉には海はありませんけども、この茨城でも千葉でもですね。
海岸線にこんな物あるか?と言うと、どこにも無いわけでございます。
この中には、これもちょっと小さくて分かり難いと思いますが、ここの端の所にですね。
韓国軍の警備・・・(聞き取れず)があります。
ここには実弾を込めた銃を持った兵隊がですね、警備をしている。
それから海も船がパトロールをしている。
こういうふうにやってる中ででもですね、平気で入って来る、と言う状況です。
それと日本の状況を比べてみるといったいどういうものか?と言うのは非常にお分かりになるだろうと思います。

で、日本には、今潜水艦はひょっとしたら使ってるのかもしれませんけども、基本的にはこのこういう工作船ですね。
こういう物で入って来ているという事が多い。
最近一応(潜入は)止まってるんじゃないか?と言う話も有りますが、ちょっと詳しい事は分かりません。
使える時は、また使ってくると思います。

この工作船は今横浜のですね。
観光地になっています赤レンガ倉庫がありますが、あの先に海上保安庁の施設がありまして、そこで展示をしてあります。
ゴールデンウィークにでも横浜の方に遊びに行かれたらちょっと足を伸ばしてですね。
30分くらいで見れますので、行って御覧になったら良いと思います。
陸の上に上げてありますから、非常に大きく見えます。

船の事をお分かりの方ならすぐ分かると思うんですが、この船の船首の形状は非常に尖ったV字型の形状をしております。
これもさっきの潜水艦と同じように、漁船を改造したとかそういう片手間仕事でやった物では無いと言うことです。
完全に工作活動をやるために、特に日本に工作員等を送り込むために作った船だと言うことですね。
この船は時速で言いますと大体40ノット(1ノットは1.852キロメートル毎時、40ノット=時速約74キロメートル)以上のスピードが出る。
この船の後ろの方が観音開きで開きまして、工作小船という、ちょっと上から見ますとですね。
普通のポンポン船にしか見えない船が出てくるわけですが、この船はもっとスピードが速くて50ノット(=時速約79キロメートル)くらいのスピードも出して走ることが出来る。
そういうような船ですね。
この船で沖合い500メートルくらいまで行って、それからゴムボートに乗り換えて上陸をすると、言うようなパターンが非常に多いというように聞いております。


このテキストは話しの花束ぴろんさんの労作です。

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