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2006年12月27日 (水)

「たまてばこ、ほら」公演によせて

下北沢で公演されている「たまてばこ ほら」の演劇によせた増元照明さんの文章をご紹介します。

「たまてばこ、ほら」公演によせて

  るみ姉が突然いなくなって、28年という月日が過ぎてしまいました。いつも笑顔で迎えてくれた姉がいなくなったことで、家族の間で本当の笑顔が消えてしまいました。それ以降の家族にとって、るみ姉の不在が信じられず、不可思議な思いの申で不透明な時間が過ぎていったように思います。めぐみさんの事件が発覚するまでの19年間、私たち家族は、るみ姉の話しをすることすら憚られる日々が続いていました。
  家族会が緒成きれ、漸ぐ自らの手でるみ姉の救出の道を切り開ける喜びを感じていましたが、同時にそれまでの国家というものが、国民の不在に対して、非常に冷淡であったことを知るようになりました。それから正に、るみ姉を拉致していった北朝鮮・金正日政権と、国民を救出しようとしてこなかった日本国政府との闘いを強いられてきました。国民に訴え、メデイアに訴え、あらゆる機関に訴えで、それでも救出できないジレンマに苦しみを覚えるようになっていました。あの時期は、家族の中にも「諦め」に似た感情が湧き出していたのではないでしょうか?
  米国ブッシュ政権になり、それまでの状況が激変し、2002年の 「平壌首脳会談」の実現を見ることにより、認めるはずのなかった 「金正日の拉致認証」という事態から、日本中の皆さんに、私達家族の苦難を知っていただくようになりました。それでも尚、るみ姉の帰国は実現していません。
  父は4年前、愛する「るみ子」の笑顔を見ることなく他界しました。死に直面した父の言葉は、「日本を信じろ!」というものでした。それは、日本政府ではなく、日本の国、又、日本国民の力を信じろというものであったと理解します。国民のカが、必ず娘を救出してくれるとい うものであったと理解しています。国民の力が、必ず娘を救出してくれるという信念に似たものであったろうと考えます。
  私には、「芝居」の何たるかわわかりませんが、この作品を通じて、皆さんに、「家族というもの」「国家というもの」を考えていただけるとありがたいと思います。
   かれらの不在に対して、関心を持ち、彼らを忘れないで欲しいのです。
  理不尽な行為の下で、今も苦しむ 「貴方の家族」がいるということを!

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長  増元照明

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