東京連続集会17-8(2006/4/12)
『質疑応答 通訳:西岡力氏』
★質問者 増元照明氏
ありがとうございました。
ひとつだけ、日本の政治家の中にも国民の中にも、北朝鮮が崩壊した時日本に300万人の難民が来ると言っている方がいるんですが、実際北朝鮮が崩壊した時、難民が来ると思われますか?
★金聖民氏
そういう話は実は東京に来て初めて聞きました。
中国に逃げるだろう、韓国に逃げるだろうと言う話はありますが、初めて聞いたことなので今瞬間的に思っていることですけど、瞬間的に考えてお答えするんですが、殆どそういうことは無いんではないか?と思います。
ただ、無視できない点があるとしたら、北朝鮮の人間は日本が世界で一番暮らしやすい金持ちの国だと思っています。
在日朝鮮人がいろんな物資を持って来ているので、それで日本が豊かだと言う事は皆知っている。
ロシアの材木伐採工で行って帰って来た人間とか、ドイツに行って帰って来た人間とかいますから、いろんな国の状況を知っていますけど、その中で日本が一番豊かでいい国だと思っているんです。
だから混乱などでどこか行こうと思ったら、日本に来る可能性はゼロだとは思いませんが、船に乗ってまで来られるだろうか?と。
そういう事を考えると日本に難民がたくさん来ると言うのはちょっと考え難いんじゃないか?と思います。
★質問者 本田勝氏
お聞きしたいんですけども、脱北者の方は貴重な人だと思うんですけども、まして軍隊にいたという事なので。
私の妹、田口八重子は蓮池さんの情報ですと、軍隊の組織「敵工地」と言うところに所属して、そちらの方でどこか別のルートにいると言う話を聞いておるんですが。
その敵工地と言う組織その物は何なのでしょうか?
それからもう一点、私の妹八重子は軍の移動中の車両と交通事故で、北朝鮮で言えば民間の車とぶつかって交通事故を起して死亡したと言われているんですが、軍の移動中と言うのはそういうことは起きるんでしょうか?
★金聖民氏
第一の質問ですが、敵工地ではなく敵工局だと思います。
敵工局というのは軍の組織であります。
それは朝鮮人民軍の総政治局の下にある直属の機関です。
軍の組織は総参謀部と総政治部の二つの組織に分かれるわけですけども、総参謀部は軍の編成上の空軍とか陸軍とか海軍とかがそこに所属していますが、政治ラインの総政治局のすぐ下に敵工局と言う組織があります。
一般の北朝鮮の人間でも敵工局と言う組織があるということは知っていますけども、そこが何をやってるかはあまり良く知りません。
ただ、私たち一般の軍人が知っているのは敵工局が作っている小さな本です。
冊子です。
その冊子は宣扇(せんどう)資料という、つまり宣伝扇動の宣扇ですね。
敵に会った時に、どうやって敵に政治工作をするのか?
その要領を書いて作ってある本を作って軍人に配っている組織だと理解しています。
その中で敵と対峙した時にどのように政治武装をして相手に勝つのか?
心理戦をやるのか?と言うことが書いてあるんですが、私は日本語で一つだけ知っているのがあるんです。
「我々は朝鮮人民軍だ」と、その本の中に出てくるんです。
ですから日本軍と対峙した時に、日本軍に対してどのような言葉を言って彼らを降伏させるのか?と。
そこに日本語を覚えろと書いてあるんです。
アメリカ軍と戦う時は英語で言えと英語で覚える言葉が書いてある。
しかし敵工局でやる本当の任務は対南工作です。
ふたつあります。
ひとつはビラや物を北から南に送ってそれによる政治工作。
北朝鮮は大変経済が狂っていて餓死者が続出していて、そして闇市ではうどん一杯を食べられなくて泣いている子供たちがたくさんいた。
大変な経済危機だった97年98年でも外貨を使っていい紙を買って来て、濡れないようにコーティングをしてビラを作って南に撒いていたんです。
あるいは金正日の贈り物の時計と言うのがあって、その星印の時計や北朝鮮の一番最高級のタバコを南に撒いていたんですね。
北朝鮮の社会主義がいかに偉大な物であるかと宣伝する為に撒いたんですが、その任務を担当していたのが敵工局です。
もう一つ敵工局でやっている事は対南ラジオ放送です。
実は北朝鮮は南北長官級会談で、お互いの誹謗放送をやめようと提案して来たんですね。
北の人間が南からのラジオを聴くとショックを受けるわけです。
平凡な事実でも北の人は知らないから、大変なショックを受けて変化が起きる。
北からのラジオを南の人が聴いても何の効果も出ない。
そういう中で両方一片にやめようと言う提案をしてきたわけですけども、その北朝鮮がやっていた対南放送を担当する部署が敵工局です。
その長官級会談でですね。
お互いラジオ放送を中断しようと合意したんですが、ですから北朝鮮の代表的な対南放送「統一革命党の声放送」これは放送を中断しました。
しかしその内容はそのまま平壌放送の一部に編成されて、対南番組が平壌放送の中に生まれて、そのまま吸収されて今もやっています。
ですから田口さんはもしかしたらそのラジオ放送の部門、政治工作の部門で何か仕事をさせられているのかもしれません。
率直に申し上げますけども、交通事故はどこの国でも起きるわけです。
北朝鮮で交通事故が起きるとすると軍隊の車両と起こる可能性が高いです。
なぜなら軍隊の車両は民間の車両が来ても避けないからです。
民間の車両は逃げなければならない。
そういう事はあります。
しかし北朝鮮が今死んだと言った事を信用できるか?と言ったら、私は全く信用できないと思います。
一人一人の人たちがなぜ死んだという事になっているか?
そして墓が流れたと言って証拠が出てこないのか?
これは北朝鮮が外に出す事が出来ない重要な地位にいて、秘密を知っているからです。
特に対南工作や対日工作に関係する重要で口外出来ない秘密を知っているので、死んだと言って嘘をついているんだと言うふうに思います。
そういう点では、つまり彼らは秘密を暴露されるのを恐れているから絶対に外へは出すことは出来ない。
大変皆さんは困難な戦いをしていらっしゃると思います。
このテキストは話しの花束ぴろんさんの労作です。
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