« (6)家族会の皆さんの声 その2&中山恭子補佐官のお話 | トップページ | 増元照明さんのお話(1) »

2007年2月18日 (日)

増元照明さんのお話(2)

和光市集会(2)
 
 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための4市協議会・講演会
07.2.11 和光市民文化センター・サンアゼリア小ホールにて

『増元照明さんの訴え その2』

それほど危機感を持っていました。
2000年、1999年、野中さんが幹事長だった当時から日朝国交正常化を優先させるのではないか?
そして日朝国交正常化をするんでは無いか?と言う危機感を常に持ちながら、僕たちは恐怖に慄いていました。
当時北朝鮮はあらゆる国と国交正常化をなしていたんです。
ヨーロッパのEUではフランス以外の国と当時国交正常化をなしています。
その時にメディアの論調は何を言っていたか?

「隣国である日本が北朝鮮と国交正常化をしないで、各国が国交正常化をしてる趨勢の中で本当にそれでいいのか?」と言う流れを作ろうとしたんです。
「日本が孤立している、日本の孤立化を進めていいのか?」と。
「世界が北朝鮮との国交正常化を進めているときに、日本だけが北朝鮮と国交正常化をしないで孤立化していていいのか?」とメディア全部やりました。

産経はたぶんそれはやってないと思いますが、朝日・毎日、私たちはその論調を聞いていて、
「何を言っているんだ! 私たちの家族はまだ取り戻していない、帰って来ていない状況で孤立していいんじゃないですか?国交正常化は出来ないでしょう。」
と言う思いでいたんですが、メディアの方はやはり国交正常化を優先。
政府の方針でもあったかもしれませんがその流れを作ろうとしました。
それでも大きく国交正常化に動かなかったのは、やはり日本の国民の皆さんが「何かおかしい」という、そういう思いを抱いていたから、政府も積極的に正常化に踏み込めなかったと思っています。

2002年9月17日、小泉総理が訪朝されました。
あの訪朝時、田中均さんが1年かけてあの小泉訪朝を画策したと言われますが、あの訪朝時のあの映像、私も映像の中で何回も何回も見たんですが、小泉さんと当時安倍官房副長官が二人で並んで金正日を待つ場面が見えるんですが。
その直前に5人生存8人死亡を言い渡されたお二人ですが、安倍さんは目の周りが真っ赤になっているんです。
で、後ほど聞いたんですけれども、あの日8人死亡とされた、確認はされていませんでしたが衝撃的な報告に、横田のお父さんお母さん、そして有本のお父さんお母さんの顔が浮かんで、やはりどうしても涙を流さざるを得なかったと仰っていました。
それが表情にも現れています。

小泉総理は硬い表情ではありましたけど、じっと前を見据えていました。
金正日が入って来たときに、私はこれは、多分私だからそう感じるのかもしれませんが、小泉総理の頬がちょっと緩んでいるように見えます。
金正日が目の前に現れてそして首脳会談が実現し、平壌宣言のサイン、そして国交正常化への道が開かれたという思いが、多分小泉さんの頭の中によぎったのでは無いでしょうか?
本当に私、まぁ穿った見方かも知れませんが、もし機会があればもう一回ご覧になってください。
頬が緩んだんです。
それを見て私は小泉元総理と安倍現総理の思い入れが、やはり違うんだというのを改めて感じております。

今安倍総理は、昨年の官房長官になられてからですが国内での現行法、朝鮮総連の施設に対する厳しい法の厳格化、さらに商工人の不正な輸出に対し厳しい法の適用を行い、それが元で朝鮮総連が動けなくなってきておりますが、その流れを厳しくしていき、さらにミサイル発射で万景峰号を止めました。
その万景峰号、最初はミサイル発射で制裁を科すと仰いましたが、すぐに翌日拉致の進展が無いことも理由に入れていただきました。
核実験がなされたときは、拉致の問題も含めてさらなる経済制裁の強化をなされました。
このスピードが非常に早いもので、びっくりするぐらいの早さです。

ずっと経済制裁の発動を訴えて来ましたけど、中々政府としては対話と言う、対話対話というその言葉で圧力をかけてきませんでしたが、ミサイル発射と同時に経済制裁を科した。
そして核実験やったという情報の元にすぐ制裁を発した。
これは安倍さんが官房長官であったがゆえに出来たことだと、私たちは思っています。
今現在は先ほど言ったように、対策本部の本部長として北朝鮮に対して毅然と私たちの家族を、拉致問題の進展を北朝鮮に強くメッセージを送っています。

メディアはこう着状態と言うふうに言ってる方もいらっしゃいますし、山拓さんなんかもこう着状態、このこう着状態をどうにかしなければならないと言って訪朝されましたけども。
一昨年から続く一連の流れ、これは北朝鮮に対して日本政府が初めて、戦後60年初めて制裁と言う厳しい道を示し、強く拉致問題の解決を北朝鮮にメッセージとして送っている状態です。
昨年の日朝協議のときに北朝鮮が何を一番気にしているか?
それは日本人の日本国内の拉致問題に対する関心の高さ、それを気にしている。
後拉致と言うものを国際的な広がりを気にしていると我々は聞いています。
それほど北朝鮮はこの拉致の問題を考えざるを得ない状況になってきているという事。
それは日本政府が毅然と拉致の問題を北朝鮮に突きつけているから。

ですから今回の6者協議の中でも、アメリカと、米朝が多少緩い関係になりつつある中で、日本政府は独自にこの拉致問題の進展が無い限り、核の問題で進展があったとしても経済支援は出来ないと事前にはっきりと言っています。
それは北朝鮮にも強いメッセージになりますし、他の5ヶ国にも日本を除く5ヶ国に対し強いメッセージになります。
6者協議自体、私たちはあまり評価をしておりません。
それは中国が主導でやっていて、そして北朝鮮の崩壊を望んでいない中国が時間稼ぎの元にのらりくらりとやっているようでは、拉致の問題いつまで経っても解決しないと言うふうに思っていますが。
この日本政府の立場として、拉致の問題で進展が無ければ一切の経済支援は出来ないともう明言されていますから、中国がホスト国としてあの6者協議を成功させるためには、どうしても日本の金が必要なんです。

中国は北朝鮮に対してそんなに多くの金をつぎ込むつもりはありません。
あの辺は適当に生かさず殺さずでいればいいとある程度考えています。
ただ東北省と言うところがあります。
そこの経済的な遅れを取り戻すためには、どうしても日本の企業の融資が必要ですから、日本のいう事を聞かねばならないですし、もし北朝鮮がインフラ整備されてそちらの方の貿易が強く大きくなれば、改革開放路線になればそれは東北四省のある程度経済的な上向きはあるので、ですから北朝鮮のインフラはやらなければいけない。
それに関しては日本の金を当てにしているのは、まず私は間違いないと思っています。

韓国は世界10位といえどもあまりお金を出せるような今状況では無いので、北朝鮮を丸抱えできないでしょう。
あの北朝鮮を立ち直らせるためには日本から出るといわれている1兆4千億円強の、金丸さんが約束してきたお金を皆が当てにしている。
ですから日本政府は今それを出来ないと言うふうに、拉致の解決がなければ出来ないというふうに言えば、あの6者協議の中で一番困るのは中国です。
中国を動かすためにも、今の日本政府の毅然とした姿勢は大変私たちにとってはありがたいですし、それをもっと早くにやるべきだったと私は思っているんですけど、安倍政権になってそれを貫いてくれています。

今日本政府は北朝鮮に対して攻撃を仕掛けています。
確実に金正日を追い詰めるために、経済制裁でそして拉致の問題で攻撃を仕掛けています。
それをこう着状態と捕らえる事自体がメディアの間違いであり、そして山拓さんの間違いであろうと思います。
山拓さんは今の内閣、非常に若い内閣ですから、彼は非常に馬鹿にしているところがあるんでしょうけど、安倍さんの思いを全く知らずに日本政府との連携も取らずに、ただこう着状態と言うメディアの誤った情報の元に自分が行けば、自分が行ってまた2~3人取り戻せると考えておられるでしょうが、日本政府は今2~3人の拉致被害者の救出ではなくて特定失踪者も含めたすべての拉致被害者の救出するために、今の現在の対北朝鮮政策をやっています。

その流れを知らない人たちがうろちょろする事は北朝鮮を利することになる。
だから私たちは山拓さんの訪朝に関しては反対なんです。
あの方が何をやったか?
2004年、大連であのソン・イルホに非常な喚起の声を上げさせるほどの何かの約束をさせたんですよ。
そういう方が、その後何が起こったか?
小泉再訪朝があって、結局取り戻したのは5人の家族だけです。
100人以上の拉致被害者がいるにも拘らず、その一人の拉致被害者に関する情報さえ全く取る事が出来ずに、そして再調査の約束をしたと言って威張って帰って来ましたが、その再調査の結果が偽の遺骨であり、偽の死亡情報であった。
このことに関して何も小泉さんは責任を取っておられません。
そして辞められていかれましたが、このような相手に利用されるような議員外交と言うものを今まで日本政府はやってきたから、そして山拓さんも実際それをやってきたから、私たちは山拓さんが行かれる事を非常に危ういと考えています。

今の日本政府のこの姿勢、我々はこれからもずっと安倍総理のやり方を支持し、そして北朝鮮に対して毅然と拉致の問題の進展なくして一切の経済支援はしないという、経済協力は出来ないという日本の政府のこの発言を支持しています。
佐々江局長もいろいろと頑張っておられるでしょうが、日本サイドから北朝鮮にお願いして日朝二国間協議をするというような状況を我々は望んでいません。
それは昨年からの日朝交渉の再開に関してもそうですが、私たちは早くはやっていただきたい。
しかし、それを日本政府から要請するという形になるとあの北朝鮮、必ず自分たちを利するような話し合いにしか持って行きません。
ですから日本政府としては強いメッセージを送って経済制裁をし、圧力をかけながら北朝鮮の譲歩を待たなければならない。

アメリカが金融制裁をかけても北朝鮮は6者協議に戻ってきたではないですか?
北朝鮮が非常に困ったから、米朝会議をして欲しい、金融制裁を解除して欲しいから6者協議に戻ってきたではないですか?
今度は日本の単独制裁の毅然とした姿勢で、日本の制裁を解除させるために、彼らが話をしなければならないと思わせなければなりません。
これは今アメリカが金融制裁をやっているときに、さらに強化をしていかなければならないと私は思っています。

今年おそらくこのまま行けば金正日政権は本当に危ういところまで行くと私は考えていますので、今年が勝負だと思っています。
これを逃したら、また後2年3年、そうすると日本で待つ家族が次々倒れていってしまいます。
横田さんご夫妻もだいぶあちこちを回られて、体があちこち痛い思いをされておりますので、今横田夫妻には極力休んでもらいたいと思っております。
ここに来ておられる飯塚副代表もすでに、いつの間にかもうすぐ、もう一個で70になるというお話ですので、だいぶお疲れだと思います。
私はまだ50代ですので、その分皆さんよりは健康でありますので、ちょっと1月に倒れてしまいましたけどそれでもまだ皆さんよりは体力を持っておりますので、出来れば私が動きたいと思っております。

でも北朝鮮、先ほど言ったように日本の世論の沈静化、それを一番望んでいます。
ですから皆さんが絶対にこの拉致被害者の事を忘れない。
拉致被害者を救出するまで経済支援なんか絶対に出来ないんだという強い思いを持っていただく事が、私たちの家族を早期に救出する大きな力になると思っています。
こういう集会にも本当に日曜の昼下がり、これだけの大勢の方に来ていただき、感謝申し上げます。

そしてこれから是非ブルーリボン運動にもご協力ください。
日本人の8割がもしブルーリボン、もしくはブルーのストラップを付けて、北朝鮮に対して無言のメッセージを送っていただきたいんです。
日本人は絶対に最後の最後まで拉致被害者を救出する。
そこまで一歩も引かないという日本人の意思を金正日に見せ付けてください。
皆さん一人ひとりが無言の意思を見せ付けることによって、北朝鮮が日本人拉致被害者を返す日がさらに早くなると思っておりますので、是非ご協力をお願いいたします。
今日は本当にありがとうございました。(拍手)   

|

« (6)家族会の皆さんの声 その2&中山恭子補佐官のお話 | トップページ | 増元照明さんのお話(1) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。