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2006年10月25日 (水)

反戦・平和・反核運動家の声明を笑う

  投稿者:閑居  投稿日:10月25日(水)

   北朝鮮の核実験に対して、反戦・平和・反核の運動団体や個人が声明や意見を相次いで発表した。その幾つかは

AML(http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-October/date.html)で読むことができる。
どれもさすがに、冒頭で北朝鮮の核実験に反対を表明している。それに続けて書かれている論の内容も、その基になる主義・理想も、おおむね肯定することができる。
ただし、「拉致事件がなかったとしたら」という但し書きつきで!!
つまり、彼らの論はどれも、拉致事件を無視しなければ肯定できない論なのである。
彼らがそういう論を大威張りで述べられるのは、彼らが拉致事件を無視しているからに違いない。無視していることに何の後ろめたさも感じていないからに違いない。
拉致事件が緊急に解決しなければならない重大な問題であると認識し、この問題に誠実でありたいと思う人なら、彼ら反戦・平和・反核運動家のような論は、とても行なうことができない。

なぜなら彼らはたとえば、「核問題を解決するために、日朝国交締結に向けて話し合いをせよ」と主張する。「日本が国交交渉を拒んでいる」と日本を非難する者もいる。
ならば私は彼らに「拉致事件を解決せぬまま国交締結せよと言うのか?」と問いたい。自国民がまだ現に囚われているのが明白な国と、やすやすと国交を締結していいわけがない。
しかも、日本政府は国交交渉を拒んではいない。国交締結のためには拉致事件を解決することが必須の前提条件であるのに、北朝鮮が「拉致は解決済み」としているために交渉が停滞している、というのが事実なのである。
小泉訪朝以前にも日本政府は交渉の座に再三ついてきたが、日本側が「行方不明者」の問題を出す度に、北朝鮮側が座を蹴ってきた。その経緯は外務省のサイトに記して在る。
彼ら反戦・平和・反核運動家は、こういう経緯・事実を直視すべきである。

彼らはまた、「核問題を解決するために、米国が制裁を解除し、二国間交渉を受け入れよ」と主張する。
ならば私は彼らに「二国間交渉で核問題が収まって、拉致問題はどうなるのか?」と問いたい。
アメリカ・中国・ロシア・韓国・北朝鮮にとって、北朝鮮問題はすなわち核問題である。しかし、日本にとってはそうではない。
拉致問題を解決したいという日本の立場に立つなら、アメリカが二国間交渉を拒んで北朝鮮に制裁などの圧力をかけ続けていることは、むしろ好ましい。
彼ら反戦・平和・反核運動家は「制裁は最終的には戦争に行きつく」と言って制裁に反対するが、戦争と平和の二極端しかないかのような論は可笑しい。戦争と平和の中間には、無数の可能性があるのである。
現に、米国はずっとずっと以前から北朝鮮に経済制裁をしているが、まだ戦争にはなっていないし、ブッシュは「悪の枢軸」発言などで金正日に大圧力をかけたが、金正日は戦争を起こすのではなく怯えて日本に取り入ろうとして拉致を白状し、それで拉致問題に風穴が開いたのである。
前回の核危機の際には、クリントン政権は武力行使を検討したが、直ぐに全面戦争になって多数の犠牲者が出ると分かって、武力行使を思い止まった。
彼ら反戦・平和・反核運動家は、こういう経緯・事実を直視すべきである。「戦争になる」と煽るのは止めるべきである。

戦争のない平和な世界。そのための核兵器廃絶。それは、誰も反対しない、誰も反対できない、高邁な理想である。
だから反戦・平和・反核を唱えていれば、誰にも後ろ指は指されない。
しかしそれも、金正日が拉致を白状した日までのことである。
金正日の拉致白状により、日本国民は、外国によって侵害されるという現実を突きつけられた。
日本の国も国民も、遠くの理想を追うだけでなく、眼前の現実問題を解決するよう迫られているのである。
現実を突きつけられた国民の多くは、国家の使命・役割や安全保障の重要性や日米安保条約の意義に覚醒した。
覚醒した国民は、反戦・平和・反核運動家が実は眼前の現実問題を無視して遠くの理想を追うだけの裸の王様か、さもなくばアメリカや日本に抗うことが目的の似非反戦・平和・反核運動家であることに、もう気づいてしまっているのである。

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