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2006年6月21日 (水)

福留貴美子さん拉致事件を考える集い(2)

『野村旗守氏(ジャーナリスト) 講演その1』

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~~チュチェ思想とよど号妻~~

はじめまして。
どうも、野村と申します。
本日はお招き頂きましてありがとうございます。

今日はですね。
拉致問題の中でもよど号関連の特に福留さんの事件を中心にお話されると言う事なんですれけども、よど号と言えば必ず出てくるのがよど号の妻と言った関係で、この福留貴美子さんは非常にその中で異色の存在でして。
よど号の妻の中では、よど号の妻を送り出したある思想団体があって、それがチュチェ思想研究会と言う不思議な朝鮮の思想を学ぶ不思議な会があって、・・・(聞き取れず)の方にありまして。
そこから送り出されて行ったんですけども。

ところがこの福留さんのケースは非常にレアケースであって、福留貴美子さん自身は殆ど関係ないと。
チュチェ研とは関係ないところから送り込まれていたと言うんですけれども、よくよく調べてみると実は全くそういう思想に興味のなかった福留さんが、そのモンゴルに非常に興味を持っていたと。
モンゴルの事に興味を持っていて、モンゴルに行ってモンゴルの大地を歩きたい。
草原で翼を広げたいというふうに思われていた福留さんが、実はいつの間にか北朝鮮に行く事になってしまった背景には、実はチュチェ研の力が働いていた。

というのはモンゴルと北朝鮮とは不思議な因縁のある国でありまして、例えば日本モンゴル研究会とか日本モンゴル友好協会とか、そういったところに時々北朝鮮のメンバーが入っているという不思議な、これはまだ実際は解明されていませんけれども、もしかしたら福留さんが北朝鮮に行く事になってしまった不思議なきっかけと言うか、その原因ももしかしたらこのチュチェ思想の人間が絡んでいるのではないか?と言う疑いが浮上して来ているようです。

それでチュチェ思想研究会と言うのはですね。
特に公安の中でも警察のいろんな中でも、あまり何と言いますか。
注目されていない部分と言うか、今最も日本と北朝鮮を結ぶところ、なんと言いますか、いろいろなコネクションがありますけどもそういった絆の中で、これもっとも解明されていない部分ですね。

私もこの間警察のOB、公安のOBと話しておりまして、いろいろ言っていたんですけれども、一時期このチュチェ研と言うグループがですね。
余りにも謎の多い組織だと、いう事で警察の方も、あるいはその他公安機関も随分追いかけたらしいんですけども、だいぶ調べても分からない。
なんか調べても何も出て来ないという事で、これは危険度が無いだろうという事で、一度もうチュチェ研に関してはこの団体は危険性は無いということで、なんて言いますか視察の対象から外してしまったらしいですね。
外してしまったんだけれども、どうもこれは過去にいろいろやってるんでは無いか?という事で、最近またにわかに注目が集まって来て、捜査関係者の中でもやはりもう一度チュチェ研を調べるべきだと言うような声が上がっているようです。

と言うのはこのチュチェ研と言うグループはですね。
非常になんていいますか、秘匿性が高いグループでして、北朝鮮のチュチェ研と言うのは要するに「主体思想研究会」と書きますけれども、この主体思想研究会以下、なんていいますか。
日本人の中の、日本にいる北朝鮮の人たち、所謂朝鮮総連の人たちですね。
朝鮮総連をまとめるのは学習組という朝鮮の非公然組織がやってるんですけども、それとは別に日本の中にいる、北朝鮮が利用できそうな人材を確保するグループ、これがチュチェ思想研究会と言う事で、そういう捕らえ方でいいと思います。

これについてですね。
一番詳しい資料と言うのは、チュチェ研という事に関して書いた物・書かれた物というのは、要するにその実態について書いた文献というのは非常に少ないんですけど、このチュチェ研の実態を描いた文献として最も詳しいのは、私が調べた範囲では八尾恵。
日本に帰って来た元よど号の妻ですよね。
柴田泰弘の妻の八尾恵が書いた文藝春秋の「謝罪します」と、今確か文春文庫の中に入ってると思いますけど、あの「謝罪します」と言う本の中に書かれている描写が、おそらく私が調べた中では一番詳しい文献です。

八尾恵自身、このチュチェ思想研究会のメンバー。
特に青年チュチェ研。
この青年チュチェ研と言うのが今現在全国にたくさんあるチュチェ研グループ、これ全国チュチェ研と言う組織がありますけども、全部合わせた組織ですね。
その全国チュチェ研の中核組織が青年チュチェ研から発展していった「金正日著作研究会」というのがあるんですけども、この「金正日著作研究会」と「自主の会」
この二つが、実はこれ表向きの顔が「自主の会」で裏の顔が「金正日著作研究会」と言うんですけども、この「金正日著作研究会」と言うのが、これが本当の中核組織ではあるんですが、この中核組織が表に出てくると言う事はまず無いですね。
おそらくHPで「金正日著作研究会」と言うのをインターネットで引いても殆ど検索出て来ないと思いますけど。

ただ、実際にこの全国チュチェ研と言うのを操っているのはこの「金正日著作研究会」
そこの幹事長、実質的にここを支配している人物が尾上健一。
この尾上健一と言う人物、今60前後だと思いますけど、この尾上健一と言う人がチュチェ研の総帥と言うふうに考えて良いんで無いか?と思います。
この尾上健一氏が日本全国にいるメンバー、これ数千人からもしくは1万人くらいではないか?と目されていますけれども、正確な数は分かりません。

どういう組織かと言うと、この青年チュチェ研の中にいる学生のメンバー。
それからもうひとつは特に労働者組織ですね。
今現在日本の中にいる労働者組織と言うのは非常に力が弱くなりましたけど、一時期労働運動といったら官公労を中心に膨大な数のメンバーがいたんですけども、その中でももっとも勢力が強かったのは学校の先生です。
教職員の組合の中に入り込んだチュチェ研、これがだいぶ活動を広げていった。

と言う事で「教職員チュチェ研」と言う組織がありますけども、この中でどれくらいの方が北朝鮮にいかれたことがあるか分かりませんけど、おそらく北朝鮮にツアーで参加された方はですね。
平壌の主体思想塔。
なにか味も素っ気も無い、馬鹿でっかい、ただ高いだけのタワーが平壌に立っていまして、あのコンクリート製の建物ですね。
タワーがありますけれども、あのタワーの下のところにこれを建設する為に寄付を頂いたと。

その寄付をした人たちの名前がば~っと、こうパネルでですね。
一杯貼ってあるんですけども、そのパネルの中で例えば、岩波書店の何とか社長だとか、朝日新聞の名前は出てなかったかな?
とにかくそういった左翼系の日本の組織がだいぶあそこに寄付しているんだと言うのが分かりますけれども。
それ以外に例えば群馬教職員主体思想研究会だとか、福島教職員主体思想研究会だとか、あるいは熊本教職員主体思想研究会だとか、そういったような名前のパネルがずら~っと貼ってあります。
というのは、日本にいる主体思想信奉者たちが朝鮮にだいぶ寄付をしているという事ですよね?

で、先ほど八尾恵の話しましたけど、その八尾恵が書いている所によれば、一体この主体思想研究会・チュチェ研と言うのは何か?と一言で書いているんですけれども。
八尾恵の「謝罪します」と言う本によれば、

「北朝鮮が利用できる日本人を見つけるためのプールのような働きをしている」

この表現、的確だと思います。
「北朝鮮が利用できる日本人を見つけるためのプールのような働きをしている」
これ朝鮮総連が、要するに北朝鮮の非公然活動ですね。
やるために要するに南進赤化統一と言うような活動をするために、役立ってくる革命戦士を見つけるためのプールのような、在日朝鮮人のプールのような働きをしてるのが朝鮮総連だとすれば、それに役に立つ北朝鮮に役に立つ日本人を見つける。
プールのような働きをしている組織というのが、それがチュチェ研と言う組織。

そこに入って来たちょっと入って来た、ふらふらと迷い込んで来た人たちを自分達の仲間に引き入れると言う事をやっていて、よど号の妻たちと言うのは先ほど福留さんはちょっと違うんですけども、他の人たち、たくさんいますよね?
よど号の田宮から始まってあのメンバーの妻となった人たちって言うのはみんなそうですよね?
森(順子)さんにしろ、黒田(佐喜子)さんにしろ、チュチェ研と言う組織にふらふらと入ってきた。
もちろん八尾恵もそうですけども、入って来てちょっと北朝鮮に行って見ないか?と。
向こうに行けば面白い事あるよと地上の楽園があるよと言うことで、一回行って見ないか?と連れて行かれたら何か向こうでお見合いをさせられて、そのまま向こうの妻に納まったと、言うような経過を辿ったと言うんだと思いますけども。

そういう中でチュチェ研と言う組織が他にどんな働きをしていたのか?
これはまだちょっと完全に裏が取れていないということで余りおおっぴらに話す事は出来ないんですけども、ですからこれは確実に裏の取れた情報ではないけれども、一つ考えられるのは拉致事件との結びつきで言えば、ひとつ拉致の実行犯となったよど号メンバーの妻となったという、ひとつの実績と言うか、事実はあるわけですよね?
しかも妻たちも拉致に加担していたと、その事実もある。

それともうひとつ疑われているのは拉致者ですね。
拉致被害者の選定に、もしかしたらこのチュチェ研と言うグループが関わっていたのではないか?と言う疑いが今持たれています。
というのはこのチュチェ研と言うグループですね。
労働組織の中に随分入り込んでいたと。
労働者組織の中でも教員労働者、それから自治労とかそのあたりにいたんですよね。
どういうことか?と言うと教員それから自治労と言うのは自治体の職員、これは個人情報を非常に集めやすい立場にいると。

例えば学校、クラスの中のタナカ君のところのお父さんとお母さんはどうも仲が悪いらしい。
で、タナカ君のお父さんはアル中で奥さんはいつも苛められているらしい、と、これ例え話で言ってますよ?
そういった、じゃあタナカ君のところだったらいなくなっても、もしかしたら誰も調べないんじゃないか?とか。
そういったようなひとりひとり個人の情報を調べやすい。
拉致被害者これ、25年も30年も経過して殆ど、25年から30年間もこれだけの事件が多発していて殆ど足が付かなかった。

もちろん荒木さんとか佐藤さんとか、拉致被害者救う会の努力によって今になってワッと分かって来ましたけど、少なくとも四半世紀の間は、密閉にですね。
隠密にされていて明らかにされて来なかった背景と言うのは、これは元々いなくなっても分からない人間。
いなくなっても分からなかった人間を連れて来た可能性が強いと言う事で、じゃあ、誰がいなくなったら分からないか?と言うのを調べる役目ですね。

拉致を実行したのは例えば北朝鮮の工作員です。
それを補助したのは主に日本の中にある非公然組織ですよね?
補助グループ、これは殆どというか全員在日朝鮮人で構成される補助グループが、その主犯格の北朝鮮の工作員を助けると言う形で拉致を実行しますけれども、もしかしたらその選定にこのチュチェ研が当たっていたんじゃないか?と言う疑いが、今浮上して来ております。

蒼き星々サブボード への 話しの花束 ぴろんさんの投稿より

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