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2006年5月26日 (金)

東京連続集会18-8島田洋一氏

『島田洋一 救う会副会長 訪米報告』

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あの、手短にお話しますけど、ブッシュ大統領との面会は多分実現するだろうと思っていましたが、儀礼的な握手をして「頑張ってください」という表敬訪問的なものになるのかな?と思っていたら、本格的なものになるとは分からなかったんですが。
実際実現してみるとですね。
本当の本格的な形の物になりました。

一言で言えばですね。
日本との連携をどんどん深めて、中国共産党政権、それから盧武鉉政権への圧力を強めていく。
こういう格好で北朝鮮の人権問題を厳しく追及して行こうと。
そういう大統領の意思を内外に向けて示したと、そういう意味では大変戦略的な対談だと。
従って人選も大変戦略的に行われていまして、横田さん親子を招待したというのはもちろん日米の連携強化の象徴ですけども。

キム・ハンミちゃん一家。
これはご存知の通り瀋陽の日本領事館に駆け込もうとしたところ、中国の公安に引き摺り出されて危うく北朝鮮に送り返されるところだったわけですけども。
ハンミちゃん、非常に元気な姿を見せて私嬉しかったんですが、あれもし北に送り返されていたら餓死になった可能性強いですね。
あの元気な姿と、送り返されていたら今餓死していただろう。
それを重ね合わせて考えると、中国政府による難民狩り・強制送還がいかに非人道的な行為であるか、明らかになると思います。

それから金聖民さん。
これは脱北者で韓国から北朝鮮に向けて自由化のための放送をやってますけども、盧武鉉一派が何とか潰そうと嫌がらせをしているという話ですけども、この方を呼んだというのは盧武鉉一派に対してですね。
警告を発すると言う意味があったと思います。

ついでに幹部がたくさんが招集されて横田さんの後ろの所に、狭い部屋ですけども2列に椅子を並べて座っておられたと、と言う事ですけども。
簡単にどういう人が呼ばれたか?
名前を挙げるとですね。

ホワイトハウスのいわゆる官房長官的な役割を果たしている、ジョセ・ボルティンホワイトハウス首席補佐官。
スチーブン・ハドリー国家安全保障担当大統領補佐官。
ジャック・クラウチ、同じく首席補佐官。
レフコウィッツ北朝鮮人権問題特使。
クリストファー・ヒル国務次官補、6者協議担当ですね。
チェイニー副大統領のオフィスから、サナンズ・アーリッジというアジア問題担当の副大統領補佐官も来てたと。
ビクター・チャーNSC(国家安全保障会議)アジア担当部長。
それから報道官のスコット・マクレガン氏

そうそうたるメンバーを集めて、みんなそれぞれ予定が入っていたはずですけども、キャンセルして出ろと命令があったと。
それだけ幹部をキャンセルさせて集めておいてですね。
四方山話をしましたではすみませんから、ハッキリした北の人権問題について、この政権の重要テーマにしていくんだという方針を日本・中国・韓国・北朝鮮はもちろんに対してのみならず、対内的にもですね。
徹底させるという意味があったと思います。

問題になるのは今拓也さんも触れましたけど、日本はどうするのか?と。
これは横田さんが大統領に会ってですね。
アメリカが協力してくれそうだと、良かった良かったと言ってる場合じゃないんでね。
ブッシュ大統領のメッセージと言うのは日本に対してもですね。
中国や韓国に対してもっと強い態度で一緒に当たって行こうじゃないかと。

そういう趣旨ですから、従ってまず日本としては北朝鮮に対する圧力をですね。
一段と加速させないといけませんし、韓国政府に対しては単にあの対宥和政策を傍観するだけではなくて、失敗させるためにですね。
いろいろ戦略的に動いていかなければいけない。
北で共謀政策させるような物資は一切日本では許させないですね。
いろいろなやり方があると思いますけども、

で、中共政権、中国共産党政権に対してもですね。
やはり難民の強制送還をやめさせるために、アメリカと一緒になって国際関係の先頭に立つと、いうくらいの事を日本はやるべきだと思います。
あの機会の直後にブッシュ大統領はですね。
中国で人権活動をやっている、いわゆる地下教会に属するクリスチャンの人、中国政府が弾圧しようとしている中国人の3人をホワイトハウスに呼んだと。
早速中国への圧力強化と言う事で、次の手を打ってるわけですね。
日本は何をしているか?と言うと今までのところ何もしていない。

これはアメリカの北朝鮮人権法、一昨年10月に出来ましたけれども、中身を見ると半分くらいはですね。
難民を強制送還している中国政府に対する批判。
それをただぼやっと見ている国連難民高等弁務官に対する批判なんですね。
その点、日本で用意されている北朝鮮人権法案と言うのは、中国批判等書いて無いですから、まだまだブッシュ政権がどんどん先に行っているのと比べると大変ですね、弱い。
遅れていると言わざるを得ないと思います。

中国政府に関しては私、公聴会の証言能中で言ったんですが、中国は難民を捕まえて送り返すわけですけども、その送り返されている脱北者の中には日本人拉致被害者が含まれているかもしれない。
家族が含まれているかもしれない。
あるいは重要情報を持っている人が含まれているかもしれないわけで、そういう人たちを送り返している北京政権と言うのは明らかに拉致問題解決を妨害している存在なんです。
言う事を強く協調して参りました。

従って拉致問題解決のためには北朝鮮だけではなくて、中国に対しても圧力をかけなくてはいけない。
その点ではアメリカが昨年9月から実施している金融制裁と言うのはまさにですね。
マカオの銀行を始め、中国の銀行に制裁をかけていることですから、まさにですね。
正鵠を射た動きであると思います。
是非他国もですね。
アメリカに倣って同じようにやってもらいたいと、公聴会で言って来たんですけれども。

韓国政府については救い難い状況ですが、李鍾○(イ・ ジョンソク ○=「大」の左右に「百」)統一相、(横田滋さんに)会わないと言ったらしいですけど、会わなくて精神衛生上良かったかもしれません。(笑い声)
むしろあれがですね。
にこやかに会いましょうなんて言って来たら、これは何か陰謀を考えているので(笑い声)、気をつけないといけない。
実際ですね。
「金英男さんに時々会わしてやるから運動なんかするな」とか、「拉致されたんじゃなくて溺れた所を救助されたと言え」とかね。
そういう日本で言えば寺越さんと同じようなケースのように持って行こうと言うような、策謀を絶対に考えて来ると思いますから、そこの所は大変こちらとしては韓国政府が言い寄って来た時にですね。
非常に警戒して当たらなければならないと、思います。

アメリカでですね。
強調した点の一つなんですけど、まず拉致と言うのは日本人が拉致されているからアメリカ助けてくださいという、そういう問題ではなくて、アメリカに対する現在進行形のテロの脅威でもあるんだと言う事をまず言いました。
具体的にはですね。
これはジェンキンス氏が本の中に書いている事ですけども、どうも北朝鮮は、脱走米兵の4人の人全員拉致された女性と結婚しているんですけども、曽我ひとみさん。
それからレバノンから拉致された女性。
タイのアノーチャさんですね。
ルーマニア人のドナさん。

ジェンキンス氏が言うには、西洋風の顔を持った子供を産ませてあるいは混血の子供を産ませて、それを特に在外米軍基地周辺で工作活動をする工作員に仕立て上げようと養成しようとしたんじゃないかと。
例えば在韓米軍基地の周辺とか良く混血の子供が多いらしいんですけども、そのジェンキンス氏自身もですね。
二人の娘が平壌外国語大学に入れと命令された時に、これは金賢姫が平壌外国語大学にいた時にですね。
ピックアップされて工作員にされたと言う経緯もありますから、ジェンキンス氏はやっぱりと言っていた。

というんで愕然としたと言うわけで、従ってペンタゴンでも言ったんですけども、だから拉致問題の解決と言うのは米軍基地の安全。
ひいてはアメリカの安全と言う面からもですね。
揺るがせに出来ない問題ですけども、これを言った所、フローレス副次官がですね。
首を振りながら、我々が出した世界の拉致被害者と言うリストを見てましたけども、その後すぐ側近を呼んでですね。
リストの中から、このイタリア人のケースについて彼らにちょっと詳しく聞いてくれ。
彼らと言うのは我々ですけども、イタリアは米軍基地があるわけですね。
で実は私(日本に)帰ってから、パソコンを開いてみると、フローレスさんからEメール来てましてね。

私の証言の書いたもの、書いた物は実際横田さんのお母さんからもそうですけども、実際公聴会で喋った物の何倍もあるわけですけども。
私の場合4倍か5倍ありますが、それが議会のサイトにそのまま載ってるんですね。
そのサイトに載った方の・・・・・・・・(聞き取れず)と言いますけど、書かれた証言を関係部局に全部回して置いたからと、いうがメールが来ていましたけど。
それで従ってこれでアメリカにとっても米軍にとっても異常な問題なんだと言う事がですね。
メッセージとして伝わっただろうと思いますし、それからですね。
金正日がまず76年くらいに外国人を本格的に工作員教育をさせると言うんで、77年78年にまず大々的に拉致が行われましたけど、その時分にアメリカ人が拉致されている可能性だって十分にあるという事を言ってきました。

これを言うとですね。
北もまさかアメリカにはよう手を出さんだろうと、という顔をする人もいるんですけども、77年から78年と言うと、ジミー・カーター政権の時ですよね。
カーターと言うのは先制降伏を信条としているのか?と言われる位ですね、弱い大統領。
カーターの時にもちろんご承知の通り、イランのアメリカ大使館が選挙されて大使館員が人質になった。
79年ですけども、その大使館と言うのは外国領土扱いですから、そこを占拠されて大使館員が人質になっても手をこまねいているような大統領ですから、これは北から見ればですね。
あんなアメリカ人拉致したって大丈夫と。
従ってアメリカの場合は79年80年当たりも結構危ないと思うんですけど、実際リュックサックひとつ担いで中東あたりで行方不明になったアメリカの若い人結構いますけども。

今まではですね。
中東のテロ勢力にやられたんだろうと、言うくらいに皆思っているわけですけども、そのうち何人かが北朝鮮に連れて行かれたと、言うような可能性だって十分あるわけですね。
だからとにかくまず、1977年78年に行方不明になった、特に20歳前後の人のケースについて北朝鮮との関りと言う観点からもう一辺徹底的に洗い直しましょうと言うことですね。
呼びかけました。
その議会のサイトは一応世界中からアクセスがあるということなので、アメリカのみならず各国で洗い直してもらえば、アメリカ議会とかですね。
アメリカのCIA、DIA、この辺りが本格的に調査すればですね。
その過程でまた新たに日本人拉致被害者に関する情報も出てくるかもしれませんし。

そして今日本政府としては拉致問題に関する国際世論を高めるというのを一つの外交方針にしていますけど。
そのために次の7月のサンクトペテルブルクサミットで取り上げるとか、あるいは英語のパンフレットをたくさん配るとか。
それも重要でしょうが、それよりも迂遠なようであっても調査をして77年に行方不明になったキャサリン何とかと言う女の子が実は北朝鮮に拉致されたんだと。
1件明らかになればアメリカの世論が沸騰するわけですから、従ってそういう戦略的にですね。
情報収集戦略と言うのを日本が各国に呼びかけてやるべきだと思います。
それが国際世論を盛り上げる機運ですね。
もっとも効果的なのではないか?と、そのあたりの事もアメリカで言ってきた所ですけども。

公聴会に関して最後に一言付け加えると、マスメディアの関心は全部お母さんに集まってましたから、私は全然緊張しなくて(笑い声)、いるのかいないのか分からないというそれ位のあれで。
お母さんの証言の方はまさに顔面にストレートパンチをかませたような、もの凄いインパクトがあったと思いますけど、私のはボディブローをかましてですね。
北朝鮮の専門家とかあるいはさっきも言ったペンタゴンの分析をやってる人間もかなり、私の書いた物を丹念に読んでくれているみたいなんでね。
ボディブローが効いてくれれば良いと思うんですが、最後に日本政府がですね。
この機会にどんどんアクションを起さなければいけない。
それは二つに絞られると思うんですけど、一つは経済制裁をどんどん強めていくと。
もう一つは戦略的にですね。
情報収集を各国に呼びかけていくと、これを是非やってもらいたいと思います。
以上です。(拍手)

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