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2006年10月25日 (水)

NHK短波ラジオ国際放送問題に見る詭弁・極めつけ

NHK短波ラジオ国際放送問題に見る

  詭弁・極めつけ         閑居 投稿日:10月19日(木)

総務大臣がNHKの短波ラジオ国際放送で拉致問題を重点的に扱うよう命じることを検討したい旨を発言したのに対して、様々な批判が紹介されたが、批判の多くは、詭弁や極めつけから出発したもので、詭弁や極めつけに気づかない人々を政府批判の方向に誘導しようという意図の見え透いたものである。そのことを実例に即して説明したい。

(1)朝日新聞社説:冒頭に「NHKは報道機関だ。国の宣伝機関ではない。そんな当たり前のことを」とある。総務大臣がどういう放送を命令するかも不明な段階で「総務大臣が国の宣伝を命令しようとしている」と極めつけているのが、そもそもの大間違いである。仮に総務大臣が拉致事件特集のようなものの放送を命じたとしても、それを国(政権)の宣伝と捉える心根が捻じ曲がっている。拉致事件について国際的理解を深めて解決に役立てたいという意図に発する命令と解釈するのが素直な解釈であり、そう解釈するなら、命令に反対すべき理由は思い当たらない。

(2)音好宏・上智大文学部助教授:「総務相の命令で特定の政治的な問題について放送することになれば、メディアの編集権の独立を侵食することにつながり、大きな問題」と言っているが、「拉致問題」を「特定の政治的な問題」と極めつけているのが、そもそもの大間違いである。拉致問題は人権問題または安全保障問題であり、拉致被害者を救おうという政府・国民の行動は、政府として国民として当然の行動であって、どちらも「政治的」というような形容をすべきものではない。保守政党や右派が拉致被害者救出運動の主体となっている現状を捉えて「政治的」と言うのなら、なおさら間違っている。革新政党や左派が拉致被害者救出運動に率先して取り組んでおれば、今とは違う状況になっていただろう。革新政党や左派は、反米・反日の裏返しとしての親北朝鮮や共産主義・社会主義に束縛されたがために拉致被害者救出運動に率先して取り組めなかったのだから、拉致事件については、革新政党や左派の方がむしろ極めて「政治的」なのである。

(3)服部孝章・立教大学教授:「政府による放送内容への関与は、放送の不偏不党、表現の自由をうたった放送法1条の理念に反する」と言っているが、「総務大臣の命令は一党に偏ったものである」と極めつけているのが、そもそもの大間違いである。(2)の例と同様の間違いである。

(4)津田正夫・立命館大学教授:「政府が特定の放送を命じるなどということを許容したら、NHKは報道機関というより、プロパガンダ機関、国策放送に堕してしまう」と言っているが、これも(1)と同様で、「総務大臣が政権・国策の宣伝を命令しようとしている」と極めつけているのが、そもそもの大間違いである。

この他に(1)~(4)に共通して見られるのは「一般化・拡大の詭弁」である。つまり、総務相は「拉致についての放送を重点的に」と、特別な問題について言っているに過ぎないのに、「一旦そんなことを許せば、どんどんエスカレートして命令が下されて、いずれNHKが政府与党の宣伝機関になってしまう」というように問題を拡大・一般化して反対をしている。そういう論は、事態がそういうように推移するという蓋然性が非常に高く、またそれを阻止することが非常に困難だというのでなければ、単に不安を煽って他人を動かす扇動に堕してしまう。

人を教える立場の大学の先生がこういう間違った論を行なうというのは、本当に困ったことです。
皆さんはせめてご自分の子弟がこういう先生のゼミに入ったりしないようにご注意ください。

蒼き星々メインボードへの閑居さんの投稿より

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