東京連続集会23(5)
訪米団報告と北朝鮮の動き 東京連続集会23
06.11.16 友愛会館にて
『西岡力 救う会副会長の講演 その3』
そういう中でブッシュ大統領の任期があと2年です。
安倍総理の自民党総裁としての任期が3年ですね。
この間に北朝鮮は時間稼ぎをして、核保有国として何とか認知されようとするでしょう。
先制的軍事攻撃はしないという事はほぼ決まっています。
それ以外の形で矛盾を高めて、彼らから核とミサイルと拉致被害者全員を取り戻すことが出来るかどうか?
出来る可能性は見えて来たと思っています。
いよいよ最後のときだと思っていますけど、だからといって「100%大丈夫です、いつ帰ってきます」、とは言えません。
前から言っているように、必要条件は整った。
一番良い国際状況が出来たときに安倍政権になって対策本部が出来た。
国連の制裁決議は通って、そこに前文でですけど「人道上の懸念」と言う単語でですけど、一応拉致に関する言葉は入った。
足場は出来た。
その足場からもう一歩進んでいく事が出来るかどうか?という事で、今回我々もニューヨークで出来る限りの事をしましたし、我々が出来ることは決まってますけど、国連代表部の人たちは相当必死になって出来る事をやっている事が分かりましたので、今は外務省も必死になってやっていると。
国連代表部の人たちに私は言ってきたんですけども、国際的な関心を高める・国際包囲網を高めると言う方法で国連でやることも意味があるけど、それだけじゃないんだと。
国連には北朝鮮の外交官がいると。
その人の前でどれくらい日本が拉致問題で必死なのか?という事を見せるという事は、安全確保につながるんだと。
日本はこのことで絶対に引かないんだという事をいろんな方法で北朝鮮内部にいろんなルートを使って入れなくちゃいけないんだけど、目の前に北の外交部がいるときに絶対に小さなことでも拉致の事が出たときに、大使が出て行って反論すると。
同じことの繰り返しでも何回も何回もやると。
いう事をやっていると、これは日本は拉致問題では絶対に譲歩しないんだなという事が北の外交部に伝わって、日本担当じゃない人間にも伝わって、という事になるんだと。
だから皆さんのやっている事は実は外交的に北を追い詰めるだけじゃなくて、安全確保につながると思って必死にやって欲しい、という事を言って来たんですけども。
まぁ分かってますけども。
そういう点ではですね。
6者協議に北朝鮮は出ると言って来て今度は6者協議の場所が一つの焦点になりますけど、6者協議の場所で北朝鮮が核を止めるなんて思いません。
まだもうちょっと圧力が掛らなければ核を捨てるという事を考え難いわけですけども、しかし彼らは去年10月に6者協議が開かれた後、「アメリカが金融制裁を解かなければ6者協議に出ない」と言っていたわけです。
で、ミサイル発射実験をして核実験をしたんですけども、今アメリカは金融制裁を解いてないんです。
それなのに6者協議に戻って来たんです。
向こうの方が弱っている事は事実なんです。
ミサイル実験をしたら失敗したんです。
核実験をしてもほぼ失敗だったんです。
・・・(聞き取れず)がなくて、6者協議に核保有国として出てくるとか言っているわけですけど、実は失敗したんです。
2度目が出来ないもんだから、出来ないのにやらないと言って何か少し物を貰おうとしている。
でも「6者協議に出てくる事は歓迎するが、6者協議に出て来ただけでは制裁は解除しない」というのが、今の国際社会の韓国も中国も入れた共通認識です。
ですから彼らは出て来たって何も得るものがないんです。
そこでアメリカと話をするといっていますけど、アメリカは金融制裁は犯罪に関わることだから、北朝鮮が偽札を印刷している事を認めてもうしないと、しないための証拠としてアメリカの偽札の版を出せと言っています。
版を出してきたら、本当にやっていたな?という事を言うんだと思います。(笑い声)
そういっていることに対してはアメリカは犯罪として対処しているんだから、外交の交渉事では無いと。
核開発を止めたからと言って偽札の手を緩める事は出来ないと。
で、日本は核が緩めても拉致がある以上制裁を緩めないと安倍総理が決めているんです。
問題は韓国と中国なんですね。
韓国政府は国連に対して金剛山観光と開城(ケソン)公団への投資は中止しないと。
それからPSIというんですが、大量破壊兵器拡散防止イニシアチブという、船にミサイルなどが乗って来たときにですね。
臨検をして本当にミサイルが乗っていたらばそれを取り上げてしまうみたいな事をやる準備をしているわけですね。
韓国はそれに入らない。
しかし一応肥料支援とコメ支援は止めるという事は言っているんですが、でもそのコメ支援を何とか再開したいと言う話が韓国の中から出て来ています。
アメリカは海外にある金正日の個人資金を凍結するという事をやっているわけですけども、今外貨が中にどんどん入って行っているのが金剛山観光と開城公団だと、表ではですね。
麻薬やミサイル取引など今厳しく取り締まられていますけど、昔のように外貨は入っていかないと。
そうすると北朝鮮からするとですね。
外貨が入るというのは、その二つの韓国との事業と言うのは大変な価値がある事業なんですね。
それをどう止めさせる事ができるか?
この次の国連制裁の議論になったときには、当然「民間の投資や観光事業についても止める」という文言が入れるようにアメリカ側は・・・(聞き取れず)して来ると思います。
日本はもう安保理事会も今年の12月で非常任理事国の任期が終ってしまいますから、指導的な地位には入れませんが。
そしてボルトン大使が今度中間選挙で共和党が負けたので、1月になったらいなくなるかもしれないんですが、ちょっといろいろな変数が出て来ていますが。
そして中国は石油や食料を生かさず殺さずで適当に入れながら閉めたりしていると。
どうやって国際社会は韓国の盧武鉉政権と中国の胡錦濤政権を、反テロと言う国際的な普遍的な立場に引き寄せる事が出来るかどうか?
いろんな変数がまだまだあると思いますが。
いよいよ日本国内で誰かが問題だと言う時期は終って、北朝鮮本体と全員取り戻すために彼らに圧力をかけると。
それと今いる拉致被害者に手を掛けたら絶対に許さない、という事を彼らに伝えていくような事をやる時期になってきたと言う点で、2002年の9月に第一段階が終わり、そして今2006年の9月に第二段階が終って、第三段階いよいよ最後のステージに入ったんではないかなと。
今のところ、我々は勝ち続けて来ているわけですけども、最後にどうなるか?
まだ分かりませんしいろんな紆余曲折があるかもしれませんが、少なくともですね。
これは横田さんたちがよく言っているんですけども、「やれる事をやらなかった」と言う悔いを残したくないと。
もうちょっと頑張れば、疲れているけど朝起きて行ける集会に行かなかった、という事・悔いを残したくない。
その早紀江さんが今年の4月に「アメリカへ行けない」と言いましたから、無理を言って行っていただきましたけど、もうちょっと横田さんたちに無理を言う時期では無くなって来ているんですが。
飯塚さんも今回足が毎日張っていて大変だったんですが(笑い声)、だんだん家族の人たちに無理を言えるような段階ではなくなって来ているんですが。
しかし安全という事については、出来る限りの事をやらないで悪い結果が出たときには本当に悔いが残りますので、出来る限りの事をしなくてはいけないなと言うふうに思っています。
それから最後に寺越(昭男)さんが来ていらっしゃるので、松本京子さんの認定を巡って今後の認定の問題ですね。
特定失踪者等に関わる問題について、私が考えていることについて申し上げて終りたいと思いますけども、松本京子さんは救う会は認定していないんですね。
救う会認定と言うのも、我々も4~5人しかいないわけです、全国協議会の事務局に。
今まで政府が積極的じゃなかったときには、政府の認定だけが拉致被害者じゃないという事からやって来たわけです。
家族会も、有本さんは家族会の創設メンバーですが、認定されていなかったんです。
横田さんも家族会が出来たときには認定されていなかったわけです。
2ヵ月後に認定されるわけです。
当時私たちが考えられる資料等で、この人拉致に間違いないという人を署名簿に書いたりしていたわけです。
松本さんについては分からなかったわけです。
だんだん情報が出て来たんですが、サンダルが残っていたとか殴られていたとかいうことは分かっていたんですが、北朝鮮という事について断定できる材料がなかったんですね。
警察が認定できたのは工作船が来ていたという事を示す電波があったんですね。
電波がある事は公開しないわけです。
我々は分からないわけです。
古川(了子)さんと加藤(久美子)さんについては私たちが信頼する安明進さんが似た人を見たと言っていましたので、そこまでは救う会が認定をいう事をしたんですが、その後はしていないんです。
特定失踪者と言う概念が出来ましたので、特定失踪者の中の拉致の疑いが濃厚な人という1000番台リストがいますから、そちらの枠のほうが良いだろうと。
荒木さんの方もこちらに認定してくれと言って来なくなったと言うのもありましてしていないので、今回古川さんや加藤さんなど私たちが認定した枠から新しい人が出なくて、私たちが何も言っていないところから新しい人が出たという事で、政府が特定失踪者も含めて本格的に調査すると言っているときに、民間団体が限られた材料から認定するしないと混合する事を、僕らの方からするとそういう事は無いだろうなと思っています。
ただ、問題はですね。
小住健三さんと言う人とそれから寺越(武志)さんですね。
そして福留(貴美子)さんですね。
それはもう、ハッキリしているわけですね。
寺越さんについてはですね。
もう北朝鮮にいるわけですよね。
という事が分かっているし、目の前で攫われているんですから、犯人と思われる人の名前まで分かっていてですね。
いろんな事がハッキリしているんだけど、拉致問題ではまず生きている人の安全を確保して、その人を取り戻した後真相を究明する。
犯人を、責任を追及するという順番なんですね。
安全が緊急ですから人質を取り戻さなくちゃいけないので、その場合には寺越事件の3人の被害者のうち一人だけ生存していらっしゃるのは武志さんだけなので、武志さんの安全を確保するために一番良い事は何なのか?という観点から、当面はですよ?
考えなくちゃいけない。
それは本人たちが何を言っていようと状況証拠から政府の責任で認定すると言うのが一番いいんじゃないか?
お母さんは反対したと、しかし政府は認定したと。
蓮池さんたち5人を北朝鮮に返さなかったときも政府の責任でやったんですね。
という事が出来ないのかな?というふうに今は思って、それはまた今度対策本部と話もしなくちゃいけないなと思っています。
これはもう特定失踪者と言う話じゃないですから、実際北朝鮮に連れて行かれているわけですから、そしてもしかしたら殺人事件かもしれないという事ですね。
しかしそれから福留さんのこと小住さんのことなどは、もう北朝鮮が関与しているのは明らかなんですね。
あと解釈などの問題で本人が一度日本に来たから北朝鮮と協力していたんじゃないか?と警察は言っているようですけども、あるいは小住さんはいなくなったときと朴がパスポート取ったときのちょっと時期がずれているからと言うような事を言っているわけですけども、北朝鮮が関与していて北朝鮮が消息を知っている事件は拉致事件“等”くらいにしてですね。
生きている人が日本から北朝鮮に連れて行かれた事が明らかにならなくても、北朝鮮が工作活動の一環として日本人をターゲットにしてやった事件を拉致“等”として認定できないのかな?と。
そんな事をちょっと考えていまして提案できないかなと思っています。
そしてもうひとつですね。
先ほどちょっと言いましたけど、拉致被害者がもし100人いるとするとですね。
認定されるであろう人は20人くらいだと思います。
後80人について言うと40人は特定失踪者や警察のリストにある人たちで、後40人は全く分からない人、という事です。
特定失踪者だけが拉致被害者じゃないという事です。
原(敕晁)さんはいまでも辛光洙が捕まっていなければ届け出も出ていなくて、失踪と言う届出さえしていない人だったんです。
拉致問題について我々は被害者の家族を支援する救う会とよく言われるんですけど、そろそろそういう言い方とか考え方を止めた方が良いと思うんですね。
家族がいない被害者もいるんですよ?
家族を支援しているんじゃなくて被害者を、家族と日本国民が一緒になって助けようとしている。
家族が名乗り出ない被害者も被害者なんですね。
何か大きな変動が起きた場合にまた何人か帰ってきたりして、日本の認定者がほぼ帰って来たり証拠が分かったりすると。
そして特定失踪者が何人か出て来たときに、これで終わりだと北朝鮮が言ってその時どうするか?
家族の人たちは誰も出てこない。
しかしまだいるかもしれない。
つまり拉致被害者を全員取り戻すと言うのは、家族がいない人の事も視野にいれて全員取り戻すという事なんです。
だから家族に対するケアとか家族に対する説明と言うのも必要ですけど、それはやっぱり二の次の問題で本当に一体何人いるのか?と、いう事を知らなくちゃいけない。
知る努力をしなければ新たな何か動きがあったときに、「これで終わりだ」と北朝鮮に言われたときのためにも、そういう努力をしておかなければいけない。
特定失踪者と言う言葉が出来た事は大変良かったと思いますけども、それだけじゃないんです。
届出が出来ない人もいる。
あるいは届出の出来ない人を北朝鮮はわざわざ狙ったんです。
だから大混乱になってですね。
「私が拉致被害者だ」って来たらですね。
戸籍を調べてみたら失踪していなくてちゃんといると、背乗りしていてその人がどこかにいるという事が、「実は自分が本物だ」といってどっちが本物か?という事になるかもしれない。
そういう事が起きるんじゃないか?
全員取り戻すという事はそういう事も含んでいるんだと。
日本ではやっぱり安全を北朝鮮に言うと同時に、全員と思っているんだったらその全員というのはお前たちがやった全員なので、家族がいない人も含んでいるんだと。
小泉総理が言ったように「家族が納得しないから再調査をしてくれ]]というのじゃなくて、「日本国として、家族がいようがいまいが日本国として、外国に連れて行かれた日本国籍人は全員取り戻す」と。
そういう事をまず確認しなくちゃいけないんじゃないかなと。
だいたいこういうところです。
寺越さんに一言、どうぞ。(寺越昭男さんにマイクが渡る)
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