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2007年5月27日 (日)

古川了子さん第9回行政訴訟報告会(4)

古川了子さんの拉致認定を求める第9回行政訴訟報告会
07.4.26 衆議院第二議員会館にて

『質疑応答 その1』

0001153m

 
 
 
 
 
 
 
 

  
 

 

★荒木和博 特定失踪者問題調査会代表

以上でございます。
あと一つ、ちょっと事務的と言うか、表明書の中の五項の事なんですが、『認定被害者及びその御家族にFAX等で提供しているものと同じ情報を、特定失踪者問題調査会にも伝達することとする。』と言うふうになっております。
これはどういう意味か?と言いますと、ご家族に送っているのはですね。
特定失踪者のご家族全部に送るというのはちょっと難しいという事がありまして、私どもが月一回郵送でお送りしていますニュースの中にその内容のエッセンスを入れてお送りしていると。
毎回4ページしかございませんので全部入れる事は出来ないんですが、その中で重要なものをですね。
ピックアップしてニュースの中に入れてお知らせをしているという事の意味でございます。

それじゃあ、ご質問等ある方はお願い致します。

★質問者1

川人先生か荒木先生にお聞きしたいんですが、この訴訟を通じて拉致認定をされる人と拉致認定されない人は何が違うのか?と言う、それは何か明確になったものは?

★回答 川人博弁護士

訴訟上は、国側はそこの所は公式的に明らかにしないままで現在に至っています。
従いまして国側からですね。
ご質問にあります拉致の認定の基準についてはですね。
公式的な説明は訴訟の場でも和解協議の場でもありませんでした。
この点については私どもとしては今後とも、明確な説明を認定と併せて要求していきたいと思います。
後実質的な問題については荒木さんの方に。

あのですね、私どもの方としましては国側がですね。
一切、そういう意味ではフリーハンドで自分たちが調べて自分たちの規準で判断するんだからと、一種のフリーハンドと言いますか、そういう形で行なっている実態に対してですね。
そうではなく本件は訴訟の場でですね。
証拠を踏まえて判断するようにと、いう事で裁判所に求めたわけです。
あるいは国側に政策の転換を迫ったわけです。

今回一項でちょっとお読みいただければ分かりますが、古川了子さんについてですね。
本件訴訟での証拠調べをも踏まえてという事で条項が入っておりますが、実はこれだけの事自体が実は論争点になりました。
つまり政府側はですね。
裁判所での証拠調べの結果とかをですね。
拉致被害者の認定のための資料にするという事について、大変抵抗があったわけですね。
ですから本件での裁判所での証拠調べが行なわれて、安明進氏が証言した内容とかを含めてですね。
そういうのを拉致被害者認定の資料にするというのについては大変抵抗していたわけですね。
自分たちは一生懸命やっているんだから任せろ、と言う話です。

我々はそれにあたり納得出来ないと言うか、不信感があるからこういう裁判をしたわけでございまして、そういう点では今回訴訟の証拠調べの結果、そこでの内容も含めて今後拉致被害者としての認定を考えていくという事を、入れさせたという点では良かったと考えています。
ただし、先ほど言いましたようにご質問との関係で言いますと現時点で政府側からは、または松本京子さんは認めてなぜ古川了子さんは認められないのか?ですね。
こういったことについての説明は一切ございません。
公式的には何も無い、と言うのが実情でございます。

★回答 荒木和博調査会代表

結局そこの所は、国側はハッキリしたものは出せないんだろうと思います。
後もう一つはこちらの立場からすると、あまり認定のことにこだわり過ぎてしまうと、認定は出来ないけれど拉致されている人は相当数いるという事を前提とするとですね。
あまりここだけに滅茶苦茶こだわってしまうと、逆にそこで壁が出来てしまうという事もありまして、もちろん必要な認定は進めてもらうようにやっているんですが、そうじゃない人がいるという前提に立って言うとですね。
改めて確認したという事には意味があると。

他に如何ですか?

★質問者2

現在同時に渡辺秀子さんの子供二人、北朝鮮による拉致の疑いで現在警視庁の捜査が進んでおりますが、それは国籍条項が拉致被害者支援法にあって、そこの改定も調査会求めていらっしゃいますが、こういう表明書もそうですし、渡辺秀子さんの妹さん鳥海冏子(けいこ)さんに対する説明もそうでしたけれども、認定は出来ないんだけど実質上同じ扱いにするんだから良いじゃないか?といいような言い方がこの裁判でも渡辺秀子さんでも出て来ているんですね。
それをこちら側が認めるという事になるのもどうなのかな?と言う気がするんですけど。

★回答 川人博弁護士

そこは非常に私どもも一貫して議論してきた所ですね。
ですから私どもとしては、先ほど荒木さん仰いましたように拉致認定だけの事にこだわり過ぎないと言う意味でございましてですね。
当然ながら拉致の認定をされるかどうかはご家族にとっては具体的に非常に大きな問題ですから、そういう意味では拉致の被害者の認定の数を増やすという事と、そして拉致の認定をされていない人々についても政府は救出の責任を負うんだという事ですね。
この両方を今後とも引き続き追求をしていかなければいけないと。
ですからどちらかだけにこだわりすぎるのは良くないと、こういう趣旨であると理解していただきたいです。

★回答 荒木和博調査会代表

その基準の話も含めて出来るだけ文章にしたくないと、いう事が当然政府の方にありますので、こちらとしては今回はこういう表明書が出たわけですけども、それ以外のさまざまな方法を使ってですね。
しっかりと確約を、ということはしていかなければいけない。

★質問者2

そういう意味では表明書と言う紙に書かせてしかも室長に読み上げさせて、そこで拉致(認定家族)と同じ情報を伝達するとかですね。
一斉に説明を行なうとか、誠意を持って相談に乗るとかですね。
その辺は紙に書かせたことは大きいという事になりそうですね?

★回答 川人博弁護士

そうですね。
これ2年前の訴訟を始めるときはですね。
本当にもう、何といいますか、ご家族の方々けんもほろろの対応をずっと続けられていたわけですね。
ですからこの2年間の間もちろんこの訴訟だけでなく、様々な社会の活動の支援の結果、特定失踪者の方々に対する政府の対応は変わって来たというように思いますが、この訴訟が果たした役割も客観的には大きかったと思います。

★質問者3

第一項の古川さんのところで、「北朝鮮当局による拉致行為はあったと確認された場合には」と。
これは何をどこまでを含むのか?と言う、例えば脱北者の証言でありますとか。
それだけじゃ駄目なのか?何であれば確認するのか?
その辺というのは含みは何かありますか?

★回答 川人博弁護士

一貫して政府はそこを逃げているわけでございます、現時点では。
ですから古川さんの場合は何が足らなくて認めないのか?松本京子さんは何が足りて認めるのか?という事はですね。
説明を逃げている、という事でございます。

従いまして、言ってみれば総合判断というような事ですよね。
抽象的に言うならですね。
ですが総合判断と言っても具体的な物の積み重ねで総合判断になるわけですので、我々としてはもっとそれを明確にしなさいと、何が古川さんについて足りないのか明確にしなさいと言ったんですが、それについてはとにかく公式的には明らかにしないという事でした。

我々としては成果としては先ほどいいました裁判での証拠調べの結果もですね。
判断材料に入れなければいけないんだという事で、認めさせたという点では良かったと思うんですが、そこから先は今回の訴訟では進めなかった、という事でございます。

★質問者3

少しこの表現であってもやはり受け入れに足ると言いますか、調査会の評価としてはそんなに。

★回答 川人博弁護士

二項目以下が、やはり大きかったと思います。

★質問者3

第二項以下?

★回答 川人博弁護士

やはり一項についてはですね。
ご本人が申しましたように、認定されていないわけですから、そういう意味では訴訟の目的は達成していないわけです。
ですから一項に関してはですね。
それは我々は認定して当たり前だと思います。
あれだけ明確に証言を裁判の場でされているわけですから、そういう意味では一項に関しては非常に不十分な中でですね。
ある意味では何とかこの範囲で合意したと。
合意したとは表明したという事。
そういう意味では古川さん自体の被害者認定は出来なかったけれども、やはり他の方々の事を含めた全体の家族に対する姿勢が変わったと。
あるいは変えることを表明したという事が、本件を終了させた一番の大きな原因だとこのようにご理解いただければと思います。

★質問者3

そのいわゆる拉致の可能性の排除できない方は存在する。
それを含めた拉致認定されていない他の方々って言う、対する対応。

★回答 川人博弁護士

対する対応、そこが一番大きくて、あとは先ほど言いましたように、古川了子さんでは無いんですが実際に訴訟を起こしてから別の方々が認定されたわけですね。
やっぱり訴訟としては代表訴訟、チャンピオン訴訟でございますので、実際には二人認められたという事はですね。
古川了子さん自体には認められませんでしたが、そういった面も事実上評価したという事です。

★質問者4

この表明書は名前は内閣府の代表者では無いのですが、この点はどうでしょう?

★回答 荒木和博調査会代表

我々としましてはですね。
責任ある立場、責任ある立場と言うのは別に河内さんが責任無い立場と言うわけじゃないんですが、責任あるという事はこの表明書のペーパーの3枚目のところに、本件訴訟を踏まえて以降ですね。
・・・という責任を有する内閣官房拉致問題対策本部総合調整室長・・・と言うのがついた上で、これを被告側の指定代理人として表明するという事で、本来であればこの名前は我々としては内閣総理大臣・拉致対策本部長安倍晋三と言うふうにしてもらいたかったという事は正直言ってございます。
ですからそれについては残念ながら取れなかったんですけども、指定代理人と言うことで被告側が了解をしたという事は、それに代わるものであると。

それから先ほど申しましたように、今日の2時15分の法廷が始まる前に、非公開の席ではありますけどこれについては総理・官房長官の意を受けてという事のですね。
表明があったという事で、それに代わるものであるというふうに理解したという事です。
ただし、正直言ってなんでわざわざこの表明を非公開の席でしなければいけなかったのか?
いまだに私も分かりませんで、これについては今度は国会の場等でですね。
直接総理・官房長官にこの件についてちゃんと理解してやってくれるんでしょうね?という事は確認を取ろうと言うふうには思っております。
そうすれば一応、完結した形になるのでは?と。
以上です。

★質問者5

竹下さんにですね。
先ほど川人先生からチャンピオン訴訟という言い方がありましたが、古川了子さんの拉致認定だけという事ではなくて、特定失踪者全体のための訴訟であるという事の、それでこういう表明書が政府から出てきて和解に至ったという事についてはご感想を言えたらですね。

★回答 竹下珠路さん(特定失踪者・古川了子さんの姉)

一言で言いますのは中々難しいとは思いますけど、妹とそれから同じような(目撃)証人がいらっしゃるという方たちが、特定失踪者の仲間の中にまだまだたくさんおられる。
そこの中で、もしかすると、終わりに近づいたときに弁護士の先生方からですね。
古川了子の認定がなされなければ嫌だよ、和解をしないでいいんだよ、という事も言って頂いたんですよ。

しかしそれよりも多くの特定失踪者の、私の妹と立場を同じくする人たちの問題が前進して欲しいという願いの方が妹一人の認定がするよりも、やはり優先されることじゃないかな?と思いましたから良かったという事と。
それからこの表明書の一行目にあります「本件訴訟での証拠調べをも踏まえて」と言うことも私は特にお願いして、是非これは必ず入れて頂きたいと思いまして実現したことですので、私の意向と言うものを弁護士の先生方が十分に協議いただいていると理解しておりますので。
前に進んだのだと、2年前よりも数歩前に進めたんだという事で納得したという事です。

・・・その2に続く・・・

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この報告会の録音・写真撮影・ネット公開については、調査会の荒木代表の同意をいただいております。 

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