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2007年5月27日 (日)

古川了子さん第9回行政訴訟報告会(5)

   古川了子さんの拉致認定を求める第9回行政訴訟報告会
07.4.26 衆議院第二議員会館にて

『質疑応答 その2』

★質問者6

竹下さんにもう一度お聞きしたいんですが。
先ほど質問したときに川人弁護士に直接答えていたたいたんですが、誰のお名前において表明書を出すかと。
実質的には室長や官房長官の了解の上でこの表明書出していると説明は受けてはいますけど、竹下さんご自身としてはそこらあたりのこだわりと言うかですね。
本当は安倍総理なら安倍総理の名前で出るのが一番ベターだったなとか、その思いはお持ちでしょうか?

★回答 竹下珠路さん(特定失踪者・古川了子さんの姉)

素人の私どもには詳しい事はよく分かりませんけども、ただ私としてはこの裁判を起こした時には、担当室室長を相手にして裁判を起こしたのではなく、国を相手にして裁判を起こしたという、そこだったなぁという思いがございます。
しかし、相手の方々の国側もいろんなご事情その他から、それもやむを得ないのかな。
実質的な責任者であるし、先ほど川人弁護士からも言っていただいたように「総理も官房長官も了解した上での内容です」という事も口頭で仰いましたので、そういう事ならという事で納得したという事です。

★回答 荒木和博特定失踪者問題調査会代表

去年、2回官房長官ともですね。
竹下さんお会いをされているわけですが、最初特定失踪者ご家族の代表みたいな形でお会いをされてから、それからひと月ちょっと経ってからですか。
お会いを頂いたのと、それから松本京子さんの拉致認定と言うときにお会いをされているという事で、それはそれまでは無かった事ですからね。
そういった中で一つの前進の一例で、そういう中でこういう形になってきたという流れは言えるだろうとは思います。

★質問者7

今日は総理と官房長官の意向の下というのは、先方から言って来た事ですか?

★回答 川人博弁護士

確認しました、念のため。
向こうから言ってきました。
安倍内閣総理大臣及び塩崎官房長官のご意向の下にやっていますと言いました。
裁判官の皆さんも一緒でした。

★回答 二瓶弁護士

それは河合さんと言う方が表明するわけですよね。
それについて総理大臣とか官房長官が後日、それは知らないとか承知していないということで困るんじゃないか?と言う事が当然ありましたね。
我々としては安倍総理大臣に代わってと、そういう内容のもので欲しいという事で話をしたんだけども、行政の河合室長がですね。
そこは難しいというふうな事がありまして、結局は最終的にはですね。
裁判官が立ち会ったところで非公式ではありますけども、総理大臣及び官房長官の了解の下に表明しているんだという事をみんなの前で表明したと、いう事を公開の法廷の前に裁判所の中でやった、という事です。
本来であれば公式の場で表明してやるのが最も理想的なんですけども、その辺は実質的には了解したと。
そういう形であればやむを得ないんじゃないかということで落ち着いたと、こういう経過です。

★回答 川人博弁護士

この事だけで一回か二回かかりました。
率直に言いますと。
表明者を誰にするか?と。
当然安倍内閣総理大臣が名前を書くべきだというように申し上げました。
ですからそういう交渉の成果を踏まえて今のようなことになったと。

後は司法手続き上の問題で言いますと、河内さんは国の代理人として口頭弁論で仰っているんですね。
あそこの中で国の指定代理人という事になるんですけど、ですからそういう意味では室長であると同時にですね。
この訴訟において国側代理人として裁判所の中でこの表明をしたと事はありますので、そういう意味ではですね。
我々としては、勝手に将来ですね。
室長が言った話だという事にならないような意味で、いろいろ・・・(聞き取れず)にもですね。
・・・(聞き取れず)というか縛りと言うかは出来たと思います。★

★質問者8

法廷の場で総理や官房長官が了解しているという事をいう事に対して、抵抗はあったんですか?

★回答 川人博弁護士

抵抗はあったんです。

★質問者8

それはやっぱり理由としては向こうはどういう事を言ったんですか?

★回答 川人博弁護士

一貫して理由じゃないです。
答えが一緒なんです。
前例が無い。

★質問者8

前例が無い?

★回答 荒木和博調査会代表

ですからこれは希望として言えば、この裁判の事は一応これで終るわけですけど、重ねて総理大臣がどこかの場でこれは十分我々も分かっていると、この通りやるんだという事をですね。
宣言していただきたい。
総理や官房長官であればどちらでもいいんですけどですけど、それをやっぱり明確に別の場で言っていただきたいというふうには思います。

★回答 二瓶弁護士

記者の方が記者会見で質問した時に、今・・・(聞き取れず)ですからね。
知らなかったとは言えないわけですからそういう事になりましたから、いずれにしても政治の場でやる。
こういう事ですね。

それともう一つ先ほど出ていた・・・(聞き取れず)に拉致認定の判断理由の問題なんだけども、国は明快にしないのは変わってないんですね。
先ほども言った争点になった本件証拠調べも踏まえてと、これを入れる入れないで問題になりまして、安明進と言う方を調べたわけですね。
その名前も具体体に入れて欲しいという内容を申しましたけども、他も調べているという事もありましてですね。
結局は法律的には本件訴訟の証拠調べの中のひとつなのは明確なのでそれ以上の追及は出来ませんでしたけども、私どもがここで重要だと思ったのはですね。
目撃証人を調べたという事なんですね。
目撃証言があるかないかというのは、やっぱり私どもが拉致認定の重要なファクターであるというふうに思っています。

それを法廷できちっと調べたという事は私どもは大変大きな成果だと。
古川さんは残念ながら認定と言うところまでは裁判上では認めさせる事は出来ませんでしたけども、なんら松本京子さんや他の人たちと何ら変わりないというところまで、私どもは十分にそこまで到達したとこういうふうに理解します。
従って裁判では拉致の可能性を排除できない人々の人たちの問題もありまして、こういう結果に終りましたけども、内容的にはやっぱり認定を実質上勝ち取ってもおかしくないと、いうところまで我々はやはり追い詰めたと思っていますので、これからの運動の中でね。
内閣に拉致を認めさせていきたいと思います。
間違いないわけですから。

結果的に我々の推定ですけども、警察がある程度認定を認めれば・・・(聞き取れず)も認定になるように受け止めているところもありまして、内部がどういうふうになっているか分かりませんけども、言ってみれば今までのいろんなケースでどういう扱いをされていれば認定をされているのか?という事を積み重ねるしかないわけですよね。
そういう意味では古川さんは十分に積み重なっているわけであるというふうな認識で我々は進めていきたい。
こういうふうに思っています。

★質問者9

荒木さんはかねてから、拉致認定と言う政府のシステム自体がおかしいんだと。
こういうふうなシステム自体に疑問を呈されてきて、このシステムを変えない限り救出と言う目的には向かわないんじゃないかと、いうようなお考えを表明されてきたんですけど、そのお考えには変わりは無いんでしょうか?
これを通じて変わったところはありますか?

★回答 荒木和博調査会代表

え~とですね。
ですから今のシステム自体が、警察が捜査をして、そしてここにあるような確認をされた場合は認定をすると、政府は認定をする。
そして外交交渉でというその流れでやっておりまして、この流れはもちろんこの流れで、そして認定に足る人はもっと積極的に認定をしてもらわなければいけない。

それとまた別にですね。
しかし、そうやったって認定できないような人がたくさんいるわけですから、これは別途にしてすべて救出を前提としてその作業を進めるしかないという事で、これは平行してやっていくという事で理解をして良いんじゃないかと思っています。
これを今のやり方を止めてしまってという事ではなく、これはこれで進めながらそこに入らない人がいるという事を前提にですね。
救出の作業を進めるという事だろうと思います。

他に。

★質問者10

この件と関係あるようで、今日の事情なので質問してしまいたいと思うんですが、渡辺秀子さんと高姉弟の事件で木下陽子容疑者、逮捕状が取られ出まました。
しかし国外に住んでいると言われています。
協力者の女性も国内にいるといわれながらも時効があるとかですね。
そういうような事で言われています。
これは結局国外にいて逮捕できない状況がまた続くのかな?と私なんか今回も思うんですけど、告発状を何十枚も調査会出していますよね?
そういう人たちの拉致の解明にも関わってくると思うんですけど、今日もそういった経過についてどうご覧になっているかと言うのを荒木さんからお伺いしたいと思います。

★回答 荒木和博調査会代表

今日の逮捕状のことですか?
この問題で国内で略取誘拐が行なわれた時点からの時効の計算があるのか?
それとも今も拉致被害者が向こうにいるからという事で時効が成立しないと、日本国内に例えば容疑者がいたとしてもですね。
時効が成立しないか?という、ちょっと法律的な事は弁護士の先生方からお話いただいた方がいいと思うんですが、いずれにしてももし例えばこれが日本国内にいても、拉致が行われた時点から例え時効がですね。
時効の計算が始まるんだという事であってもですね。
もし、だから罪を問えないという事であれば、それはまさにそのまま拉致をした犯人を野放しにするという事になるだろうと思います。

ですからそれは当然許されないことでありまして、当局の方としてまずはっきりですね。
それはそういう状態で時効が成立するのかどうなのか?という事について明確な判断を明らかにしていただきたい。
もし時効が成立しないんであればもちろんそのような事でですね。
今この渡辺さんの事件に関わって出てきている人も当然その状況でですね。
取調べをしていただきたい。
今は何か時効が成立するという事が流れていますけども、そうでは無いんだという事を明らかにしてもらいたいし、もし時効が成立するという事であれば、成立をしてそして犯人が日本国内にいても罪が問えないと。
そして被害者はですね、まだ北朝鮮にいると。
言う状況はこれは当然考えてもおかしい状況ですので、そこの穴をどういうふうに埋めるか?という事をですね。
それは明らかにしてもらわなければいけないと思います。

いずれにしても拉致をした人間、拉致に加担してそしてそれをですね。
しゃべることも無く今でも日本の国内にいる人間がたくさんいるわけですから、いくら国際指名手配して逮捕状を出したところでですね。
それだけでは何の意味もなさない。
いう事ですので、やはり我々としては日本国内にいる容疑者をですね。
警察は積極的に捕まえて取調べをして事件を明らかにしてもらいたいと思いますので、この点についてはこれも何らかの形で明らかにしていきたいというふうに思っています。
国会の質問等を使うのが一番早いと思いますが。

★回答 川人博弁護士

ですからこの逮捕状の被疑事実は誘拐だけなんですか?
殺人も?

★質問者10

誘拐ですね。
子供さん二人の国外移送略取に関わる部分だけです。

★回答 荒木和博調査会代表

あと宜しいですか?
それじゃ、これで会見を終了致します。
どうもありがとうございました。

・・・報告会終了・・・

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この報告会の録音・写真撮影・ネット公開については、調査会の荒木代表の同意をいただいております。   

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古川了子さん第9回行政訴訟報告会(4)

古川了子さんの拉致認定を求める第9回行政訴訟報告会
07.4.26 衆議院第二議員会館にて

『質疑応答 その1』

0001153m

 
 
 
 
 
 
 
 

  
 

 

★荒木和博 特定失踪者問題調査会代表

以上でございます。
あと一つ、ちょっと事務的と言うか、表明書の中の五項の事なんですが、『認定被害者及びその御家族にFAX等で提供しているものと同じ情報を、特定失踪者問題調査会にも伝達することとする。』と言うふうになっております。
これはどういう意味か?と言いますと、ご家族に送っているのはですね。
特定失踪者のご家族全部に送るというのはちょっと難しいという事がありまして、私どもが月一回郵送でお送りしていますニュースの中にその内容のエッセンスを入れてお送りしていると。
毎回4ページしかございませんので全部入れる事は出来ないんですが、その中で重要なものをですね。
ピックアップしてニュースの中に入れてお知らせをしているという事の意味でございます。

それじゃあ、ご質問等ある方はお願い致します。

★質問者1

川人先生か荒木先生にお聞きしたいんですが、この訴訟を通じて拉致認定をされる人と拉致認定されない人は何が違うのか?と言う、それは何か明確になったものは?

★回答 川人博弁護士

訴訟上は、国側はそこの所は公式的に明らかにしないままで現在に至っています。
従いまして国側からですね。
ご質問にあります拉致の認定の基準についてはですね。
公式的な説明は訴訟の場でも和解協議の場でもありませんでした。
この点については私どもとしては今後とも、明確な説明を認定と併せて要求していきたいと思います。
後実質的な問題については荒木さんの方に。

あのですね、私どもの方としましては国側がですね。
一切、そういう意味ではフリーハンドで自分たちが調べて自分たちの規準で判断するんだからと、一種のフリーハンドと言いますか、そういう形で行なっている実態に対してですね。
そうではなく本件は訴訟の場でですね。
証拠を踏まえて判断するようにと、いう事で裁判所に求めたわけです。
あるいは国側に政策の転換を迫ったわけです。

今回一項でちょっとお読みいただければ分かりますが、古川了子さんについてですね。
本件訴訟での証拠調べをも踏まえてという事で条項が入っておりますが、実はこれだけの事自体が実は論争点になりました。
つまり政府側はですね。
裁判所での証拠調べの結果とかをですね。
拉致被害者の認定のための資料にするという事について、大変抵抗があったわけですね。
ですから本件での裁判所での証拠調べが行なわれて、安明進氏が証言した内容とかを含めてですね。
そういうのを拉致被害者認定の資料にするというのについては大変抵抗していたわけですね。
自分たちは一生懸命やっているんだから任せろ、と言う話です。

我々はそれにあたり納得出来ないと言うか、不信感があるからこういう裁判をしたわけでございまして、そういう点では今回訴訟の証拠調べの結果、そこでの内容も含めて今後拉致被害者としての認定を考えていくという事を、入れさせたという点では良かったと考えています。
ただし、先ほど言いましたようにご質問との関係で言いますと現時点で政府側からは、または松本京子さんは認めてなぜ古川了子さんは認められないのか?ですね。
こういったことについての説明は一切ございません。
公式的には何も無い、と言うのが実情でございます。

★回答 荒木和博調査会代表

結局そこの所は、国側はハッキリしたものは出せないんだろうと思います。
後もう一つはこちらの立場からすると、あまり認定のことにこだわり過ぎてしまうと、認定は出来ないけれど拉致されている人は相当数いるという事を前提とするとですね。
あまりここだけに滅茶苦茶こだわってしまうと、逆にそこで壁が出来てしまうという事もありまして、もちろん必要な認定は進めてもらうようにやっているんですが、そうじゃない人がいるという前提に立って言うとですね。
改めて確認したという事には意味があると。

他に如何ですか?

★質問者2

現在同時に渡辺秀子さんの子供二人、北朝鮮による拉致の疑いで現在警視庁の捜査が進んでおりますが、それは国籍条項が拉致被害者支援法にあって、そこの改定も調査会求めていらっしゃいますが、こういう表明書もそうですし、渡辺秀子さんの妹さん鳥海冏子(けいこ)さんに対する説明もそうでしたけれども、認定は出来ないんだけど実質上同じ扱いにするんだから良いじゃないか?といいような言い方がこの裁判でも渡辺秀子さんでも出て来ているんですね。
それをこちら側が認めるという事になるのもどうなのかな?と言う気がするんですけど。

★回答 川人博弁護士

そこは非常に私どもも一貫して議論してきた所ですね。
ですから私どもとしては、先ほど荒木さん仰いましたように拉致認定だけの事にこだわり過ぎないと言う意味でございましてですね。
当然ながら拉致の認定をされるかどうかはご家族にとっては具体的に非常に大きな問題ですから、そういう意味では拉致の被害者の認定の数を増やすという事と、そして拉致の認定をされていない人々についても政府は救出の責任を負うんだという事ですね。
この両方を今後とも引き続き追求をしていかなければいけないと。
ですからどちらかだけにこだわりすぎるのは良くないと、こういう趣旨であると理解していただきたいです。

★回答 荒木和博調査会代表

その基準の話も含めて出来るだけ文章にしたくないと、いう事が当然政府の方にありますので、こちらとしては今回はこういう表明書が出たわけですけども、それ以外のさまざまな方法を使ってですね。
しっかりと確約を、ということはしていかなければいけない。

★質問者2

そういう意味では表明書と言う紙に書かせてしかも室長に読み上げさせて、そこで拉致(認定家族)と同じ情報を伝達するとかですね。
一斉に説明を行なうとか、誠意を持って相談に乗るとかですね。
その辺は紙に書かせたことは大きいという事になりそうですね?

★回答 川人博弁護士

そうですね。
これ2年前の訴訟を始めるときはですね。
本当にもう、何といいますか、ご家族の方々けんもほろろの対応をずっと続けられていたわけですね。
ですからこの2年間の間もちろんこの訴訟だけでなく、様々な社会の活動の支援の結果、特定失踪者の方々に対する政府の対応は変わって来たというように思いますが、この訴訟が果たした役割も客観的には大きかったと思います。

★質問者3

第一項の古川さんのところで、「北朝鮮当局による拉致行為はあったと確認された場合には」と。
これは何をどこまでを含むのか?と言う、例えば脱北者の証言でありますとか。
それだけじゃ駄目なのか?何であれば確認するのか?
その辺というのは含みは何かありますか?

★回答 川人博弁護士

一貫して政府はそこを逃げているわけでございます、現時点では。
ですから古川さんの場合は何が足らなくて認めないのか?松本京子さんは何が足りて認めるのか?という事はですね。
説明を逃げている、という事でございます。

従いまして、言ってみれば総合判断というような事ですよね。
抽象的に言うならですね。
ですが総合判断と言っても具体的な物の積み重ねで総合判断になるわけですので、我々としてはもっとそれを明確にしなさいと、何が古川さんについて足りないのか明確にしなさいと言ったんですが、それについてはとにかく公式的には明らかにしないという事でした。

我々としては成果としては先ほどいいました裁判での証拠調べの結果もですね。
判断材料に入れなければいけないんだという事で、認めさせたという点では良かったと思うんですが、そこから先は今回の訴訟では進めなかった、という事でございます。

★質問者3

少しこの表現であってもやはり受け入れに足ると言いますか、調査会の評価としてはそんなに。

★回答 川人博弁護士

二項目以下が、やはり大きかったと思います。

★質問者3

第二項以下?

★回答 川人博弁護士

やはり一項についてはですね。
ご本人が申しましたように、認定されていないわけですから、そういう意味では訴訟の目的は達成していないわけです。
ですから一項に関してはですね。
それは我々は認定して当たり前だと思います。
あれだけ明確に証言を裁判の場でされているわけですから、そういう意味では一項に関しては非常に不十分な中でですね。
ある意味では何とかこの範囲で合意したと。
合意したとは表明したという事。
そういう意味では古川さん自体の被害者認定は出来なかったけれども、やはり他の方々の事を含めた全体の家族に対する姿勢が変わったと。
あるいは変えることを表明したという事が、本件を終了させた一番の大きな原因だとこのようにご理解いただければと思います。

★質問者3

そのいわゆる拉致の可能性の排除できない方は存在する。
それを含めた拉致認定されていない他の方々って言う、対する対応。

★回答 川人博弁護士

対する対応、そこが一番大きくて、あとは先ほど言いましたように、古川了子さんでは無いんですが実際に訴訟を起こしてから別の方々が認定されたわけですね。
やっぱり訴訟としては代表訴訟、チャンピオン訴訟でございますので、実際には二人認められたという事はですね。
古川了子さん自体には認められませんでしたが、そういった面も事実上評価したという事です。

★質問者4

この表明書は名前は内閣府の代表者では無いのですが、この点はどうでしょう?

★回答 荒木和博調査会代表

我々としましてはですね。
責任ある立場、責任ある立場と言うのは別に河内さんが責任無い立場と言うわけじゃないんですが、責任あるという事はこの表明書のペーパーの3枚目のところに、本件訴訟を踏まえて以降ですね。
・・・という責任を有する内閣官房拉致問題対策本部総合調整室長・・・と言うのがついた上で、これを被告側の指定代理人として表明するという事で、本来であればこの名前は我々としては内閣総理大臣・拉致対策本部長安倍晋三と言うふうにしてもらいたかったという事は正直言ってございます。
ですからそれについては残念ながら取れなかったんですけども、指定代理人と言うことで被告側が了解をしたという事は、それに代わるものであると。

それから先ほど申しましたように、今日の2時15分の法廷が始まる前に、非公開の席ではありますけどこれについては総理・官房長官の意を受けてという事のですね。
表明があったという事で、それに代わるものであるというふうに理解したという事です。
ただし、正直言ってなんでわざわざこの表明を非公開の席でしなければいけなかったのか?
いまだに私も分かりませんで、これについては今度は国会の場等でですね。
直接総理・官房長官にこの件についてちゃんと理解してやってくれるんでしょうね?という事は確認を取ろうと言うふうには思っております。
そうすれば一応、完結した形になるのでは?と。
以上です。

★質問者5

竹下さんにですね。
先ほど川人先生からチャンピオン訴訟という言い方がありましたが、古川了子さんの拉致認定だけという事ではなくて、特定失踪者全体のための訴訟であるという事の、それでこういう表明書が政府から出てきて和解に至ったという事についてはご感想を言えたらですね。

★回答 竹下珠路さん(特定失踪者・古川了子さんの姉)

一言で言いますのは中々難しいとは思いますけど、妹とそれから同じような(目撃)証人がいらっしゃるという方たちが、特定失踪者の仲間の中にまだまだたくさんおられる。
そこの中で、もしかすると、終わりに近づいたときに弁護士の先生方からですね。
古川了子の認定がなされなければ嫌だよ、和解をしないでいいんだよ、という事も言って頂いたんですよ。

しかしそれよりも多くの特定失踪者の、私の妹と立場を同じくする人たちの問題が前進して欲しいという願いの方が妹一人の認定がするよりも、やはり優先されることじゃないかな?と思いましたから良かったという事と。
それからこの表明書の一行目にあります「本件訴訟での証拠調べをも踏まえて」と言うことも私は特にお願いして、是非これは必ず入れて頂きたいと思いまして実現したことですので、私の意向と言うものを弁護士の先生方が十分に協議いただいていると理解しておりますので。
前に進んだのだと、2年前よりも数歩前に進めたんだという事で納得したという事です。

・・・その2に続く・・・

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2007年5月22日 (火)

古川了子さん第9回行政訴訟報告会(3)


   古川了子さんの拉致認定を求める第9回行政訴訟報告会
07.4.26 衆議院第二議員会館にて

『竹下珠路さん(原告、特定失踪者・古川了子さんの姉)の挨拶』

0001152m

 
 
 
 
 
 
 
 
 

今日はありがとうございます。
古川了子の拉致認定を求める行政訴訟は、2年前の4月13日に提訴いたしまして、2年余りの歳月を得た後、今日ようやく和解と言う形に至りました。
長かったというのか、短かったというのか。
本当に弁護士の先生方、支援の皆さんに付いての無我夢中の2年間だったと思っています。

この裁判を通して残念というのか、ちょっと心残りなのは妹が拉致被害者認定にいたらなかったと言う点で、今弁護士の先生から説明していただきましたが、ここはひとつ残念なこととして残りますけど。
とにかく裁判所で安明進さんをはじめ荒木先生が証人をしていただきましたし、それからこの2年間で特定失踪者に対する政府とか社会の認識がずいぶん大きく変わってきたなと期待、感じております。
進展したかどうかという事とは別に、変わってきたなと思っておりますし、今回の表明書の案を何度かいろいろ練っていただいた中にも国側の誠意と真相解明への努力と言うこの約束が、多くの特定失踪者家族たちの立場を同じくする家族にも良い成果をもたらすことを期待しまして、私と致しましてはこの和解案を受け入れることに決めました。

裁判を支援してくださった全国の皆さん。
そして暑い夏、寒い冬にも傍聴席に駆けつけてくださいましたご支援の皆さん。
冬の最中に裁判所の前でビラ配りに協力していただいた皆さん。
そしてお忙しい中、証人台に立っていただいた安明進さん、調査会の荒木代表。
そして特定失踪者の家族の皆さん。
そして何より何よりも、たくさんの時間と労力をこの裁判のために割いていただきまして進めていただいた弁護士の先生方の皆様方に、この場をお借りしまして心からお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。

今年の夏で91歳になります母は、暮れからちょっと体調を崩しておりましたが今は病院で元気になりまして「了子が帰るまでは頑張りましょう」とつい2~3日前にも話をして、リハビリに励んでおります。

先だっての日曜日の日比谷での大集会にも、安倍総理とそれから塩崎官房長官がご登壇いただいたと伺いました。
私はちょっと他に所用でどうしても伺えなかったのですが、その安倍総理の下で一日も早い拉致問題の解決がなされますように、今後とも皆様方のご理解とご協力、そしてご努力をよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。

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古川了子さん第9回行政訴訟報告会(2)

   古川了子さんの拉致認定を求める第9回行政訴訟報告会
07.4.26 衆議院第二議員会館にて

『川人博 主任弁護士による裁判報告』

★荒木和博 特定失踪者問題調査会代表

それでは時間になりましたので、古川了子さんの拉致認定を求める行政訴訟に関する記者会見を行ないたいと思います。
まず初めに経過に付きまして、主任弁護士であります川人博さんからお願いします。

★川人博 主任弁護士

 

0001151m

 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士の川人でございます。
この訴訟の主任代理人を努めていましたので、私の方からまず経過のご報告をしたいと思います。

本件の訴訟を提訴をしましたのは約2年前でございます。
一昨年4月の13日に提訴いたしました。
その時の記者会見でも申し上げたと思うんですが、本件につきましては直接的には古川さんの拉致被害者の認定を求める訴訟でありますが、実質的にはですね。
政府が認定していない人々の被害者救済のための訴訟である。
そのように位置づけて、原告本人にもそういう気持ちでこの訴訟の提訴を致しました。

この2年間ですね。
現在の裁判は大体約2年間がひとつの目安になっているわけですけども、当初ずいぶん詳しい私どもの主張に対して、国側は、ただこれは裁判に馴染まないという事で逃げ続けていました。
で、証拠調べも一切必要ないという事で国側は対応をしてきました。
実質的な審理に入る事をとにかく避けたいという事で、国側は対応をして来たわけです。
そして門前払いの判決を求めたわけです。
すなわちこれは訴訟には馴染まないということで、門前払いの判決を国側は求めた。

こうしたやり取りの中で私どもはですね。
絶対に実態的な審理に入るべきだという事を繰り返し主張してですね。
荒木さんの証人尋問がまず実現し、その後ご存知のように安明進さんの証人尋問が実現する。
そして竹下さん、原告本人の尋問も実現しました。

このように証拠調べについても裁判所でですね。
時間を取って行なうことが出来まして、それでその後どういう方向でこの訴訟を集結していくか?言う段階になりまして、裁判所の方から双方に対して話し合いによる訴訟の終了、いわゆる訴訟での和解の勧告が出されました。
被告側の強い意向もありまして、あるいは裁判所の意向もありまして、非公式の協議がその後続きまして、途中経過についてその都度詳しく報告が出来なかったわけですが、裁判官はですね。

要は本件に関しては裁判所としては原告・被告共ですね。
同じベクトルの方向にあると。
つまり拉致被害者救出と言う点では原告・被告とも一致しているというように裁判所としては理解していると。
従ってそういう観点から判決と言う形じゃなくですね。
合意による和解による終了と言う方向を追求したいと、そういう裁判官からの説明が繰り返しございました。

ちょっと余談になりますが、私がですね。
和解の協議に入る前にですね。
記者の方のご質問を受けてですね。
裁判官は判決を書きたくないのでは無いだろうか?と言う趣旨の発言をしたかと思うんですが、裁判官は痛くその事を気にしておりまして、それを多分新聞紙上かネットかどこかで見たんでしょうが、その後もですね。
裁判所としては判決を書きたくないという事では無いんだと。
この事件が原告も同じ方向を見ているのだから、その方向で何とか合意による終了と和解が出来ないだろうか?と、そういう事で追求するんだと。
そういう説明が裁判長から繰り返し繰り返し。

問題は内容の問題なんですけども、大きくは二つの事がずっと問題になっていたわけですけども、ひとつは古川了子さんの拉致被害者の認定自体の問題。
二つ目にはですね。
政府の認定している方以外の人々、拉致被害者の可能性がある人々ですね。
これらの政府認定者以外の人々に対する扱いですね。
政府の対応のあり方と言う問題がもう一つの論点だった。

私どもの方としては要求は、一番目の問題は当然拉致被害者として速やかに認定することであります。
この点につきましては残念ながら現時点で国側としてはですね。
古川さんについて政府が認定に踏み切るという事が、最後までその点での回答には至りませんでした。
他方ですね。
二番目の問題につきましては、実質この訴訟をやっているこの2年間の間に徐々に徐々に対応が変化してきました。
変化して来たというのは、前向きに変化して来ました。

訴訟当初の段階ではですね。
およそ特定失踪者、拉致被害者の可能性がある人々に対する扱いがですね。
他の一般市民と同じ扱いだったわけですね。
例えばご家族に対する説明も何もしないし、政府としてはですね。
政府の広報にもそういう事については一切触れないし。
つまり政府は15人程度は認定していたわけですが、15人以外の人については、全くですね。
ご家族に対する対応、あるいは様々な広報一つとってもですね。
極めて不十分なもの、・・・(聞き取れず)に等しい内容だったわけです。

この点に関しては訴訟の中で、あるいは様々な活動の中でこの2年間、徐々に徐々に改善されてきました。
そうした徐々に徐々に改善されてきた内容にですね。
集大成するといいますか、現時点できちっとすでに実行している問題も含めてですね。
国側が文書で表明するという事を、和解協議の中で回答して来たわけであります。
それが後で申します、表明書に繁栄されるわけです。

私どもとしましてはですね。
一番目の問題の、つまり古川了子さんの拉致被害者としての認定と言う事がですね。
実現しない限りは一切合意による終了を拒否するという選択肢もあったわけですが、裁判所からもですね。
同じ方向を向いているという事で、その方向で努力してもらいたいという事と、今申しました二番目の問題について政府がこの二年間ずいぶん対応を変えて来てですね。
前向きになって来たという

さらに古川了子さんでは無いんですけども、この訴訟の間にですね。
相次ぎですね。
拉致被害者の認定者を増やしてきたと。
すなわち結局2002年の段階以降ですね。
この訴訟が始まるまでの数年間の間は、一人として認定被害者は増えなかったわけですね。

一切増やして来なかった訳ですけども、これがこの訴訟を起こして約2週間後に田中実さんの認定を行なったと。
さらにご存知のように昨年には松本京子さんの認定も行い、先日は事実上ですが高さんのご姉弟の認定も行ったという事で、古川了子さんの認定自体については政府はまだ決断していないわけですけど、そういった特定失踪者の方々。
例えば認定していない人々に対する認定をですね。
この数年間で過去に比べればですね。
前向きに対応して来たということも、評価する材料でありました。

こういった点を総合的に原告ご本人、あるいは特定失踪者問題調査会、我々弁護団、その他支援の方々の様々なご支援のですね。
状況も考慮して議論をした結果、本日ですね。
実質的な和解での終了ですね。
政府側の表明書の表明という事での訴訟の終了という事に至ったわけでございます。

以上が経過で具体的にですね。
私と荒木さんの連名でですね。
お配りいたしましたのが、訴訟の和解に当たっての評価でございます。
今申し上げた内容です。
それで後で原告ご本人のコメントは直接竹下さんにお話いただきます。

それから先ほど配っていただきましたのが、表明書でですね。
これは本日法廷に入られた方は見ていらっしゃったと思いますが、現在の実務の政府内の責任者ですね。
河内(かわち)さんとお読みするようですけど、河内さんが国の代理人としましてですね。
そして実務責任者として裁判所で表明するという事で、この表明書の内容を裁判所の裁判官の前でですね。
表明をしたと言うふうに至りました。

そしてこれをですね。
裁判所の正式の書類、証書と言いますが、証書と言うのは証書の証に書類の書ですが、裁判所の公正証書の中にですね、この表明書を添付すると。
裁判外の書類じゃなくて、裁判所の書類と一体として添付するという事で、訴訟上の扱いにする事になりましてですね。
私どもとしては内閣の実務上の責任者がですね。
口頭弁論の席で表明したという事を受けまして、本件の訴えはですね。
取り下げるという事で手続きをした次第でございます。

さらに重要な事を一点付け加えますと、本日口頭弁論が始まる前にですね。
事実上の打ち合わせの席の中で、私どもとしてはこの表明の内容はですね。
当然ですね、内閣総理大臣あるいは官房長官含めて、内閣の責任者の了解の下に行なっているのか?と言うことについて問いましたが、この点については要は安倍内閣総理大臣及び塩崎官房長官の意向に基づいて行っているという事は明言をしていました。
従って本日ですね。
出廷したのは指定代理人の担当の人である河内さんでありましたけども、本来は現在の安倍内閣の方針として表明したものだと、このように理解をしております。

この表明書の内容はですね。
一項目は古川了子さんの扱いですね。
本日は先ほど言いましたように認定と言うところまでは至らなかったわけですが、姿勢としてですね。
今回裁判所で明らかにした証拠も含めて、認定のためにですね。
我々から見ましたら最大限努力するという立場を明確にしたと言うのを優先で一点評価は出来ると。

二項以下はですね。
あるいは皆様方お読みになって頂いて、当たり前のことではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは2年前の段階ではこれらの事がすべて実現していなかったわけですね。
そういう意味では一つ一つをですね。
2年間の中で徐々に変革をして来て、今回具体的な文書で約束させたと言う点では、大きな変化であり成果であると思っております。

二項というのは、これはすなわち政府の認定以外にも被害者の可能性があるんだという事を公式的に明確にさせるという事ですね。
それから三項は、要はご家族から問い合わせがあった場合は誠意をもって対応するって、これ当たり前のことなんですが、今まではですね。
政府認定者以外は一切一般市民と同じですから、不誠意極まりない態度であるわけですね。
そういう事はしないと、誠意を持って家族に対して対応すると。

さらに日朝協議などが行なわれた場合にですね。
三項ですけども、認定被害者のご家族には説明をするんですが、それ以外の人には何の説明もなかったですね。
いう事で、そうじゃなくですね。
きちっと協議が行なわれたら、認定被害者以外の家族に対しても政府説明を行なうという事。
あるいはそれらの活動をしている特定失踪者問題調査会に、きちっとそれらの報告文書も送るとか、いう事も念のために五項で確認されています。

さらに、私どもがですね。
特に広報の段階で、例えば国連の場とか、様々な外交交渉の場でですね。
政府の認定被害者の事だけを言うのでは駄目だと、繰り返し強調した点なんですが、それについても国連の場含めてですね。
政府の認定する人たち以外の人についてもですね。
きちっと広報していくと、対外的に認知されるように努力するという点について六項・七項で、確認をしたと。
現時点では事実上これらは実践されて来ていますが、文書できちんと確認をしたという事です。

そして八項についても、今現在ですね。
内閣がこれらの問題について事実上取り組んでいることと、将来またいつですね。
ある意味では被害者が切り捨てられるかも分からないという問題の危惧と言うのは、それぞれ存在するわけです。

従って私どもとしては現時点でですね。
政府が行なっていることについて文書できちっと約束させてですね。
それを今後共ですね。
内閣が代わってもあるいは担当者が代わってもですね。
きちっと継続させるという意味において文書で明確にさせたという事がひとつの明確な前進と、そのように受け止めました。
以上申しましたような経過と理由でですね。
私どもとしては本日の表明書を受け入れて訴訟を取り下げたという次第です。

ちなみにコメントにも書きましたけども、この表明書の内容が実行されない場合はですね。
法律的には私どもはいつでも政府を改めて訴えて訴訟をする事ができます。
ですから例えばですね。
古川了子さんの場合についても、一項できちっと全力を挙げて安否の確認に努力をすると、そのように約束をしているのにそれをしなかったというふうな事になればですね。
当然約束は不履行でいつでもまた拉致被害者の認定を求める訴訟を我々はする事が出来ます。
そういう権利を放棄していることでは全然ございません。

ですから今後ですね。
この表明している内容を実行させることを期待し、させたいと思いますが、もし不順な状態が続くようであればですね。
再び司法の場でも、また提訴するという事も考えざるを得ないと、そういう事は相手方にも申し上げていることでございます。

私の方から以上経過説明いたします。
次に竹下さんの方からそれじゃコメントを読み上げてもらう形でも良いので、ちょっとお願いして。

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この報告会の録音・写真撮影・ネット公開については、調査会の荒木代表の同意をいただいております。
   

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古川了子さん第9回行政訴訟報告会(1)

   古川了子さんの拉致認定を求める第9回行政訴訟報告会
07.4.26 衆議院第二議員会館にて

『本件訴訟に関する資料の紹介』

※この報告会のテキストを紹介するに当たり、会場内で配られた資料をまずはご紹介します。
尚、このエントリーのテキストは、『[調査会NEWS 502](19.4.26)古川訴訟和解で終了・木下陽子の逮捕状』より引用させていただきました
http://chosa-kai.jp/cyosakainews/kongetunews/news070426.TXT

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★資料1 政府より示された「表明書」

           表明書

                 平成19年4月26日

                  内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室室長
                  内閣府拉致被害者等支援担当室室長
                                          河内 隆

 関係省庁・関係機関と協議した結果、関係省庁・関係機関が連携して、以下の施策の実施に努めることとしたことを表明する。

1 古川了子さんについて、本件訴訟での証拠調べをも踏まえて、関係省庁・関係機関において全力を挙げて、その安否の確認に最大限努力し、その結果、北朝鮮当局による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」(以下「拉致被害者支援法」という。)に定める「被害者」として認定することとする。

2 拉致被害者支援法に定める被害者と認定された人(以下「認定被害者」という。)以外にも、北朝鮮当局による拉致の可能性を排除できない人が存在しているとの認識に基づき、引き続き拉致容疑事案の真相究明に努め、すべての拉致被害者の北朝鮮からの速やかな帰国を実現することをはじめとした拉致問題の解決に向け、全力で取り組んでいくこととする。

3 内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室を窓口として、拉致の可能性を排除できない人の御家族等からの問い合わせ、相談に誠意を持って応じるものとする。

4 今後行われる日朝政府間協議において拉致の可能性を排除できない人の問題が一扱われた場合、その御家族からの要望があれば、関係家族の代表等に対し、外務省からその概要等について説明を行うこととする。

5 拉致問題をめぐる二国間、多国間外交上の動きについて、現在、内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室より認定被害者及びその御家族にFAX等で提供しているものと同じ情報を、特定失踪者問題調査会にも伝達することとする。

6 認定被害者以外にも北朝鮮当局による拉致の可能性を排除できない人が存在するとの認識の下、引き続き、国連の場等を活用して、関係各国に対し、拉致問題の解決に向けた協力を求めていくこととする。

7 拉致問題に関する政府広報において、認定被害者以外にも北朝鮮当局による拉致の可能性を排除できない人が存在するとの認識の下、すべての拉致被害者の速やかな帰国を実現すべく全力で取り組んでいることが対外的に認知されるように努める。

8 今後、内閣官房拉致問題対策本部事務局において国内、海外向けの広報資料を作成する場合には、政府が拉致の可能性を排除できない人が存在するとの認識を有していること、政府がこのような事案の真相究明を含む拉致問題の解決に努めていることを説明することとする。

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★資料2 原告・特定失踪者・古川了子さんの実姉、竹下珠路さんのコメント

             古川了子の拉致認定を求める行政訴訟の和解にあたって

                                              原告 竹下珠路(古川了子の実姉)

 妹古川了子の拉致認定を求める行政訴訟は、平成17年4月13日の提訴以来、2年余りの歳月を経て今日ようやく和解に至りました。

 長かったというか、短かったというか無我夢中の2年間でした。

 この裁判を通して妹が拉致被害者認定に至らなかったことは残念ですが、それよりも、この2年間で特定失踪者に対する政府と社会の認識が大きく進展し、国側の誠意と真相解明への努力の約束が多くの特定失踪者家族にもよい成果をもたらすことを期待して、この和解案を受けることに決めました。

 裁判を支援してくださった全国の皆さん、暑い夏も寒い冬も傍聴に駆けつけていただいた皆さん、冬のさなかにビラ配りにご協力いただいた皆さん、毎回取材をしていただいたマスコミの皆さん、同じ立場の仲間として支えてくださった特定失踪者家族の皆さん、お忙しい中証人に立っていただいた安明進さん、調査会の荒木代表、そして何よりたくさんの時間と労力をかけてこの裁判を進めてくださった弁護士の先生方に、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

 今年の夏で91歳になる母も暮れから少し体調を崩しましたが、いまは元気になり「了子が帰るまでは頑張りましょう」とリハビリに励んでいます。

 日本中の期待を集める安倍総理の下で、一日も早い拉致問題の解決がなされますよう、今後とも皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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★資料3 弁護団、調査会のコメント

            古川了子さんの拉致認定を求める行政訴訟の和解にあたって

                                             原告ら代理人(主任弁護士) 川人博
                                             特定失踪者問題調査会代表 荒木和博

 2年間にわたって続いてきた古川了子さんの拉致認定を求める行政訴訟は本日の法廷で原告と被告国側の和解が成立し、裁判が終了した。

 本件は単に古川さんの拉致認定にとどまらず、特定失踪者の代表としてご家族にご協力いただき古川さんを取り上げた、いわゆる「チャンピオン訴訟」と言われるものである。結果的には古川さんの拉致認定まで至らなかったが、訴訟提起後、田中実さん、松本京子さんの認定が実現し、高敬美さん、剛さん姉弟も事実上の認定に至った。また、訴訟を行っている2年間に、特定失踪者に対する人々の認識は相当進展し、政府も認定者以外の拉致被害者、拉致疑惑に配慮するようになってきた点は大きな変化である。もちろん、まだまだ救出・真相究明への取り組みは緒に就いたばかりであり、満足できるものではないが、この訴訟が果たした役割は極めて大きかったといえる。今後政府には表明書に記載された対応を誠実に実行することを期待するとともに、立法府・行政府で積極的な決断をしていくことを切に望むものである。

 仮に、今後この表明書の内容が実行されない場合は再度訴訟を起こし、あらためて政府の姿勢を糺していくことになる。

 今回裁判所が和解を勧めた最大の理由は、「政府も民間も、そして家族も、向っている方向は同じ」というものだった。私たちもその意を酌み、合意の道を探った結果が今回の和解に至ったものである。あらためて政府側の誠意ある対応を求めるとともに、この間本件訴訟にご協力いただいた皆様に心より御礼申しあげる次第である。
                                                     以上
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この報告会の録音・写真撮影・ネット公開については、調査会の荒木代表の同意をいただいております。

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