カテゴリー「戦略情報研究所 (2006/2/24)佐藤守氏講演」の記事

2006年3月10日 (金)

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション 講師:佐藤守氏」レポート その6

『質疑応答 その3』

★一般参加者5

先ほどの意見で金正日を拉致しちゃえと言うのは非常に良いアイデアだなと。(会場内くすくす笑い)
やっぱりイラクなんかと違ってトップが本当に独裁だと思うので、首を取ってしまえば何とかなるんではないか?と思うんですよ。
佐藤軍長は現役時代、スクランブルとかやった経験があると思うんですけど、日本の航空自衛隊がロシアなり北朝鮮の空域を侵犯したりするという事は今まで無かったと思うんですが。

★佐藤守氏

まず無いでしょうね。

★引き続き、一般参加者5

例えば金正日が平壌を出たら、向かった先が日本海なら日本海の領空侵犯をちょっとしてやる。
東シナ海に出たらちょっとだけ首を出して、お前の居場所はいつでも分かるぞ見たいな作戦ができれば、相手も怯むはずだと。

やっぱり一番やらなくちゃいけないのは経済制裁をしなくちゃいけない。
世論をみていると日本一国じゃ無駄だと思う人もいるみたいですけど、これは経済制裁をシッカリしてプレッシャーをかけなくちゃいけない。
今日のお話を聴いていて大規模な救出作戦はこれは絶対に出来ないな、と思うんですよね。
やっぱり基盤も揃っていないし。
北朝鮮の内部の破壊を待って自然と帰ってくるようにする他にはちょっと思いつかないかな?と。
できたらちょっと、日本の政治家の問題になると思うんですけど、領空侵犯をしようと言う大臣が誰もいないというのもちょっと厳しいと思うんですけども。

★佐藤守氏

先ほどからでましたように、こんな状況で日米共同でやってる事は可能性はありますね。
ひとつは金正日の息子が来た時に田中真紀子が返しちゃった事ですよ。
田中さんの家にでも行ってね、少し抗議でもしないと。
これは許しがたい、千載一遇のチャンスを潰したと。
あれはアメリカあたりでは許さないと思いますよ。

もう一つは経済制裁と言いますけどね、これは悲観的なのは、いや万景峰号を止めるのは直接的に効果あると思いますが、何であんなの入れておくか?と言うことですね。
あれを止めてしまえば一番いいんですけども、しかしそれを別にしても経済制裁と言うのはすでに中国がやっちゃってますから。
もう殆ど効果ないと言ってもいいくらいです。
ただ、日本がやったと言う事は意味があるでしょうね。

もう時間が過ぎちゃってるんですよ。
さっき言いましたように清津のあのところに莫大な基盤をやってますからね。
日本がどれ位経済制裁をやっても追いつかんぞというくらいの、悲観的な状況。
しかしながらやる事はやる。
やらなければますます舐められますからね。
やってから万景峰号を沈める、沈めるってたいへんですけど(笑い声)通らせない。

それと国内で辛光洙に協力した人間を一網打尽でやってやる。
それからいろんな無税・非課税の所を課税をどんどん取る。
と言う事を次々にやっていく事が先ほどから言ってるように、私の先輩が過激に・・・(聞き取れず)って言っておりますけども、そういう形が相乗効果を表すんでしょうね。

最終的に自衛隊があそこに入ってやると言うのはまさに最終的な混乱に乗じた、それでも救う。
ある意味の邦人救出になる。
これはそういう事になれば世論が支持すれば、防衛庁も公然たる攻撃作戦と言う形になりうるとは思いますけどね。
現状でこれだけ突飛に持ち出してもおっしゃた通りで、それを知って頂いただけでも今日はお話をした(甲斐はある)。
ただ簡単に自衛隊行け!と言う事を言いますけども、中々難しい。
ただ国民はやる気になって頂けば、段階的に最後の手段は有り得るんだと言う事でしょうね。
どうでしょうかね?
荒木軍長。

★荒木和博氏

とにかく絶対に取り返すんだという意思を行動で示していかない限りは、向こうは絶対に力しか信じない国ですから。
こちらが力を使うという事を見せることによって向こう側も対応を考えざるを得なくなるし、また内部が混乱してくると言う事があるんじゃないだろうかと思う。
また、いろいろ話が出ていた情報の秘密の保全とかそういう事はこの国はかなりいい加減なんですけども、しかしじゃあ例えば北朝鮮が完璧に出来てるか?と言うとそういうわけでもない、わけでございまして。
その辺は今まとめている所でそのうちいつかお話する時がくるかと思いますが、1968年に韓国の大統領選挙で官邸をやられました北朝鮮のゲリラ、「シルミド」と言う映画の元になったやつですね、北朝鮮の。
あれの事を今調べているんですけども、調べますと非常に結構計画がずさんな計画で、途中でうんと変更したりしているうちにやめてしまうと。
いうこともありまして、ああいう人たちも結局そんなものなのかなとも思いまして。

結局弱いところはこっちだけじゃなくて向こうも弱いところはたくさんあるんですから、国全体に実力から言えば日本のほうが強いわけでありまして、あんまりだからこちらの弱いところだけを見てしまうと弱い弱いという事になってしまうわけですけども。
決してそれだけでは無いと言うことと。

それからこちらば100%で物を始められると言うことはまず絶対にないわけで、何かしらあちこち抜けて危ない状況で始めるという事になると思うんで、それを覚悟して。
ただ将来こういうことが起きるという可能性があるという事で、いろんなシュミレーションじゃないですけども準備をして作戦計画事案を作っておくということを繰り返し繰り返しやっておくと言う事が、いざという時にすぐに動けるという事につながっていくんじゃないかと思います。

ちなみに陸自のスクリ-ニングと言う事で言うと私は予備自衛官になるときにですね。
私はどうも引っかかったそうで、内局で問題になったとか言う話があるんですね。(笑い声)
やっぱり危険人物と言う事で(笑い声)、若干そう思われたみたいですけど、当時の東京の指令部長が掛け合ってくれて入れて頂いたと言うことがあるんですね。
やっぱりしっかり見る所は見ているんだなと言う感じがしました。

それで時間がだいたい参りましたので、本日はこれで終わらせて頂きたいと思いますが、まだはっきり決めておりませんので行わないかもしれませんけど、来月も同じ24日にここで講演会を予定しております。
この続きができないかと言う事も考えておりますが、またいろんな形でですね。
ご案内をさせて頂きたいと思いますので、今日は非常に有益な話を佐藤将軍からお聞きいたしまして、この中にも各方面で発言力のある方がたくさんおられますので、いろんな機会を捉えましてこういう事について考える機会を求めたり、あるいは発言をしていただければと言うふうに思う次第でございます。
今日は本当にお忙しい中、ありがとうございました。(拍手)

・・・講演会終了・・・
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「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション 講師:佐藤守氏」レポート その5

『質疑応答 その2』

★一般参加者1

あのですね、やっぱり大規模な軍事作戦と言うのは、実際は非現実的だと思うんですよね。
一番良いと思われるのは、北朝鮮がやってるように日本人を拉致したように、深夜こっそり海岸にボートに乗りつけてさらっていくと。
その前提として(北朝鮮は日本)国内に協力機関を作ってやってましたよね?
そういう形で北朝鮮国内に一つの日本の情報機関の出先みたいのを上手く作ってと、それが第一じゃないでしょうか?

そういうものがあってですね。
北朝鮮国内と日本を自由に、日本の工作員が自由に出入り出来るとか、あるいは誰がどこにどういう所に何人いるとか、そういう所が分かればですね。
深夜日本の潜水艦を使ってですね。
北朝鮮の沿岸に乗りつけてゴムボートか何かで何人か救出するとか。
そうすればどういう人がどこに何人いるかと言う事を国際社会に訴えることもできるし。

大規模な作戦を行うよりもその前段階の、北朝鮮が日本人を深夜さらったみたいにですね。
そういうことができる能力をつけるのがまず第一、じゃないかと思うんですけど。
それが一番現実的だと思うんですけどね。

★一般参加者2

このお話聞いていてですね。
これは一種の軍事作戦であり、またそちらからも強襲の必要性が出るかもしれないというお話があったんでね。
どっちみちそれならね。
逆に相手の金正日とか何かを拉致しちゃえばいいんですよ。(会場内笑い声)
ね、それだけの必要があるなら、当然考えるべきでしょ?
彼らにも息子もいるんだし・・・(聞き取れず)もいるんだし。

100人救い出すには本当に凄い犠牲が出ると思うんです。
真剣に考えればね、向こうも払ったんだからこちらも払うと言う姿勢こそ必要だと思います。
終わります。(拍手)

★佐藤守氏

金正日を潰すのはフセインでちょっと失敗しておりますけどね。
アメリカもだいたいリハーサルと言うか、それによって行動していると言うのが一番大きいと思うんですよね。

★荒木和博氏

情報と言う面から言えばですね。
その同じ思いを持っているのは、北朝鮮からの脱北者、が韓国には約7000ですか。
と言う方がいて、この方々は殆ど盧武鉉政権で喋れない。
韓国の状況に対して物凄いフラストレーションを持っていて、何とかして北朝鮮の体制を潰してしまいたいと言う思いを持っている方が非常にいて、その方々が北の中でネットワークを持っている方が結構おられるようですが。
それは韓国の政権との共同作戦は出来なくても、個別にそういう人たちの手を通して情報を得るとかですね。
いう事も可能であると。
当然、今言われたように結局一番の根元はそこにあるわけですので、それに向かってやっていく事の一環だと思えば当然かなり協力をしてくれる人は出るのではないか、と言うふうな感じは致しました。

★一般参加者3

佐藤先生、大変貴重なお話今日もありがとうございました。
「作戦成立のキーポイントは機密保持」と言うところで、国内問題と言うのを仰っておられたんですけど、大変失礼な質問を致しますので最初に謝っておきます。

自衛隊員も一杯いるわけじゃないですか?
そうすると一般社会と同じでピンもいればキリもいると言うのは世の常識ですから、日本にも北朝鮮のスパイ組織と言うのは非常にたくさんあるわけですよね?
よくSAPIOでは「あなたの隣に赤いスパイがいる」と書いてますけども、そういった意味でスパイが一番入り込んで国益に反する部門は国防、軍事ですよね?

最近自衛隊員の中でいろいろな方がいらっしゃるようで、PCから(情報を)流出しちゃったとか、いろんな事があるようなんですけれど。
一番怖いのはいわゆる、先生もさっき仰ったんですけども日本人に成りすましているっていう、成りすまし日本人と言うのが多分たくさんいると思うんですけども、それが自衛隊の中にどれだけいるのか?っていう。
もしいたとしてもそういう不祥事が有ったら、絶対表に出てこないと私は思うんですね。
私は軍事オタクでも政治オタクでもない単なる一般人なので、そこに興味があるんですけども。

そういった自衛隊の中に北朝鮮のスパイ組織が、例えば昔はソ連が良く手を出していましたけど、侵食している可能性があると思うんですけど、有ったとしても今の政治状況からしたら絶対に出て来ないと思うんですが、そういった方面はどうなってるんでしょうか?
できれば非常に言い難い問題だと思うんですけど教えて頂きたいんですが。

★佐藤守氏

拉致の皆さんから、えらい、私の方はつるし上げ・・・(笑い)
あの~~~、今仰る通りなんですね。
スパイ防止法がありませんから、基本的には国民も自衛官もみな一緒ですからね。
それで非常に指揮統率するのに苦労しているんです。

しかしながら強いて弁解すればね。
例えば防衛大学に入るとか、一般隊員に入るとか、全部一応スクリーンにはかけられている。
かけられているんですが、昔はお父さんが赤旗を読んでるくらいで全部落ちてましたけども、今はそこまで行ってるかどうか?
個人情報だとか今度人権法通らなくて良かったんですが、いろいろなしがらみがありますと防衛庁も役所の一つですから、それに従わざるを得なくなると言うふうになってきますよね。
そういう間隙が随所にあると言うことは事実でしょう。
今度僕は海上自衛官ではありませんから、もっとシッカリせい!と怒鳴りつけてはおるんですけども。

PCを使うという事に対してはですね。
僕は内部でも非常に抵抗があった。
これは使うのは余り好きじゃないし下手だから、電話自身だって盗聴されているわけですから。
いろんなゆうぐ(?)を使うという事を平時で行うときは、私は部下に言ってたわけです
例えばね、非常呼集があってファントムを使うでしょう?
8機・・・(聞き取れず)空隊を組んでをパ~ッと作るでしょう?
それ何分くらいでやるか?と言う話でそれを急いでやるわけですよ。
それを何時完了何時完了と言うのを競うわけですが、○○○(聞き取れず)が劣勢とか、ここはが○○○(聞き取れず)が届いていないとか、無線連絡が全部聞かれるわけですよね。
周波数が先ほど言いましたように極秘無線を持ってませんから。
これはもうトラックの運ちゃんが東名に来て「おい○○○って言ってるぞ」って言う話になるわけですよね。
そういう所は全く安全性が無いわけですけども、そういう時は「スズメが三羽足りないよ」とか「うちスズメが二羽来ているよ」とかそういうサインでやってたんですよ。

それからもう一つ言うと実にちゃちな話ですよ?
ちゃちな話ですけど案外難しいのは、私が三沢におりました時にですね。
ASM1という当時極秘の空対艦ミサイル、国産の実射訓練をやってもらったんですよ。
こういう事をお前たちやれるか?と後で言ったんですけどもね。

空対艦ミサイルを襟裳岬の南の訓練海域で撃つんですよ。
実弾をね。
それを海上自衛隊の船の掃海艇の古くなったのを実射で潰すんですよ。
それも大変な実射のミサイルを撃つんですから、一生懸命命令が出てから準備万端を整えて、F1戦闘機に積んで撃って発射して飛んでいくのを脇でずっとミサイルを8ミリビデオに収めながら報告して、ゴ~ンと行って離脱して飛んでいく瞬間までそういうデータも取るし、いろんな訓練をやってたんですよね。

その命令を出してね。
基地全体が緊張をしておったわけです。
天候偵察をやっておったパイロットで非常に気の利いた私の部下が、「撃て!」と言ったら「チャンネル変えろ!」と違うチャンネルに切り替わったんですよ。
もう今はいいですよね?言ったって。
余り使ってない予備チャンネルに切り替えたら、「撃て!ツキカマの船!ツキカマの船!」
ツキカマの船って分かりますか?
要するにソ連の(旗の)マークをつけた船がいる。
「配置し直せ!」って事で、何々、何々とやっていたら、我々がミサイルをある射程から撃とうとしているコースに、ず~っとソ連の大型トロール漁船団がいたんですよ。
偶然ですか?
漏れてましたよ。
それで直ちに中止。

それで上級指令に「今日の演習は中止」と言ったら「何を行ってるんだ!日程が無いんだ、一日伸びたら・・・」と言うので、情報班に言って全部低空飛行で写真を撮って来させましたよ、その船を。
それを8ミリビデオに焼きまして、全部ソ連の大型漁船で我々のコースの先に網を流してましたよ。
破片を拾う為に。
その船の一隻にはカモフというね、小型偵察ヘリコプターを積んでましたよ。
こういうのを全部撮って情報班が写真を上げたら、(上級指令は)びっくりしちゃって今日は中止でお構いなし。
それで私の方は全部に聞こえる共通周波数の電波で「本日の訓練は中止するぞ~!全機引き上げて来い!」と言ったんです。
一番先に引き上げたのはソ連の船団ですよ。(笑い声)
このチャンネルを聴いてるな?ってことですよ。
情報が分かる奴がいるな?ってことですよ。

不思議でしたね。
それが国が生きるための懸命の策なんです。
それでバラバラバラっと船が動いてから「夕方からやるぞ~!」って、やりましたけどね。
上手く行きましたけど、そういうことなんです。
海上保安庁に実はそういうエリアでの訓練の計画を出すんですよ。
まず、そこから抜けたと思いますね。

自衛隊ではそういう対応を全部やってますけども、やっぱりね、まず宗教から入ってくるんです。
我々のころは非常に厳しくてね。
ご精通の・・・(聞き取れず)の自衛隊で宗教がありましたけど、こういったことは許せない事ですからね。
非常に難しかった。
それを分かった時点で彼は昇進が止まりますし、そう言う規律に当たらない所に行くんですよ。
あるいは奥さんがそういう活動をやっていると幹部に分かりますと外しましたからね。
今はそういうことは人権の問題で、やったら大変でございますよ。
こういうのはね、軍隊と言う組織では適用除外するべきなんですと思いますね。
非常に、だから今はやり難くなっています。
差別の問題とか、こういった事は結局政治でしょうね。

恐ろしいですよ、例えばつまらん話で三沢で海自の幹部やってたんですけどニコニコマークのですね。
お日様マークのチラシが一杯入っていた、官舎に。
何だ?ってすぐ調べさせましたら、民青同ですよ。
官舎の仕切りの中でね、朝市やるんです。
誰が許可したか?っていうと、誰が許可したも何も無い。
・・・・・・・・(聞き取れず)そこに許したおばさんおじさんが来てやるから、「それは止めてください」と言えなかった所に入って来たんです。

そしてその後を洗いましたら、何と恐ろしい事に、あそこは冬になると灯油が必要なんですね。
そこの組織は灯油が安いんですよ。
官舎まで全部届けてくれるんですよ。
それでね、その会で許可取ってませんでしてね、その(灯油を)取ってる人は、先輩の奥様方に聞いたら「安くてとっても便利ですから」
そのためにすぐ潰させましたが、例えば私が「うちの官舎にあれを持ってきて頂戴」といったら、住んでる個室の全部の名簿を出させるんですよ。
その企業が。
裏は民青ですから。
そうすると名簿が全部出来てね、どこに誰が住んでいるか。

今度海上自衛隊のコールサインが出たようですが、あれ全部入れ替えな来ればならないので大変な作業でしょうけれどね。
陸海空全部つながりますから、太平洋艦隊から何から全部大作業しなけりゃならない。
しかしそれはやらなければならない。
そういう事が平然と行われていて、私は先輩怒鳴りつけたんです。
「奥さんの教育が成ってない!」と怒鳴りつけた事があるんですがね。
「すみませんでした」って、すみませんで済まない、その名簿が全部行っていた。

それから公明党ですね。
全部名簿を持っていくんです。
うっかり善人でやっていくと、これはね。
難しいですよ、全部に徹底してやって行くのは。
それから意識ですよね。
少なくとも制服を着ている人間はね。
武器を持っているんだし、国民の生命と直結しているんだから、そういった所には常時(危機意識を)持ってないといけないでしょうけど。

非常に仰る通りで難しい。
でもスクリーンはやってますし、身内の中に身辺調査とかいろいろやりましてね。
調査と言うのは公安と一緒ですけどね、そういうのは有りますから、まだ一般の会社よりは良いんでしょうね。
当然ですけども。
それでも物足りませんね。
その結果は防衛秘密が出たり、お金が、そういった事になるとついつい貰ったりね。
そういうお金の魅力、女の魅力ね。
まぁどこかの総理大臣ほどの事はないでしょうけど、(笑い声)お金ですよね。
あるでしょ?いろいろ、○○事件では・・・(聞き取れず)あれで全部ねたを漏らしたり、驚天動地の事でございますよね。
そういう事が平然と行われているけれどもまず、やれないですね。

しかしね、あえて反論させて頂ければね。
政治家の秘書が一番恐ろしいんですよ。
宮沢さんの時にですね、国際化と称して大臣の秘書に外人を入れたんですよ。
それをね、ムルデカとか何とかしらないけれど(鈴木)宗男さん、なんでアフリカ人まで日本の沖縄庁長官の防衛政務次官の秘書でいるんですか?
仮に百歩譲って彼が日本に帰化しているということであれば別でしょうけどね、あの当時は違った。
そういう人が防衛政務次官に来た時に、ブリーフィングせにゃいかんのですよ。
そうするとね、それは全部国家機密ですよ。
おそらくあの人は読まないだろうから「置いとけ~~!」って言うでしょうね。
置いといてどうするんでしょうか?あんな機密を。
持っていきますよ。

しかし置いていけよと言われたら、置かざるを得ないですよ。
しかし自衛隊の官僚は困りますよね。
制服はもっともっと困りますが。
コロッと半年か一年で交代するわけでしょ?
そういう事を繰り返しているんですからですからね。
防衛庁の中には秘密あって軒を落とすって、これは極論しますと一生懸命努力してもね。
政府の方が抜けてる。
だから代議士の秘書にね。
国際化などと称して他の国の人が一杯入っているという事は、もうあの時点で防衛と言う物は非常にやりにくくなって、現場は・・・(聞き取れず)と言うと語弊があるけど、そんな事をやっている。
自衛官だけを(責める)よりもああいう人たちがいることの方が私は恐怖です。

それが何に響いているか?というとアメリカですよ。
アメリカは許しませんよ。
恐ろしくて超機密なんかね、自衛官にまではギリギリ出してもですね、そんな事防衛庁とはやりませんよ。
今普天間でもめてますがね。
そういう所の事も私たちは真剣に考えないと、切り捨てられるのは韓国だけではないということですよね。
仰るとおりでこれは非常に厳しい問題で、拉致の皆さんで一刻も早く帰国を願っていらっしゃる方とは違いますね。
非常に苦慮している問題です。
すみません、長くなっちゃって。

★一般参加者3

ありがとうございました。

★一般参加者4

(中略)・・・それくらい日本の国って筒抜けって言うか、話にならないくらいだと思うんですけど。
どうなっちゃってるんですか?

★佐藤守氏

増元さんおられますけどね。
拉致被害者の方で帰ってこられた方で動きが取れないのが実態だと思いますよ。
一生懸命やろうとしてもどこにどんな人がいるかね。
「お帰りなさい」と旗振ってる人の中にも一杯いると思いますからね。
めぐみさんの時ので分かるように、辛光洙がどうのこうのってそれだけじゃないですよ。
国内で白い車持ってね。
ゴムボートに乗せて、辛光洙みたいな人が一杯いるわけですよ。
その中でめぐみさんが、ああいう非情な事を一杯やったわけですから。
しかしその人たちもまた金正日に人質取られちゃってるんですよね。
そこをどう折り合いを付けていくか?
自分達の向こうに行っちゃったのを決着をつけちゃって「日本人になりきる!」って言えるのかどうか?ですよね。
私はこういった事はやりませんけども、いずれにしても情報と言うものが非常に難しい。
これからをどう考えるかですね。

・・・レポートその6へ続く・・・
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2006年3月 8日 (水)

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション 講師:佐藤守氏」レポート その4

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション 
          講師:佐藤守氏」レポート その4

『質疑応答 その1』

★荒木和博調査会代表 挨拶

このような形でのシュミレーションと言うのは初めての事で、皆さんもこういうこともあるのか?とお分かりになった事もあると思います。
先日の日朝の協議で何も前に進まなかったという様子を見て、単なる話合いではどうしようもないと思われた方は多いと思います。
このところ朴とか辛光洙とか話が出てきますが、彼らに対する国際指名手配とかやった方が良いんですが、あれをいくらやっても被害者は帰って来るわけではございませんので、今後いったいどうすべきかと言う事を我々は突っ込んで考えなければいけないのではないか?と言うのが今回の講演会の趣旨でございます。
これから質疑応答に入りますが、一番最初に地図をたくさん使われた恵谷さんがおいでなので一言ご返答していただければと。

★恵谷治氏(軍事ジャーナリスト)

こういう作戦の前提は、先生のお言葉の言う「目標の確定」が全てでして。
私もいろいろシュミレーションをするんですけども、結局は目標がどこに行っているかどういう状況かと言う事が明確にならなければ全くの机上の空論。
作戦の一つの事例として自衛隊の邦人救出と言うお話をされましたが、この邦人救出作戦と言うのは彼らが集合地点に集結して隠密に動けるという前提、あるいは隠密でなくても先ほど言われた村長(むらおさ)が出てきてリーダーシップをとって動けるという事であれば、私は作戦は可能だと思います。
逆に拉致被害者の場合は監視が厳しくてそういう事が出来ない場合は、よほどの偶然が重ならない限り自由行動は出来ないという前提で作戦を考える必要がある。
となるとこれは本当に軍事技術的に厳しい。

もう一点は例えば100人被害者がいたとしても、100人を同時にと言うのは不可能。
技術的にも絶対に不可能。
となれば涙を呑んでこちらを切ると言うという決断が無い限りは作戦は決行出来ない。
何人かを救出して後の方はどうなるか?と言う事を考えると、本当に真剣に考えれば考えるほど救出作戦は難しいなと。

★回答 佐藤守氏

仰るとおりですね。
今ワンポイントに絞ってもギリギリの戦いなんですね。
恵谷さんが仰られたように、救う人が仮に100人いたら20人で作戦を打ち切りにせざるを得ない可能性。
その優先順位ですね。
これが助けに行った人間も作戦を指揮した人間も一生残るんですよね。
非常に難しいと思いますね。
大風呂敷を広げて100人全員を救うと言う事はどう考えても非常に公算が低いのでどこかに絞ろうと。
逆に恵谷さんに聞きたいのですが、そういう行動をしたときにこれは当たるも八卦なんですが、北朝鮮はどういう衝撃を受けるか?どういう行動をするのか?
これは他にご意見があったら聞きたいのですが。

荒木さんが(資料を)出されたでしょう?
これは大変面白くて、ご精読いただきたい。

(注:佐藤氏の言う荒木氏の資料とは、講演会で配布された資料の中にあった以下の物の事を指しています)

1 日本海軍の北洋漁業保護の実例
  府本昌芳「海軍旗の下の北洋漁業」『文藝春秋社』(昭和31年6月号)

2 救出された漁民の回顧
  インターネット情報(出処不明)

3 日本海軍の北洋漁業保護の方針
  飛内進『大湊警備負沿岸革史-北海の護り-』(平成12年7月15日)

(中略)

・・・野村さんの部下といますか、海軍補佐をやった男なんですが、それがいろいろ書き残した物がありましてね。
それを引っ張り出してきたんですが、そしたらこれが大変面白い。
横浜に飛行場部隊があったんですね。
大型飛行、これが南方経路をずっと飛んでいたんですが、ちょっとこれ短いんで読んでみますがね。
これと殆ど同じなんです。
これが非常に大きなインパクトを与えてソ連が折れて日ソ交渉が進展したというんですね。
デモンストレーション飛行と言うのが、横浜航空隊始末記とかいう、田村○○さんと言う隊長がこう書いている。

私が横浜航空隊に勤務していた時であった。
昭和14年1月末だったと記憶する。
飛行艇の耐寒訓練をすることになった。
大型飛行艇4機と共に急に青森県の大湊に進出せよと言う命令を貰った。
ところがここに面白い指令が付いていた。
それは各種の耐寒訓練を実施すると同時に航行訓練を頻繁に行え、というような命令だった。

航行訓練と言うのは楽しくてね、私も良くやりましたが、勝手気ままにエリアを決めて、飛んでくるんですよ。
うんと低空飛行するときもありますし、山の間を(飛ぶ事もある)

しかもそのコースですね。
コースは必ず北海道の小樽ですね。
小樽上空を南から北に向けて飛べと、高度も1000メートル以下が望ましい。
要するに下から見えないといけないから、なるべく見えるようにしなさい。
南から北へ帰るときは小樽の上空を突っ切っていきますね。
一旦戻る時は小樽を避けて、はるかに洋上を飛ぶかあるいは北海道を一周しても宜しい。
これはパイロットは大変面白いですからね。
小樽市内だけを1000メートル以下で通過すれば後はどこを飛んでも良いんですから。
樺太まで飛んでも良いんですから。
で、この田村隊長は妙な制限だな?と、しかしながらこの指令は軍隊長以上にのみに申し送り・・・これは秘密保全ですね。
予定された搭乗員は訓練飛行をするだけで良いのであった。
したがって時には北海道を一周したり、筆者も樺太の国境付近まで飛んだ。
問題は小樽上空飛行のなんど(?)であった。

当時は日ソ漁業交渉で両国の意見がまとまらず、新聞が毎日その険悪な状況を報道していた時であった。
そしてこの訓練も一週間で終わり、横浜に撤収した。
同時に日ソ漁業交渉もようやく妥協に落ち着いた、と新聞に報ぜられた。
その直後海軍省の情報関係者から横浜航空隊の小樽航空飛行は相当効果があった。
それは何か?と関係者が後で聞いた話では、当時小樽札幌方面にはソ連の情報担当者・エージェントがたくさんいたと。
現地の情報を刻々とソ連に通報していたと。

そういうことを軍隊が全うでしたからちゃんとやっていたんですね。
今は公安ですけど。
それで電報を打ってたんですね、エージェントが。
そのエージェントが日本の大型飛行艇が盛んに北上している。
もしこの日ソ交渉が決裂した場合には何かに備えているのだろう、と言う意味の電報を打電しているのを傍受した。
その当時この飛行がどの程度効果があったか具体的に分からないけれども、心理的には相当の効果を思わぬところに伏兵がいるもので、デモンストレーションとか謀略とかは普通の常識では考えられない。
と田村さんは書いている。

これなんか典型的に面白いんです。
こういう実に面白い戦争ごっこを日本人は忘れてしまっているんですね。
ですから対話と圧力といっても圧力のかけ方を全く知らない。
私は現役のときから言っているんですが、小松に集まって航空自衛隊で大演習をやろうと日本海上空でですね。
あるいは海上自衛隊との共同作戦をやろうじゃないかと、これは我々は日常の訓練でございますけども、彼らはそうは受け取らない。
勝手に思わせて置けばいいのであって、ギリギリの所まで行けばいいんですね。
こういう軍事力の使い方をしないでいると言うのは、「百年兵を養うは、一日にこれを用いんがため」だと言う事を全く忘れている。

たまたま荒木さんがこれを送ってきましてこれを読んで、あぁ、これはうちにもあったなぁと思って。
これは実際恵谷さんが仰ったように公算は非常に低い。
とにかく、全員パーフェクトに救いたい。
気ばっかり焦りますよね。
下手をするとイラン大使館のようになりますけど、それをやらせないでどこかで線を引く。
あるいはこういったデモンストレーションが逆に日朝交渉を進展させて、その辺の所どうでしょうかね?佐藤さん。
西村さんでも良いけど、難しいでしょうかね?

★佐藤氏

え?僕ですか?
お話ありましたように、いわゆる情報の協力者の確保もそうですけども、情報の欠如と言うのがとにかく大きいと思うんですよね。
仰るように目標の定位置・定点に集合させる事、結局現地はいわゆる日本人が、通常普通の国だと商社マンがいたりJICAの人間がいたりしますけど、あの国と言うのは日本人がいないわけですから、そうなると向こうの国民を
先ほど言ったように信用が出来ないという、この辺が大変難しいんじゃないか?と感じました。

★西村幸祐氏(ジャーナリスト)

佐藤先生が仰ったんですが、「百年兵を養うは、一日にこれを用いんがため」と言う事を忘れているということなんですが、今日のこの催し自体がですね。
荒木さん、最初にハレーションを起したと仰いましたが、どのようなハレーションかちょっと分からないんですが、こういった自衛隊による拉致被害者救出シュミレーションと言う講演会が行われた事自体、今の北朝鮮に対しての新しい圧力に実はなるんではないか?と思うんですね。
今までこういった事が余りにも無さ過ぎたんですから、それだけでも今日の講演の意味が、内容ももちろん意義があるんですが、行われた事自体有意義だと思います。

★増元照明(家族会事務局長)

非常に面白く聞いておったんですけども、否定的なことばっかりがちょっと頭に浮かびまして、定時・定点はまず無理だろうと言うことでしたね。
陸自が主体になっていくと言う事でしたけど、私たちが考えている救出手段と言うのは、被害者全員ではなくとにかく誰がどこにいるかと言う情報をつかんだら、そこに飛行機なりヘリなり飛んでいって、そしてその人を密かに救出してくる。
向こうは北朝鮮は死んでるし、いないと言ってるんですから、そういった人たちが1人でも二人でも出てくれば、世界中で北朝鮮の拉致と言うのは認識されていますから、それ以上手を出せなくしてしまうと。
そちらの方が私は良いと思うんですけども。
それでとにかく否定的な事を考えると情報の秘密保全ですね。
官邸が今ちょっと朝鮮総連をつながってますので、それは無理だろうと。
総理が代わらない限りちょっと無理だろうなぁと言うのが私の実感です。

★回答 佐藤守氏

そうですね、このシュミレーションは法的な事は一切無視して話をしているんで、法的に言われた中で法的に死亡したと、殺された人間を隠密に上手く救い出す事が出来たらこれはヒットです。
100人を一挙にどころではないですね。
確かに。

★荒木和博氏

司会者は喋っちゃいけないんですが、今増元さんが言われたように隠密で誰か引っ張り出してくる。
これは何とかして誰かに接触して本人の帰国意思を確認した上でどこかに連れて来てという事が可能であれば、それで明らかになっただけでも、それによって政治の部分が動いてと言うことはひとつはあるかもしれませんが。
ただこういう事は思ったとおりにだいたい全て行かないので、途中で上手くいなくなった場合にある程度強襲をしなければいけないという事も当然含めて考えなければいけない。

いい加減な推測だといわれてしまえばそれまでなんですが、北朝鮮と言う国の特性からすると、脅かせば強い事はおそらく出来ないだろう。
こちら側が強く出て徹底してやれば相手方のマインドの方が崩壊していって、それが外に出てくるという事は非常に考え難いのではないだろうか?
そうなった時に外に対して出て行くとか、あるいは内部で我々にとって否定的な事をするという事に対して、中国を含めてブレーキを掛けざるを得ないのではないか?というような感じを私はしています。

先ほど西村さんが言われたような事なんですが、こういう事をやっている。
それで日本の中でこういう事を考えていると言う話は北朝鮮もさることながら中国はかなりもっと敏感に感じるでしょうから、とすると北朝鮮のお陰で寝た子が目を覚ましてしまうと。
これは拙いと言う事は当然彼らは思うであろうと。
そうすると何をするかと言うと北朝鮮に対して何らかの圧力をかけざるを得なくなるだろうと。

そういう意味の圧力もあるんじゃないかと思うんですが、ある程度強襲でやらざるを得ないとなった時には、全ての被害者の安全を確保せよと。
それを北朝鮮の体制に対して強いメッセージを与えることで、内部が割れたときにある意味で言うと、拉致被害者の身辺を安全にすると言う事が最終的に自分達の安全につながると言うように思わせていくと。
これは今からでも当然やっていかなければならない事ですが、そういう事を全部合わせて行うと言う事があるのではないか?

今我々がやっています短波放送も今ひとつは情報を出してもらいたいという事で、東京郵便局の私書箱を繰り返し繰り返し番号を流してですね。
情報が取れないか?と言う事をやっている。
それで(情報が)来れば何らかの動きが出来ますし、最終的なお話は終結地点とかそういうことのインフォメーションを短波放送で流せるのではないだろうかと言うことがありまして。
ただ当然放送で流せば相手方にも聞かれてしまうわけで、やる事に制限はあるんですけども、最終的にはそういう使い方をするという前提があるわけですよね。

あとは情報の収集と言うのも、収集と保全と言うのは非常に難しい問題であるんですが、吹けば飛ぶような特定失踪者調査会にだって、情報は入ってくるわけですから。
いわんやそれにもうちょっとプラスアルファがあれば、現時点でどこに誰がいるか?と言うのも、今の北朝鮮の状況と言うのも考えれば入ってくるのではないだろうか?と言う気がしておりますんで、その方法はいろいろあると思います。

ただ先ほどの何人か諦めなければならないという覚悟もありましたけれども、そういうことも含めて救出をすると言う事はただ待っていてそのうち良くなるでしょうと言うような、天気が良くなるのを待っているようなことではなくて、本気で命懸けでやらざるを得ないと。
それを国民全体がある程度コンセンサスを持てるかどうか?と言うことにもかかってくると思うんですね。
今までのように放っておけば全然返って来ないわけでして、何かの決断をどこかでしなければならないということ。
そういう精神的な問題と言うのを、実際に運用する側は軍人がやるわけですけども、それをバックアップする意味で国民であれマスコミであれ、そういう覚悟は求めていかなければならないんじゃないだろうか?
そこらへんを含めていろいろご意見があれば出していただければと思います。
どなたか・・・

・・・レポートその5に続く・・・
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2006年3月 3日 (金)

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーションその3

 講師:佐藤守氏」レポート その3

・・・資料紹介・・・

◆編成組織の一例
◆通信系の一例
◆目標の確認
◆洋上前進基地の一例
◆作戦の概要

結び

日本国民の一致団結
国内外における『秘密保全』

『百年兵を養うは、一日にこれを用いんがため』

・・・資料紹介終了・・・

編成組織について。
中央即応集団と言うのが約3200人。
第101特殊武器防護隊、これは大宮にあります。
第一ヘリ団、これは木更津・相模原にあります。
特殊作戦班、これが母体となって全国に広がるんでしょうが、習志野駐屯地にあります。
第一空挺団(=習志野駐屯地)これは昔から荒くれ者の集まる非常に精強な部隊である。

余談として。
御巣鷹山の時、場所が特定出来なかったので空挺団のヘリを翌日出したら朝日に散々叩かれた。
事故現場は三県の県境で最初現場は長野県と言われていた。(実際は群馬県)
今だから言うが、警察無線も自衛隊には入らなかったし、陸海の隊員が自らの非常呼集で出てきたんですけど、翌日よくやく場所を特定出来たが今度はこれを伝送する装置が無かった。
初め長野県だと言う事で派遣していたヘリを一回戻して出したら、何だあの指揮は!と朝日の記者や編集員から叩かれて酷い目にあった
あの時の自衛隊の装備・情報からすれば仕方の無い事だが、結果として救援が遅れた。
第一空挺団はホバリングが出来ない状況で、生存者の女子中学生をロープ一本で身を挺して救出した。

余談の余談として。
航空自衛隊も御巣鷹の事故の時には出動したが、平らな所で飛行機をいじるのが航空自衛隊。
足場の悪い山の現場では息切れがするがそれでも若い者は良くやってくれた。
軍手から下着から死臭が染み付く様な現場で、食事に出された牛肉の大和煮をぺろりと食べて活動したのが陸上自衛隊である。
これが空と陸の差だが、あのとき第一空挺団は山を削ってヘリポートを作り、そこへ水やYTRなどの物資を届ける為に新聞社のヘリが次々と降りてきたが、煽られて谷底に落ちて怪我をした人がたくさん出た。
余りにもひどいという事で航空自衛隊が上空をYSで飛んで空中管制をして、見事にヘリを左回りにさせて入っていくようにした。
それらの事実は表に報道されてはいない。

緊急即応連隊。
宇都宮に入るのは化学兵器、こういったものが入る。
主として南西方面の島しょ防衛をやっている。
非常に精強なようなので、こういったものに大いに期待する。

いずれにせよ(救出作戦の)中心となるのは陸上自衛隊に間違い有りません。

通信系について。
宇宙通信などサマワでもやっているので訓練済みである。
中央と現地その周辺などにおいてバンドは確立する。
これは装備部長、あるいは防衛部の通信課長は言わなくても確立するでしょう。
強いて言えば民間の周波数をどのように制限するのか?
電波法とかNTT法とかいろいろあるが、平時では有りませんからそういった物をどうやるのか?
なにせ(自衛隊は)憲法違反の組織なのでその辺の所はどうやるのか?

余談として。
演習の時は高速道路に車を通そうとしても陸運局に許可がいる。
御巣鷹に戻りますが、浜松や静岡から無断で行ったんですね。
全員作業服に着替えて飛び出したら、大半が財布を持っていなかった。
それで車に乗って東名高速に乗って行ったら、東京料金所で金を請求された。
「誰か金を持ってないか?」とやっていたら後ろで「こら!自衛隊何をやってるか!」と言われ「すみません」と謝ったりした。
田中慶秋先生が「お前らなにやってるか!」と言う事で、今度は災害派遣出動中と書いて運転席に貼って出したら「ご苦労様です」となったんですね。
やれば出来るのに政治家はやらない。

築城基地で行橋で大水害が派生、築城基地から空自を延べ1000人出した。
道路が冠水して車が動かずその中で自衛隊の部隊に優先権が無い。
警察にパトカーで優先しろといったが数台しかないパトカーが出払っていて無かった。
行橋警察署に特別許可をくれと言ったら自衛隊に任せるというので、シーツやベニヤ板で「災害派遣出動中」とトラックの脇や後ろに全部貼らせた。
そうしたら長距離のトラックの運転手も「ご苦労さん」と皆道を空けてくれて警察の誘導無しで現場に行く事が出来た。
今は大分法律も変わったが、昔はそれが実態です。

御巣鷹の事故のとき、警察の日当が3000円か4000円付いた時に、自衛隊は一泊二日で640円だった。
それも一泊二日で24時間以上勤務した時に初めて一日分640円の手当が付く。
苦労して深夜朝の3時に出動して行って夜中の11時に帰ってきたら、日当は出ない。
あれは汚いなぁと言う事で何をやってるんだという話になったら、すぐ改正があってちょっと上がった。
我々は差別される事には慣れているから構わないが、そういった事はたくさんある。

※関連記事 佐藤守氏のBlogより「災害に学ぶ」
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20050907

レーダーなどはペトリオットなどを持っていって出すと、周辺に影響を及ぼす。
だから中々出せない。
障害物の無い所人家の無い所で非常に訓練は厳しく、従って我々自衛隊は外に出て行きたい。
国内ではモテないが外ではモテる。
外に行った方が弾もバンバン撃てるし電波もバンバン出せるので、アメリカへ行くぞと言うところで、PKOの話が出たらみんな喜んで行ってしまった。

サマワで死ぬかもしれない。
「いや、死んでもいい。我が家でひとり靖国に入ったのがいないといかんので私が最初に入ったらと(サマワに行ったが)この間生きて無事に帰って来てしまいました」
そう言うのがたくさんいるわけです。
国際平和協力活動の経験は、こういった救出活動のときに当然使えるんですね。

何度も申しますが、目標の確認であります。
平壌周辺の防衛施設です。(スクリーンにはSAPIOに掲載された平壌の詳細図を映す)
この地図を作った人にぜひ先遣隊をやってもらいたい。
小学館にはこういう作戦室が有るのかもしれない。(会場笑い)
これら現地の写真と衛星写真を合わせて、どこに集合地を作るか、どこに集めるか、どういう手段があるか?まずはこれなんです。
もちろんこの周辺にどんな警備隊がいてどんな装備があって・・・中々難しい所ですが、これさえクリアできれば、かなりの所まで作戦は進捗するような気がします。

洋上前進基地について。
スマトラ沖の地震災害派遣でバンダアチェへおっとり刀で行かされて、海上自衛隊もこういった船からホバークラフトを使い資材を上げてヘリを上げて、航空自衛隊は余り表に出ませんでしたがC130で支援をした。
これが一つのモデルケースになる。
洋上前進基地としての、これは災害派遣ではあるが、こういった物はある意味で訓練済みであると私は思う。

作戦の概要について。
邦人救出の流れをどうするか?
情報を通知をして拉致被害者の皆さんへ終結指令を出す、これが一番難しい。
皆さんが自力で非難していただく、これも非常に困難である。
全員が一緒にいなくなると拙いから遅れるとか何とか出てくるんでしょう。
お歳の方もおられるでしょうし、妊娠している方もおられるでしょう。
そういう方々がどうやって自力で非難して来られるか?
受け入れ場所も極秘にさりげなく分散して、怪しいと思われてはいけない。
そこへだ~っと乗り入れて基地へと移動して、あるいは洋上の中継基地へ移動する。
このまま船か輸送機か日本へ帰る。

邦人のAグループと邦人のBグループ、いろんな人をここへ終結させねばならない。
普通の邦人救出であれば、集合地への誘導は大使館員がするが、だいたい実情を見るとこういう非常時の時には自然と現地の駐在員の中からリーダー的な役割をする人が出て誘導するのですが。
混乱の地でリーダーがどういう形で出るか?
拉致された皆さんは隣に誰がいるのか分からない状況ですから、これも非常に困難である。
ともかく邦人救出は1ヶ所かせいぜい2ヶ所に絞って救出すると言う形になります。

結びとして。
日本単独の奪還作戦は非常に困難性がある。
それをどのように持っていくか?
一つのサンプルとして普段やっている本物の軍隊、これを変える必要がある。

自衛隊は今まで鵺のような存在であった。
自衛隊は何のためにあるかといったら災害派遣がたくさん占める様に非常に国民に親しまれているけれど、軍事を拒否した国の非常に難しい所があった。
こういったいろいろな困難に対して、元々部隊が少ないのでそれに適応した救出作戦をやっていく必要がある。
出来ればアメリカには出て行っていただいて、我が国を自分で守る。
月に3回も家族で外食をするのをせいぜい半年に一回くらいにして、めざしを食べてでも自分の国は自分で守るというような事にすればそれが一番望ましい。
でも一旦味わった味は忘れられないだろうから、ならば将来を見据えてどの種の装備・訓練をするのか?

余談ですが今度の戦争、中国は間違いなく間接侵略に来ていると思います。
日本国内に来ている大学教授や留学生を1000名、これは王毅(駐日中国大使)さんのスタッフとしてやっているようですが、これはどこの国でも国家戦略として自分の国がやりやすいようにやるのは常識。
特に中国はそういう所は強い。
それに対応するには、ある程度の基準の航空戦力・陸上戦力は必要でしょうが、とにかくコンパクトで迅速に対応できる事。
どうしましょうか?などと言っている間に(敵に)やられるのだから、迅速な対応が出来る作戦能力を高める事が重要である。

・・・レポートその4に続く・・・
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2006年3月 1日 (水)

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション その2

講師:佐藤守氏レポート その2

・・・資料紹介・・・

◆作戦成立のキーポイント
 ・韓国の協力は得られるか?
 ・関係官庁の共同作戦
 ・米軍との共同作戦は?
 ・秘密保全は?

◆望ましい形態
米軍との共同作戦
   ※情報・・・かなりの精度で得られる
   ※支援・・・輸送、基地提供(韓国内)物資
   ※実行・・・部隊掩護

◆望ましい状況
  半島有事を想定・・・米軍が北を攻撃する際、機に乗じて救出作戦を実行する

◆作戦実行上のポイント
  ○被害者への通報、誘導、集合
   協力者の獲得は?

  ○救出部隊の進出法
   陸上基地(在韓米軍基地?)
   海上基地(海上艦艇)
     輸送手段→ヘリ(C130)→集合地点(収容)
     → 離脱 → 帰還

  ○上空掩護、対空火砲攻撃
  ○作戦掩護・・・空自(AWACS、KC、F15)

・・・資料紹介終了・・・

作戦成立のキーポイントについて、これはまだ咀嚼をしておりませんと前置きをした後、まず韓国の協力は得られるのか?と言う点について触れました。
これまで何度も言った様に、韓国の国内状況を考えればこれは極めて難しい。

二つ目の関係官庁との共同作戦は出来るのか?と言う点について。
防衛施設庁は入れても入れなくても今てんやわんやなので、どうしようもない。
外務省は、宮本大使(佐藤氏の後輩だそうです)が今度中国へ行くが、彼がどうするのか?
海上保安庁は一生懸命やろうとしても12300人しか職員がいない、手一杯である。
警察は今度5000人増えて喜ばしいが、公安とか警備とかは口が固いが、あまり作戦上人が増えてしまうと情報が抜けてしまう。

何かをやろうとしたときに、結局情報が漏れないように管理する言うのが非常に難しい。
結局最後は個人行動にならざるを得ない。
部隊も一個小隊の内は辛うじていいけれど、一個大隊になるとまず翌日中には情報は漏れる物である。
せいぜいやる事は分かっていても、どのルートでどのくらいの規模でどのくらいの事をやるかを押さえておかないと出来ない。

米軍との共同作戦について。
彼ら米軍はプロである。
自分達が情報漏えいをやると世界中の恥さらしになるので、機密管理は非常に厳しい。
機密管理が厳しいので、我々の所には情報はまず伝わって来ない。
よほどの事がない限り情報は来ない。
それをなだめすかしてヒントを貰って、こちらにセンスと気構えがあれば穴のある所も我々の持つ情報とつながっていく。
米軍との共同作戦は今は更に緊密になっていて、若い隊員には英語が堪能な者もたくさんいて常時接点を持っていてる。
むしろ機密保持は国内の方に不安がある。

望ましい形態については、日米共同作戦が浮かび上がります。
これも大変難しいのだが問題点は、米軍と調整するという事になるとすぐ在韓米軍が主力として動く事になるが、それを知った韓国側がどうするか?
知られないようにするが、仮にこの作戦が発動されて終わって(韓国側が)知っても一切問題は無い。
こういった問題をどう解消していくか?
アメリカは知らんふりをするだろうが、日本はそういうわけには行かないだろう。

中国・ロシアの両国は北朝鮮がどうなろうとどうでも良くて、ただ核を持たせたくないだけである。
共産主義同盟なので、アメリカが韓国を嫌々カバーしているのと同じで、彼らも北朝鮮をカバーしている。
中国は北朝鮮国内の鉄鉱石の鉱山を殆ど採ってしまい、更に清津港を海軍の軍用基地化している。
そのうち対馬海峡あたりにも中国側の鉄鋼船などがどんどん出てくるだろう。
この事実を知らないのは日本人だけである。

余談として。
米軍がかつてフィリピンから撤退したのは、日本では一般的にピナツボ火山が噴火したからと言うように思われているがそうではない。
フィリピンでは一時アメリカ軍撤退の声が凄い時期がありました。
その声に米軍側も激怒してしまい、それではフィリピンから引き上げろと言う事で、フィリピンのクラーク基地の代わりにシンガポールの空港を使える手はずが整ったのを幸いに、米軍を嫌うフィリピンの事など誰が守ってやるかと言う事と、タイミングよく火山の噴火もあったのでさっさと撤退してしまった。
その間、中国側はそれまでは漁船の基地だといって使用していた施設をあっという間に海軍の設備に変えている。
中国の態度が怖くなったフィリピン人は再度米軍の配備を求めているとの事だが、あのような愚かな政治をした者は万死に値する・・・との強いお言葉がありました。
軍隊に対する日本人の意識を考える上で大事な視点ではないかと思います。

本題に戻ります。
困るのは北朝鮮と国境を接している韓国と中国とロシアで、難民が大挙して出てくるのを恐れている。
特に韓国は北朝鮮の崩壊によって、自国の経済が持たなくなる事を恐れている。
中国も北朝鮮からの難民流出を恐れており、ロシアもふくめて結局の所、何かあればこの3カ国は日本から金を取ろうと画策をしている。

望ましい状況について。
アメリカは北朝鮮の核兵器保持を絶対に許さない。
北朝鮮は核兵器10発分のプルトニウムなどを持っているだろうが、それをミサイルに搭載する技術を持っているかどうかは疑問である。
北朝鮮は核を持ったと言っているにも拘らずアメリカが北朝鮮の事を中国にお任せしているのは、アメリカは今イランの核を問題にしており、近いうちに戦争が始まるでしょうと。
イラクの平定化とイランの核を絶対にやらせない事、これがアメリカの一番の懸案事項。

ただ、アメリカが北朝鮮の核問題に関して、これを排除するという動きを見せた時に日本はどうするか?と言えば参戦するべきでしょう。
日本の大義名分は拉致被害者を救出する事。
これをどのように国際的に理解を求めるか?
核兵器を持たせない事は世界の共通理解になっているし、拉致問題も同じように理解されつつある。
拉致被害者を出している国とアメリカが一緒になってやろうという事になれば、これは国際的な共同作戦になる。
当然北は拒否をするだろうが、そのときに日本の外務省がうまく国際世論に理解を求める事が出来るかどうか。
これが望ましい事態で、大手を振って自衛隊が被害者救出のためにやれるのではないか。

作戦実行上のポイントについては、ともかく救出すべき目標の拉致被害者への通報が難しいと言う事。
日本のマスコミなども相当数北朝鮮には入っているが、彼らが救出対象の被害者の元へ情報を伝えられるのかどうか?
万が一情報が向こうに漏れて、拉致被害者の生命に危害が及ぶような事態になっては困る。
うまく誘導して集合させねばならないが、被害者救出のための協力者の確保は非常に難しい。

駄目だと思いつつ陸上基地には拘りたい。
陸上基地がないと非常に動き辛い。
海上基地は海上艦艇でやらざるを得ない。
作戦実行に当たって、隠密行動は出来るのか?
韓国の盧武鉉大統領はそれをどうするのか?
強攻策としてC130で強硬着陸をして被害者を乗せてそのまま帰ってくる、と言うのも可能かもしれない。
陸上自衛隊の隊員がいたら、現役の人は中々言えないでしょうが、これをどう判断するのか聞いてみたいと思う。
航空自衛隊は上空から敵方の追跡や反撃を潰して安全を確保する、これは出来ない事はありません。

・・・レポートその3に続く・・・

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2006年2月27日 (月)

自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション 講師:佐藤守氏」

~~ ぴろんさんによるレポート ~~

2月24日行われました、戦略情報研究所主催の講演会「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション」レポート

本日は会場で配られた資料の内、「自衛隊独自での作戦は可能か?」の部分をお伝えいたします。

―――――――――――――――――――――――――――――

・・・資料紹介・・・

◆自衛隊独自で作戦は可能か?

(1)困難なもの
 ・情報の欠如・・・拉致被害者の掌握
 ・言語能力。
 ・拉致被害者との連絡手段・・・協力者の確保は?
 ・作戦実行上・・・地理不案内、作戦発起基盤の確保。(洋上か、陸上か?)
(2)一部可能なもの
 ・空自・・・適基地攻撃、上空掩護、輸送支援。
 ・陸上基地確保は困難?
 ・海自・・・上陸支援
 ・陸自・・・実行部隊
      例:中央即応集団・・・国際待機部隊常時1000人待機
               (将来は4~5000人)
        空挺団・・・特種作戦群300人
 ・救出作戦の基本構想は「邦人救出作戦」

・・・資料紹介終了・・・

まず、佐藤氏は始めにこれは「フィクション」であり、講演参加者全員での「作戦会議」であると前置きをして講演はスタート。
結論として陸海空独自で作戦をやれるか?という事に関しては極めて悲観的であると、開口一番お話になりました。
最大の問題は「情報」であるとの事です。
空自が目標を攻撃する事はたやすくとも、目標を救出することはそもそも非常に難しい事である、と言う指摘もされました。

資材と命令さえあれば、目的遂行のために命を厭わない人材は自衛隊には大勢いるんだそうです。
ただし現状では、例えば野党の強硬な意見によりせっかく装備されているファントムの空中給油機をお金をかけて外し飛行距離が短くされる、というような冗談のような事が平気で行われています。
ですので、現状では資材の整備と言う面で自衛隊に対し様々な足枷がかかっているのが偽りのない所でしょう。
それでも自衛隊員の士気は高く、命令があれば作戦遂行の為に出撃をし目標を攻撃するという。
でも帰りの燃料が足りないので、戦闘機は日本海上でフレームアウトして救助を待つと言うのです。
その救助も救難艇は日本海の途中までしか行けないので、日本海に出漁しているイカ釣り船に連絡をしておいてもらい漁船に救助してもらう方が確率が高い・・・のだそうで。(涙)
そして無事帰還した後は、おんぼろの戦闘機に乗って再び出撃をする・・・なんともお粗末で情けない話ですが、これが日本の防衛を担う自衛隊の偽りのない現実なのだそうです。
それでも、こんなに不当な状況に追いやられていても隊員たちの士気は非常に高く、彼らは任務遂行のために命懸けの出撃を厭わないという。

この救出作戦で一番の問題は、拉致されている人たちを、敵方に気付かれずにパーフェクトに無事救出出来るか?と言うことです。
また、作戦遂行に当たっては、韓国の協力が絶望的に得られないと言う歴然とした事実が、どこまで行ってもネックになります。
救出作戦遂行のためにはどこかに作戦発起基盤を作らねばならないが、韓国国内にこれを作るのは難しい事。
陸上に基盤を作れなければ、陸自の能力・装備を生かした陸上からの救出作戦が行使出来ないことにつながります。

救出対象の拉致被害者が今・どこに・どのような形でいて、自衛隊が決死の救出作戦を決行するときに、定時定点に集まってもらえるのかどうか?
これが非常に難しい。

次に言語能力についての問題があります。
現地に入って行った場合、誤射乱射と言う事も考えられる。

作戦遂行上一番重要なのは、拉致された人たちとどのように連絡を取るか?と言う点です。
自衛隊は携帯や無線などいろいろな装備を持っているので、後方のオペレーションセンターとのリアルタイムでの連絡はいくらでも可能だが、肝心の被害者の皆さんとはどのような手段を取るのか?
情報伝達のための協力者の確保は出来るのかどうか?
拉致被害者の人々に救出オペレーションがある事を極秘裏に知らせて、尚且つ情報が漏れないようにして、定時定点に何気なく素知らぬふりで集まって頂く・・・と言う事は可能なのかどうか?

作戦実施上、地理不案内と言う問題も有ります。
まず作戦の基盤を置く場所が非常に限られていると言う事。
陸続きの作戦基盤を作る事が一番安定するのだが、38度以南の韓国の協力は当てには出来ないので韓国国内に作戦発起基盤の設置をし、作戦を行使する事は極めて難しい。
本来であれば陸上に基盤を確保し、極秘に一気呵成に救出作戦を決行するのが望ましいが、それは非常に難しいであろうと言う事です。
韓国の協力が得られない場合は、海上に航空母艦を置いて基盤を設置する事になります。
アメリカを通じて韓国に協力を仰いでも駄目な場合でも、それでも被害者救出の為にあらゆる策を行使するが、あとは陸海の作戦の協調の問題であるとも。

救出対象の被害者がどこにいるのか?
多くの被害者は平壌周辺にいると思われるが、それ以外の地域にいる事も考えられます。
その情報をどうやって収集するのか?
こちらに100人いるがこちらにも数人いるという事になれば、涙を呑んでどちらかを切るという判断を迫られる場面も考えられます。
この辺、いざ救出の目標をどうやって絞るのか?

航空自衛隊が可能な事について。
ファントムは上記で説明したように飛行距離が足りません。
爆撃の為出撃したとしても帰りの燃料が足らず、日本海上に落下しイカ釣り漁船に助けてもらう事になると。
F1も同じく飛行距離が足りないのでお役御免であると。
F15は飛行距離は確保できるが、搭載できる爆撃装置は簡単な物になるそうです。
これをどう使うかは作戦部長の判断にかかってくるが、ともかくF15を集めてきて大挙して攻撃をする。
空中給油が出来れば尚の事良い・・・のだそうですが・・・お馬鹿な野党のせいで大事な給油装置は見事に外されてますし(呆)
また航空自衛隊の任務としては陸・海の作戦を上空より援護したり、あちこち飛び回って陽動作戦をすることが上げられます。
おそらく北朝鮮側の防空能力は限りなくゼロに近く、戦闘機は燃料不足などで動けないだろうから、突如として平壌上空を陽動作戦で飛び回れば金正日はビビッて上海まで逃げていくかもしれないが、そうなれば後がやりやすいとも。(笑)

こういう部隊が使えるのは韓国に陸上基地があればこそなのですが、それがなければやはり海上に海上自衛隊の航空母艦を置いてそこから作戦を行使する事を考えねばならない。
韓国に前進基地が出来れば、ここから密かにヘリを持っていったりといろいろな活動が考えられるのだが、いかんせん、韓国の協力は得られないと言うのがここでもネックです。
もちろん作戦行使の際には後ろにアメリカのキティちゃん(=佐藤氏は時々お茶目な表現を使います。これはキティホークの事ですよね(笑))にも来ていて貰う必要もある。
日本の小泉総理とブッシュ大統領は仲が良いので、こういうバックアップをしてもらう事は出来るのではないかとの指摘もありました。

救出作戦は言うまでもなく、陸上自衛隊が作戦遂行の主体となります。
しかしここは、某片山さつき氏の防衛予算削減により陸自は5000人も人を減らされ、一人当たりの負担はそれ以前の3倍くらいに増えてるんだそうですが、それでも陸自の面々は弱音を吐かないのだそうです。
軍隊は最終的には人である、と。
陸自は米軍との共同訓練をしたり、陸海空とも今までにない訓練をしているそうです。
それ以前はこういう訓練をしようものならすぐに政治問題となり、幕僚長の首がいくらあっても足りないくらいだったが、皮肉な事にビンラーディンのお陰で本来の軍隊の仕事が出来るようになってきた、との事。

国内には日本人だと思っていたら実は北朝鮮にルーツを持ち、北の手引き行為を平気でする人が大勢いる事。
そういう人がテレビにもたくさん出ている事。
そういう人たちが当初の拉致問題を徹底して潰していた事。
日本はいままで余りに能天気でありました。
バブルだ金だと浮かれ、拉致などどうでも良いと言う気風がありました。
警察はいくら現場で捕らえても上が潰すからやる気がなかった。
今頃やっと何回目かの告訴をやっているが何回やればいいのだろう?と思うが、しかし日本人はやっと目覚めて北朝鮮に対して本気になりつつあるので、非常に明るい希望を持つ。

この作戦はなるべく早くやりたいが、いつ出来るかは別として、日本の陸上自衛隊は作戦を着々と進めつつあると言う事。
何度も言うが、自衛隊は本来の軍隊になりつつあるということだそうです。
日本の自衛隊は今までは玩具の軍隊であったが、米軍は付き合えば付き合うほど彼らは本物であるとの強い指摘もあり。

防衛庁の邦人救出作戦は半島有事の際にどうするか?ということをかなりの所まで詰めている。
朝鮮半島は今のところ南が北に吸収される形になっているが、その公算は極めて少ない。
が、邦人をどう救うか?と言う事は依然として残っている。
そして韓国との協力関係維持を前提とするのだが、私のここでの考えでは韓国との協力は出来ないだろうと。
日米韓の共同作戦を前提にしたのが防衛庁の邦人救出作戦だが、拉致被害者救出作戦をハッピーエンドにするにはやはり疑問がある。
これを後ほど皆様とのご意見でどうしたらいいか、考えたいと思います。

・・・レポートその2に続く・・・

参考
百年兵を養うは、一日にこれを用いんがため話の花束

Blue jewel 資料(by金木犀)

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2006年2月25日 (土)

『自衛隊による拉致被害者救出のシミュレーション』配付資料

講演で配付された資料から一部

――――――――――――――――――――
はじめに
フィクションであること!
講演ではなく参加者参加による『作戦会議』にしたい!
――――――――――――――――――――

◆自衛隊独自で作戦は可能か?

(1)困難なもの
 ・情報の欠如・・・拉致被害者の掌握
 ・言語能力
 ・拉致被害者との連絡手段・・・協力者の確保は?
 ・作戦実行上・・・地理不案内、作戦発起基盤の確保。
    (洋上か、陸上か?)
(2)一部可能なもの
 ・空自・・・適基地攻撃、上空掩護、輸送支援。
 ・陸上基地確保は困難?
 ・海自・・・上陸支援
 ・陸自・・・実行部隊

   例:中央即応集団・・・国際待機部隊常時1000人待機
               (将来は4~5000人)
      空挺団・・・特種作戦群300人
 ・救出作戦の基本構想は『邦人救出作戦』

◆作戦成立のキーポイント
 ・韓国の協力は得られるか?
 ・関係官庁の共同作戦
 ・米軍との共同作戦は?
 ・秘密保全は?

◆望ましい形態
米軍との共同作戦
   ※情報・・・かなりの精度で得られる
   ※支援・・・輸送、基地提供(韓国内)物資
   ※実行・・・部隊掩護

◆作戦実行上のポイント
  ○被害者への通報、誘導、集合
   協力者の獲得は?

  ○救出部隊の進出法
   陸上基地(在韓米軍基地?) 無理だろう
   海上基地(海上艦艇)    できる
     輸送手段→ヘリ(C130)→集合地点(収容)
     → 離脱 → 帰還

  ○上空掩護、対空火砲攻撃
  ○作戦掩護・・・空自(AWACS、KC、F15)

◆編成組織の一例
◆通信系の一例
◆目標の確認
◆洋上前進基地の一例
◆作戦の概要

日本国民の一致団結
国内外における『秘密保全』

『百年兵を養うは、一日にこれを用いんがため』
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「自衛隊による拉致被害者救出のシミュレーション」

本日行われました戦略情報研究所講演会「自衛隊による拉致被害者救出のシミュレーション」に参加してきました。
佐藤守先生のブロクはこちら→(http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/)です。


集会後の佐藤先生

具体的なシュミレーション、装備、作戦、問題点、作戦実行のポイントなどについてお話になりました。

会場には、被害者ご家族、増元照明さん、飯塚繁雄さん、また恵谷 治さん(ジャーナリスト)、西村幸祐さん(ジャーナリスト)のお姿もありました。報道関係者や専門家も参加していたようです。

パワーポイントを使った解説は素人にもわかりやすく、一つの考察として非常に興味深いものでした。

質疑応答では、
自衛隊にも、北朝鮮の工作活動が行われていないか?
情報は守られているか?
現実的には、このシュミレーションはできるのか?
日本側が秘密裏に金正日を連れ出したほうが早いのではないか?

などの話が軽い笑いも含めて語られました。

西村幸祐先生が『こういうシュミレーションが考えられていることを伝えることも一つの圧力になる』との趣旨でお話になりました。

内容の一部は追ってご紹介します。

荒木先生と佐藤守先生    


佐藤守先生と西村幸祐先生
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