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2007年6月 5日 (火)

戦略情報研究所講演会 真鍋貞樹専務理事(2)

戦略情報研究所講演真鍋貞樹氏講演(2)  

そういう立法・行政組織が伝統的に根強い中で、さっき冒頭でもうあげましたとおり、金正日独裁政権を変換させない限り拉致問題の全面的解決はないという問題の中で何をしなければならないかということを三番で触れています。

まず、立法機能において、不可欠なのものは、何かというと、立法レベルですので、立法を通して、そういった金正日独裁政権の転換のための戦略レベルの枠組みを作るという事が最大の立法府の仕事だったと思うんですね。それがやってるかというと残念ながら、ない。

ここに書いてありますけれども 【北朝鮮人権法】  という形でですね、拉致問題と脱北者支援という形で、個別にやります。 【拉致被害者支援法】 というのは、拉致問題の中でも、帰国した家族に対する支援と言うことですね。 【各経済制裁法】 などが個別にあるわけですけれども、そうした、パーツ、パーツの政策を積み重ねていくという作業をしているんですけれども、トータルな、戦略ベースとして金正日政権を転換させていかなければいけないという法体系を整備をしていかない限り、拉致問題の全面的解決はない。従って、こういうトータルな戦略を描けるだけの法体系を整備することが不可欠だというふうに思って(います。)

それから、2番目ですが【立法機関ならではの、調査機関を設置していくことが不可欠である】
これも、大統領制と内閣制の中での議会の権限の違いと言うことになるんですけれども、それを考えたとしても、今の現行法体系の中でも、可能=出来るものだと思うんですね。それは、衆議院参議院に専門の調査機関を設置すると言うことです。

いま、衆参にですね“拉致問題対策特別委員会”というのが設置されていますけれど、そこで、やっているのは、(ここに書いてありますけれど)官僚・・・・関係者からの意見聴取だとか、官僚への質問と言った形で、そして新潟に視察に行くとかですね、そういったようなことで来ているわけですけれども、そうではなくてですね、もう民間に議会として調査委員を委嘱してですね、実質的な調査機能を持たせるというのが不可欠だと思うんです。その辺についてですね、議会としての調査機能が問われるわけですが、この議会としての調査機能は、ほとんどない。

北朝鮮人権法では、国会に対して中間報告的なものをしなければならないと言うことになっているんですけれども、その中間報告的なものを誰が書くかと言うとですね、現行の組織で、調査室と言うのがあるんですね。調査室。そこが書いて、おしまい。そこで、国会での、衆参の特別委員会の役割は終わってしまう。

そうではなくて、議会の役割が、行政の監視するとか指導すると言うことであれば、議会自身で、調査機能というのをもっともっと持たせていくことは可能だし、やらなければならない。
やらなければ、国会としての基本戦略なんて立てることすら、ままならない。
これは、出来るし、やるべき事だというふうに思っております。

それから行政レベルではですね、立法レベルを越えたものは出来ないんですけど、立法レベルが上がればですね、当然行政レベルの様々な調査機能とかですね、そう言ったものは拡大していくわけですね。

それを前提として考えたときに、現行の行政機構をもっともっとレベルアップさせていくと言うことは出来るし、これをしていかなければ、拉致問題の解決はないと言うふうに思います。

一つは内閣機能ですね。内閣の元に安全保障会議というのが出来たわけですけれど、そこは、何をやっているのか、わかりません、私は。えら~い人たちが集まって、議論をして、「良い勉強したね、良い会議だったね」ということで終わっているようですね。あの安全保障会議の中で、北朝鮮問題で、しかも拉致問題で、金正日政権変換のための戦略を描くなんてことは、考えようがない状況ですね。しかし、何のための安全保障会議なんだと。そう言うことを戦略ベースで考えだすための会議だと私は認識していますが、実際そうなのかはわかりません。

でも、ここで、日本政府としての、最も根幹的な北朝鮮戦略というものを描くべきだろうと思います。

それから、内閣府の中でですね、ここに【拉致対策本部情報室の格上げ】とうのが(資料に書いてありますが)--ここにも、政府関係者の方がいらっしゃるので、なかなか言いにくいんですけども--情報室という止まりではですね、この難しい状況を、これだけの情報が集まったとしても、それが、知識の蓄積だけで終わってしまう。

今の現行の拉致対策本部、並びに情報室が現行のままであればですね、良くて情報の交換レベルで終わってしまう。そうじゃなくて、戦略レベルのものを、内閣総理大臣にまで、安全保障会議まで上程できるだけの、機能と経験と能力を持たせなければいけないと思って(います。)

それから警察庁ですけれども、これから前から行ってるんですけれども、警察の方とも色々議論するんですけれども・・・拉致問題の国内での捜査に於いて、やはりFBI的なですね、検査会をおいて捜査を迅速にできるという組織がない限り、今の都道府県警レベルで、いざこざ、いざこざやってたらですね、縄張りがどうの、所轄がどうのとか言ってたらですね、何年かかったって拉致問題の難しい解明には繋がりませんよという話をしているんですが、なかなかそれは、警察内部でも歴史があって難しいようです。
また、警視庁というのは、中途半端にFBI的機能を持っていますので、各県警とバトルを繰り返しながら捜査を行っているという状況、これはあまり好ましくないと思います。

やはりこう、ご存じのように拉致問題というのは、県をまたがって、場合のよっては、1000キロぐらいまたがって、拉致された場所と、船の乗せられた場所とが、東京と鹿児島というぐらいに離れる犯罪ですから、当然それを、広域捜査を“で・き・る・だ・け・の・も・の”をきちっと作っておかなければならない。

拉致問題に限らず、これから国際テロ組織みたいなのがですね、日本国内で活動始めたときに、現行のままの都道府県警のままで本当にいいんですか。それを補完するような形で中途半端に警視庁というものがあって、各都道府県警とつばぜり合いをやるようなことで本当に良いのかと言うことは、これは警察内部でも、きちっと考えて頂かなければならないし、国民もやっぱりそろそろそれこそ“民主警察”という呪縛に囚われていてはいけないのではないかというふうに思います。都道府県警=民主警察というのでは限界がある。

それから、外務省ですけれどもよく我々仲間でいわれているのは、外務省は「接待省」「情報省」とに分けろと。よく内輪では言いますけれど。やはり接待は接待で必要なんですね。世界の国々と交流するという。それはそれでやって行かなくてはならないんですが、今の外務省は、接待省ばっかり多くて、本当に情報を集める機能というのは、本当に弱い。どこの・・(セクション)に行っても、数人の職員が苦労に苦労を重ねている。
予算がありません、人員がありません、権限がありません、頭から抑えられます、こんなのでどうやって情報を集めるのですかというような状況、ずーーと続いているんですね。
やはり、外務省の中の情報を担当する職員に予算と権限を与えるべきと言うふうに思います。

公安調査庁ですが、今日はお見えかどうかわかりませんけれど、もうそろそろ、今までの破防法の中にある公安調査庁はやめて良いんだと思います。内外の情報を集めて、それを分析し、そして国家戦略までにもちあげるだけの能力をもったような役所にしていけないんじゃないかと思っています。

それはもう、、警察とは違ったやり方というのがあるわけですから、警察が出来ない情報省みたいなのを考えて情報省的なものを考えなくてはいけない時期になっているんではないかと思っています。

防衛省については荒木の専門なので簡単に触れますけれど、当然、北朝鮮に有事がおこったときに、法人保護というのは、公安調査庁が出来るわけではないし、警察が行けるわけでもないわけですから、これはちゃんと考えて欲しいなと思っています。

そろそろ時間ですので、まとめになりますが、この二番の申し上げた、拉致問題解決しない、そのために私が考えるのは、三番になるんですけれども、これは私としては、拉致問題解決のために不可欠なもの。

この不可欠なものがですね、日本の今の国会の状況、行政の持っている法制度、伝統、文化で可能なものかと言うことです。

書いてありますけれど、これだけのものをやるのに何十年かかるんだろうと。要するに拉致被害者を救出するのに間に合うのかという世界になりかねない。
もう結論は見えているんですけれども、この不可欠なものを実現させるべき、世論形成だとか、そう言った意味での運動というのは、私は不可欠だと思います。拉致問題を解決するためにですね。

「もう無理だよ、こんなもん」と言うふうになったとたんに、もう拉致問題の解決というのは遠のいていくというふうに思います。

②なんですけれども、日本の法文化、法制度の決定的な致命的な欠陥である「国民と政府の協働(路線?)」ですね。
これはもう、・・・の伝統が強くて、あまりに国民が政治行政に参加するのがマイナスだという、慣行みたいなものが強くて、国民を行政組織の中に組み込んでいって、もっともっといろんな問題の解決に当てるという文化が非常に弱いんですけれども、事此処に至ってはですね、国民も政府も一緒になってこの問題に取り組んでいくんだというようなものが必要だと思っています。

行政機構の中の政策決定過程、あるいは政策立案過程、あるいは、情報収集、情報分析の中で、民間を排除するというのは、今の世の中にとってマイナスでもなにものでもないと思っています。(民間排除はマイナスと言いたい)民間にもいろんなものがあって、怪しげなものもたくさんあるわけですけれども、大切なものを持っている、能力のある方がたくさんいるわけですから、それを大いに政府の内部で生かすということは、当然なことだろうと思っています。その意味で国民の側も政府と協働していくというのは、大切なことだと思っています。

時間オーバーしてしまいますが、三番ですけれども、「民間でできるものは民間で何でもやっていこう」と言うことです、私の結論は。情報収集だって民間レベルでやれることはどんどんやろうよ。政府に任せておいてはダメだ。警察やどこそこに任せていてはダメだと。もちろん任せなくてはいけないこともあるけれども、民間で出来ることはどんどん民間でやろうではないかということだと。
北朝鮮の体制転換という問題についても、こんなことは、国民は関係ない事だと言うことではないと思う。
国民としても考えてやれることはあると。それをやるべきだというふうに思っています。

そこで荒木が言いましたような、我々なりの情報収集の中で書いていますけど、北朝鮮にどんどん、どんどん、情報を注入していく。ペットボトルであろうと、・・であろうと、何でも良いから、とにかくどんどん、どんどん北朝鮮に情報を注入していく。これは民間レベルでどんどんできることです。

それから脱北者支援、ここにもNGOの方いらっしゃいますが、これも民間レベルで出来ることです。一部の本当に献身的なNGOの人たちだけに任せていいことでは、決してないはずです。脱北者の支援というのは、いずれは北朝鮮の体制転換になれば、戻っていかれる方なんです。
この人達に、自由とは何かとか、民主主義とは何かと商売の仕方はどうだとか、そういうことをきちっと教えて差し上げて、そして北朝鮮に戻ったら立派な国を作れよと言うようなことも、民間レベルで出来るんです。

それから“亡命政権支援”だって歴史的に、日本の明治の時代なんかはやっていた訳なんですね。日韓・・で。なんで今やらないのか?出来ることなんだから、どんどんやればいいと思います。

そう言うことを通じてですね、北朝鮮の体制転換をですね、政府をあげて、我々国民もあげて、少しでも進ませていくことによって、2000万の北朝鮮人民を救う、そしてそのプロセスの中で、日本は拉致された日本人のみならず、世界中の拉致被害者を救うというようなことが大切なんじゃないかと思います。

以上ちょっと長くなりましたが、私の話を終わります。

荒木さんから

まぁそういうことで、二人の話が終わったわけですが、出来ることは何でもやるぞということで正に、そう言うことが基本方針書いてあるんですが、その一方でなかなか現実の方は難しいものがありまして、ホワイトボードの上に振り込みの番号が書いてありますが、ここでまもなく中継のほうは終わりますので、特に中継をご覧の方に、このことをお告げするためにですね、私ども調査会は、自転車操業と言うより、一輪車操業という状態でございまして、北朝鮮の体制が崩壊するか、調査会が崩壊するか、どちらかの勝負でございますので、何とか、せめて北朝鮮の体制が崩壊する時まで持たせていただくように、ご協力をお願いしまして、ここでまず前半を終了させていただきたいと思います。
ちょっと一時間話しましたので、5分ほど休憩を頂きまして40分に再会させていただきたいと思います。とりあえずどうもありがとうございました。

━━━当日配布の資料から━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3・立法・行政組織レベルの限界を超え、拉致問題解決のために   想定すべきものとは何か
①立法機能において、拉致問題解決に不可欠なもの

   ・立法機関の責務として、北朝鮮人権法、被害者支援法、各経済制裁法の
    個別的な政策を、トータルな戦略をべ―スにしだ法体系を整備することが
     不可欠である。
;・立法機関ならではの、調査機関を設置していくことが不可欠である。
  現行の国会の拉致問題対策特別委員会は、官僚や関係者からの聴取と、
  現地視察で終わっている。 
    民間に調査委員を委嘱し、実質的な実態調査機能を持たせることが
    不可欠である。
      (実態は、衆議院調査室が報告書を書いて終わり)

   ②行政組織の、情報収集能カと救出能力の実効性を高めるために不可欠なもの
内閣機能 --NSCによる戦略の企画・立案が不可欠
          拉致対策本部情報室の格上げ、機能強化が不可欠
警察庁  --FBIのような、横断的組織が不可欠
外務省  --海外情報収集機能の拡大が不可欠
公安調査庁--国内外の情報収集と分析を行なぅ情報省的組織に転換が不可欠
防衛省 …北朝鮮での有事における邦人保護態勢の構築は不可欠

  4.まとめ
果たして、上記のような、拉致問題の解決に 「不可欠なるもの」が、
   日本;の国会・行政<機構、あるいは法制度、法文化で可能か?
   何よりもT間に合うのか?
① 結論は見えているが、「不可欠なるもの」の実現を目指した世論や運動が「不可欠」
② 国民と政府が「協働」することが「不可欠」である。民間排除はマイナスである。
③ 民間でできるものは何かを考え、実行することが 「不可欠」
情報収集
   北朝鮮からの情報の収集
体制転換 
  北朝鮮への情報の注入、脱北者支援、亡命政権支援
「自国の体制転換は、自国民が行う」のが鉄則
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2007年5月30日 (水)

戦略情報研究所講演会 真鍋貞樹専務理事(1)

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私の方から申し上げることは、今、荒木が言いましたとおり、日本政府の持っている基本姿勢がですね、外国に頼む、そして北朝鮮に対しては、交渉するという範疇を越えていない点についてどう、我々が考えるかという事だと思うんです。

お手元に、「拉致問題解決の立法行政組織の限界とその克服」と言う形で、資料をお配りしていますので、その課題についてですね、私なりの考え方をお話しさせていただきたいと思います。

最初に結論的な事を申し上げますと、明らかに日本の立法・行政には、この難しい困難な拉致問題を解決するためには、明らかな限界性をもっています。限界があるからこそ、帰ってきていないんですね。
この限界を超えていくためにはどうするべきか?すなわち、問題解決に不可欠なものは一体何だろうということをまず考えて、不可欠なるものを、出来ないままにしておくのか、やらないままにしておくのか?それでは、全くの解決は出来ない。
従って、この今できていない、やらなければいけないけど、やっていない拉致問題の解決に不可欠なものを我々は考えて、新たなものを作っていくような・・

荒木の方から申し上げましたが、この拉致問題の根本的な解決は、金正日独裁政権が変換しない限り全ての拉致被害者を救出することは不可能であると言うことだと思います。
「部分的な解決」、「部分的な救出」というのは、当然あり得るし、あったんですね。5人の拉致被害者は帰ってきたようなことがありますが。

しかし、我々が知らない拉致被害者、誰も知らない拉致被害者をどう救出するのかと言うことに考えが及べば、現在の、金正日独裁政権が継続する限り、この期待を満足する・・ないと思っております。すなわち、拉致問題は、金正日政権が転換しない限り全面的な解決はないと言うことだと思うんです。

このことは、おそらく日本の国民は意識のレベルではですね、みんな「そうだな」と思っているんだと思うんです。ある程度合意はされていると思うんですけれども。
意識の上では、合意があったとしても、それをどう政策レベル、戦略レベルまでいくんだ、また政府が何をすべきなのかということを求めていくときに、これはなくなっていくと言うことなんですね。

拉致被害者が可哀想だから、拉致被害者のご家族があまりにも気の毒だから、可哀想だから政府、何とかしてくださいというレベルから、問題、出て行かない、残念ながら。そう思います。そう言いう構造が出来ているわけです。

一方では、金正日独裁体制の転換がなければ拉致問題は解決しないと思いつつも、実際の行動になると、それを言わない、言えない、あえて、避ける というようなことがあるんではないかと言うふうに思っております。

意識のレベルでのはおおかた、この金正日独裁政権の転換が必要だという合意があったとしても、それが、政策、戦略になっていかないということですね。

これは日本のみならず、世界の国ももしかしたら同じではないかと思っています。
北朝鮮問題で当事国は、六カ国協議ということで、北朝鮮を除く五カ国ですが、その五カ国の中で、明確に、核兵器も含めて、拉致も含めて、強制収容所問題も含めて、脱北問題を含めて、あらゆる北朝鮮における犯罪行為の解決のためには、金正日独裁体制を変換させねばならないというふうに明言した国は、かつて、アメリカしかないんですね。

アメリカで、北朝鮮人権法ができてきたプロセスという中には、明らかに、北朝鮮の「レジュームチェンジ」、「レジュームトランスフォーメーション」ということばが使われてあの法律が出来てきたんです。しかし、残念ながら、今アメリカの議会の中で、アメリカのブッシュ政権の中で、北朝鮮対策・政策の中で、「レジュームチェンジ」という言葉は、完全に消えています。
それは何故かというと、それは、想像すると、中国の関係、ロシアは・・、韓国は太陽政策とおうような状況が続いている限り、アメリカとしても、当事国、関係国がそう言う状況であったならば、アメリカだけが、「レジュームチェンジ」「レジュームトランスフォーメーション」と言うような形というような形で行くというようなことに対して、「どうなんだ」ということが生まれてきたのと言うことに他ならないのではないかと・・ではないかと・・

国連のレベルでは、もっともっとこういう意識というのはない。
国連で、北朝鮮の人権問題について非難決議はするけれども、その根源は、北朝鮮の金正日独裁政権にあって、それを直さない限り、北朝鮮の人権問題は解決しないんだというよなメッセージ、国連のレベルで一回も出てきたことはない。もし、そういった事をご存じだったらちょっと教えていただきたい。私の知る限り、そういったメッセージなり、メッセージを出したとしても、具体的にどうするのかという戦略、戦術が議論がされた記憶はない。

そう言う状況の下ですから、国際的にも、国内的にも、そう言う状況なので、じゃぁ、何も出来ないのかと言うことになっていくわけですけれども、最初にお話ししたように、いや、これはやらなければいけないんですね、解決しなければいけないんですね。じゃぁ、何を考えなければいけないのかということになります。

2番目に改めて「日本の立法・行政の限界性」について、おさらいをしてみたいと思います。

日本の国会で北朝鮮の金正日政権の転換を前提にした戦略というものを議論された経過というのはがあるでしょうか?また国会レベルで、そう言う政策をつくろうとした経過があるでしょうか?

「拉致被害者支援法」というのがありますし、「北朝鮮人権法」というのもありますし、あるいは「経済制裁関連法」がありますけれど、その政策というものは、それらをやらなくてはならなくなった根本的原因である“金正日独裁政権を転換させる”というような戦略ベースから生まれてきたものではないですね。

立法レベルではですね、そうした体制転換を前提とした議論そのものも発想そのものもない。

それは北朝鮮に限らず戦後の日本の国会の議論を改めて考えてみますと、トータリー体力が非常に非常に強かった頃の議論を見てみますと、日本が自ら東側、中共産側に対してどうこれを体制を転換させるなんていう議論なんてありゃせんのですね。

ベトナムをどうするとか、二つの中国をどうするのかとか、二つの朝鮮をどうするのかと言ったような、いわゆる西側の一員として、そういった共産国の体制を、どういうふうに我々日本が、インセンティブを与えて、民主的な国にしていくか、体制転換をしていくかとかいう議論はおそらくなかたっと思うんです。ありますか?(笑い)そういう状況です。

立法レベルでそうなんですから、行政レベルでそんなこと考えるはずがないわけです。

行政レベルで、法制度上、北朝鮮を体制転換させなければならない、法律を作らなければならないというのは想定外です。想定外です。

そんなことを、世界中で考えられる組織というのは、考えられるのはCIAとか、イギリスの諜報機関とかそう言う話になるのでしょうけれども、少なくとも彼等は考えているんです。思考するわけです。実行するかしないのかは、その時その時の政治家の決断、と言うことになるわけですけれども、世界情勢に依存するわけですけれども。少なくとも、そういった発想とか研究というものは、当然のごとくするわけです。

しかし、日本の情報機関での伝統的な問題というのは、立法措置がそう言う状況ですから、行政レベルでそういった体制転換の戦略なんてしないわけですね。

で、日本の情報機関の伝統的な問題というのは、ここ(配付資料)にでていますけれど、バカではけしてなくて、優秀な人たちが集まっているわけですから、ここに書いてあるように、知識= knowledge(ナレッジ)というものは、どんどんどんどんいろんな情報を集めて、知識だけはどんどん集めています。
けしてバカでないからいろんな世界情勢を集めています。
警察庁の公安部の外事課なんていうのは、世界中のそういう公安情報を集めて、知識として持っているんですね。

しかし、このinfomation(インフォメーション)レベルになると、それがどんどんどんどん怪しくなるんですね。情報というレベルでは、一番簡単なのは、知識の交換がないんですね。
警察と公安調査庁は全くないです。海上保安庁と知識の交換はないです。場合によっては、内閣府、総理大臣ですら各部局が持っている知識を伝達することもなかったと言うことが、かつてありましたね、たくさん。

そういう状態が一部改善されたとは言っても、まだまだその状況は続いているわけですね。
従って、それを更に高度な intelligence(インテリジェンス)のレベル=戦略レベルになると、もうほとんど何も存在しないわけです。
だからこそ、安全保障会議みたいなものを、小池ゆり子さんが一生懸命やられるようになっているわけですが、それだって、今会議をしているだけであって、そこで知識を集め情報を交換し、戦略レベルのことをやっていくという状況にはなっていないようですね。
これは日本の戦後の情報機関の特筆すべき状況だと思っております。
これは、従来から、何ら変わっていない問題点ではないかと思っております。
その背景にですね、これは日本の行政組織の、一般的問題なんですけれども、縦割り組織だとか 縄張り意識だとか、伝令主義だとか、いったような行政組織の典型的な問題がこの背景にあるんですね。

それから、日本の行政組織の中で一番顕著なものは、“民間の排除”です。
民間の知識なり情報などを行政の中に生かすということに、非常に消極的です。全ての官僚組織の中で消化する。官僚組織の中だけで知識を回していく。情報の交換すらも、ままならない。情報の交換そのものもも、官僚組織の中でやる。そう言うことを官僚主義と言うんですけれども。それが非常に強い。

大統領制と内閣制との違いもあると思いますが、アメリカの場合の特徴というのは、何か問題があったらば、すぐに民間の専門家を調査の責任者に当てて、専門的に調査させて、物事を明らかにしていくのそういうことが非常に強い。

北朝鮮の問題に関連すれば、偽札の問題なんか正にそうですね。私今、名前思い出せないんですが、マカオのBDA(バンク・デルタ・アジア)の問題を明らかにしたのは、若いお兄ちゃんです。
それは民間から、突如、そう言う任務を当てられたわけです。そしてその彼は、今そこからはずれているわけですね。そういうふうに、その道、その道に優れた民間の知識人をそういうプロジェクトごとに、行政の内部の戦略・政策レベル作成する中にどんどん取り込んでいって、進めていくという感覚が日本の行政機構の中にほとんどない。

ぜめて審議会とかですね、協議会とかですね、そういったところに、まぁ、いわば格付けに、大学の偉い教授なんかを呼んでですね、そこで懇談会なんかを開いてですね、行政の官僚が作ったプランにお墨付きを付けるといったような意味でそういうものをやっていくというのはたくさんある。そんなのは、インテリジェンスレベルでは、全然関係ないですね。もっともっと民間の様々な知識を行政組織が集めて分析し情報にしてっていき、それを更に戦略レベルで物事をおこしていくと行った発想というのはほとんどないわけであります。

━参考(資料より)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
2.立法・行政組織による拉致問題解決の限界
     ・立法レベルでの、体制転換を前提とした対北朝鮮戦略が存在しない。
        立法レベルで、戦後、他国の体制転換についてコミットした経過泣ない。
     ・行政組織レベルでは、法制度上、北朝鮮の体制転換の戦略は 「想定外」である。
         日本の情報機関の伝統的な問題
             knowledge      知識(蓄積されるもの)の蓄積はあり
             infomation   情報(相互に伝達されるもの)の拡大が不十分
             intelligence  戦略(動きを伴ぅもの)の決定がなし
             縦割り組織、縄張り意識、前例主義、民間の排除 (官僚主義)、情報独占

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戦略情報研究所講演会荒木和博氏(2)

   戦略情報研究所講演会 講師:荒木和博氏・真鍋貞樹氏
07.5.25 UIゼンセン会館2階会議室にて

テーマ 拉致問題解決に何が必要か、何が足りないのか
          -----基本的枠組みの提言-----

『荒木和博 特定失踪者問題調査会代表の講演 その2』

~~安全保障面から見た拉致問題解決のための提案~~

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それから、この第3国に出られない場合のことですが、これは自衛隊を使うしか方法がございません。
私、今月出ています6月号の月刊正論に書いてございますが、ともかくですね。
拉致被害者救出に自衛隊を使うのは当然のことである、いうふうに考えます。
これは、そういう事のために軍隊と言うのは存在するわけでございまして、国際貢献もあるいは災害派遣もそれは大事かも知れませんが、軍隊としての本来業務としては一番の本来業務ではない。
軍の本来の仕事は国民の生命と財産を守ることであるという事でございまして、そのための、これはあまり具体的に話できる部分と出来ない部分とがあるんですが、それを進めていく。

それが話ができる部分で言えば、北朝鮮の体制がひっくり返ったときにですね。
その時にこれは邦人保護という事で行かなければいけないわけでありまして、相手がどうなっているのか分からないところに行くのはですね。
そういう何かあっても対応できる組織が行かざるを得ないわけで、これもやはり自衛隊という事になるだろうと思います。
これは今後、拉致議連なんかとも連絡を取りまして具体的にですね。
今まで・・・(聞き取れず)など何人かが声を上げているだけなんですが、それを何とか世論化してそして実現に持って行きたいというふうに思っております。

そして国際活動、様々な人権活動と言う意味では、この国内外のNGOとですね。
連携して金正日体制その物を圧迫していくという事が当然必要であろうと言うふうに思います。

それから国連の人権委員会に強制的失踪に関する作業部会というのがありまして、ここにかつて私も救う会の事務局長であったとき増元さんと一緒に参りまして、ジュネーブですが、この届けをして来た事がございます。
実際にはそれほど効力と言うものは無いんですが、国際的なアピールという意味はございまして、今後1000番代リストの方、それから0番代リストの公開の方、非公開の方でも希望する方があればもちろん構わないんですが、ご家族の了解を取った上でですね。
届けを出していきたいというふうに思っています。

それから政府への対応ですが、これは私どもは基本的にですね。
建設的な緊張関係という事で、決して何でも反対ではなくて是々非々の立場でいくという事も今後も維持をして参りたいと思っております。

それから国会への問いかけですが、拉致議連とも提携的な連携を強めていきますが、特に具体的にですね。
協力してくださいという事では仕方が無いので、こういう質問をしてもらいたい。
あるいはこういう質問書を出してもらいたいという事をやっていく予定にしております。
早ければ今月中にも一本ですね。
質問趣意書を西村幹事長の方から提出をしていただくつもりです。

後、法律制定・法改正、これは詳しい事は・・・(聞き取れず)もらえば分かると思いますが、具体的にですね。
法律的で今不備な部分がたくさんあるということで、現在の拉致被害者支援法の改正。
それから北朝鮮人権法の改正ですね。
そして拉致情報を得るために司法取引を認めると。
現在日本では司法取引が認められておりませんが、拉致の実行犯がかなりの数まだ日本国内にいるわけでありまして、この人たちから情報を取るために司法取引が出来るように刑事訴訟法の改正も薦めなければならない。
いう事等々を働きかけてまいりたいと思っております。

それから北朝鮮の権力層の一部でですね。
金正日側で無い人たち、との連携も模索していきたい。
この間ネットなどでご覧になった方もおられるかと思いますが、金平一という金正日の異母兄弟が、堂々とポーランドのマスコミに出ておりまして、息子と娘も一緒にですね。
ポーランドの大学と大学院に通っているそうですが、出ておりました。

この人が顔を表すのは、私が覚えている限りでは金日成が死んだ94年の7月以降に一回だけですね。
マスコミの前で、どこかの大使だった時に大使館の前に出てきて外国のマスコミの前に顔を表した事が一回だけありまして、その時は確か「金正日はしばらく後継しないと思う」というような事を言ったと記憶しているんですが、それ以降また全く消息が消えておりました。
今回こういうふうに出たというのはどういう意味があるのかというのは、今ひとつ分かりませんが、少なくともこの人が一つのキーマンである事は間違いないので、可能であれば直接一度ポーランドまで行って大使館を叩いてみたいと。
中々会ってくれるとは思いませんけど、物は試しですのでやってみようかなというふうに思っております。

これは例のバルーンのイ・ミンボクさんと会いましたときに言っていたんですが、現在の脱北者の人たちはですね。
やはり非常に苦労して来ている。
北朝鮮の中で生きていくためにこれは非情に苦労せざるを得ない。
生きていくためには人も騙さなければいけない、いう事でですね。
ともかく韓国に入ってきた脱北者でも、要は人に感謝するとかそういう気持ちが無いんです。
これは自分自身も脱北者だからそういう面があると言いながら彼は言っておりましたけど、結局ですね。
人が何かしてくれても、これはおそらく自分の得になるからやっているんだろうというふうに、つい思ってしまう。
という事で、そのまま率直にありがとうというふうに中々言えない。
だからそういう事で言うとですね。
結局何だかんだ言っても今北朝鮮でちゃんと飯を食えている人間、こういう人たちをですね。
体制が変わってもある程度使っていかざるを得ませんという事を彼は言っておりました。

これは現実的な問題としてそうだと思います。
そこにいる人を全とっかえするという事が政治的に不可能な以上、少なくともよりマシな人間をですね。
と手を組むという事は現実問題としてせざるを得ないのではないか?
もちろん最終的にそういう人たちをどういうふうに裁くか?というのは北朝鮮の人たちの問題でございまして、我々がやる事じゃないんですが、いずれにしてもですね。
我々はそういう事も視野に入れて行なう必要があるんであろうという事でございます。
そこすべてをやはり動かして行く事が必要という事であって、これはもう決断を持ってするしかない。
そんな事をしたらこういうトラブルがある、そういうトラブルがあると言う事がというふうに思う人がいると思うんですが、細かいトラブルで止まっていたら大きなトラブルを解消する事は出来ません。

こういう事を言うと誤解を生むかもしれないんですが、私はですね。
日本人が拉致されていることについて、いまひとつ正直にいいましてですね。
北朝鮮に対してあまり怒らないんです。
どうしてかと言うとですね。
怒りと言うより、やられたことの恥ずかしさと言うか、これだけの大国で国際的地位もあって経済力もあるこの国がですね。
あの北朝鮮ごときに拉致被害者を何十年もですね。
拉致を続けられて来たという事が、それ自体非常に恥ずかしいことで相手に怒る以前、自分の恥としか考えようが無い。

ただし、北朝鮮の子供たちがですね。
飢えとか寒さの中で死んでいくという事に対しては、私はやっぱり正直言って怒りを覚えざるを得ない事でございます。
もし仮に拉致をしていてですね。
拉致被害者を、外国人を拉致してくる。
そしてそれによって自分の国の国民を助けようという事であれば、これはもちろん我々認められるわけじゃないですよ?
認められるわけでは無いんですけど、そういう考え方もあるだろうという事は言えます。
しかしあの国は、外国人は拉致してくる。
核兵器は作る。
そしてその上で自分の国の国民は殺していくという事でございます。

金日成の遺体が祀られている錦繍山(クムスサン)宮殿、これをですね。
元々金日成の執務していた建物ですが、これをいわば記念宮殿という事で直すためにですね。
使った金と言うのは、とうもろこしを買えば3年間北朝鮮の国民が食べていけるだけの金を使って、一人の死体を祀るだけの物を作った。
その為に膨大な数の人が死んでいったわけでありまして、このような体制をですね。
これは、我々は絶対に許す事は出来ない、いうふうに確信をしております。

それをやっていく事がすなわち日本人の拉致被害者を救出することでありますし、そしてこれを日本がですね。
先頭に立ってやっていく。
アメリカに任せるんではなくて日本が先頭に立ってやっていくという事が、それから先日本が外国から被害を受けたりしないという事につながってくるのだと言うふうに思います。
日本と言う国は主権を侵害したら何をしてくるか分からない。
いう事があるからこそ外国からのそういう攻撃を受けなくて済むわけでありまして、我々はやはりそういう意味でですね。
こういうものに対しては戦っていくという姿勢を持っていかなければいけないだろうと思います。

残念ながら日本政府の基本的な姿勢と言うものは、外国に対して頼むという事とそして北朝鮮に対しては話し合いをしていくという事の根本的なところが変わっていないわけでございまして、この姿勢はやはり変えていかなければいけないいうふうに思います。
そんな事が今のこの国でできるのか?と言うふうに思われる方、多いと思います。
しかしそれは決して出来ないことではない。
我々自身がこの国の力を極めて過小評価しているというふうに私は思います。
この国の力を持ってすればですね。
それくらいの事は簡単に出来るわけでございまして、要は決断の問題であります。

安倍さんは今までの歴代の中では、一番拉致問題に対して一生懸命やってくださっている方だという事は、我々も間違いなくそうだというように思っているんですが、まだ今のところそこの決断には残念ながら至っているとは思えない。
何とか話し合いで、あるいはアメリカの協力を得てというところがですね。
私に取りましてはやはり極めて不満でございます。
そこを乗り越えていただかなければいけません。

ただこの問題と言うのは、この間くじで6億円近くのくじが当たりましたが、あれのようにキャリーオーバーが何年もの間ず~っと嘘とごまかしが積み重なって来てしまっている。
この国の国家権力にそういうものが沁み込んでしまっているわけで、これを叩き壊してしまわなければ問題は解決を致しません。
それをやってもらわなければいけない。
やるためにはおそらくとんでもない事が起きると思います。
安倍さん自身が失脚する事を覚悟してもらわなければいけないですし、場合によったらば物理的な生命を失うことも覚悟してもらわなければいけない。

しかし、政治家と言うものはそういうものでありまして、この間の愛知での警察のSATの方が亡くなったり、あるいは消防士の方がですね。
消火活動の中で殉職する方もいる。
今のところはそういう人は出ていませんけど、戦争になれば自衛官だって当然戦死していくわけでございまして、政治家も当然その中でですね。
死ぬ事を覚悟してやってもらわなければ意味が無いわけでございます。
ですからそれをみんなで覚悟してもらわなければいけないですし、政治家にその覚悟をさせるためには国民にそれだけの覚悟がやはりなければいけない、言うふうに思います。

拉致問題がこれから明らかになってくればですね。
今我々が想像もしていなかったような事が、どんどんどんどん我々の目の前に迫ってまいります。
それを本当に我々が受け止める事ができるか?
これは我々自身に腹があるかどうか?にすべてかかっています。
見なければ良かったと、知らない顔をして歳をとって死んでいけば、この国は平和でいい国だと豊かでいい国だという事で終っていたかもしれない。
そうしないために我々はですね。
そういう事をしてしまえば次の世代にツケを回す事になるわけでございまして、そうしないで行かなければいけないだろうというふうに私は思っている次第でございます。

私はどちらかと言うと総論的なものですが、また真鍋の方からもいろいろお話がございますので、とりあえず一旦私の話を終らせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この講演会のテキスト化及び音声のネット上への公開については、調査会代表の荒木氏の了解を頂いております。   

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戦略情報研究所講演会荒木和博氏(1)

   戦略情報研究所講演会 講師:荒木和博氏・真鍋貞樹氏
07.5.25 UIゼンセン会館2階会議室にて

テーマ 拉致問題解決に何が必要か、何が足りないのか
          -----基本的枠組みの提言-----

『荒木和博 特定失踪者問題調査会代表の講演 その1』

~~安全保障面から見た拉致問題解決のための提案~~

Araki_070525_150

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
   
 
 

それでは始めさせていただきたいと思います。
今日は大変お足元の悪い中、皆さまお出でいただきましてありがとうございます。
本当に遠方からも含めまして・・・(聞き取れず)いただいておりまして感謝を申し上げます。
今日はご案内の通り、株式会社Net Liveのご協力を頂きまして、スタートから約1時間ですね。
私と真鍋が約30分ずつ話をする予定にしておりますが、その間はインターネットで全国・世界中に中継をされると、生で流していただくと。
その後このフロアの皆さんと私どもでやり取りをしていく意見交換を含めまして、質疑をさせていただきたいと思っております。
ここは特に9時までにすべてを片付け終わらなければいけませんので、8時半に時間厳守で終了したいと思いますのでたくさんお話しになりたい方もいるかと思いますが、ご了承いただきたいと思います。

今日お話いたしますのは、どうやってこれから拉致を解決していくのか?という事でございまして、去る21日の月曜日に私ども特定失踪者問題調査会の理事会を行ないまして、そこでお配りをしております当面の基本方針(※1)と言うものを作りました。
要は基本的にはこれに議論が集約されていますのでこれを中心にという事になるんですが、私もそれぞれの専門分野と言うか、そういうふうにお話をしてそして皆さんのご意見を頂いていきたいというふうに思っております。

※1 調査会の基本方針については下記を参照のこと
http://chosa-kai.jp/cyosakainews/kongetunews/news070523.TXT

それでは早速ですね。
まず前半、私の方からお話を始めさせていただきたいと思います。
まず私の方はこの当面の基本方針のご説明をさせていただきたいというふうに思います。

冒頭書いてあることですが、拉致問題の解決とは何か?
それはすべての拉致被害者を救出する。
これはまぁここにお出での皆さんも基本的には変わりは無い事ではあろうというふうには思いますが、これをやっていくためにはですね。
どこまで助けなければいけないか?と申しますと、現在私ども特定失踪者問題調査会が持っていますリストが約460名。
そして、政府の認定がいわゆる警察暫定の、この間の高姉弟の認定を含めまして9人。
そしてそれ以外の警察が持っている拉致の可能性が高いリスト、これは公開されていませんが数十人と言われています。

そしてまた警察の方にご家族から拉致じゃないか?とお届けがある方、これは調査会リストと当然重複していると思いますが、1000人くらいの方がおられると聞いておりまして、もちろん我々のリストも警察のリストもそうでない方も入ってない方もおられると思いますが、相当の数の方がおられるのは間違いない。
尚且つ、我々の持っているリストでも警察のリストでも入っていない、つまり全く身寄りのない人に狙いをつけて拉致をしたケース。
それから家族がですね。
いろんな事情があるんですが、回りを憚ったりとかいろんな事がありましてどこにも届出をしていないケース。
そういうのがございます。
こういう場合は誰も知らない。
今ここにいる我々だけではなくてですね。
1億2千5百万の日本国民誰もこの人が拉致をされたという事を知らない人が、相当数いるだろうと考えられます。

我々はそのすべてを助ける義務が国民として存在する、言うふうに思うわけでございます。
これを実現するためには、どうしなければいけないか?と言うと北朝鮮の体制がですね。
突然「今まで悪い事を致しました。これからはもう二度と致しません。そして今いる拉致被害者みんな返します」というふうに突然改心して、そして返してくれるんであればそれで実現するわけですが、そんな事はまず考えられないことでございます。

そうするとどうしなければならないかと言いますとまず我々自身、あるいはご家族もそうですし、日本の政府機関もそうですが、ともかく直接北朝鮮に入って全部細かくですね。
それこそ強制収容所にまで含めて入っていって、拉致をされている人はいないか?という事をですね。
調べに行かなければ行けない。
これが出来なければいけない事です。
それから同時にそこにいる人が私は拉致です、拉致されたんですという事をですね。
自分から名乗り出られるような環境を作らなければいけないという事でございます。

言うまでもなく寺越武志さんは拉致をされている方であるにも拘らず、少なくても公的な場では一言も自分が拉致をされたと言う事は言えないわけです。
それどころか北朝鮮によって人命救助をされて、そして大変幸せに暮らしているという事を本人が言わざるを得ないというのが残念な現状で、この現状を変えてしまわなければどうしようもないわけです。

もう一言いえば今帰国している5人の方々も、ひょっとしたらこの中継を見ているかもしれませんが、彼ら自身も私どもが見る限り十分な事を喋っているとはとても思えない。
それは別に彼らがですね。
悪意を持ってそうだという事では無いだろうと思います。
喋れないような状況を北朝鮮側が作っていると言う事でございまして、これを彼らが喋れるようにするためにはその恐怖の根源である北朝鮮の体制が変わらなければいけない。
このすべてを実現するためには体制を変えざるを得ませんし、そしてそれはどういう事かと言うと日本人の拉致の問題だけを単独で解決する事は有り得ないという事でございます。

日本人拉致が解決するという事は、韓国人をはじめとする他国の拉致被害者も救出されなければいけないですし、そして在日朝鮮人の帰国者がですね。
また自由に日本に戻ってきたり、あるいは少なくとも北朝鮮の中で差別的な待遇を受けないで済むというふうにならなければいけない。
これはさらに言えば、北朝鮮の2千万の国民が人権を保障されて暮らせるようにならなければいけない、いう事でございます。

そしてこの問題自体は国家主権の侵害と言う側面、これは二国間の一種の戦争ですが、その側面とそして普遍的な人権問題と言う二つの側面がありまして、これを両方ですね。
片方だけをやっても仕方が無い。
両方を平行してやらなければいけない、いうことであります。

尚且つ私どもがもっと切迫して考えなければいけない事は、時間が無いという事でございまして、ご家族は高齢の方が非常に多いわけでございまして、すでに私が直接会った方でも何人も亡くなっております。
ご家族だけではなくて、やはり早い時期に拉致されたと思われる方は、拉致被害者自身が高齢の方も相当おられる。
ですから時間が無い。
今日生きていたとしても、横田めぐみさんなどを含めてですが、今日生きていたとしてもそれが明日生きている事を保障するわけではありませんでして、被害者の救出のためには可能な手段をすべて使わなければいけないという事でございます。

その意味で今回ですね。
我々目的の最大限の再確認という事で、この目的の中に金正日体制の転換という事を入れました。
拉致被害者の救出を訴える団体が他国の体制転換を目的にするという事が良いかどうかという事については、ご意見もあろうかと思います。
しかしこれをやらなければ問題は解決しないという事でですね。
私どもはこれをあえて我々の活動の目標にするというふうにしたわけでございまして、具体的にもそこの事が・・・(聞き取れず)に出てまいります。

我々は元々調査機関としてスタート致しました。
調査活動はこれからも続けてまいります。
それは当然のことでそれが我々の一応基本ですがそれに加えまして、今回は新たにこの問題を国民のひとりでも多くの方に理解をしていただくために、今まで調査会独自の集会と言うのは一度もやったことが無いんですが、今回初めてある程度の規模のですね。
ちょっとどれくらいの規模になるか分かりませんが、少なくとも数百人規模の集会をやろうというふうに考えまして、これを12月の北朝鮮人権週間で「しおかぜの集い」と称して、初めて行なうことにしました。

ここには多分我々だけではなくて、特定失踪者のご家族の中から実行委員にもなっていただいてですね。
一緒にこの会をやっていき、そしてそれを通して一人でも多くの方にこの未認定の拉致被害者の問題と言うのをアピールをしてまいりたいというふうに思っております。
ただ、後でも出てくるんですが、我々自身はいわゆる大衆運動団体ではございませんので、こういう事ばっかりやっている事は出来ません。
地方によってはそういうものを開催してくれと言う希望があれば、その都度考えていくという事で取りあえずはこの東京での集会を一回成功にもって行きたいと考えております。

それから情報収集についてですが、これは今のところ私たち自身が中国・韓国あるいはタイとかには入りますけども、北朝鮮の中には今のところ残念ながら今のところ直接入る事ができないいうことで、これは個別にですね。
他のNGO、日本国内であれば難民救援基金とか、あるいは守る会の方とかのご協力も頂きまして、そして脱北者の方々、マスコミの方々と連携をしてやっていくということでございます。
同時にすでに130人あまりと言われておりますが、日本国内にいる脱北帰国者の方が来られておりますので、こういう方々にもですね。
拉致被害者の情報と言うのはあまり持っていないと思いますが、北朝鮮の一般的な情勢を含めて我々の可能な事を含めてですね。
やってまいりたいと思っているところです。

それから「しおかぜ」はすでにこの3月から日本国内からの送信が開始されまして、丁度電波状態が春から夏にかけて良くなっておりますので、大変よく聴こえている。
妨害電波は断続的に出しておりますが、ソウルの辺りでは妨害電波の方が全く聴こえないという状況ですので、かなり聴こえているのでは無いだろうか?と言うように思っております。
これをさらにやっていくために、今後我々も特別の事態に当たっては非常事態の対応の放送が出来るようにですね。
この準備も進めてまいりたいと思っております。

それからバルーンプロジェクト、いろいろなところで報道してくださっていますが、これは風船にビラをつけて飛ばすものですけども、それも我々だけじゃなくて難民救援基金それから守る会の方々と一緒にやっていこうという事でですね。
日本と韓国のNGOが連帯して活動できるようにしていきたい。
という事で、あるいは韓国の中では韓国のキリスト人権協会のですね。
李民復(イ・ミンボク)さんが大変苦労してやられているんですが、政府からの圧力もいろいろあるという事で、可能であれば我々がですね。
逆に独自に船舶を借りてそして風船をですね。
北の方に飛ばすという事も出来ないだろうか?

それから逆に東海岸の方でですね。
ロシアから北朝鮮に向けて寒流が流れておりますので、この寒流に乗せてペットボトルの中にビラを入れて送るというような事も出来ないだろうか?という事も検討しております。

それから直接の救出という問題ですが、これは一つは一番可能性が高いのは中国国境に拉致被害者を出して、そしてその人をですね。
外務省と連携を取って保護するということでございます。
これは外務省の関係者ともそういう時になったという打ち合わせはいろいろしているんですけれど、何とか実現をさせたい。
このためにはやはり現地にですね。
信頼できるエージェント及び活動拠点を何とか作っていかなければいけない、というふうに考えております。

・・・その2に続く・・・

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この講演会のテキスト化及び音声のネット上への公開については、調査会代表の荒木氏の了解を頂いております

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