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2006年10月28日 (土)

町田シンポジウム(2)

荒木和博氏
ありがとうございます
続いて佐藤先生お願いいたします。

佐藤守元空将

ご紹介いただきました。
佐藤でございます。私はもともと戦闘機乗りでございまして、防衛大学校卒業後34年間ずっと戦闘機乗り一筋でございまして、今日この会場に来まして、ふっと数年前のことを思いだしたんでありますが、最後沖縄でございまして、いろいろどんぱちがあったところで、お役御免になりまして、無事生き抜いて復員してきたんですありますが、その後荒木さんや、櫻井よし子さんたちから、引っ張り出されてこの拉致の全国集会、第一回目が日比谷でございまして、その時に私もこの壇上に上がれと(言われ)なぜか私の前に<軍事ジャーナリスト>と言うタイトルが付けてございまして、櫻井さんから笑われたんですけれども。熱気あふれるお話を聞いていまして、粛然たる気になったのであります。

ご承知のように陸海空自衛隊、それぞれそれなりに祖国防衛と主権確保のために働いているわけでございまして、特に航空自衛隊は24時間ですね、全国28箇所のレーダーサイトで見張っておりまして、私が現役の頃には、特に極東、・・・北海道半分をとられる恐れがあるという80年代の緊張した時代に、このときに死にものぐるいで防空作戦、訓練をやってきたわけですから、それを続けてきた私、戦闘機乗りが、急に民間人になりましてね、日比谷公会堂の壇上にあがって拉致の問題に対処したときに、『一体防衛というのは何なんだろう』と、非常なジレンマを感じたのであります。

本来国民のたったひとりでも、ああいう狂った国に拉致されると言うことがあったら、軍隊を派遣して取り戻す。相手の首領を(松原先生が言ったように)とっつかまえて処刑するというのが、国家の本来の機能であるにもかかわらず、全く放置。だから日本は法治国家であると私は言っているんでありますが(小さい笑い)。

その場で、私はお詫びを申し上げました。戦闘機に乗って、一生懸命やっている上の空の間にですね、足下から、漁船、あるいは工作船で、我が守るべきみなさんが、北朝鮮にさらわれてですね、13才のめぐみさんなんか30年も帰ってこれない。何という国家だろうということで、きわめて慚愧に堪えなかったことを、今思いだしたのでございます。 

その時私は、これは、やはり世論でございますから、地道に来た第一回目の全国集会ではございましたけれど、これを契機にひとりひとりが力を合わせてと言うことではなく、かけ算で、幾何級数的に、この国民のみなさんにバックアップして貰うようにしなければならないと言うことを、言ったことを覚えております。
効果があったかどうか知りませんが、非常に爆発的になった。そして今私が気にしているのは、5周年記念、とか7周年記念などという問題ではなくて、速やかにこの問題を解決しなければならない。
私の予測では、今年が一つの、基準点になると思っていたわけであります。

今松原先生がおっしゃったとおり、戦後の総決算をするにふさわしい方が、(総理に)なられました。(安倍総理のこと)今北京に行っている、明日は韓国ですか、大変大きな節目を迎えているのであります。

私は、最初にお断りすべきでありましたが、常々、ヘルメットをかぶって、酸素マスクをつけて、両手両足は曹達装置につけてですね、隙を見てスイッチを押したり離したりして、精神分裂的な状況で三次元の世界を飛んできた者でございますから、大変言葉遣いが荒うございまして、不適切用語がどんどん、飛ばすという悪い癖がございますので、もしこのお話の中で出た場合はですね、(NHKの方はおられないと思いますが)どうぞお許しをいただきたいと思います。

さて、この問題にからみましてから私は荒木さんや、いろんな方々と交流をして、今年の春頃にですね、一等陸曹殿(荒木さんのこと)から命ぜられまして、「軍事的救出作戦を立案せよ」ということで、荒木さんの戦略研究会で一案を提示したことがあります。

大変熱心な人たちが集まっておりまして「なんだ結論は出来ないのか?」「自衛隊はなんだ」と言う話からですね「何がポイントなんだ」ということがその場で大変問題になりました。大変熱気が収まらなくて、二次会に、荒木さんのポケットマネーで飲み屋にはいって、それでも継続してですね、侃々諤々のはなしになりました。軍事評論家の惠谷君なんか、口角泡を飛ばすようなことであったんですが、「これは、まだいける。日本人も捨てたものではない」と、大変失礼ですが、その時思ったのであります。

その時の資料をたまたま持ってきておりますから、全く私個人の見解でですね、荒木さんの研究会で言ったことで、ちょっと筋を述べてみたいと思います。あと十分ぐらいですが。

それはですね、こんど、金正日が7月5日のミサイルは失敗したので、最後の切り札として核実験をやると宣戦しました。世界中、アメリカは怒っておりますが、国連も、何となく前向きに制裁を別として動き始めている。

これをやったらどうなるかと言うことでありますが、つまり核実験というのはどういう事かと言いますと、
作った爆弾のテストであります。これが爆発するのかどうか、起爆装置から爆発がうまくいくかどうかを、大気中ではありませんから、地下でやる。その穴を掘っているということですが、これは24時間態勢でアメリカの人工衛星が監視しております。で、問題は、核が爆発に成功した次は、7月5日に失敗したテポドン、(ノドンは飛ぶことが証明されておるようでありますが)テポドンに積み込んで、始めて兵器=ウェポンになるのであります。今の段階はロケットはロケット、弾頭の部分は実験の段階ということであります。

情報によると、かなりでかい爆弾、つまり爆発装置でございますから、これをミサイルの先端部分に積むのは、大変難しいと言われています。多分そうでしょう。昔、広島・長崎がやられたのは、B29のお腹を改造して、やっと一発積みこめたような状態でありますから、それほどひどくはないですけれども、これを爆発させる。爆発させたら、次は飛ぶことが確証を持ったミサイルに積み込んで、やっと一つの脅威になる、ウェポンになると言う段階でございます。

これをアメリカが許すかどうかと言うことでございます。
本来ならば、一番側にいる日本が許しちゃいけないんですけれども、<みんな、アメリカさん>と言うことですから、アメリカが許すかという問題です。これは、全く個人的想像でありますが、湾岸戦争の時に私は三沢基地勤務でしたが、半年、10ヶ月前に、『アメリカはやる』と。『確実にやる』ということを確証を持っておりました。

1月17日に朝部下を集めた会議の最中に、副官がメモを差し出して「始まりました」と言いました。「今日やるぞ」と言ったんですが、たまたま賭ていれば、大もうけしていたんでありますが、賭ける前のことですから大変残念だったんですが。、1月17日に湾岸戦争は始まりました。

この予兆というのは、軍事的なセンスでみておると大変よくわかるのであります。
その当時三沢では、輸送機がですね、(この上も良く飛んでおります。私も多摩丘陵のほうに避難してきておりますから、頭の上を良く飛びますが)C○○であるとか、C17であるとか、チャーターされたジャンボであるとかですね、いろんなものが、出入りしているんですが、早朝から飛んできます。これが、、パパットいなくなるんですね。

輸送機の動きが止まるんですね。そしてどんと始まるんですね。私は既に一民間人でありますから、おそらく、沖縄の嘉手納も三沢も、かなりの状況で、緊張しているんじゃないかと思います。

理由は簡単です。もし金正日の核実験を許してしまえば次はイランです。これをずるずると許してしまえばイランは確実に意思を持ってやります。

アメリカの政策の中心は(釈迦に説法ですが)中近東でございます。
極東なんて、どうでも言いと言えば、語弊がありますが、中近東でこの火種を消さなければならない。
この問題をアメリカはどうするか?本来ならば、先制攻撃ですが、それをやるかやらないかは、今作戦計画ができあがっているところでしょう。

そこで、もしやったらどうするか。これは非常な問題であります。そこで、もしやったら、どうなるかというところが、実はこの前のその荒木さんの研究会でやったことですが、前段の自衛隊独自で行動して、救出をできるかという問題では、最大の弱点が、目標でございまして。つまり拉致されたみなさん方を目標として。すくなくとも目標がどこにどのような形でいるか、この情報がとれない。この人たちを救出作戦を発動したときに何処に終結させるか?そしてそれが、映画に良く出てくるような、絶妙のタイミングで我々のヘリや艦艇が駆け付けたときに、さっと逆拉致された形で、収容して帰ってくる。

ここがポイントですが、結論は『自衛隊独自の作戦行動はできない』ここで大変紛糾いたしまして『なら自衛隊なんかやめてしまえ』てな声がいっぱい出たんでありますが、では何が可能性があるかと言いますと<b>『日米共同作戦』</b>ということです。一部の保守系の物書きのみなさんには、アメリカと一緒になってやることに対して、きわめて不快感を示します方が散見されますが、アメリカの力には残念ながら、叶いません。60年前は、四年間、アメリカと四つに組んで、負けはしましたが、徹底的にいじめた経験がありますけれども、今や日本人にはそのような<どしょ骨>はありません。朝青龍に投げ飛ばされているというのが実体でございます。

そこで、アメリカを利用すればいいということであります。

つまり私がその時に書いたのは、米軍の作戦も目的がある。北の核施設破壊と金正日爆殺、つまり排除、こういう作戦計画があるので、これに動きが出たときに、我が陸海空自衛隊は『拉致被害者救出』という目的でこれに合同行動を行う。これが唯一である。

ただし最大の弱点は、韓国内の基地を使えない。海上自衛隊は洋上に基地を作れるが、航空自衛隊の場合は、よほどのことがない限り戦闘行動をした戦闘機は、F15以外はかえってこれなくなる。

でも8年前にテポドン1が飛んだときに、私は内々にパイロットに対して、必要なところを攻撃するかと言うことを聞いたところ、全員が『片道で行く』と言ったんです。そこのところを私は期待しておりますので、後問題は、国民のみなさんがこれを支援してくださること。そしてできたら松原先生が国会で、『自衛隊は何をしているんだ。拉致被害者を救出する作戦はどうなっているんだ、防衛庁長官!』という火を付けてくだされば、大変ありがたいのです。

(テキスト金木犀)

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