カテゴリー「荒木和博氏講演集」の記事

2007年10月 8日 (月)

東京と拉致 荒木和博氏講演(2007/8/11)

~~東京と拉致~~

失礼して座ってお話をさせていただきます。
ご紹介を頂きました荒木でございます。
今日は本当に暑い中、皆様こんなにお出でいただきましてありがとうございます。
また、この場所をご提供いただきましたご主人にも本当に感謝申し上げます。

先ほどお話にもありましたようにこのポスターはですね。
やはりこういう場所に貼って頂いて、なんとなく見ていただくというのが一番情報が集めやすい、という事でございまして、お蕎麦食べながら「そういえばこの人どこかで見た事がある」とかですね。
そういう情報が入ってくる事を本当に切に期待を致しております。

それでこのポスターはお気づきになった方あるかもしれませんが、この情報提供はお近くの警察署・交番へと書いてございます。
で、これが実は凄く大事な事でありまして、政府の出しています広報機材にはですね。
「情報があったらここへ」というのはどれを見ても全く書いてありません。
もう一つ、地下鉄の駅なんかに貼ってあります「我々は見捨てない」という政府のポスター、あれをご覧いただいてもですね。
あの中に「情報提供はここへ」と一言も書いていないですね。
ですからこれであれば何か気がついた方は、警察にご連絡を頂くか、あるいはうちの電話番号もありますので、こちらにご連絡を頂くという事が出来るという事はですね。
そういう事だけでも一つ大きな意味があるのでは無いだろうかと思います。

今○○さんのお話の中に、田口八重子さんのお話がありましたが、田口八重子さんだけではなくてですね。
認定されている拉致被害者の中で一番最初の方、久米裕さん。
この方も拉致は東京の拉致ですね。
三鷹市役所のガードマンで、そしてお金を借りていたサラ金業者、現在も西東京市に住んでおりますけども、この李シュウキチという人物にですね、要は騙されて能登に連れて行かれたと。
ですから連れ出された場所は能登ですけども、実際に拉致の現場はですね。
事実上東京であると、いうことでございます。

ここに来られている方は皆さんお分かりの方が多いと思いますが、今でもまだイメージとして海岸線で拉致をされていると、言うようなふうに思っている方が多いんですが、これは全くの間違いでございまして、現場となる場所は海岸も何も関係ないと。
いわんや東京みたいに極めて人の移動が大きくて匿名性の高いところであれば、逆に拉致と言うのは非常にしやすいんだという事を認識していただければと思います。
今日、生島さんお見えですけども、生島(孝子)さんも本当に東京都内でいなくなっているわけですが、ここにおられる方も本当に東京の街中でいなくなっている方が本当に多いという事でございます。

この間、今古賀先生もお話の中にありましたように参議院選挙も済みまして、そして残念ながら拉致のことなどはまったくと言っていいほど争点にはならなかった。
自民党が大敗をした中で中山恭子さんが高位で当選したという事は、それなりのもちろん意思表示であったと思うんですが、選挙自体には一切争点になっていなかったという事が残念ながら現状では無いだろうかと思います。

この間、安倍政権が出来まして約一年間の事を最近改めて思い直してみまして、安倍さんになったことの逆効果というのがですね。
私は非常に出てしまったのではないか?と私は思っています。
それはどういう事かというと、「あれだけ拉致の事を一生懸命やってきた安倍さんが総理大臣になるんだから、もう任せても大丈夫じゃないか?」という意識がですね。
全体の中にやはり蔓延してしまったのでは無いかと。
「安倍さんだからやってくれるだろう」という事でですね。
それが運動の低下につながっていなかったか?という事を、私は実は最近非常に感じております。

各地の救う会の方々といろいろ話をしてやはりですね。
例えば集会をやっても動員が中々し難くなったとか、あるいは署名を集めようとしても中々集まり難いとか、カンパも中々集まらないとかですね。
大変お恥ずかしい話ですが、我々調査会も基本的にはカンパだけで、いろいろなところからももちろんお力を頂いているのですが、結局突き詰めていけばカンパだけでやっているんですが、それもですね。
非常に少なくなったという事が、この間からSOSを出してしまった原因となっているわけですが。

問題は安倍さんが本当に拉致問題を解決しようという事であれば、よりさらに運動を高めていかなければいけなかったのではなかろうか?と。
私自身もその意味で責任を感じている一人ですが、どうも安心をしてしまっている間にどんどん事態が、時間だけが過ぎて行ったのではないか?と、最近これは非常に懸念をしております。

さっき言いました政府のポスターと東京のポスターが、この情報提供のこと一つとっても違っているというのはそういうところに意味がありまして、政府の対策本部の方々と話をしていてもですね。
「何とかして解決をしなくてはいけない」というような、切迫したような環境はあまり感じられない。
正直言って「助かってくれれば良いな」位のですね、感情では無いだろうか?という事をですね。
担当者の人たちと会うたびに本当に私は痛感をしています。
真面目にやっている人も確かにいるんですけど、中の全体の雰囲気では、あそこに行きますとまったりとした空気に包まれていまして、切迫した感じですね。
ともかく今助け出さなくてはいけないんだという感じはですね。
残念ながらあまり感じられないというのが正直なところでございます。

この間、中には読まれた方もおられるかもしれませんが、月刊誌の諸君に連載しているものの中で、今回安明進さんの事をちょっと長めに書かせていただきました。
で、あの中で実は私一つちょっととんでもない間違いをしております。
どこかと言いますと、一番最初に横田めぐみさんの事について情報を出した方、これは現代コリアの平成8年10月号にですね。
石高さんの論文の記事が載ったものですが、この情報を出した者が安明進さんと同一人物であると、私あの中で書いたのですがこれは後で石高さんからもちょっと指摘をいただきまして、全く別人であるという事でした。

私もこれは最初は別人だと思って人にもそう言っていたんですが、だんだんだんだんこんがらがって来まして、あれはやはり同じ人物ではなかったかな?というふうにって、あまり確かめもせずにあの諸君に書いたんですが。
改めて考えて見ますと、あの情報はそれぞれ別々の物でありまして、安明進とは全く別の脱北者・亡命者の方が言った情報だったんですね。
それで改めて考え直してみるとですね。
安明進さんはたまたま平成9年の2月3日にこの情報が出たことによって、それを見たと私は見たと言った事で明らかになった情報だったんですね。

ところがじゃあ考えてみると、あの情報と言うのは(韓国の)安企部の人から石高さんが聞いて書いていたわけですけども、あの時点ですでに日本の政府には情報は渡されていたと。
渡されていたのがどこかで潰されてしまったという事だったんですね。
明らかになり、そして横田めぐみさんだという事が分かって、そして西村眞悟さんの2月3日の質問に行くと。
その直後に高世仁さんがソウルに行くときにですね。
アエラと産経を持って行った事で、それが安明進さんが「この人は見た」と言って明らかになったという事です。

ということは、安さんがあの時ですね。
その情報に接していなければ、あるいは本人が、それまでも知っていたけどもちろん言っていなかったわけですね。
日本人拉致の事は安企部には一言も言っていなかった。
それをもし言わなかったらどういうふうになっていたか?というと、あの話はそこで止まっていたという事も無いとは言えない。
あの時やはり目撃したという人があった事のショックがですね。
その先につながったという事は間違いのない事でございまして、そういう意味でも安明進と言う人は非常に重要な役割を果たしたと思うんですが、同時にその情報がすでにあったにも拘らず、それを日本政府がどこかでブレーキをかけて止めていたと言う事は、これはやはり極めて重要な問題であって、そのことについては基本的に今も変わっていないというふうに思えるわけでございます。

あの時めぐみさんの事が出るに当たっては今日お見えの横田代表がですね。
ご家族の中でお名前を出すべきかどうか?という事で、相当いろんな議論があった時に、横田さんがお一人、ともかくこれは名前を出さないことにはここで終ってしまうという事でですね。
決断をされてそしてそれによってこの問題が明らかになったと。
あの時もし横田さんも、早紀江さんですとか息子さんたちの意見にですね。
同調して、じゃあ匿名のままで行こうという事にいっていたら、今日の事は無かっただろうというふうに思います。

しかし、そういう事を考えてまいりますと、結局この問題動かして来たというのはですね。
その時その時のご家族であり、あるいは民間の声であり、そういう物で動いてきたのでは無いだろうか?
そして政府の意思として拉致問題を解決しようと言うというふうな事と言うのは、実はほとんど動いて来ていなかったのではなかろうか?というのが、結局はとどのつまりの結論でございます。

だからその声が安倍さんだからといって弱まる事は実は非常に危険なことでありまして、安倍さんだからこそもっともっと大きな声にしていかなければならない。
これは今からでも何とかですね、正していかなければいけない事だと思います。

今日生島さんがお持ちの生島うらさん、お母さんのお写真をお持ちですけども、お母さんが亡くなった時、ほぼ同時に曽我ひとみさんのお父さんが亡くなったんですね。
同じ日、同時だったんですね。
それで私は生島さんのお通夜にもチラッと顔を出したんですけども、あの時本当に感じましたのは、曽我さんのお父さんのですね。
お通夜・お葬式の場面と言うのはテレビでも放送されまして、政府の関係者とか県の関係者とか皆さんたくさん来ていたわけですけども、生島さんのお母さんのお葬式の時は本当にもうご高齢で身内の方が少なかったという事も有るかと思いますが、本当に内輪の方だけでのお葬式でございまして、何でこんなに違うんだろうな?という事を非常に感じました。
認定をしていることと認定をしていないとかいう事だけでかくも違うのか?ああいう時になるとですね。
つくづくと我々感じさせられる事でございます。

政府の対策本部の人と会うと、認定してもしていなくても扱いは変わりませんと言う言い方はするんですけれども、決してそうでは無いと。
現在政府がやっております「ふるさとの風」という北朝鮮向けの短波放送でも、家族会の方々、それから家族会には入っていませんが石岡亨さんのお兄さんですね。
認定被害者の方については家族のメッセージ、放送しています。
石岡さんなんかについては、最初ご本人はやるつもりは無かったんですけど、わざわざ対策本部の方から電話をかけてですね。
「やってください」と言ってお願いをして、声を流しているんですね。

ところが我々ですね。
対策本部の人たちからこのふるさとの風について意見を聞きたいと言われた時に、最初は特定失踪者のご家族のメッセージも流してもらいたいというふうに言ったんですが、これは認定されていないと認定されている人々と一緒になるのは出来ないと言われたんですね。
それだったらせめて、次ですね。
この方たち拉致被害者だと言わなくていいから、名前だけでもいつどこで、東京でいなくなったとかですね。
そういう事の情報だけでも流してくれませんか?という事を再三再四お願いし、それから西村眞悟さんの質問趣意書などでも書いてもらったんですけども、一切やる気は無いということですね。
これはもう明確な拒否です。
検討しますとか、そういう事ではなくて明確な拒否をしていると。

どう考えたってですね、おかしな話ですね。
そういう形でやっていたら、こういう方たちの情報は絶対に集まらないというふうに思います。
確かに拉致じゃないかもしれないんですね。
それは我々だってやっていて、ご家族の本当の気持ちと言うのは私にも分かりません、正直言って、当事者じゃないんですから。
分かりませんけど、しかしまぁ、時々はそれに触れる者としてですね。
それはもう、拉致でなくて日本国内で元気で見つかってくれたら、その理由はどんな理由であれ構わないんです、全然。

それでかまわないんですけど、失踪していなくなって、どういう思いか?っていうのはこれはもう横田さんも同じようにですね。
一体どんなになっていなくなったのかも分からない。
事件か事故か、自分で失踪したのか?何も分からない中で生き地獄が続くという事から考えたら、それはですね。
ここにおられる方が拉致では無いという事が分かったとしてですね。
北朝鮮はそうするとほら見ろ違うじゃないかと言うんですけども、それでおしまいの話なんですね。

すでに北朝鮮は金正日が拉致を認めているわけですから、今更ですね。
今までやったことが無いと言ったのが拉致だったと認めているわけですから、別の人がそれ以上やっていないと言ったって、損なのは嘘に決まっているわけで、それがですね。
ここにおられる方の誰かが日本国内で見つかったからと言って、北朝鮮が拉致をやっていないという事には何にもならないわけですね。

ですからこれは可能性があるという事でやって、その結果見つかればですね。
それに越した事はない。
我々は今までやっていまして、大体20人くらいですね。
拉致でなかったと分かった方がおられます。
公開の方もいれば非公開の方もいる。

お一人東京で、もうこの中にはお写真ありませんけども、石川千佳子さんという足立区の小学校の先生がですね。
残念ながら殺人事件の被害者でおられたという事が分かったと、そういう事があったんですけども、非公開の方でも我々は見つかったらですね。
「非公開の方がお一人見つかりました」という事を、発表してます。
それはどうしてか?というと、非公開の方発表しなくたって誰も分からないですよ。
誰も分からないのにあえて発表するのは、ここにおられる公開の方の中でも、やはり拉致で無い可能性の方はいるんですよ」という事を言っておいた方がですね。
より理解はしやすいだろうと。
そういう事もあるかもしれないという事で、とにかく情報を何でもいいから集めて貰うと。

で、例えばこういうふうにやっているという事でですね。
ひょっとしたら何か情報が、この人の事はとか、あるいは上手く行けばですね。
日本国内に工作員がまだたくさんいるわけですから、かつてそれに関わった人間からですね。
見て、どうしてもこの人が気にかかるという事で、例えば匿名の情報でも何でもですね。
出して頂ければいいと思いますし、あるいはこういう物を見ているうちに、この中に載っていない方、福留貴美子さんとか横田さんでも何でも結構なんですけども、認定された方でもですね。
拉致に関わった人が実は、というふうにですね。
言ってくれる事が一番ありがたいことでありまして、そういう意味ではこうやってお蕎麦屋さんに貼っていただくという事はですね。
極めて、私は重要な意味があると思う次第でございます。

東京の都内で拉致というのはどういうふうに行われるのか?と。
これはですね。
別に東京に限らないんですけども、やはり何かの理由が有る事は間違いないと。
基本的には北朝鮮にとって拉致をやるというのは当たり前のことですね。
北朝鮮側は拉致というのは、日本が植民地支配をしてその清算をしていないという状況の中で、たまたま一部の人間が勝手にやったんだというような事を言っているわけですけども、これはもちろん全く嘘だという事は皆さんよくお分かりだと思います。

もし植民地支配をしたと言う理由でですね。
拉致をするんだったら、じゃあルーマニアもタイもですね。
北朝鮮を植民地支配したのか?という事になります。
何の関係もないところから拉致をする。
韓国からは朝鮮戦争中に連れて行った人を入れるとですね。
9万人とも言われる人が連れて行かれているわけでございまして、それは別に植民地支配も何も関係ない、わけであります。
ともかく足りなければ持って来ればいいと、言うようなことで連れてくる訳ですね。

その数には自分で行く人も入っています。
お蕎麦屋さんでは有りませんけども、日本でですね。
本を出しています藤本健次さんという寿司職人の人、あの人は要は金正日がですね。
そういうものが食べたいというのが最初の理由で北朝鮮に渡るようになる、わけですね。
技術者なんかで人によっては、中国へ旅行という事になっていて中国で北朝鮮のパスポートを渡されて、そして北朝鮮に入って仕事をしてまた出て来て戻ってくる。
日本のパスポートには中国に行ったことしか書かれていない。
こういう人はかなりいるというふうに聞いています。

しかし、それも駄目だった場合、自分から(北朝鮮に)行ってくれない。
でもこういう技術の人が必要だという事になった場合には、例えば何かの形で、一番早いのは北朝鮮になんとなくシンパシーを感じていて集会なんかに出た事があると。
そういう人であればそういう人に声をかけて、ちょっとひと月くらい行ってきませんか?と言うと。
で、そしていいですよと言ったらそのまま(北朝鮮に)入れて、そのまま返さないと。
技術者と言うわけではありませんけども、ヨーロッパ拉致の3人は皆それに近いですね。
ちょっと入って、また出てくるつもりだったのが出してくれなかったと。

技術者と言う意味で言えば、やはりですね。
北京経由で入ったりするのもバリエーションみたいな形で行って出られない人も、かなりいるであろうと。
あるいは今度はもうちょっと乱暴なケースで、人間関係を何か作ってそしてどこかにおびき出しておいて、そこから先はあとは強制的に連れて行くというケース。
こういうケースがおそらく一番多いんでは無いかな?と私は思います。

例えばこの間、去年ですね。
目撃証言があったという事で発表された日高信夫さん。
この方は調査会の事務所がある飯田橋の近くの印刷会社に勤めていた方ですが、この人がいなくなっている。
この早坂さんも印刷の仕事ですね。
後千葉の方とか、何人か印刷関係の仕事をしている方がこのあたり、1970年くらいにですね。
小林栄さんも、この3人ですね。
いなくなっているというのは、この頃印刷の仕事の人が欲しいなと言うような意向があって、それが伝えられてそれぞれが住んでいる人間でですね。
エージェントみたいなのが自分の近くにこういうのがいると。
場合によったら飲み屋かなんかで隣に座った人、と言うのがあるかもしれません。
そういうのを探していてですね。
そして騙してどこかに連れて行ったというのが、一番可能性がかなりあるのでは無いだろうかと言うふうに思います。

だからそういう意味で言うと、何処でも出来るんですね。
海岸なんか別に必要では無いです。
横田さんの事件だって、新潟ですから海岸の事件と言うイメージが多いですけれども、実際に拉致をされているのはご自宅の近くで車の中に引きずり込まれてですね。
そして連れて行かれている、と言うケースでございまして、これはやはり皆狙ってやったというケースがかなり多いだろうと。
海岸でですね。
たまたま偶然に連れて行ってしまったケースというのは、これは工作員が中にはですね。
進入したという証拠として持って言ったというのもあると聞いていますけど、それよりはおそらく計画的にですね。
狙って連れて行ったというケースが多いんだろうと思います。

北朝鮮と言う国からすれば連れて行くのは当たり前の話ですから、工作員はやはり連れて行けばですね。
それが何かの点数に関わった可能性がある。
あるいは場合によったらやくざをですね。
下請けにして、そのやくざに金を渡して連れて来させたというケースもあるのでは無いかと言う感じも致しております。
そういう事を考えますとやる事が当たり前だと思っていれば、今政府のパンフレットなどに書いてあります70年代の後半から80年代の初めって言うのは、これは真っ赤な嘘というか、全くの認識の違いであると言うふうに思えます。

これは金正日がですね。
拉致の指令を出したのが76年くらいという事でですね。
そういう事を思っているのでは無いだろうか?と思っているんですけれども、我々が見ていてですね。
70年代の前半、あるいは60年代にいなくなった方々、この中にもたくさんおられますし、あるいは80年代の後半以降にいなくなった方々もたくさんおられるんですけども、いなくなり方から考えてですね。
拉致が疑われる人たちは、いなくなり方から考えて70年代の後半から80年代の初めは特別な特徴と言うのは私はそんなに無いと思っています。
量的に多いという事は有るかもしれませんが、そんなに極端に多いというような感じもしない。

それより前からず~~っと計画的にやっていて、そしてその後もですね。
やはり計画的にやった拉致というのが続いているのでは無いだろうか?と言うのは、我々が実際にこれ調査して来てみてのですね。
感覚でございます。
北朝鮮と言う国にとって拉致をするというのは、金日成の時代から当たり前のことであって、当たり前の事をやっているわけですから、金正日になって多少拍車が掛かったという事があったとしても、現実にはその時だけの事であるはずが無い、という事でございます。

だからず~~と昔からやっている。
そして東京は非常に匿名性がある場所ですから、全く知らぬ人がどこかアパートに住んでいてもですね。
全く分からない、わけですね。
誰がいなくなっても一人住まいしていたら、全く分からない。
久米裕さんなんかを狙ったというのは、おそらくやはり当然ですね。
回りにあまり縁故が無いということを狙っているわけでございまして、そしてそういう事から考えればですね。
いくらでも逆に非常にやりやすい。
この東京と言う場所はですね。
場所であるというふうにいわざるを得ないであろうと思います。
田舎なんかで向こう三軒両隣ですね。
誰が住んでいてどこに勤めていてどういう暮らしをしているか?と言うのを分かっているような場所であれば、いなくなりゃおかしい、と言うふうになるわけですけども、ここはそういう所ではないという事ですね。

実際私もですね。
かつて新宿で昔民社党に勤めていた時に、通勤経路が歌舞伎町で地下鉄から西武新宿に乗り換えて帰っていました。
で、歌舞伎町を途中通るわけですね。
あるとき仕事の合間にですね。
暇だった時に夕方ですね。
ふらふらと歌舞伎町を歩いていたらばたまたま「まだん」と言う名前の店が目に入りまして、これはまだ80年代の半ばくらいだったと思いますが、「まだん」というのは朝鮮語で「広場」と言う意味なんですね。
まだ韓流ブームも何も無い頃で、非常に珍しかったのでそのスナックですが、入ったんですね。

入ったらばそこはですね。
そこのマスターから、飲んでいたらいきなり出された名刺にはですね。
統一革命党日本代表部と言う、これは北朝鮮の工作機関の名刺を出されてですね。
大体こういう名刺を出す方は大した方はいないんですけども、どちらかと言うとママさんの方がもうちょっと大物だったみたいでですね。
しかし、その後仲良くなりまして、私も向こうが所在を明らかにしたんでですね。
こっちも明らかにしないと卑怯だと思ってですね。
民社党の名刺出しまして、それから時々、ちゃんとお金払って飲んでいたんですが、少し安くしてもらってですね。
飲んだりしておりましていたんですけども、あれもしあの時ですね。
私が入って最初の時、一人しかお客がいませんでしたから、酒の中に眠り薬でも入れられて眠ってしまったら分かりませんよね?

酔っ払いみたいに見せかけてですね。
肩担がれて「おい大丈夫か?」なんて言いながら声かけながら車に乗っけちゃったら誰も分からない。
職場の方にいつまで経っても帰って来ないと言って家族が心配をして職場に電話をする。
「いや、普通に夜出て行きましたよ」という話になる。
警察に行ってもですね。
家出人の捜索願くらいしか受け付けて貰えない。
「何か悩みでもありませんでしたか?」と言うふうに聞かれてですね。
「そういえばあいつこの間塞いだみたいだった」とかですね。
そういう話になれば、やっぱりそれでいなくなったんだろうという話で片付けられてしまうという事が有ったのでは無いだろうか?と言うふうに思います。
そういうふうにして、実際拉致をされた人と言うのは、当然いてもおかしくない事でございまして、そういう事を考えると東京と言うのは何でもできる場所だというふうに思った方が宜しいのではないだろうかと、感じが致します。

だから、じゃあこういうのをどうしなければいけないのか?と。
これはですね。
やはりそういう状態の中で完全に拉致を防ぐなんて極めて難しい事であります。
まだ日本人の拉致の場合はそれでもご家族がいれば、ご家族がまだ声を上げてくれて何とか世論になる可能性がある。
久米さんなんかの場合は、犯人が捕まってなければ家族がいないわけですから、誰も何も言っている筈が無いわけですね。
それ以外の方々でもおそらく家族がいない人を狙ってやって、成功していれば誰も何も言わない筈であります。
そういう人が非常にたくさんいる。

それからおそらく日本人以上にですね。
在日の拉致と言うのもかなりあるんじゃないだろうか?と私たち推定しています。
我々のリストの中、この東京の中には無いですけども、在日朝鮮人の方でですね。
いわゆる帰国運動と別に拉致をされたのでは無いだろうか?と言うケースが結構色々ありまして、これはですね。
ご家族が数人、我々に名乗りを上げている方がおられますけども、それ以外はですね。
全く分からない状態のままに今日に至っているという事でございまして、ここら辺もですね。
我々としては非常に大きな問題だろうと思います。

そういうふうに非常に大きな事をですね。
防ぐという事は中々難しいんですね。
これは防御と言う形では絶対に出来ません。
それはどうするか?と言うと、ともかくですね。
少なくとも今拉致をされている人たちはどんな事をやっても、草の根分けてでも見つけ出してですね。
探し出すぞ、という事をですね。
やっていかなければいけない。

そして拉致をされていると分かった人はですね。
何が何でも取り返すぞと言う意思を我が国が見せていかないと、北朝鮮は返して来ないだろうと言うふうに、私たちは思っています。
そのためにはだからやっぱりこういうのが必要になるんですね。
こういう情報を、と言う話が。

政府も昨年度3月くらいにですね。
何回か拉致の事を放送、テレビコマーシャルをやりました。
拉致は許せない、許せないのは当たり前の話でございまして、そんなのはわざわざ膨大な金をかけて政府がやるなと。
誰も分かっているんですね。
日本中の誰に聞いたって、拉致を許せますか?って、ハイ許せますなんて人はほとんどいないわけでありまして、姜尚中位だと思いますが、それ以外皆許せないわけですね。

それを言われたって困るわけです。
それよりももし例えばですね。
金かけてポスターを作る、あるいはテレビコマーシャルをやる、パンフレットを作るというんであれば、ともかく拉致今のうちにしゃべった方が身のためですよ、というですね。
脅迫するぐらいのですね。
コマーシャルでもした方がいい。

今情報を出してくれればですね。
警察も不問にしますよと、まぁ警視庁の方もおられるんでですね。
そういう事を言っちゃいけませんかもしれませんが、ともかく今のうちに言った方が身のためですよと。
今吐けばですね、あなた本当に皆さん大事にしてあげますよ、と。
最後まで行って他の事が分かってからバレたらあんた必ず捕まえますよと、いうふうにですね。
それくらいの脅かしをする位の事をしなければいけない。

この間ニュースでですね。
外国の記者を対策本部で呼んで、そして拉致のことについてご家族の方に会って頂いたりとか、現場を見せるとか言っておりましたけども、その対策本部の人たちがですね。
自分で自腹切って外国から読んで来るんだったら構いませんが、税金使ってですね。
そんな事やる事か?と。
ジャーナリストと言うのは本当に価値が有ると思えばですね。
自分で金使ってですね、やってくるわけですね。
わざわざですね。
お足つきで呼んで来てですね。
そんな事を書かせるんじゃあ北朝鮮と何の変わりもないと言うふうに思います。

もう何か見ていると、何に金使っていいんだか分からない。
何をやればいいのか?分からないという状態では無いだろうか?というふうに私ども思っておりまして、本当はですね。
やらなければいけない事が山ほどある。
政府の中にもやらなければいけないか?って何か分かっている人が、実は本当にこのことに携わっている人がたくさんいるんですね。
こんなことでは駄目だと、我々も政府の中のいろんな立場の人から話を聞いておりまして、しかし中々動かすことが出来ないというのが、残念ながら現状でございます。

それを我々は何とかして変えて行かなければいけないんですが、変えるのには何が必要か?と言うとやはりですね。
皆さんの声が必要です。
こうやって暑い中ですね。
36度くらいあるだろう中をこうやって来て頂いて、お話を聞いていただくというような事をするというお気持ちがあるというお気持ちがですね。
まさに政府を動かして、そして拉致の解決につながるんだという事です。

この声を絶対に小さくしたらいけないです。
任せておいて大丈夫だろうと思うとですね。
絶対にその方向には行かなくて、逆の方向に行くという事でございます。
何か近々、山崎拓さんが平壌に行くという話が出ております。
28日から30日は韓国の大統領とですね。
北朝鮮のあの金正日がですね。
また2泊3日も何しに行くんだか良く分かりませんけども、行って話し合いをしてくるという事でございます。

ほったらかして置くと、どんどんどんどんこの拉致の問題はですね、埋もれてしまうと。
日本政府は今何とかですね。
それでも支援をしないと言うところで止まっておりますけども、下手をしたらばそういう所もですね。
何かちょっとした餌を与えられて、そして分かりましたと言ってですね。
アメリカや中国やそして南北朝鮮のですね。
ペースに嵌められてしまわないという事も限らないわけで、そこに嵌められないために必要なのは世論だと。
結局最後はそこにやって来てしまうんだという事をですね。
ご理解をどうかいただきたいというふうに思うわけでございます。

我々は今度お盆休み明けにですね。
例の問題の朝鮮中央放送委員会の愼範アナウンサーのとですね。
矢倉富康さんの声のですね。
ご家族の声の鑑定の結果が大体出るという予定になっております。
その結果も踏まえた上で、20日過ぎからですね。
具体的に動こうと思うんですけども、今のところ政府は、我々よりも前にこの情報に接していた事は間違いないにも関わらず、全く動いた形跡が見えないという事でございまして、ここが愼範さんが矢倉富康さんだという事がハッキリすればですね。
ここをきっかけに何とか切り込んで行きたいというふうに思っているわけでございます。

我々何度も何度も言っておりますし、是非皆さんにもご協力をいただきたいんですが、この問題の解決と言うのはですね。
話し合いでは絶対に解決できません。
話し合いをするにしてもそこに、力の裏づけが絶対に必要になります。
日本がですね、その力を行使するという裏付けなくして、この問題は絶対に解決できません。
そんなちょこっと話し合いをしただけで、彼らが帰ってくるくらいであれば、大体拉致なんかするわけが無いはずでありまして、こういう状態の中で拉致が起きまして、そして返して来ない。
この間の北朝鮮の外務省の備忘録なんてのを見ればですね。
読んでいくと日本が悪いんじゃないか?と思えて来るような内容でございます。

そういう相手から取り返すためにはですね。
ふざけた事を言ったらば張り倒すという力が必要でありまして、それをやはりやっていくのは軍隊がいなければいけないと。
どこまで使うかは別としてですね。
やはりその裏付けが無いと問題解決しないと、私は思っております。

幸いここにもですね。
私含めまして3人予備自衛官がおりまして、そこにいる○○君と、上島議員とですね。
さらに今古賀議員の息子さんも予備自衛官補として訓練受けているそうですので、大分昔に比べて比率が高くなったなと言う感じが致しますので、我々はもう召集が来れば直ちにですね。
これを迷彩服に着替えて、北朝鮮に乗り込む覚悟でおりますので、そういう、もう絶対に取り返すんだという意思が向こう側に伝わればですね。
あの国は力しか信頼していないんですから、こっちが力を使うぞと言う意思があればですね。
向こうはそれに応じて来ざるを得ないという事でございます。

そういう意思を国民全体が持つ事によって今度はですね。
北朝鮮側だけでなくて他の国もですね。
日本と言う国に対して手出しが出来ないというふうに思うわけですね。
それが無かったら、いつまで経っても拉致被害者取り返す事が出来ないばかりか、日本と言う国は何をやっても大丈夫なんだと回りから馬鹿にされてですね。
更に被害者がでるという事は間違いが無いわけでございまして、我々はそういう意味でですね。
この決意とそしてそれをですね。
世論をバックに実行させていくと、いう事が絶対に必要であろうという事を思っている次第でございます。

色々ございますけども、本当にですね。
この拉致問題をこの10年間進展させて来たのは、他でもないここにお出での皆さんの熱意があったからという事でございます。
私はあともう少しのところまで来ているというふうにですね。
思っておりますので、もう少しの間お力を更に高めていただくことをお願いいたしまして、お話を終らせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。(拍手)

・・・・・・・・・・・
音声ファイル及びテキスト中に出てくる個人名は、プライバシーに配慮してあらかじめ削除をしております。
悪しからずご了承の程、よろしくお願い申し上げます。

|

2006年7月25日 (火)

■金正日は「合理的な考え方をする指導者」か

■金正日は「合理的な考え方をする指導者」か

              荒木和博

 安倍晋三官房長官が昨23日、横浜市内で行った講演で、4年前の9.17第1次小泉訪朝で金正日と会った際に「論理的な話のできる、合理的な考え方をする指導者との印象を持った」と語ったとの報道がなされていました。一瞬目を疑いましたが、特に否定のコメントもないようなので、やはりその通りなのでしょう。

 しかし、もし金正日が「論理的な話のできる、合理的な考え方をする指導者」であれば、北朝鮮はこんな惨憺たる状況にはなっていません。官房長官の発言が本心であるとすれば、これはとんでもない勘違いだと言わざるを得ません。あるいは、何らかの部分的解決に向けての動きが北朝鮮との間であるのかも知れませんが、現体制が存続する限り、拉致問題の完全解決はあり得ず、結局は拉致問題の棚上げにつながるものと懸念せざるをえないというのが正直なところです。

 金正日体制の存続を前提に、話し合いでやっていけば、未認定の拉致被害者の多くは見捨てられてしまいます。また、身寄りがない人であった場合など、曽我さんのように北朝鮮が勝手に出してくることは奇跡でもない限りありえません。また、外国人の拉致被害者の救出や帰国者・日本人妻、そして北朝鮮2000万国民の人権問題解決も、体制の維持を前提としている限り不可能です。

 これまで拉致問題に熱心に取り組んできた安倍長官ですから、このような餌をぶら下げて北朝鮮当局を釣出しておいて一気に潰してしまおうという策であろうとは思いますが、あと一歩で倒れるというときに救いの手を差し伸べるようなことにはならないことを願うのみです。

 北朝鮮相手にはアメリカ頼みでもだめ、専守防衛でもだめです。拉致問題を自国の戦争と位置付け、攻撃は最大の防御(もちろんこれは武力だけの意味ではありません)との原則の元に手を打っていくことだけが解決の道だと確信します。

◆―――――――――――――――――――――――――◆
この記事が参考になった方は、下記バナーをクリックしてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月 3日 (月)

■悪者は誰か

[調査会NEWS 383](18.7.2) より

                      荒木和博

 金英男さんとご家族の対面、そして記者会見等を受けて日本のマスコミではその矛盾点がクローズアップされています。お姉さんの英子さんのインタビューなども流されていますが、正直なところ、「こんな間違い探しばかりやってどうするのか」という思いがしてなりません。

 寺越事件の例を挙げるまでもなく、あのようなときに金英男さんが事実を話せるわけはなく、また、それを聞いたご家族が、「英男の言葉は嘘だ」と言えるはずもありません。家族の思いからすれば何としても金英男さんを守ろうとするでしょう。北朝鮮当局のシナリオに沿って言わされているのは自明の理なのに、その矛盾ばかり突いていたら金英男さんやそのご家族が悪者になるばかりです。

 悪いのは拉致をした北朝鮮当局です。金英男さんにああいうことをしゃべらせている金正日体制に問題があるのであって、28年ぶりの再会で自分の感情を表現することすらできなかった彼に罪はありません。また、彼の発言をを否定することの許されないご家族でもありません。記者会見のときとうって変わって、お母さんとお姉さんを見送るときの金英男さんの顔は必死に耐えているようでした。あるいは彼の発言は、あえて矛盾を大きくし、自らが言わされているのだということを知らせようとしたメッセージかもしれません。

 ともかく報道される皆さんも、それを見られる皆さんも、本当に悪いのは誰かということをもう一度心にとめていただければと切に願う次第です。

◆―――――――――――――――――――――――――◆
この記事が参考になった方は、下記バナーをクリックしてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月21日 (水)

福留貴美子さん拉致事件を考える集い(4)

荒木和博 特定失踪者問題調査会代表 講演

~~福留貴美子さん拉致事件の本質~~

0000816m

ご紹介を頂きました荒木でございます。
今日はお忙しい中こんなにたくさんの皆さんお集まり頂きまして、本当にありがとうございます。

今、野村さんの話を聞いていてですね。
映画の話が出ましたんで、ふと思い出したんですが、私も実はその北朝鮮の映画を一回見に行った事がございます。
ずいぶん昔ですが、学生時代だったかな?渋谷にですね。
北朝鮮の映画を上映する映画館と言うのがあったんです。
確か、入場無料だったか千円くらい取ったか忘れちゃいましたけど、見に行きまして、観客私一人でした。(笑い声)
やってた映画はですね。
今でも覚えているんですが、「高圧線」と言う映画で、要は電気の技師がですね。
朝鮮戦争のときに米軍の爆撃から高圧線を守るためにですね。
その活動について描いた映画でございまして、これ、中々良く出来てですね。
正直言って私泣いてしまったという(笑い声)感動的な映画でありました。
で、私には幸いにしてその後お声はかからなかったんですけども、まぁそういうふうにして声の掛かった方はおそらくいたんだろうなと。

それからもうひとつ、これはまだ私が民社党の本部に勤めていたころですが、私の通勤経路がですね。
丁度歌舞伎町が通勤経路になっていまして、で、あるときですね。
もうだから20年位前かな?
仕事が比較的早く終わってですね。
ふらふらっと歌舞伎町の中を歩いていましたならば、こういう名前の看板がありまして、(後ろのホワイトボードに平仮名で「まだん」と板書する)これ韓国語がお分かりの方ならご存知と思いますが、広場と言う意味の韓国語です。
当時は今みたいな韓流ブームでも何でもなかったものですのでね。
こんな看板なんか殆ど見た事がなかったので、ふらふらっと入っていきました。
スナックでございました。

カウンターで飲みながらですね。
話をしてて、何でそうなったのか?今になるとよく思い出せないんですけども、マスターがですね。
おもむろに名刺を出してきました。
その名刺になんて書いてあったかと申しますと、(ホワイトボードに「統一革命党日本代表」と板書)「統一革命党日本代表」というこれは北朝鮮の工作機関ですが、この文章が突然出てきたもんですでね。
おそらく一体なんで入ったか?と言う話になって、韓国のこととかやっているという話をしたからじゃないか?と思うんですが、さすがに私もビックリしましてですね。
しかしまぁ、相手がそれを出して来たんだから、こっちも名乗らないわけにはいかないと思って、「いや俺は民社党本部の人間だ」という事を言って(笑い声)申しました。

そしたらそこに、これは名刺を出したのはマスターなんですけども、ママさんがいましてですね。
その人がいろいろ良くしてくれまして、それから数回行ったんですが、後で聞いたらこのママさんが、マスターは余りたいした問題じゃなくて、この人が大物の工作員と言うかエージェントだったという事が後に分かりました。
で、ふと今から考えてみるともしですね。
あの時、酒の中に薬でも入れられたらですね。(笑い声)
それでおしまいですね。
私だから、仕事終わって一人でふらっと帰ったわけであって、職場の同僚ももちろん分からないと。
で、家族ももちろん知らないと、いう所でですね。
入った飲み屋でそこで飲まされて、後はどこかへ行っちゃったという事であればですね。
誰も気が付かない事である。

その後私もですね。
性懲りもなく何回もその店へ行ったもんでですね。
そうすると今度はもし例えばそこの店に行ったという事が分かったとすると、今度はいやあいつはおそらく北朝鮮の事が好きになって自分で行ったんじゃないか?というふうにですね。
なってしまった可能性も、これも当然ある、と言う事でございます。

で、この名刺なんか出したのはたいした事無いんですが、そこのママさんがやはり大物でですね。
大物だっただけに結構ちゃんとした人でですね。
その後、もう亡くなったと聞いていますけども、いろいろとお付き合いと言うわけじゃないですけど、店には行ったりしたという事がございました。

で、今日は焦点となっていますのは福留貴美子さんの事で、先ほど川添さんのお話の中に、警察がどういうふうに認識をしているか?と言うことについてのお話がありました。
これはですね。
この中にもおそらく神奈川県警の方なんかおられるのかな?
まぁ警察の認識としては、さっき川添さんが言ったように自分で行ったと。
そして逃げられたのに逃げなかったと、いう事でこれは拉致だと認めていないという事、ですね。

この2月の日朝の実務者協議のときに、福留さんの名前を出していると言うのは、これは実は警察に相談しないで外務省がやった話です。
だから外務省はですね。
警察からの追求を避けるために三十数名と言う言い方をしています。
実際は1000番台リスト34名に、小住さんと福留さんを入れて36名なんですが、これを三十数名というようにぼかしているのは、この福留貴美子さんとそれから警察が死んだと言うことにしている山本美保さんの二人が入っているから、と言う事でございます。

この福留さんの事件と言うのは、非常にある意味でいうと象徴的な事件でありまして、一体拉致の本質は何か?と言う事を考える上でですね。
それは非常に重要な事件です。
と言いますのは、拉致と言うとやはりですね。
海岸を歩いていたらば無理矢理捕まえられて、そして袋に詰め込まれて船に乗せられたと、いう事でですね。
連れて行かれたというふうに思われるイメージが非常に強いと。
しかし、実際にはですね。
そういうケースはそれほど多くはない、と思います。

今日は家族会の増元事務局長がお見えですけども、増元るみ子さんなんかの場合はですね。
やはり市川さんとデートに行ってる時にやられたと言う事で、その可能性が一番近い人ですけども、しかしその増元さん・市川さんのケースでも市川さんは電電公社の社員でしたが、電電公社とか電話の関係者でいなくなってる方が多い事を考えますとね。
その場で行き当たりばったりではなかった可能性と言うのも存在をする。

一番可能性として高いのは横田めぐみさんですとか、おそらく横田さんの場合でも全くたまたま出会いがしらと言うのではなくて、若い女性を連れてくるという指示があって待ち構えていて網に引っかかったと言う事は最低限あるんでしょうが、そこから段々段々ですね。
グレーゾーンに向かっていくんですね。

一番のグレーゾーンと言うのはやはり自分で北朝鮮が好きになって入ったと。
しかし戻れなくなったと、いうことです。
これはある意味ではよど号の妻たちでもそうです。
よど号の妻たちでも彼女たちは大部分は北朝鮮にですね。
もちろん自分の意思では行ってますけど、まさか向こうでよど号グループと結婚させられるとは想像していない。
で、行ってみたら無理矢理くっつけられたと。

これもいろんな話があるんですが、どうもですね。
相当無茶な事をされた・相当酷い事をされたらしいと言う話も私聞いております。
そういう中でも他に選択がなくなって結婚をしたと。
で、しかし結果的にはですね。
本人たちがその気になったから、あれは拉致ではないということなんですが、彼女たちだってもし向こうに行ってからですね。
「こんなはずじゃなかった」と「私たち帰る」と言ったら間違いなく拉致になります。

福留さんはやはりそこに近いグレーゾーン、だと思いますね。
自分の意思で北朝鮮に入った事は、まぁ間違いが無い。
そういった意味では有本恵子さんとか、松木さん、石岡さんなんかと同じケースになります。
しかし、そこでず~っと暮らす事になるとはおそらく思っていなかった、いう事でですね。
拉致と言うのはそこまで全部ひっくるめないと、いけない。

そうすると更に言えばですね。
この自分の意思で入ってそして出られなくなった拉致と言うのはですね。
もうほとんど境界線の無いくらいの先には、今度は帰国運動があるんですね。
帰国運動で、確かにそれは自分達で決めて北朝鮮に行ったと。
しかし、すぐにですね。
帰国運動の時は1年か2年したらば里帰りできると思って行ったらば、全く出られなくなってしまったと、いうようなことがある。
これは殆ど境目が無いに近いぐらいの状態でその向こう側にはこれがある。
ず~っと、これグレーゾーンなんです。

この間に更に今はほとんど問題になっていませんが、在日朝鮮人の拉致被害者と言うのがやはりいます。
このケースもですね。
やはり、例えば工作船なんかを使って不法に出国したと言う可能性はある。
しかし本人たちは戻ってくるつもりだったのが戻れなくなったとかですね。
そういうケースが相当ある。

だから拉致と言うのはですね。
バシッとですね。
ここでもうこれは拉致です、これは違いますというふうに割り切れる物ではなくて、凄くですね。
非常に複雑だと、いうことです。
それを是非考えておいて頂きたい。

それから福留さんのケースでやはり日本に戻って来たと、これが警察が拉致を認定しないひとつの大きな理由なんですが、これは先ほど川添さんが言ったように、子供たちを残して来ているという事でですね。
無茶な事は出来ないと。
尚且つ、例えば警察に駆け込んだところでですね。
警察がその時相手にしてくれたかどうか?と言う事も疑わしい、と言うことであります。

レバノン人の拉致被害者ですね。
彼女たちも、北朝鮮の当局はベオグラードに出す時に、「お前たち、もし逃げ込んだってレバノンの大使館にだって俺たちの仲間はいるんだぞ」と言うような事を言っていたと、言う事でですね。
当然「警察にだって仲間はいるんだ」とか言ってたでしょうし、そうするとそこでですね。
勇気を出してそういうことが出来るか?と。
ひとつ間違えたらば、自分の命が無いかもしれないと、言う事があったということでありまして、これも重要な問題として、考えておかなければいけないわけです。

向こうに行ったというのは、基本的には向こうが何か使おうと思ってるわけですから、当然何かしらの工作活動に従事している可能性は十分あります。
だって例えばですね。
今帰っている蓮池薫さんなんかにしたって、全然喋らないですよね?
喋らないどころか彼が出してくる情報の中には、どう考えてもですね。
何らかの目的を持って出しているとしか考えられない情報が決して少なくは無い、わけであります。

こういう事が彼の耳に入ると彼は相当敏感になるんだそうですけども、この間金英男さんのご家族が行って会ったときも、金英男さんのご家族は今まで聞いていた事だけだったと非常に失望されたと言う事だそうですが、実際おそらくそうなんだろうと言うふうに思います。
今でも例えば地村さんなんかは毎日のように柏崎に電話して指示を仰いでいるという話であって、蓮池薫がコントロールタワーをやっているだろうと言う事は、もうみんな公然の秘密みたいな物でありまして、誰も言わない。
ある意味で言うと子供たちが帰ってきたら喋るんじゃないか?と思っていた私たち自身の期待も裏切られて、そして子供たちが帰ってきたら尚の事喋らなくなってしまったと、言うのが残念ながらその事実であろうと言うふうに思います。

かといってじゃあ、彼らをですね。
全面的に非難できるか?と、今喋ってくれない事については私は様々な思いがありますけども、しかしですね。
彼らが喋らないのは、ただ単に北朝鮮に対して忠誠心を持っているから喋らないと、いうことではやはり無いと思います。
ある意味で言うとドメスティック・バイオレンスみたいなものでですね。
恐怖感からは絶対に抜けられないと。

彼らのところに書いた手紙では、私は「戦ってくれなければ絶対にその恐怖感からは逃げられませんよ」と言う事を書いたりしたことがあるんですが、そういう事を書いたら何か脅迫状が来たとか言う事をですね。
言われてしまっていますので、まぁ相当嫌われているんでしょうけども、しかし現実問題としてはやはり彼らの恐怖をですね。
つかさどっているあの体制が潰れない限りは、どうやってもですね。
彼らがその恐怖感から逃げる事はできません。
だからそういう意味では、彼らが今やってることについて、100%の非難は出来ないと。
もちろん喋ってもらわなければいけませんし、もっと無理をしてでも喋らせなきゃいけないと私は思いますが、そういうことはある。

だから拉致被害者が何となくイメージとして、無理矢理つれて行かれて、何とか日本に帰りたいと思ってですね。
ただじっとしていると言うふうに思うイメージを思い描いていると、後でおそらくそれと現実のギャップがですね。
相当違った物が見えてくると。
その時に我々騙されたとか言う事をですね。
なってしまうと、これは拙いです。

そうじゃなくて、ああいう国の中にいるんですから、当然そういうことをさせられたと言う事はあるわけで。
それが例え半分くらい本気で彼らがやっていたとしても、それをですね。
最終的に我々は全て悪事を働いていたと言うような見方をする事は出来ないであろうと、言うふうに思うわけでありまして、その点をどうかご理解を頂きたいと思います。
福留さんの事件はまさに、そういう事件のひとつの象徴であります。

で、特に彼女の場合はですね。
私も救う会の事務局長をやっていた時代から彼女の事には関わっておりまして、高沢皓司さんと一緒に高知に行ってですね。
お母さんご存命のうちに2度お会いした事があります。
あのお母さんはですね。
前に日比谷の全国集会に一回来ていただいた事がありますが、本当に見かけは田舎のおばあちゃんですけども、物凄い記憶力の良い人で、凄い頭の良い人だなぁと、私よりよっぽど良く物を覚えている人でありました。

お母さんの言った事で非常に印象に残っているのは、あの時よど号グループの関係者が何とかしてその孫をですね。
貴美子さんの娘さんたちの事で結びつきを持って、そして福留貴美子さんの死亡届を出させようとしていたと。
その時に、お母さんが言ってたのは「私が骨で、そして貴美子は肉なんだ」と「そして孫たちは皮である」と。
「皮と骨は直接繋がらないで必ず間に肉がなければいけないので、貴美子の事が分からないのであれば、それは分かるまでやらなければ、そこで妥協すると言う事はできない」と言う事を言っておられました。

そういうお母さんですから、かなりしっかりしていたという事もあり、相手側もですね。
相手側と言うかよど号グループの関係者、この中にも誰かしらいるんでしょうけども、相当神経を使ってました。
ひとつ前に言われてびっくりしたのは、ご存命のときにですね。
福留さんのお母さんが一回ですね。
何か目の病気で隣町の病院に数日間入院した事がある。
数日で帰ってくるんで近所の誰にも言わなかったと。

で、郵便局にだけ「手紙をちょっと止めて置いてください」とか何とか言ってたらしいんですが、そして帰ってきてからしばらくしてからですね。
北朝鮮のよど号グループから、その病院気付でですね。
お母さん宛に手紙が届いたという話をしてました。
ですからどこでどういう事をしているのか?と言うのをですね。
チェックしている人間がいるんだなぁということが分かったわけで、あんな本当に田舎なんですけども、そこでもそういう事をやっていたという事であります。
だからこそ、そういう一応ネットワークがあるから、そう簡単に帰国したからと言ってそこでパッと逃げ出せるということでは無いと言う事をご理解を頂きたいと思います。

政府が認定しています11件16人というのはですね。
これ結局、我々も古川了子さんの訴訟で認定の基準の問題なんかをやってるんですが、要はですね。
認定の基準なんか何も無いんです。
たまたまマスコミが騒いだとかですね。
それから工作員が捕まって自白したとか、そういう事でやってるだけで、それ以外の物は無いと。
そこに一生懸命ですね。
屁理屈を付けて、認定の基準はこうだとかああだというような事を言うから、返って話がおかしくなる。

所謂その警察の捜査のやり方でですね。
そして認定できる人間なんてそんなにおそらくいないだろうと、言うふうに思います。
しかし問題は、じゃあ警察の判断で認定できる人間がいないから、じゃあみんなそのままで良いのか?と。
あいつは自分の意思で行ったんだよと言うことだけでですね。
済ましてしまえるのか?と。

非常に不謹慎ながら、私は時々例えで使うんですけども、「踊る大走査線」でですね。
青島刑事が公安の刑事だったとしてですね。
人がいなくなる失踪事件を追っかけると。
で、「いやあの人は拉致されたことに間違いがありませんよ」と言ったらですね。
所長と副所長と