日韓連帯東京集会(10)
趙甲済 前「月刊朝鮮」編集長 講演その3
(通訳:西岡力氏)
興味深い統計があるんですが、韓国において世論に影響を与えるのは、すでにテレビではなくてインターネットになっている。
そのインターネットを学んでですね。
インターネットの中で、韓国の現代史を教えられえていない左派的な考えに取り込まれている若者たちと、インターネット上で論争して戦っているのが実は老人世代なのです。(笑い声、拍手)
昨年、仁川にありますマッカーサー将軍の銅像を左翼が壊そうとしました。
マッカーサー将軍が指揮した国連軍が仁川に上陸をして、北朝鮮軍を打ち破ったと。
その事について恨みを持っている左派がマッカーサー将軍の銅像を壊そうとしたのです。
もちろんその運動をしようとしていたのは20代30代の若い人間が、角材を持って集まって来たのです。
それに対して、そのような若者たちの活動に激怒した朝鮮戦争に参戦した60代70代の老人たちが、卵を持って集まって来た。(笑い声)
そこで老人たちが卵を投げ、若者が角材を振り回すと言う記事が出ました。
それに対して韓国のマスコミはどのような見出しをつけたのか?
「進歩と保守の対決」と付けました。(小さな笑い声)
進歩を偽装した国家を裏切る反逆勢力対保守・愛国勢力の戦いだったにも拘らず、「進歩と保守の戦い」と見出しを付けたのであります。
その様な意味で韓国のマスコミは真昼間の暗黒を演出しています。
5月31日以降の韓国の状況は大変流動的になるだろうと見ています。
金大中・盧武鉉・金正日勢力に対する国民の支持が、顕著に弱体化したと言う事が明らかになるからです。
そうなった場合に南北の左派勢力、金大中・盧武鉉・金正日勢力が何をしてくるだろう?
二つの可能性があります。
2007年の12月の大統領選挙で3回目の左派政権を作るために協力する。
そのために金大中さんが橋渡しをして盧武鉉・金正日の会談、そこで統一問題の具体的な議論と言ういろんな話が出てくるのではないか。
今の世論調査では、正常な選挙が行われれば2007年12月の大統領選挙で左派が勝つ可能性は大変低いという事です。
従って左派政権を作ろうという勢力は、御用言論とそれから政府の周辺にある左派系の団体を動員して、非正常な状況・非正常な事件を作り出してくるんじゃないか?という可能性がある。
反対の可能性もあります。
盧武鉉政権が、いまや金正日・金大中路線と自分が離れなければ、自分が辞めた後危ないんじゃないか?と考えると言う可能性です。
後者の方に行くならば、すなわち盧武鉉政権が正常な方向に戻ってくるならば、韓国は安全でしょう。
しかしそうではなくて、第一の可能性、非正常な状況に左派勢力が韓国を持っていこうとするならば、韓国は内戦的な状況になると思われます。
2007年12月の大統領選挙の間に今回朴槿恵(ハンナラ党)代表がテロに遭ったように、候補者の一人が北朝鮮にそそのかされた人間にテロに遭うというような事が起きてしまえば、韓国社会は統制不可能な状況に陥るでしょう。
この二つの流れ、政権による韓国の左傾化と国民の大覚醒と言う二つの流れが、2007年12月までの間、お互いに併走して競争して、どちらが先にゴールインするか?出来るのか?という事によって拉致問題の解決、日本人を含む拉致問題の解決も左右されると思います。
日本人拉致問題、そして韓国の戦争中拉致問題、戦後の拉致問題、あるいは北朝鮮の人権問題、政治犯収容所の問題全ては、金正日政権の存在によって起きている。
そしてまたその金正日政権を支えている韓国の盧武鉉政権によって起きている。
また、金正日政権の後見人である中国によって起きていると言える。
従って2007年12月の選挙で韓国の政権に正常な政権が樹立されるならば、北朝鮮の人権問題・日本人の拉致問題についても大きな良い影響を与えると思います。
私は北朝鮮の人権問題に取り組む韓国・日本・アメリカの運動の核心は、自由と人権を大切にする人たちであるという事だと。
領土問題や歴史問題においては国籍が違えば意見が違うでしょうが、人権と自由の問題については国籍を超えて同じ考えになる事が出来る。
今ここに集まっている皆さん方が心配しているその問題の解決は、金正日政権の交代、そして韓国の左派政権の交代、中国の民主化によって実現するでしょう。
ですから我々のこの運動はですね。
東アジアにおける自由民主主義を広める運動であり、そして国境を越えて東アジアにおける平和と繁栄を築くための基礎を作るその様な運動であり、より広い国境を越えた連帯をしていかなければならないと思っております。
北朝鮮の人権問題、北の人たちを助けるに当たって一番責任があり、先頭に立たなければいけない韓国国内において今国民の大覚醒が起きており、従って2007年12月の大統領選挙では韓国が正常化する可能性が高まっていると言う点で、我々は今勝ちつつあるということを申し上げて、私の話を終わります。(拍手)
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