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2006年6月28日 (水)

金英男氏家族面会に関する日本家族のコメント

 救う会ニュースより家族のコメント

本日6月28日、北朝鮮で金英男さんが家族と面会した件につき、家族会・救う会では衆議院議員会館で記者会見を開いた。参加者は、家族会=横田滋・早紀江代表夫妻、飯塚繁雄副代表、増元照明事務局長、救う会=佐藤勝巳会長、西岡力常任副会長、平田隆太郎事務局長、山岸丈良事務局次長。参加者の発言は以下の通り。

■北朝鮮の謀略・計画性が見え隠れしていた「離散家族」面会
横田 滋 金英男さんのお母さんは生きているうちに会いたいと何度も言っておられた。また、会えば話が尽きないだろうとも言っていられた。28年振りの面会場面を見て、会ってよかったと感じた。金英男さんの顔は、キム・チョルジュンさんの顔とよく似ているとされるが、前はサングラスのせいかよく似てはいないと思った。日本側は、行けば二度と会えなくなると考えるが、韓国側は政府が取り戻した人が一人もおらず、行かなければ会えないので、会えた人は運がよかったことになる。しかし我々は、だからといって行こうとは思っていない。韓国では、(外務部でなく)統一部が国内問題としてやっているので、会えてよかったということになる。2泊3日の間、思いのたけ話してほしい。

◆横田早紀江  複雑な、本当に複雑な思いで対面の場面をみせてもらった。9月17日の悲しかった時もたくさんの人に来ていただいた。死亡と伝えられた時だ。
今日は、色々なところで北朝鮮の謀略・計画性が見え隠れしていた。拉致問題は、たくさんの人の人生がおかしくさせられた問題で、日本人みんなで考えなければならない大事な問題だ。ヘギョンさんと新しい家族も来ていた。今日は触れられなかったが、やっぱり死んだと報道されると、見ている人は分からないのだから信じてしまう。9月17日と同じように、死んだと言われた人たちはみんな生きている。助けを求めている。日本ではそう(思うように)なってきたが、冷静に受け止めたい。ヘギョンさんは成長したが、心の中に孤独感がただよっていると感じた。一日も早く、めぐみと一緒に連れ帰してあげたい。

◆飯塚  今日の場面は抱き合っているだけで、コメントはほとんどなかったが、非常に異様で不思議な光景と感じた。北朝鮮に拉致された金英男は、拉致されたことを忘れているのか怒っていない。犯人のところに行って、会わせてくれてありがとう、という感じだ。この手で一本釣りされることを想定すると、時間、お金がかかる。北朝鮮が親切に救出したことにつなげるパフォーマンスだ。その前に支援をしていることを考えると、韓国も国として拉致にコメントしない。北朝鮮が拉致して、行方不明者とか離散家族にしてしまったのに、この場面だけみても、親切な北朝鮮というのは間違いだ。北朝鮮の発言は100%信用していない。

 日本は日本としてのやり方で、協力に推し進めてもらいたい。南北のパフォーマンスを一々取り上げるのも大人気ない。北朝鮮の思う壺となる。まだ、相当数の拉致がある。しかし、そんなに時間はない。犯罪国に対し、被害国として強い対応をすべきだ。横田家が北朝鮮に行けば終わりになる。我々もそこを考えて戦っていきたい。

◆増元  お母さんの年齢、体調を考えると、会ってよかったと思うが、後ろに控える4人の高校生の家族はどういう気持ちだろうかと思った。ヘギョンさんとの血縁があって英男さんが出てきたが、(他の拉致された)4人の高校生の家族のことを思うと複雑な思いがした。また、4年前、5人が帰国した時の再会とオーバーラップした。日本で会ったのに5人は涙を流した。今回、英男さんは涙を流さなかった。これは、感情を押し殺す訓練をされたのかと思い可哀想になった。北朝鮮では特別待遇されていると考えると、一時帰国もあるかなと考えた。我々は、帰さないといけないと主張してきたが、果たして金英男さんの家族は対応していけるのかと疑問をもった。

◆佐藤  我々が一貫して主張してきたことは、誠意を示さなければ制裁を含む圧力で解決を迫ることだ。国会最終日に北朝鮮人権法が成立したが、これは従来のものとは違う。誠意を示さなければ、外為法、特定船舶入港禁止法等で制裁することを国民の代表が法律を通したわけだ。今日の面会は、日本の拉致解決には何の進展もない。既定方針通り圧力を加えるべきだ。5月28日の、安倍晋三官房長官のメッセージには「対話と圧力」ではなく、「圧力と対話」とあった。従来とは逆になっている。政府も朝鮮半島をにらんで、日本の実態に即した救出の構えになってきている。制裁、そして交渉で進みたい。政府も早くやってほしい。

◆西岡  明日の金英男さんの会見で、拉致ということばを使う会見になるのかすら明らかでない。そういう中で、真相が分かるのか。北朝鮮の管轄下では、自由な発言はできない。前回、北朝鮮は拉致の言葉をつかったら電気を止めてしまった。
今日の映像も北朝鮮の検閲したものだ。犯人の監視下での3日間となる。英男さんもかわいそうだと思った。ジェンキンスさん、蓮池さんたちも本当のことが言えず苦しかったのと同じだ。監視されているのだから。これが許せない。

 また4人の高校生のことを英男さんは知っている筈だ。「朝鮮日報」97年12月21日号に、78年にも3人が拉致と書かれている。この新聞で英男さんの拉致が分かり、韓国政府が発表した。脱北者の崔ジョンナム氏が、89年2月から90年5月まで15か月間、金正日政治軍事 大学分校の地下にある「以南化環境館」で金英男さんに訓練を受けたと証言している。DNAで今回分かったわけではない。韓国を攻撃するテロリストの訓練に利用されているのに韓国は抗議もしていない。

 今回は顔を見せただけだが、寺越武志さんと同じやり方だ。昭二さんが武志さんをかばったのに、救出と言わされ、かばったおじさんのことも言えない。韓国当局が被害者が北朝鮮の管轄下において会見させるのは許せないことだ。韓国政府は高校生5人についてなぜ返せと言わないのか憤りを感じる。

 また、2002年に、キム・チョルジュン氏が横田夫妻に書いた手紙では、めぐみさんが93年に病死したとあり北朝鮮は後に94年と訂正したが、夫がうそを書いたのが、別人が捏造したかのどちらかになる。

 離散家族の面会では両方が泣いているが、今回英男さんが泣かなかったのも異様な感じだ。離散家族の面会では予め訓練がある。今回は、背広に金の時計をしていたが、幸せな暮らしをしていると思わせ、拉致してけしからんと思わせないようにしたのか。

★コメント(平田隆太郎)
 離散家族の面会は1回限り。以後一切音信不通となる。これほど残酷な人道ショーはあるまい。被害者と家族の人権を韓国政府はどう考えるのだろうか。

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コメント

 前回のコメントについて、一ヶ所修正を・・・

誤:「北朝鮮には自分の意思で渡った」、そして・・・
正:「漂流中に北朝鮮の漁船に救出され、勉強してから帰国しようと自分の意思で北朝鮮に留まった」、そして・・・

 この場を借りて訂正するとともに、お詫びを申し上げます。

投稿: 元・フクス | 2006年6月30日 (金) 20時37分

 29日21時頃から金英男さんの記者会見VTRをニュースで見ていましたが・・・日本の取材陣参加は一切拒否され、質問も事前に検閲を受けたものだけで、おまけに回答まで事前に原稿が用意された中、まるで誘拐犯が背中にナイフを突きつけ「その原稿通り読め。本当のことを話したら一家全員皆殺しにする」と脅迫されているかのように・・・そして、予想されたとおりの「北朝鮮には自分の意思で渡った」、そして日本にとっては認めることのできない「横田めぐみさんは自殺した」というお定まりの主張が繰り返され、塗り固められた嘘をさらに分厚くしただけで、物証が1つもないまま「元夫の証言」だけで既成事実化を目指している政治的な魂胆は相変わらずのようです。

 一方、サミットで麻生外相は日韓だけでなく全ての拉致被害国の連携と(極東地域の安全保障を前提に)テポドンの発射阻止、6ヶ国協議への早急且つ無条件の復帰をサミット参加国同士で連携して北朝鮮に対し強く求めることも報じられています。

 韓国政府は「政治抜きの人道的な再会」と必死に宣伝しているものの、金英男さん一家を再会させ記者会見で証言させる(実際は「政府が準備した原稿を読ませる」)ことで既成事実化を図る政治的プロパガンダそのままな展開が繰り返されたものの・・・もしかしたら、横田夫妻も気が付いたようですが、私も、再婚した英男さん一家の中でヘギョンちゃん一人なじめていない印象を感じました。今後の展開次第では、英男さんよりもヘギョンちゃんが問題解決の重要な鍵を握る(分岐点を示す)一人になるかもしれない気がします。

投稿: 元・フクス | 2006年6月29日 (木) 22時10分

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» もう、騙されようがないです。 [園 丁 日 記]
昨日・今日と、日韓および他の国々からの拉致被害者の ご家族の方々、そして特定失踪者家族の方々には…さぞ、、 お辛かったろうと思います。矢面に立ってしまった横田ご夫妻の お忙しさ、またご心中、察するに余りある、、。しかし、 これまでのご主張とブレることない気丈..... [続きを読む]

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