消えた277人より 加瀬テル子さん
「消えた277人」よりご家族のメッセージの記載がある方を、順次ご紹介しています。
(27)加瀬テル子(かせてるこ)さん
昭和19(1944)年5月4日生まれ。身長158センチ。細面。
昭和37(1962)年4月、千葉県海上郡海上町で失踪。
当時17歳、家事手伝い。
午後、自宅から美容院に出かけてそのまま行方不明になった。所持金はパーマ代のみ。
翌日には叔母と新宿コマ劇場へ観劇に行く約束をしていた。
最近になり、脱北者が北朝鮮から持ち出したとされる写真が、鑑定の結果、テル子さんである可能性が極めて高いことが判明。また、同じ脱北者が所持していた「同一人物」とするもう一枚の写真も、テル子さんであるとみられている。
「少女のままなのが、悲しい」 加瀬淑子さん(叔母)から
テコ、元気でいてくれますか。
横浜にいた叔母さんだよ。
利江のこと覚えているよね。
夫の人がテコのこと心配して動いてくれています。
マサ子もおばあちゃんとなり、難しい資格を取り仕事、頑張っています。
房子さんが還暦の記念に鬼怒川で同窓会をやり、テコの写真を大きく引き伸ばし皆さんと一緒に写して送ってくれました。
皆さん、それ柏応に歳を重ねた中でテコだけが少女のままなのが悲しく思われます。
マサ子をはじめ同級生の皆さんがテコの帰りを待っています。
房子さんといつも唄った美空ひばりの「車やさん」覚えていますか。
会いたいねテコ。一目だけでも会いたいよテコ。
友達が送ってくれた写真に、季節の果物や好物を「せめて届け」と、かげ膳を供えて待っています。
テコ、会いたい。元気な顔が見たい。
写真に向かい何度も呼びかけ、その度に胸が痛みます。
近くて遠い国、何故に仲良く出来ないのでしょう。
でも必ず会えるよね。
その日まで命かけて待っています。
元気でいてね。
会える日、その日を待ちわびて。
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失踪当時17才 拉致から45年 現在63才
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