東京連続集会18-4 西岡力さん
『西岡力 救う会副会長 訪韓報告』
訪米の事がありますので少なめにしたいと思いますけども、韓国の今の拉致問題の状況は、丁度日本の河野外務大臣が60万トンのコメ支援をしたときと似ているなと思っています。
まず、最初は日本も韓国も同じですけど、拉致問題はあったわけです。
あったけれども無かった事にされていた。
家族が声を上げなかった時は、問題があったにも拘らずマスコミも政治も国民も取り上げずに、ただ本人と家族が自分達だけで苦しんでいたと、言う時期があるんですね。
韓国も去年くらいまではその時期だったんじゃないか?と。
家族が名乗り出て日本との連携の中で2000年から運動をしていましたけれども、今増元さんが言ったみたいに、家族会が主催で拉致集会と言うのを拉致だけで出来て無いんですね。
抗議行動はたくさんやってますけども、北朝鮮の代表が(韓国に)来た時に行って抗議行動をして機動隊に殴られたりとかですね。
韓国の警察は家族も殴りますから、そういう事はやってましたけども、その家族を支える国民が50人でも集まって集会をするとかそういう事は余り無い。
ほとんど無かったですね。
家族の人たちが人数が多いもんですから、家族たちが集まると言うのはありましたけども。
と言う状況が変り始めたのは去年の後半くらいで、北朝鮮の人権問題に関する韓国国内の特に一部の若者たちに関心が高まって、そしてそういう中で崔祐英さんが黄色いハンカチ運動と言うのを始めたんですね。
黄色いハンカチを木に結ぶと。
特に北朝鮮に見えるところの板門店の近くの木に結ぶんですね。
梯子をかけて木の上の方に結ぶわけです。
で、「うちのお父さんに見えるように」と言って結ぶんです。
それが父親を思う娘の心と言う事で、純粋さが国民(の心)を打ってですね。
黄色いハンカチ運動と言うのが去年の年末くらいから広がっていまして、去年の12月にフリーダムハウスと言う、アメリカのNGOが北朝鮮人権法によってアメリカの政府から得た支援を元にして、韓国のNGOと協力して開かれた国際会議でも黄色がシンボルカラーになったんです。
リボンだけでなく黄色のバッジとかも出て来てですね。
野党のハンナラ党も黄色いリボン運動に参加すると。
それからキリスト教の大きな教会が黄色いリボン運動に参加すると言うような事が起きて、少し盛り上がっていた所で今度は金英男さんがめぐみさんと一時期結婚していたことが分かったと。
その事があって、その後今度はブッシュ大統領が早紀江さんに会うと言う事が起きて、アメリカは拉致問題をこんなに重視しているんだと。
その人の親戚に当たる人が韓国の拉致被害者なんだと言う事で、余計今回大変な盛り上がりがあって、町の人の声を少し聞いてみたんですけども、拉致があるという事はかなりの人が分かる様になったと。
今まで拉致があると言う事も、韓国人が拉致されていると言う事も知らなかったと言う。
学生のボランティアの人にも会ったんですが、3~4年前は韓国人が拉致されていると言う事を私たちも知りませんでしたと。
3~4年前と言うのは、韓国の家族会は2000年に出来ているわけですから、2000年に出来た後3~4年くらいは、北朝鮮の人権問題に関心を持つ学生たちも知らなかったと。
言う状況だったんですが、今回の一連の黄色いリボン運動から金英男さんの事、そしてアメリカのブッシュ大統領の事で、韓国の世論が拉致の事は知るようになったと。
知るようになったら今度はどうするか?と言うと、北朝鮮を刺激しない方向で解決しようとするんですね。
我々の経験からしてそういう事が起きたんですけども、今韓国政府はそういう事をやろうとしている。
拉致を無視は出来ない。
だから、取り上げると。
取り上げる方法は、北朝鮮が身柄を持っているんだから、北朝鮮を刺激しない方が良いと。
大規模に援助をして返して貰おうじゃないかと。
いう事を今の政府は言い始めているんです。
それを言っているのは李鍾○(イ・ ジョンソク ○=「大」の左右に「百」)という統一の長官で、横田さんに会う必要は無いと言った訳ですね。
それは横田さんや我々は北朝鮮に圧力をかけるべきだと言ってるんですね。
ブッシュ大統領もそうなんですね。
李鍾○(イ・ ジョンソク ○=「大」の左右に「百」)さんは圧力をかける事に反対なんですね。
圧力をかけないために何をするか?と言う事を常に考えている人で、だから多分会う必要はないという言葉が出て来たんだと思いますけども。
じゃあ韓国のメディアの取り上げ方はどうなのか?と言うと、13歳で攫われた女の子と16歳で攫われた子とが結婚していたと。
その親戚同士が会うんだという事ばかり繰り返して報道していまして、そこには可愛い女の子も生まれていると。
その女の子がお祖父さんお祖母さんに会いたいと言っていると。
いつ会いに行くんですか?と言う報道が主です。
量は多かったですけども、そういう報道です。
でも拉致問題を知らないという人たちが、拉致されていたんだと言う事は分かったと。
じゃあ、政府はどうするのか?という事になるわけですけども、政府は大規模な援助をして取り戻す。
拉致と言う言葉を使わないで行方不明者と言う言葉でやる。
今年の2月だったと記憶しているんですが、もしかしたら違って3月だったかもしれませんけども、金剛山で離散家族の再会があったんですけども、そこに韓国のメディアが行って、その中に一部拉致被害者が入っていて家族との再会だけさせられて帰って来たんですけども。
拉致と言う言葉を使って現場でテレビで中継したら、北朝鮮は電気をプツッと切っちゃって、「拉致と言う言葉を使うな」と。
それで記者団と喧嘩になったんですが、北朝鮮はそこは折れなかったんで、そして記者団は全体で引き上げると言う。
「行方不明と言え」と言う事がありました。
そして韓国政府は今行方不明と言う事で、北朝鮮に対して被害者を返してくれたらば大規模な援助をするという話を李鍾○(イ・ ジョンソク ○=「大」の左右に「百」)さんが言ったわけですね。
で、盧武鉉と言う大統領がモンゴルに行って、被害者を返してくれると言う条件も落としちゃって、無条件で大規模な援助をすると言ったんです。
その延長線上で6月に金大中元大統領が列車で訪朝すると言う話が、政府が全面的に援助をして始まっていると。
そしてそこでは南北の2回目の首脳会談をいつやるのか?と言う事が話し合われて、国際社会が北朝鮮に対して圧力をかけるという時に、韓国の政権が北朝鮮に援助をするという動きをしようとしている。
そしてその援助をする口実に、拉致被害者を取り戻す為には援助が必要なんだと言う事を使おうとしている。
と言うのが全体の構図です。
しかし(横田)滋代表が仰ったように、何もしなければ何も出来ないので一歩前進したと。
韓国民の大部分が韓国人が拉致されているって言うことが分かったと。
野党も今回、我々立ち上がると言ったんですね。
それまでは野党も余りやらなかったんです。
脱北者と一緒に扱ってたんです。
脱北者問題の方が世界の関心があったので、そっちの方を優先していたんですね。
両方しなくちゃいけない事なんですけども、しかし我々韓国の野党の党首に会いましたけど、どうするかとは言わない。
真相究明するとか政府が立ち上がるべきだとかそのための法律を作るとは言いましたけど、経済制裁するべきだと言うことの議論は出てこない。
政府が今までやってこなかった事の無策がけしからんと言う。
ですからぜひ日本の拉致議連の先生方と交流してくださいとお願いしたんですけども、そこで議員同士議論をしていただいて、家族の話を聞くと言うんじゃなくて北朝鮮政策をどうするのか?と言う議論を政治家同志で是非して頂いて、日本は河野外務大臣の時の経験があり、そしてコメを出さなかったら5人が帰って来たと。
出した時は行方不明調査と言っても何も出て来なかったと、言う経験をしているわけですし。
議員同士で是非協力して頂きたいという話はして来たんですけど。
ですから一歩前進であるけれども、予断も許さないと。
そういう点では増元さんが緊張を覚えたというのは正しいと思いますけど、増元さん結構朝まで屋台なんか行ってたので(大きな笑い声)緊張していたというのも・・・(笑い声で聞き取れず)と思いますが。
と言う状況ですから、6月の金大中の訪朝で何人かの被害者が帰ってくるかもしれないけれど、噂が流れているのはそういう事で、帰って来たとすればですね。
それは多分5人が帰ってきたときみたいに一時帰国と言う事で帰ってくる可能性が高いと思います。
それで(北朝鮮に)戻ってしまう。
その見返りにかなり大規模な援助が行われて、国際社会が今経済制裁をしているのを無効にすると。
全体の人が帰って来れない状況になってしまうかも知れないと。
今回の朝鮮総連と民団の、私に言わせると野合ですけども、そういう韓国政府の北朝鮮を孤立化させない政策が東京でも行われている。
韓国政府の指導の元に民団は動いたわけですね。
そして金大中さんが行くということになっている。
それを日米が、そして韓国のこちらの人たちはどう止めるか?
と言う事で、実は韓国の保守派を代表する知識人の一人の趙甲済さんに、私一人朝食会の後に飛び出して会ったんですが趙さんも心配していまして、金大中大統領が何人かの被害者を連れて来て大規模な援助となるかもしれない。
その時にどう日本と韓国が連帯してそれがおかしいと言うのか?論理を開発しておこうと相談したんですが、そういう点でも朝鮮戦争で8万3千人の拉致があるんだと。
韓国政府が作った名簿があるんだと。
その事はまだ韓国に知られていないんです。
韓国で今回拉致があると知られることになったのは485人のこと。
野党の党首も485人がと言いました。
じゃあ私がわざわざ、なんで日本から来たのに韓国の党首にブリーフィングしなけれならないのか?分からないんですけど、図表を出して全世界にはこれだけの人数がいて韓国には8万3千人いてと、私が韓国のトップにブリーフィングしてあげたんですけども。
8万3千人もやられていて、そこで、韓国は努力をしたんですけど結局解決できなくて、解決できなかったから新しい拉致が起きたんですね。
拉致をしても制裁は加えられない。
だから次の拉致が起こるわけです。
そして韓国人が400人くらいやられて、70年代の後半に今度は世界中でやられたと。
言う事が起きて、今度は拉致被害者が利用されて大韓機爆破事件と言うテロが起きた。
どこかで止めないといけないわけです。
そこには世界全体として1950年の朝鮮戦争のときからの全体の拉致をどう解決するのか?と。
そのとき何人かの人が列車に乗って、ヘギョンさんなりが来てお母さんと会って帰ったっていうのは解決じゃないと。
その事は無条件でなされるべきだとはと思いますけども、その事と北朝鮮の拉致をした政権を支える事が条件になっていたならば、つまり拉致の解決は遠のくと。
人質犯が人質を持っているときに、一人だけ出してきてすぐ返すというのに、人質犯に新しい武器を与えるのか?と。
最低限それはサンドイッチと水くらいは与えてもいいですけれども、彼らが新しい犯行を出来る様な大規模な援助をするというのは全員の人質を解放してからであるべきである。
単純なことなんですが。
そういうことを韓国の世論に分かってもらうには、まだ程遠いと。
しかし拉致がある事も分かってもらえなかった家族会のスタートの時、銀座に立っても誰も振り向いてもらえなかった状況からは変わって来たと、言うふうに言えるのではないかと思います。
そういう中でそうするとやはり国際社会が韓国の盧武鉉政権をも含めて、今この拉致問題をどうして行くのか?と、いう事になって、訪米の意味が出て来るんでは無いかと思いまして、これから訪米報告に変えさせて頂きます。(拍手)
このテキストは話しの花束ぴろんさんの労作です。
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