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2006年7月25日 (火)

■金正日は「合理的な考え方をする指導者」か

■金正日は「合理的な考え方をする指導者」か

              荒木和博

 安倍晋三官房長官が昨23日、横浜市内で行った講演で、4年前の9.17第1次小泉訪朝で金正日と会った際に「論理的な話のできる、合理的な考え方をする指導者との印象を持った」と語ったとの報道がなされていました。一瞬目を疑いましたが、特に否定のコメントもないようなので、やはりその通りなのでしょう。

 しかし、もし金正日が「論理的な話のできる、合理的な考え方をする指導者」であれば、北朝鮮はこんな惨憺たる状況にはなっていません。官房長官の発言が本心であるとすれば、これはとんでもない勘違いだと言わざるを得ません。あるいは、何らかの部分的解決に向けての動きが北朝鮮との間であるのかも知れませんが、現体制が存続する限り、拉致問題の完全解決はあり得ず、結局は拉致問題の棚上げにつながるものと懸念せざるをえないというのが正直なところです。

 金正日体制の存続を前提に、話し合いでやっていけば、未認定の拉致被害者の多くは見捨てられてしまいます。また、身寄りがない人であった場合など、曽我さんのように北朝鮮が勝手に出してくることは奇跡でもない限りありえません。また、外国人の拉致被害者の救出や帰国者・日本人妻、そして北朝鮮2000万国民の人権問題解決も、体制の維持を前提としている限り不可能です。

 これまで拉致問題に熱心に取り組んできた安倍長官ですから、このような餌をぶら下げて北朝鮮当局を釣出しておいて一気に潰してしまおうという策であろうとは思いますが、あと一歩で倒れるというときに救いの手を差し伸べるようなことにはならないことを願うのみです。

 北朝鮮相手にはアメリカ頼みでもだめ、専守防衛でもだめです。拉致問題を自国の戦争と位置付け、攻撃は最大の防御(もちろんこれは武力だけの意味ではありません)との原則の元に手を打っていくことだけが解決の道だと確信します。

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